山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


 

○山本太郎君
れいわ新選組、山本太郎と申します。
先生方、非常に勉強になるお話ありがとうございました。順にお聞きしていきたいと思います。
まず、高村先生の方に。「異次元エネルギーショック」収録の論考において、再エネ導入拡大によって、林地や斜面地での開発、近隣住民との協議、合意形成を欠いた事業の展開などによって地域でのトラブルや反対も生じているとして、地域主導、地域共生型の再エネ導入を促進するには開発前段階でのゾーニングが効果的だという提言をされています。
本法案にはそういった考え方がどの程度反映されているとお考えになられますか。

○参考人(高村ゆかり君)
山本先生、どうもありがとうございます。
事業を、実際に再生可能エネルギーが地域で行われるときにどこで立地をされるかと、されることが地域として望まれないところを排除をし、むしろこちらで事業を展開してほしいということを特定をしていく。様々なこのゾーニングの取り組みありますけれども、今回、温対法の改正の中であります促進区域というのは、それを基礎自治体の主導で、そして今回の改正では都道府県も共に行うことでこうしたゾーニングを行っていこうという、そういう施策の1つというふうに理解をしております。

○山本太郎君
ありがとうございます。
この法案ができていくことによってそれが随分と前に進むというイメージは、先生の中、持たれますか。

○参考人(高村ゆかり君)
ありがとうございます。
都道府県の関与というのは、間違いなく基礎自治体の促進区域の設定を後押しする1つの条件だというふうに思います。
他方で、これまでの議論でもございましたけれども、基礎自治体がしばしばやはりその人材が足りていない、あるいはそれを実際に行う知識の点で専門知識を不足している、それを行うための財源といった障壁を抱えているということも事実であります。
したがいまして、こうしたやはり都道府県と連携した国の支援というものを進めていくということが、実際にその促進区域の設定を進めていく上で極めてやはり重要だというふうに思っております。

○山本太郎君
ありがとうございます。
都道府県というところに広がっていったという部分に関しては評価ができる、これによって少し前に進む可能性は大きくなったけれども足りないものがあるんじゃないか、そういうお話だと思います。
ありがとうございました。
山岸先生にお聞きしたいと思います。
「地域分散型エネルギーシステム」という本に収録をされておりました脱炭素化における地域分散型エネルギーシステムという論考の中で、地域分散型で再エネを進める事業について、対策と取り組みを講じる主体も、中央偏重から地域に根差す主体に移るという意味で地域分散型化が進むことが必要という主張をなされております。
地域主体で進めていく際、財政基盤、マンパワーが盤石でない自治体では難しいことも想定されると思います。政策と取り組みの主体を地域に移しつつも、国から財政的、人的支援をすることの必要性についてどうお考えになられますか。

○参考人(山岸尚之君)
ありがとうございます。
本日の意見の中でも少し言及をさせていただきましたけれども、ここについてはやはり経済的な支援は必要かなと思っております。
加えて、別の、加田議員へのご質問に対するお答えの中で申し上げましたけれども、やはり地域で検討する際に必要な専門性、キャパシティーの支援というのをすごく大事だと思っております。やはり、生物多様性の観点で何が大事なのかを検討できる人、そしてエネルギーの観点からもそれを検討できる人、いろんな方面でのキャパシティーというものが本当に自治体の方、地域の主体の方だけでは難しいときもあるので、そのときにそっと横にいてサポートしていただけるような方を準備するというのがやっぱり必要かなと思っております。
比較的ちゃんとやっている欧州諸国の中には、地域でのシンクタンクみたいなものが存在していて、そこがちゃんと地域主体でのその再生可能エネルギーの推進に当たってもアドバイスができるような体制があったりします。日本ですと、やはり中央にシンクタンクはたくさんありますけれども、地域での問題に取り組むようなシンクタンクというのは実はあまりなかったりしますので、そういったところが課題になっているところはあるかなと思います。

○山本太郎君
ありがとうございます。
地域で広げていけるというきっかけにはなる、けれども、お金が足りていないんだ、いろんな知恵が足りないんだという悲鳴は恐らくもう上がっている状況だと思うんですね。今回に関して、そこへの財政措置というのははっきり言ったらないに等しいということを考えるならば、やはりそこは非常に重要なんだろうと。
一方で、ちょっと今の前提とはずれてしまうんですけれども、ここから政府が目覚め出して、今言われているようなシンクタンクを地方にとかですね、それだけじゃなくて、とにかくリソースを更に割く、人、金、物を更に割こうじゃないかという大胆な転換、なかなか考えづらいですけれども、そのような目覚めがあった場合の問題としてちょっとお聞きしたいんですけれども、中央から地域への財政的、人的支援は、反面、独立性とか裁量権への干渉を生じさせる懸念というものも考えられるかなとは思うんですね。
どういうような仕組みがあれば、必要な支援は供給することができて、干渉を防止できるというふうにお考えになられますか。

○参考人(山岸尚之君)
ご指摘大変深いご指摘で即答できる回答は残念ながら持ち合わせてございません。
ただ、やはりあまり、やはりそのお金を出すときの条件の付け方だと思っております。やはり、その地域の側で判断できる余地というか、部分を大きくしていかないと、中央からのこれがなければこのお金は出ませんという部分が大き過ぎてしまうと、そこに自主的に考えるハンドルの余裕もないですし、それから自主性も失われていく可能性がありますので、そこが鍵になってくるのかなというふうに直感的には思います。
すみません。

○山本太郎君
ありがとうございます。
この件に関しましては、その財政措置みたいなものは今の分野、今テーマになっているか、今やり取りさせていただいたことに関してなかなか投入されないという現実はあるんですけれども、ほかの分野に関しては結構お金を出すということはされることもあるんですよね。でも、そこにはやはり何かしらひも付けというか、裁量という部分には任さずに、これに限ってみたいなやり方が随分見られているので、そこら辺の自由度を高めていくということはこれが自主性につながっていくんだというお話だと思います。ありがとうございます。
深草先生にお聞きしたいと思います。
「日本のインフラ輸出がもたらす環境破壊と人権侵害」論文で、日本が支援する開発事業やその政策の運用状況について、市民の目を入れた形でのモニタリングの仕組みが必要であると、そのように指摘をなさっております。
一方、再エネ導入をめぐって日本各地でトラブルが起こっている現状というのは先ほどからお話が、アジアの市民の皆さんたちが声を上げているようなことであったりとか、途上国開発で生じる問題というのと少し重なる部分もあるのかなというふうに思います。
そこで、市民の目を入れた形でのモニタリングをつくる、仕組みをつくる規定が、モニタリングの仕組みをつくる規定が本法案にどの程度反映されるべきなのか、実際どの程度反映されているとお感じになられるか、求める、深草先生がそういうものは非常に重要なんだと思われているものがこの法に反映されているかというような視点でちょっとお話をいただけると。

○参考人(深草亜悠美君)
ご質問ありがとうございます。
ご指摘の文章に関しましては、想定、まあ想定というか、問題にしていたのは、日本の公的金融機関等が支援を行って、海外で行うインフラ事業、そういった事業で住民の権利侵害ですとか土地収奪、そして適切な補償がされていないなどの問題がありました。
もちろん、国際協力銀行ですとかそういった銀行は、自身の環境社会配慮ガイドラインを持って環境や社会への影響を最小限にするということなんですけれども、特に法的拘束力があるわけではなく、かつそういった金融機関が事業者に偏ったヒアリングを行っているという問題意識で、市民の目からその公的支援が適切に使われているのか、現地でどのようなことが起きているのか、そういったモニタリングの体制が重要であるということを指摘したかなと思います。
おっしゃるとおり、日本各地でも、住民参画や住民の同意なく進められる事業というのは散見されると思います。共通するのは、やはり地域住民にしっかりと情報開示がされて、合意を得ているか、同意を得ているかということだと思います。そういったことは、ほかの事業でも、例えばCCSの法案でも、情報公開の十分さ、そして住民がどこまでその意思決定に参加できるのかというのは全体的に弱い分野なのではないかなと思いますので、改善が必要と考えています。

○山本太郎君
ありがとうございます。
同じ質問をほかの先生方にもさせていただきたいと思います。
市民の目を入れた形でのモニタリングができていくというのは、地域を守るためにも非常に重要なお話だと思います。
そこに多くの方々が異論はないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、一方で、そういった仕組みを作る規定的なものが本法案にどの程度反映されていると考えるか。
本当はこういうこと必要だよね、次はそこを頑張ってほしいなという希望的なものでもいいんですけれども、今の段階ではこれがちょっと薄いかな、抜けているかな、だからここをプラスしていくということが必要だよねというようなご意見がございましたら、ぜひ聞かせていただければと思います。

○参考人(高村ゆかり君)
ありがとうございます。
現在、国際協力銀行、それからJICAにおいては、環境社会配慮の手続が定められていると理解をしています。
これは、世界銀行、アジア開発銀行等も同様で、その中で事業について、支援をした事業についての現地の市民の申立ても受ける、そういう仕組みを作っていると思います。
こちら、今、JCM、2国間のクレジットのところで申し上げますと、意見陳述の中で申し上げました、これまで以上にやはり環境社会配慮を織り込んだ炭素クレジットのメカニズム、あるいはその排出削減量ということが国際的にも必要とされ、まさにG7の2023年の取りまとめは日本が主導して取りまとめた文書でもあります。そういう意味で、JCM、これから拡大に向けて、法改正、今回行ってまいりますけれども、その運用の中にしっかりこの質の高い炭素市場の原則を盛り込んだ形で運用されるということを、大臣の責任の下で監督をお願いをしたいというふうに思っています。
以上です。

○参考人(山岸尚之君)
ありがとうございます。
主にその市民参加の確保の部分についての、若干私の個人的な経験も踏まえてお答えを申し上げたいと思います。
温対法だけではないんですけど、温対法も取り巻く制度も含めまして、地球温暖化対策推進員という制度がございます。
全国津々浦々の都道府県において、その推進員になった方々に関して温暖化対策を推進していただくというのが基本的な枠組みかと思っておりますが、それの実行の度合いみたいなものを見たときに、やはり差があるなと、いろんな地域ごとに差があるなと。
ある程度は差があるのは当たり前なんですけれども、それでも差があると。
やはり、例えば京都みたいに、京都議定書の開催地であって、歴史的な理由があったりするところはそれなりにしっかりとした制度があったりとかするけれども、そのほかではそうでもないというような。
ですので、現行の制度の中でも、本来はできるかもしれないけれども、いま一つ身が入っていない部分というのがあるかなと思っています。
その中で私がもう1つだけ言及させていただきたいのは、私どもがNGO出身だからというわけではないんですが、常態的に活動ができる市民団体をぜひ、地域で活動できる市民団体をぜひサポートしてあげていただきたいというのはあります。これは、この問題はやはりすごく複雑です、いろんな問題が関わってきます。なので、片手間でやるのももちろん大事ではあるんですけれども、職業として私なんかもやっていても、もう日々追いつかない、勉強が追いつかないぐらいの問題でございます。これを地域の問題も含めて検討するような人たちが全ての都道府県に市民団体として存在しているかというと、否でございます。
ここはいるかいないか、そういったときに、我々も、じゃ、NGOとして活動するときも、そういった方々を、じゃ、別のところに行ったときに頼れるかどうかというのはかなり大きな課題となっておりますので、是非、そういう市民団体を、恒常的にこの問題に取り組むことができる市民団体を支えてあげていただきたいというのは願いとしてございます。

○山本太郎君
終わります。




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