国会活動
2016.4.4行政監視委員会「子宮頸がんワクチン問題について」TPPのISDS条項で訴えられる?!
2016年04月06日
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資料⇒ CSIS資料
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
子宮頸がんワクチンについて質問いたします。
先週の水曜日、3月31日、子宮頸がんワクチンの重篤な副反応に苦しんでいる少女たち、国と製薬会社を相手に今後、損害賠償請求の訴訟を提起するという記者会見がございました。
ワクチンを接種するまでは健康で明るい学校生活を送り、輝かしい未来を夢見ていた少女たちが、ワクチン接種後に突然の強い痛み、けいれん、記憶障害、歩行困難などに襲われ、車椅子になったり、つえがないと歩けなくなったり、そればかりでなく簡単な計算もできなくなったり、突然記憶を失ったり、親の顔も思い出せなくなったり、学校に通うどころではなくなりました。将来さえも描けない悲惨な状態に陥ってしまっていると。
今からちょうど三年前、2013年の4月1日から改正予防接種法によって子宮頸がんワクチンは法定接種になった。すなわち、自治体には接種義務、対象者には努力義務、こうなったわけですよね。
その更に三年前の2010年11月から、厚生労働省のワクチン接種緊急事業による公費助成で、これまでに約338万人の少女たちがワクチン接種を受けてきた。しかし、2013年6月14日、法定接種となってから僅か2か月余りで、この子宮頸がんワクチンは勧奨中止、すなわち積極的には勧めないということになりました。
塩崎厚生労働大臣にお伺いいたします。
厚生労働省が現在、子宮頸がんワクチンを勧奨中止にしている理由は何なのか、明確に御説明ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) HPVワクチンの接種後に起きた症状、これは接種との因果関係が必ずしも明らかではない、いわゆる有害事象ではございますけれども、長期に苦しんでいる方々がいらっしゃるということは、これ非常に心を私どもも痛めているところでありまして、私も4名の接種を受けられた子供さんにお会いをさせていただきました。こうした方々に寄り添って支援を行うということが何よりも重要だというふうに考えております。
HPVワクチンにつきましては、平成25年4月から定期接種化されたわけでありますけれども、副反応が疑われる症状としては、いわゆるアナフィラキシー、ギラン・バレー症候群などが想定をされていましたけれども、予想外の広範な慢性の疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状が接種後に見られたという報告が、平成25年6月の段階で338万人のうち38例ございました。このため、平成25年6月の副反応検討部会での議論を踏まえまして、この症状の発生頻度などがより明らかになり、医療機関や国民に適切に情報提供できるまでの間、一時的に定期接種の積極的な勧奨を差し控えるべきと判断をしたところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
子宮頸がんワクチンの法定接種、これが衆議院本会議で採決されたのは2013年3月22日でした。塩崎大臣、当時、この法案の採決には賛成されましたか、反対されましたか。賛成した、反対した、事実関係だけ短めにお答えいただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 賛成したと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
別にこれ、賛成した大臣をつるし上げようという意図は全くございません。ただ確認だけです。
この法案の採決に反対した国会議員というのが、当時ですね、衆参722人中たった1人でした、1人。私が言いたいのは、人間完璧じゃないんだって。当然ですよね。間違うこともあるって、これ当たり前です。これ、政治家も同じですよね。政治の決定によって被害が生まれた可能性が少しでもあると考えるなら、全力で被害者の救済を行うんだという強い気概、誠意を持っていただきたい、それだけのことなんです。特に法定接種に賛成した717名の方々、そして4名の棄権した方々、国会議員の先輩方には被害者救済に全力を尽くしていただきたい。
厚生労働省に伺います。
子宮頸がんワクチンにはどのような副反応があるのか、先ほど大臣、一部お答えくださいました。本当、端的にお願いいたします。サーバリックスとガーダシルの添付文書の内容と、昨年9月17日、厚労省の副反応追跡調査の結果から簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
HPVワクチンの添付文書には副反応と疑われる重篤な症状としてアナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、血小板減少性紫斑病などが記載されております。
また、医療機関及び製造業者、販売業者から報告された副反応疑い報告のうち重篤な症状として多かったものは失神、発熱等でございました。
また、26年11月までにHPVワクチン接種後の副反応疑いのあった2584人の方のその後の状況を私ども厚生労働省で追跡調査をしたところ、様々な部位の痛み、だるさ、運動障害が見られた方が、調査時点でまだ未回復という方が186人いらっしゃるという結果でございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。
予防接種法では医療機関に副反応の報告を求めているんだと。製薬企業からの副反応報告は改正薬事法68条の10で義務付けていると。とにかく、厚労省、そういうところから情報を得て追跡調査をしているんですよね。しているといっても、製造販売業者と一部の医療機関から報告を受けたものですから、特に加害者側とも言える販売製造業者から詳細な報告があるとはなかなか思えない。
大臣に短くお答えいただきたいんです。もっと踏み込んだ追跡調査、本当はやるべき本ワクチン接種者全員に対する追跡調査、これ、やる気がありますか、ありませんか。現在、副反応で人生を奪われた被害少女に対する救済、何よりも優先して行う気がありますか、ありませんか。この二点について大臣のお気持ち、あるのかないのか、お聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、先ほど調査をしたということを申し上げましたが、これにつきましては、平成26年11月までにHPVワクチン接種後の副反応疑いの報告があったのが、先ほど数字が出ましたが、2584名おられて、それを追跡調査をしたわけでございます。その結果、昨年の九月時点でなお様々な症状に苦しんでいる方が186名おられるということを先ほど申し上げたとおりでありまして、全体では338万人の方々がお受けになったわけであります。
この2584人のうちの約6分の1に当たる442人の現状しか厚生労働省は把握していないという一部報道がございましたけれども、2584人全員について可能な限りの状況確認を行っております。この結果、病院が変わって、転居したりという理由で追跡不能だったのが845名おられましたけれども、それを除けば1739名全員について症状が回復したかどうかの確認をいたしたところでございまして、今回の調査をまずこれを基本として、なおかつ私どもは今疫学調査をやらせていただいているところでございまして、この疫学調査につきましては、海外と異なって日本では、ワクチン接種後に生じたとされる症状と同様の症状があるいは疾患が接種していない状態でどのくらい生じているのかについての疫学的データが実は不十分なんですね。
これがございまして、今回、HPVワクチン接種後に生じたとされる多様な症状に関する疫学調査を実施をしなければならないということで、もう既にこれには着手をして、今鋭意調査をしているところでございます。私どもとしては、昨年9月に救済、これは従来からの救済制度の基本的な考え方にのっとって速やかに救済に係る審査を再開をいたしております。
医療については、先ほど申し上げたように、これはもう今まで県に一つぐらいしかなかった協力医療機関に加えて、協力医療機関と連携をして患者の方々への相談、診療を積極的に行う医療機関に対象を拡大をいたしました。つまり、寄り添う医療について充実を図るということをやっておりますし、さらに、大事なことは、今まで学校に行っていらっしゃる方々がほとんど学校でのお世話が十分行き届いていなかった、あるいは医療との連携ができていなかったということがございました。そういうことで、昨年の11月に、患者、保護者からの学校や医療など多様な相談に対応するための都道府県の衛生部門と教育部門の相談窓口を設置するということもやってきたところでございまして、私どもとしては、治療法を開発をする、これに関しては、この間、研究班での現時点での治療成果を情報提供するために行った3月16日の中間的な成果発表会というのがありましたが、その発表がややミスリーディングでありまして、脳障害を起こした患者の8割が同型の遺伝子を持っていた旨の報道が一部なされましたが、この発表については研究途上のものであって、HPVワクチンと脳の症状との因果関係を解明したものではないということであります。
したがって、今何よりも私どもとして大事なのは、この疫学調査を我が国できちっとしたことを初めてやるということをやることが大事であって、この後に、この研究の成果、そしてまた、更なる科学的知見の収集を行った上で、科学的な判断で、科学的な観点から総合的、合理的な判断をしていくべきであろうというふうに考えております。
○山本太郎君 なるほど。疫学調査まだされていないんだ、それをもっと深めていく必要があるんだと。そして、因果関係、その先ですよね、疫学調査の先にあるんですもんね、因果関係をはっきりさせるまでには時間が掛かるんだということを大臣今おっしゃったわけですよね。そういう認識でよろしいですか。よろしいかよろしくないかだけお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 時間が掛かることはそのとおりでありますし、なおかつ大事なことは、その間の治療をちゃんとやっていく、寄り添う医療が十分ではなかったということを私どもも認めながらそれを体制を整えているということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。本当にたっぷりと時間を使っていただいて、厚生労働省のスタンスというものをお知らせいただきました。
子宮頸がんワクチン、サーバリックスの日本での承認が2009年10月、その直後、2010年2月26日当時、塩崎大臣は、自民党本部で設立総会が開かれた自民党のワクチン政策に関する議員連盟、すなわち自民党ワクチン議連の幹事長でございました。2010年4月24日には、「子宮頸がんワクチンに公費助成を」というタイトルで「やすひさの独り言」というメールマガジンを発行されています。そこには、一回の原価が1万2千円のワクチンを3回接種すればよいと、ワンクール平均5万円前後だから、必要予算は約200億円程度で済むと書かれてあります。
子宮頸がんワクチンの自民党の推進議員連盟の幹事長さんが、現在、直接権限のある厚生労働大臣になられたわけですよね。まさか、塩崎大臣、この子宮頸がんワクチン、何としても大臣在任中に勧奨を再開しようということを考えられているわけじゃないですよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) ワクチン行政はやはり科学で判断をしていかなければならないというふうに思います。したがって、先ほど申し上げたように、日本ではインフラも十分整っていないこの疫学調査を初めてやるということをまずやり、それに加えてその他の科学的知見を収集をして、その上で科学的な観点に基づいて総合的な判断をしていかなければならないと、初めから何か答えがあるということではないということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございました。
少しちょっとうがった物の見方というか、してしまった部分もあるかもしれません。失礼しました。しっかりと、しっかりと治験を積み重ねた上でその判断をしたいと、答えがあるわけじゃないんだ、先に、ということをいただきました。
ワクチンと一言で言いましても、いろんな種類がございます。その中で子宮頸がんワクチン、副反応被害、ほかのワクチンと比べて群を抜いて多いです。平成25年5月16日、副反応検討部会の資料によると、インフルエンザワクチンの副反応、100万接種当たり6.4人、Hibワクチン、100万接種当たり59.2人、子宮頸がんワクチン、ガーダシルの場合は100万接種当たり155.7人、子宮頸がんワクチン、サーバリックスの場合、100万接種当たり245.1人。
私は、この子宮頸がんワクチンの問題、TPPの問題に直結していると思うんですよね、非常に危険だと思っています。
内閣官房TPP政府対策本部にお伺いします。
TPP協定発効した場合、子宮頸がんワクチンの製造販売会社であるイギリスのグラクソ・スミスクライン、アメリカのメルク、日本政府の勧奨中止に対して、TPP協定の中のISDS条項、すなわち投資家対国家の紛争条項を使って、日本政府に損害賠償請求することが可能になると、以前、説明を受けました。それでよろしいですか。よろしいか、よろしくないかだけお答えください。
○政府参考人(澁谷和久君) ISDSで訴えることができるのは、TPP協定に締約国が違反したと投資家が判断する場合でございます。特定の医薬品について勧奨する又はしないということに関して、TPP協定に明示の規定は存在しておりませんので、仮にISDS条項で訴えられたとしても訴えが認められることは考えにくいと思っております。
○山本太郎君 非常に小さなお声でお答えいただいたというところは余り自信がないのか、若しくは何かを隠されているのかなとうがった見方をしてしまうんですよね。
TPPとその肝であるISDSに対して、非常に認識が甘いんじゃないかというふうに考えてしまうんですよ。要は、やめさせよう、要は、我が国の国民にとって健康にとって良くないと、こちらにはしっかりとしたそういう言い分がある。けれども、ISDSで訴えられた場合、その因果関係をはっきりと立証させなきゃいけないんですよ。因果関係立証できるようになるまで時間が掛かるでしょう。原因がはっきりと科学的に示せるまでには時間が掛かるじゃないですか。
先ほど、塩崎大臣自身がお認めになりました。時間が掛かる、そのとおりだと、それを立証するまでの間にも被害が広がると。原因がはっきりと科学的に示せるまでには時間が掛かる、でも、立証するまでの間にも被害が広がって救済が遅れる可能性があることを鑑みて、予防原則に立った判断を下しますよと、国はワクチン接種をやめますということが、この先、難しくなるんじゃないですか。たとえそれがこちらにとっては正当な目的であったとしても、厳密な立証がされていなければ、因果関係はっきりと立証できていなかったら、ISDSやられるんじゃないですか。
今、手挙げなくていいですよ、そんなの。だって答え持っているわけないじゃないですか。附属文書を合わせて、全部テキスト合わせて6千ページ読まれたかもしれないけれども、その間の交渉過程読んだんですか。4年間、みんなにばらさないという、4年間のその交渉過程を読んでいるんですか。曖昧としたものの内容の中にも、こういう危険性があるということが見えるけれども、その交渉過程が読めていなかったら分かるはずないじゃないですか。言い訳しても無理なんです。危険性を言っているんです。勧奨中止の期間を遡って、得られたであろう過去の利益に対する損害賠償請求とワクチン再開突き付けられること、おそれ、かなり大きいですよ。常に立証責任が付きまとうのがTPPですよね。
塩崎大臣、恐らくグラクソとかメルクとか世界中で勧奨中止になっているのは日本だけだぞと、WHO、世界保健機構、再三にわたって日本政府にも勧奨再開勧告していますよね。日本政府の措置は不当だと主張し出すと思うんです。
皆さんのお手元の資料にもお配りしてあります。パネルにしてあります。こちらです。(資料提示)
集団的自衛権の行使、原発再稼働、TPP、特定秘密保護法、防衛装備移転三原則、掃海艇のホルムズ海峡への派遣、シーレーン防衛、自衛隊と米軍の全面協力、PKOの法的権限拡大など、あらゆることを日本に要求して、安倍内閣はそのまま完全コピーしたと言われる、その全てを受け入れて実現してしまったと言われることで有名なあのアーミテージ・ナイ・レポート、これ、発表したCSIS、戦略国際問題研究所、2014年と15年の二年連続でこの子宮頸がんワクチンについて日本政府に勧奨再開を求めるレポートを出していますよね。
お配りした資料の中にあります。2015年版のCSISレポート、結論には、日本政府の効力の乏しい措置やトップレベルでの政治リーダーシップの欠如、更に多くのワクチン反対派関係者の活発な活動を加速させるだけである、先鋭化するこの問題は社会的、政治的要因に根差しており、解決には現政権の首脳陣による政治リーダーシップが不可欠であるとまで書いてあると。しかも、この2015年のレポート、下を見ていただくと、御丁寧にも子宮頸がんワクチンを製造するメルクのサポートで作られたと書いてあると。いかにこのシンクタンクCSIS、大企業側に立った存在かがよく分かると。
塩崎大臣、このような状況で、メルクとかグラクソとか、ISDS条項で数百億にも上るような損害賠償を請求されたとしたら、日本政府はどのような対応をなされますか。短めにお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 恐らく、いきなりそういうことが直接行われることはなくて、先ほどの例えばTPPの中のISDS条項で訴えられるとか、そういう形で起こり得るということを想定をされているのかなというふうに思うわけでありますけれども。
先ほど話がありましたように、TPP協定では、各国の健康などの公共の福祉に係る正当な目的のための合理的な規制を行うということについては全く妨げているわけではないわけですね。妨げられないわけであります。それから、内国民待遇などの投資章の一部の規定に適合しない措置を将来採用したとしても協定違反とならない分野を附属書の二の表に記載をしておって、我が国は社会事業サービスを包括的に留保しているわけでありますから、その対象にHPVワクチンの積極的勧奨の中止などの対応も含まれているわけであります。今回の措置については、専門家の意見を聞いた上で私どもが決めているわけでありますので、これはTPP協定によって損害賠償を求められたりとかいう心配は私どもはないというふうに考えています。
仮に今回の措置に対してISDS手続による仲裁が提起をされるようなことをするところがあるとしても、これらの点を踏まえて私どもとしては適切に対応をしていくだけだろうというふうに思います。
○委員長(礒崎陽輔君) 山本君、時間が来ております。
○山本太郎君 はい。
上訴手続もできない、そのような状況に追い込まれていくと。何よりも、TPPも問題ですけれども、この被害少女たちに対しての救済、一刻も早く、そして多く、そして三百万人を超えるような人たちに対しての追跡調査、是非責任を取ってやっていただきたいです。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
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