国会活動
2017.4.12 資源エネルギーに関する調査会「さようなら 東電社長 2017春」
2017年04月14日
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資料②=資料②2013年12月6日 報道配布資料「福島第一原子力発電所1/2号機排気筒の下部線量測定について」
資料③=資料③東京電力ホームページ(2013年10月7日)報道配布資料「福島第一原子力発電所1・2号機排気筒の部品損傷に対する耐震安全性評価について」より 山本太郎事務所作成.compressed
資料④=資料④臨時点検の結果
資料⑥=資料⑥原子力規制委員会ホームページ「福島第一原子力発電所における基準地震動・基準津波及び排気筒に係る面談についての議 事要旨(平成25年11月8日)」より
○山本太郎君 会長、ありがとうございます。
自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表し、東電社長に御質問いたします。
社長は六月で退任になりますが、五月いっぱいですか、新首脳陣と交代ということですけれども、退任前に御自身が一番やり残したと心残りがあるもの、一つで結構です、一番やり残したと心残りがあるものを教えていただけますか。
○参考人(廣瀬直己君) 事故から六年間がたちましたけれども、本当にこの間、大変皆さんに御心配をお掛けするようなことがたくさん多発いたしました。そうした中にありましても、地域の皆様、あるいは国や自治体、県や自治体の皆様、また株主の皆様、お客様、それから金融機関始め皆さんから、大変御心配をお掛けしましたけれども、御指導をいただいて、御理解をいただいてきました。また、現場で特に福島第一ではたくさんの人に働いていただいておりましたので、まずはそうした皆さんに感謝を申し上げたいというふうに思います。
申し上げるまでもなく、まだまだたくさんの課題が残っております。なかなか一つ挙げるのは難しゅうございますが、新しい体制の下でそうした課題をしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○山本太郎君 何も言っていない退任の挨拶みたいになっちゃいましたけれども。
先日、新首脳陣が加害責任を果たすということをおっしゃっていました。現社長廣瀬さんが在任期間中にはこの加害責任を果たすという気持ちでお仕事に取り組まれていたんでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 私ども、これは何度も私自らの口からも申し上げたことがございますけれども、東京電力が破綻処理を免れて存続を許されてきたのは福島の責任を果たしていくためだというふうに、これは私だけでなくて社員全体の腹に落として、この間、いろいろ御心配をお掛けして、なかなか百点満点となると程遠いところでありましたけれども、そういう思いでずっとやってまいりました。
○山本太郎君 加害責任を果たすというお気持ちでやってこられたということでよろしいですか。もう一度お願いします。
○参考人(廣瀬直己君) はい、もちろんそのとおりでございます。
○山本太郎君 まずは、二〇一五年、平成二十七年七月、復興特別委員会でも廣瀬社長に質問をいたしました。倒壊の危険性がある福一内の排気筒についてお聞きする前に、まずはそのおさらいからさせていただきたいんですね。
資料の一。東電福島第一原発の一号機、二号機のすぐ裏、いわゆる山側に高さ百二十メートルの排気筒が建っているというのはもう皆さん御存じのことだと思います。元々この排気筒、ベントだけではなく、通常、日常的に放射性気体廃棄物を外に出していましたが、現在は使われてはいないと。
資料の二。この排気筒の根元、二〇一三年、平成二十五年の測定で超高線量の放射線源が確認されていた。表面付近の汚染は二十五シーベルト、ミリじゃありません、二十五シーベルト。線源二の表面付近というのが十五シーベルト。七シーベルトで人間は死亡レベルとかって話も聞いたことありますよね。なので、近づけないと。
その後、二〇一五年、平成二十七年の測定で線量が下がったとされたんですけれども、測定方法が違うために、そして十分な時間をそこに割けない、それはそうですよね、高線量ですから、しかも、十シーベルト以上測定できないということなので、外部環境から計算した上で出した。だから、ちょっと下がったといったって、以前のものとは比較のしようがないんですよね。
全長百二十メートルの排気筒の話にまた戻りたいんですけれども、この排気筒のほぼ真ん中部分、六十六メートルのところに切れ目、変形、破断があることが二〇一三年、平成二十五年に分かった。
資料の三。二〇一三年、平成二十五年の十月七日、東電会見での配付資料です。排気筒の破断五か所と変形部分、破断の可能性がある部分が三か所。これ以前にされた点検と比べても劣化が進んでいることが確認されました。
以前、質問をする前にレクチャーを受けた際には、これらの状況は逐一東電から規制庁に報告するんですかと聞いたところ、状況に変化があれば規制庁に報告する体制とのことでした。つまり、東電が変化がないということにすれば報告しないで済むという形だったんですね。以前の質疑では、変化があろうがなかろうが報告させる必要あるんじゃないですかって、東電の自主性に任せるぐらいだったら規制庁要らないと思うんですけれどもと突っ込んだ後に、廣瀬社長に排気筒の倒壊の危険性について伺ったところ、破断している部分がなくてもしっかりサポートできる、解析モデルをつくっての耐震解析を行っており、事故が起こった地震と同程度の地震が来ても問題ないという解析であり、私どもとしてはそういう認識だと。お手盛りですよね、これ。お手盛り解析結果、堂々と披露していただいたんですね。
そして、現在、二〇一七年春、この排気筒、新たな情報が入りました。新しい情報。資料の四。新たな破断が発見されたとのこと。
資料の五。これ、パネルもあるんですね。(資料提示)見に来てくださっている皆さんにも見えるように。資料お持ちじゃないですもんね、皆さんはね。東京新聞の公式ツイッターアカウントにアップされた画像ですね。こちらのパネルですけれども、全体像がつかめるということなんです。これまでの破断、黄色い丸の部分。その下にある赤丸の破断が新しいもの、この春、発見された。
資料の六、この排気筒の倒壊の危険性、以前から規制庁も気にしていたんですね。二〇一三年、平成二十五年十一月八日、規制庁と東電の面会記録の中でも、規制庁から、一、二号機排気筒倒壊に伴う放射線の状況等を踏まえたリスク評価を示すことと指示がありました。つまり、規制庁ちゃんと言っているんですね。東電さん、排気筒倒れた場合、そのときの被害の想定ちゃんとしておいてくださいよという話なんですよね。
規制庁にお聞きします。このときに規制庁が指示を出した排気筒倒壊の場合のリスク評価、東電は示したでしょうか。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。
本日現在、まだ受け取ってございません。
○山本太郎君 本日現在、受け取っておりませんと。
規制委員会、東電は規制委員会の求める排気筒倒壊の場合のリスク評価を何年の間作っていないことになりますか。
○政府参考人(山形浩史君) 現在まで約三年半ということになります。
○山本太郎君 これ、もうちょっと細かく言うと、三年七か月ぐらいになりませんか、最初の通告からいくと、最初の東電に求めたというのからいくと。三年半、一か月足らないぐらいなんですかね。六か月か七か月かということですね。要は、規制庁が幾ら言っても東電は三年半以上無視し続けているということなんですよ。すごくないですか、これ。規制庁は監視する役目、しっかりとそのことを監視して、そしてそれをやらせるという役目でずっと言い続けているけれども、東電は無視し続けていると。
規制委員会、三年七か月、六か月の間、東電に対して排気筒倒壊の場合のリスク評価を行う指示、規制庁として何回求めていますか。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。
この一、二号機排気筒の倒壊に係るリスク評価につきましてですけれども、少なくとも四回、数え方によりますけれども、少なくとも四回は求めております。
そして、その過程におきまして、平成二十八年四月に開催いたしました第四十二回監視・評価検討会におきまして、東京電力より排気筒の上半分は解体するという説明がございました。したがいまして、現在、この解体の計画について監視、指導を行っているところでございます。当該排気筒、汚染している状況のため、東京電力、作業員被曝の観点から遠隔装置を用いて解体の計画をしておりますので、その現在準備を行っているというふうに承知しております。
いずれにいたしましても、早期の解体が望ましいということで、引き続き監視をしてまいりたいと考えております。
○山本太郎君 なるほど。やり取りの中では出てこなかったことが今新しく出てきました。上半分をとにかく削るんだと。削るというか、それを、何て言いましたっけ。(発言する者あり)解体、ありがとうございます。上半分を解体するんだというお話ですよね。
じゃ、その解体というのはいつから始めるんですか。何月か。何年何月ということが分かっていれば。
○政府参考人(山形浩史君) お答えいたします。
これも監視・評価検討会で東京電力から報告があったものでございますけれども、現在、解体装置の設計を行っているというふうに承知しております。そして、二〇一七年度、一八年度上期まで装置の製作ですとかモックアップを行いまして、二〇一八年度後半より解体工事に入るというふうに聞いてございます。
○山本太郎君 それ、予定は未定じゃないですか、はっきり言って。今作っているところなんでしょう。今まで五回、五回ですよ、規制庁が求めてきたのは。リスク評価しろよって、倒壊したときのリスク評価を求め続けたのが四回とおっしゃったけど、数え方によるって。一番最初に求めたものも含めれば五回ですよ。この間、ずっと無視し続けてきた。
今日はちょっと規制庁いじるのやめておこうと思ったんですよ。規制庁いじって東電いじってじゃ、ちょっとフォーカスがずれるから。東電に東電の責任をしっかりと示していただこうと思ったんですけど、規制庁がそういうアプローチ、東電を守るアプローチで来るのであれば、規制庁にも言わせてもらいますよ、これ。規制庁としての役目を果たせてないじゃないですか。三年七か月、六か月もの間、これ、倒壊のリスク評価さえも東電が示さずに来たということをずっと許し続けたわけでしょう。今になって上半分解体しますからって、その計画いつできるんですかって。一応、二〇一八年の終わりぐらいにはという話にはなっているけれども、じゃ、その間の倒壊のリスクというものはないという話なんですか。上半分解体させるんだったら、それと同じように、今まで求め続けてきたその排気筒の倒壊のリスク評価も併せて出させるというのが筋でしょう。ちょっと待ってください。長い話にしないでくださいね。それ併せて、排気筒の倒壊のリスク評価はもうさせないということにするんですか。それとも、これからも求めていくんですか。いかがでしょう。
○政府参考人(山形浩史君) これは先日も、東京電力から……(発言する者あり)今回の新しい、見付かった箇所について含めて再評価をするようにというふうに指示を出しております。
○山本太郎君 ということは、倒壊のリスク評価は東電は出さなきゃいけないんですよね。指示しているわけですよね、そのように。しているか、していないか、お願いします、もう一回。
○政府参考人(山形浩史君) まだリスク評価について、それは行わなくてよいというふうには言っておりません。新しい傷も含めて強度の評価、またそれの影響というものは引き続き求めてまいります。
○山本太郎君 当たり前ですよね。ありがとうございます、規制庁さん。続けて求めていただけるということに少し安心しました。
でも、三年七か月半、三年と半年、分からないですけれども、それぐらいの長い期間、規制庁が求めることを無視し続けた東電なんですよね。この先もそれ出されるかどうか分からないけれども、でも、本当にこの先何もリスクがないかどうかということは分からないわけだから、それが倒れた場合のどういうような影響があるかということは絶対に示させないといけない、当然のことだと思います。ここまで排気筒倒壊の場合のリスク評価がなされなかったのは、規制庁が東電に完全になめられているという以外ありませんよね、これ、はっきり言って。とはいっても、規制庁は東電への指導は今もずっと求めてくれていると。
二〇一七年、今年の三月二十二日、第五十二回特定原子力施設監視・評価検討会では、座長の更田さんが、サイト全体のリスク評価の中で排気筒部分が含まれていなかったこと、つまり排気筒の倒壊した場合のリスク評価を東電がしないことに対してこのようにおっしゃったんですね。今この排気筒が横倒しになったら一体どんなことが起きるんですかと、荒唐無稽なことまで考えてくれと言うつもりはないですけれどもというお話をされているんですね。これ、リスク評価として当然ここも含めるべきだということを言っているんですよね。荒唐無稽な話じゃないということをおっしゃっているわけですよね。これは、二〇一三年、先ほども言いましたけれども、平成二十五年から規制庁が五回にわたって東電に求め続けていることです。
もう一度資料戻っていただきたいんですけれども、先ほどの資料の五、赤丸の破断について東電にお聞きします。
新たな破断、これ発見されたんですよね、春にね、今年の。これを最初に発見したのって誰なんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 東京新聞様で、四月の四日に私どもにお知らせが来ております。
○山本太郎君 お聞きします。福一には、ごめんなさい、省略しちゃって、福一には日常的に東電の社員さんというのは何人ぐらいいらっしゃるんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 約九百人の社員が働いております。
○山本太郎君 規制庁にお聞きします。
福島第一原子力規制事務所には何人、そして現地、福一の中に保安検査官という方々は何人ぐらいいらっしゃるという状況なんでしょうか。
○政府参考人(山形浩史君) 福島第一原子力発電所規制事務所には、これは事務の方も含めると十四名でございます。このうち、原子力保安検査官は十一名在籍しております。
○山本太郎君 この新しい破断を内部で発見できなかった、その理由について社長はどのように説明を受けていますか。
○参考人(廣瀬直己君) 先生のお配りになっていただいた資料をちょっと使わせていただきますが、一番最初の地図を御覧になっていただきますと、この一、二号の排気筒というのはこの場所に建っておりまして、上側が海側であります、東側であります。東側からは、一号機、こうした建物がございまして、ここをなかなか下から見上げるということはできません。したがいまして、一号機とこの排気筒の間に入って確認するということはもちろんできるんですけれども、先ほど先生も御指摘になったように非常に線量が高くて、これはある意味、調査に行って作業員が被曝するそのリスクと、それから、そこまで見に行って何か見付かるかどうかということの、見付けるためのそうしたリスクのある意味トレードオフでございました。
したがって、私どもは、この部分、東側の下の方、五十メートルより以下の部分ですけれども、建物の陰に隠れてしまうのは、そこの部分については見れていないという認識の下で、逆に残り三面、あるいはその上の方、全部を確認をして、その上で評価をしてまいりました。その評価の結果、それらを踏まえて倒壊のリスクはないというのがこれまでの評価であります。
ただ一方で、今回、東京新聞さんからこのような指摘を受けました。そこで、今度は場所がはっきりここだというのが分かっておりますので、この一号機、二号機のTBと書いてあるタービン建屋ですが、この上に作業員を上らせてその部分を撮りました。
ですので、少なくとも、今回そうした指摘をいただいたので、もう少しその場所、角度あるいはドローンを飛ばす等々のことで今まで見えていないところについてももう少し見てみようということでの検討を始めておるところでございます。
○山本太郎君 今、社長が二分ぐらい使って説明してくださったんですね。さんざん言い訳されましたけど、第一発見者の東京新聞は、報道陣お決まりの視察コースからこの破断を山側から発見できるものだったと言っています。たまたま来た外部の人、しかも報道機関が発見し明らかにした新しい破断の事実、年に一回、マスコミが大勢で取材するプレスツアーで遠くから写真を撮って、たまたま東京新聞が見付けた。毎日いる東京電力の社員や規制庁、関係者などの方々が見付けられなかった。これ大問題じゃないですかって。
年中福一の敷地に出入りしている東電や規制庁が破断を見付けられない。年に一回の外部取材者によって発見された事実、これはリスク管理上、東電は既に破綻しているということの表れなんですよ、象徴なんですよ。
排気筒倒壊の場合を含むリスク評価、三年七か月の間放置し続けている東電。そして、原発事故を起こしてなお自ら目に見える部分の破断すら見付けることができない東電。現在進行形の人類史上最悪の核惨事を起こした事業者の姿とは思えないし、そのような者たちに原発再稼働などもってのほかだと思うんですよね。
ここまで来ると、お取り潰し以外ないんじゃないかとも思えてくる。東電社長、そうならないためにも、規制庁にも、規制庁でさえ五回も求めてきた排気筒が倒壊した場合のリスク評価、最後のお仕事として廣瀬社長がやっていただけないですか。やる、やらないでお答えください。
○参考人(廣瀬直己君) リスクの評価につきましては、規制庁からの指示に基づいてこれはしっかり進めていこうということでずっとやってまいりました。ただ、先ほど来ございますように、これを正しく評価するためにはかなりのデータが必要になってまいります。例えば排気筒の中がどのぐらい汚染されているのか等々のデータが必要になっております。ところが、それを見付けるには、またなかなか、そのデータを採取するにはなかなかの被曝が考えられます。そのための治具も開発しなければなりません。
したがいまして、そうした方法を取らずに想定値を使って解析をするという方法もあったわけですが、相当想定値が多過ぎてしまって、今度は解析結果に信頼性が持てないというようなことがあった結果、こうしたことになってきたということであります。
したがいまして、先ほど規制庁の方からお話ありましたように、そうしたことを一方で進めつつ、とにかく倒壊しないようにするための最高の方法はこれを解体していくということだと思っておりますので、今上部の方から少しずつ取っていくというための設計を始めて、先ほど来のスケジュールに基づいて進めようとしているところでございます。
○山本太郎君 スケジュール進めていっているって、まだそれもできないんですから、その前にリスク評価していただく必要があるんですよ。
規制庁に言われているとおりって、これまで三年七か月の間、それを少しでも進めたのかという話ですよ。進めてこなかったんでしょう。最後のお仕事として、加害責任、それさえもやらないのかって。加害責任を果たすと最初に言ったじゃないかって。それさえもやらないんですか。やると言ってくださいよ、最後のお仕事で。
○会長(金子原二郎君) 廣瀬参考人、時間が来ておりますので簡潔に。
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しになりますが、作業員の線量被曝とのトレードオフの問題がございますので、その辺を慎重に見極めて今後対策を練っていきたいというふうに考えます。
以上でございます。
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