山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

17.7.5

 

○山本太郎君
ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。

社民との会派、希望の会を代表し、ギャンブル等依存症対策法案などについてお聞きしたいと思います。

 

どう考えてもばくちなのに、ばくちではないことにしてしまって、公営競技、遊技などという言葉に置き換え、依存症を生み出してきたのが競輪、競馬、競艇、オートレース、パチンコ、スロットなどのばくちです。趣味程度、たしなむ程度に楽しむことができれば娯楽の一つにもなり得るでしょうけれども、本人ではどうにもならないほどののめり込みのリスクが常にあるのがばくちであり、自分の人生だけではなく、家族など周辺の人生をも破壊してしまう悲劇を多くつくり出してきたのが国営ばくちであり、パチンコ、スロットです。

 

これまでギャンブル依存症対策に対して本格的に取り組まず、ギャンブル依存症を大量生産したのがこの国の姿。一転、依存症対策に取り組むきっかけになったのがIR推進法、いわゆるカジノ法案ではなかったでしょうか。2年前の12月、IR推進法が成立、本委員会での審議の際にも依存症への懸念、噴出いたしましたけれども、依存症対策をしっかりとやっていくという言葉が繰り返し答弁されたことを思い出します。

 

まずは、IR推進法案成立後から現在までの間、2年間でどのようなギャンブル依存症対策が行われたかが資料の①です。

 

資料①

資料①

 

IR推進法の際に答弁者としてもいらしてくださいました岩屋(毅)先生にお聞きしたいと思います。IR法採決後から現在までの間でギャンブル依存症対策は順調に前進しているということでよろしいでしょうか。

 

○衆議院議員(岩屋毅君)
今日も政府から度々答弁があっておりますけれども、この間、ギャンブル依存症対策関係閣僚会議というものが設けられまして、そこにおいて第一弾と言っていいと思いますが、対策が出されました。その中身についても、今日、政府から度々答弁があっているところですけれども、もちろん百点満点とはまだ言い難いと思いますけれども、一定のアクセス制限でありますとか、そういったものについて、あるいは相談窓口の設置等におきましてもかなり改善が見られてきているというふうに感じているところでございます。

 

○山本太郎君
では、資料の①を見ながら内容に少し触れてみたいとも思います。

 

資料①

資料①

 

競輪、競馬、競艇、オートレースなど公営ギャンブル事業者は、資料の上の方から、29年の4月より相談体制の窓口強化、アクセス制限などを実施しております。ただいま先生の方からも御紹介がありました。

 

では、相談体制の窓口強化、これについてどのくらい相談が来ているんでしょうかというのを各省庁からの回答を得たのが資料の②です。月に数件、行っても二桁。

 

資料②

資料②

 

続いて、アクセス制限。

アクセス制限とは、本人の申告を受けた場合にネットでの馬券などを買えないようにしたり、実際に現場に足を運ぶ者には長時間競技場にいたりしないか、お金の使いっぷりはどうなっているかということを監視して制限するような話らしいんですけれども、では、どれぐらいの人がアクセス制限を申告しているか。

 

競馬のインターネット投票、中央競馬では164人、アクセス制限を申告。地方競馬では37件。数はちょっとびっくりするほど少ないんですけれども、馬券などを買うところまでアクセスできなければ、これ、ばくち打てないんで、少なからずこれネットの効果は見込めるんだろうな、あるんだろうなということは言っていいかもしれません。ただし、これ申告がなければ、元々、そもそも成立しないんですけどね。

 

そして、実際現場に足を運ぶ場外馬券場、ほかにも競技場でアクセス制限を申告したというのはどれぐらいあるかといったら、中央競馬で4件、地方競馬で一件、長時間競技場にいないか、お金の使いっぷり大丈夫か、広大な敷地で大人数いる中からどうやってその人たちケアするんですかという話なんですよ。GPSでも埋め込むんですかという話なんですよ。これ、現実的とはとても思えない。

 

競艇でのアクセス制限、インターネット投票は34名、場内外発売場では4名。競輪、オートレースでのアクセス制限は、インターネット投票95名、場内外発売場ではゼロ名、ほとんど機能していないんですよ。

 

インターネット投票においては若干有効性はあるかもしれません。しかし、場内、場外でのアクセス制限、これどう考えても物理的に無理ですよ。相談体制の窓口強化もアクセス制限も、今の段階で到底機能をしているとは言い難い。

 

しかも、これパチンコにもあるんですよね、アクセス制限って。

どういう内容かといいますと、アクセス制限したいんですという申告があった後ですよ、一日の営業が終わってその日の売上げを確認して、制限を超えているかどうか、そこを確認するんだと。意味ないやんって。だって、もう遊び終わっているんですよ。遊び終わった後に確認して、あっ、今回は制限のこの範囲内で超えちゃいましたねとかということを一日の終わりに分かるという、これもう意味あるのかなって感じなんですよね。

 

カジノ通すから急いで窓口つくらせて相談受け付けろ、アクセス制限始めろって、国からこれ無理言ったって事業者は対応できない、それが形になっているんじゃないかって。自主性という部分を重んじる、尊重するという部分を言われていましたけれども、ある程度やっぱり国からもそういうことを言ったからこういう動きになったとは思うんですが、ちょっと何か、実際に余り機能していない。いや、なくてもいいとは言いませんよ。あった方がいいだろうけれども、もっと、何といいますか、実際に依存症の予防となるような実質的なものが回っていないじゃないかというお話なんです。

 

資料の③、2年前、IR推進法議事録、下段の方ですね、IR議連会長の細田博之(ほそだひろゆき)先生の答弁、赤のアンダーライン手前から読みます。

 

資料③

資料③

 

この依存症について、また医学的、心理学的、教育学的なアプローチもして、社会全体としてそれを正していくということがまず大事でございます。それをやってこそ、また、この法律でカジノにその対象を広げることについての言わば説明ができるわけでございますから、この点も政府に、実施法までの間にきちっとした対応をすることを今求めている。そういったことを、これから推進法案の成立後の実施法案までの間に個々に対策を取ることは可能であると考えているわけでありますと。

 

2年前のこの国会答弁と現在進んでいると言われているその対策、ここには随分と遠い距離があるような感じがするんですけど、そうでもないですか。衆(議院)の発案者の方、あっ、どうですかね、当時いらっしゃった方にお聞きした方がいいかもしれないですね。

 

○衆議院議員(岩屋毅君)
確かに、現段階で十分なものになっているかどうかというと、まだ課題があるんだろうと思います。

しかし、これまでは全くと言っていいほど対策がなされてこなかったわけですね。

全部国が、国会が特別立法において公営競技も認めてきているわけでありますけれども、それに対する調査あるいは対策というものが取られていなかったということからすれば、まずは第一歩を記したということが言えるのではないかなと思いますし、この法案を成立させていただくことによって更に対策が充実強化されていくというふうに確信をしております。

 

○山本太郎君
第一歩を刻むということも大切な話だと思うんですが、2年前に、IR推進法のときに言われていた意気込みから考えると、今行われていることは随分と後退しているって話なんですよ。

 

後退していると思いますよ。だって、随分なことを言われていましたよ。IR推進法を通すために、この二年の間に、医学的、心理学的、教育学的アプローチもして、社会全体として正していくことが大事だとIR推進の会長さんが言われているんですよ、IR推進法の中で。

それをやってこそ、ちょっと私がかみ砕(くだ)きますけれども、合法ばくちをカジノまで広げる説明ができるって。

 

それはそうですよね。ばくちをこれ合法化するということを理解を得るためには、今ある依存症対策ということに対してちゃんと取り組んでいくんだと。依存症の法律というものができる前にも、それ、やれることはあるよねっていうことをおっしゃっているんですよ。

 

それを考えて先ほど言ったような数字を見てみると、これ前進している、まあ全くなかったものができるようになったんだという部分では前進と捉えていいかもしれないですけれども、このときの細田会長の思いからすると、あれ、この程度のことを言われていたんですか。そうじゃないですよね。

 

その当時の答弁の内容が今できているかといったら、残念ながらできていないと思いますよ。それとも、IR推進法を通すためにその場の乗りでそういうふうに言われたんですかって。

 

それぞれのばくちに対してどれくらいの依存症対策費用を使っているんですか、競馬は農水省、競輪、オートレースは経産省、競艇は国交省にお聞きしたら、結局答えること同じなんですね。

 

ギャンブル等依存症対策に係る部分のみ、この切り出しができないため、具体的金額をお示しすることは困難です。

ほかにも、主催者及び振興法人がそれぞれの開催経費及び事業費等の中から捻出しています。なお、開催経費等の中から捻出している具体的金額については、ギャンブル等依存症対策に係る部分のみを切り分けて算出することは困難です。

ほかにも、これら業界としての統一的な取組については、各施行者が既存の人件費や広告費等を活用して実施しており、ギャンブル等依存症対策に充てた費用のみ積算することは困難です。具体的金額をお示しすることは困難です。

 

これ、かなり雑な扱いじゃないですかって。社会問題になっていることに関して、これちゃんと取り組もうという話になっているんじゃないですか。これ、お示しさせなきゃ駄目じゃないですか、それぞれに。把握しなきゃ駄目なんじゃないですか、国側も。

 

どれくらい力を入れて依存症対策しているか、金額である程度判断されるものじゃないんですか、これ。その規模の大きさ分かりますよ。本気度が分かりますよ。普通、幾ら使っているか分からないはずないですよね。100円とか1000円の話じゃないんですよ。会計が雑なので分かりませんって話なんですか。

 

若(も)しくは、特別依存症対策にお金出しているわけじゃなくて、結局片手間でちょっとやっているんで、それ独自の費用として立てていないという話ですよね、これ。例えば、通常業務の電話回線とか空いている回線で相談窓口やっていますとかって話なんですかね。専用の人材は雇わずに、ほかの業務の人、ほかの業務で働いている人に対して兼務させているとか、カジノ導入といえば依存症がどうしたと騒ぎ出すから、慌(あわ)てて上辺(うわべ)だけの依存症対策として窓口とかアクセス制限とかこしらえさせたように見えません。

 

そういったことでなければ、依存症対策に幾ら使っているか分からないなんて、これあり得ない話ですよね。

 

警察庁、パチンコの収益金のうち依存症対策に充てられた費用は幾らですか。

 

○政府参考人(山下史雄君)
パチンコ業界では、パチンコへの依存防止対策といたしまして、依存問題を抱える人等への相談体制の強化及び機能拡充、本人、家族申告による遊技の制限、また、依存防止対策の専門員をパチンコ店に配置等の取組が実施されていると承知をしてございます。こうしたパチンコへの依存防止対策にパチンコ業界が支払っている費用については承知をしておりません。

 

○山本太郎君
RSN、リカバリーサポート・ネットワーク、パチンコ、パチスロの遊技に関する依存及び依存関連問題解決の支援を行うことを目的に設立された非営利の相談機関、主にパチンコ、パチスロ産業からの拠出で運営されており、年間予算は大体5千万円超だと、先日の参考人質疑の際に来ていただいた代表理事がお答えになられました。

 

2017年レジャー白書によれば、2016年のパチンコ、パチスロの市場規模21兆6260億。単純に計算したら、5千万円だったら幾ら、たった0.0002%。21兆円を超える産業が、一番依存症を量産する産業が、その対策に掛ける費用が0.0002%って、これ世の中なめていません。

 

それ許しているの誰ですかって。政治ですよ。日本は最大のギャンブル産業であるパチンコにギャンブル依存症対策を義務付けてこなかったばかりか、ギャンブル依存症対策費の負担もさせず、巨大産業として大もうけをさせてきた。

 

そして、公営ギャンブルにおいても、国庫に納付金は納めさせるものの、公営競技のような公共の福祉のための納付金もなく、ここに何らかの応益(おうえき)負担制度を取り入れることは当然と考えますけれども、そんなことしてこなかったと。もちろん、競馬とかだったら、その産業というか、例えば畜産に資するとか、いろんなふうに使われたりとかという部分はありますけどね。普通の会社の経営としてギャンブルさせるんですもんね、パチンコに関しては。

 

その上で、公営の鉄火場(てっかば)、カジノまで始めたいが、風当たり強いから依存症対策しますということで安心感を植え付けようとしているんじゃないかと。大体、好きなだけギャンブルでもうけさせて全く社会的責任を負わせないって、そんな国あるんですか。大体、ギャンブル産業からの納税、応益負担により依存症対策費を捻出(ねんしゅつ)しているようですよね。

 

問題あるギャンブリングに対する米国評議会等が行った2016年の調査、米国において41州、問題あるギャンブリング関連サービス、プロブレムギャンブリングに公費を投入、総額は7300万ドル、今のレートで80億3千万円。

 

カナダで2013年、14年度、各州が問題あるギャンブル関連サービスに充てた予算、これ、推定額の総額8215万ドル、カナダドル円レートで約70億円。各州のサービスに投入された公費の分野別割合は、治療54.1%、啓発活動30.4%、研究2.6%、そのほか12.8%。

 

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州では、責任あるギャンブリング賦課金(ふかきん)として、カジノの収入の2%、酒及び賭博局を通じて責任あるギャンブリング基金に支払われる。2014年、15年の予算で1203万オーストラリアドル、日本円で9.8億円。これ、1つの州ですもんね。

 

韓国におけるギャンブル依存症関連予算は、事業者負担、国負担合わせて278.9億ウォン、約28億円程度。

 

資料の④、厚労省、30年度のうち、アルコール、薬物を除いたギャンブルだけの厚労省依存症対策予算幾らですかって聞いたら、依存症対策の推進に係る予算として6.1億円、そこからギャンブルだけの費用を切り出すことが難しい。またこれ切り出すこと難しいって言っているんですよ。

 

資料④

資料④

 

いや、切り出せよって話ですよ。だって、これだけ社会問題になって、こんなにこのことについて話し合おうってことになっているじゃないですか、ずっと問題になっているじゃないか、切り出せよって話なんですよ。切り出したら額が少ないのばれるから嫌なのかなって。

 

結局、今現在、アルコールや薬物関係の支援体制や医療拠点はある程度できてきてはいるが、ギャンブル依存に関してはほとんど仕組みすらできていない。ギャンブル依存症対策の予算、6.1億円の中にこれ、ほとんど入っていないんじゃないかって疑わざるを得ないんですけどね。

 

今現在、もう皆さん御存じのとおりですけれども、日本におけるこれまでの生涯でギャンブル依存症が疑われる状態になったことがある人は、2016年調査ではおよそ283万人、このうち最近1年間に依存症が疑われる状態だった人は約70万人と推計されたと。

 

直近に依存症が疑われるこの70万人の方々のみケアするとして、先ほどの6.1億円のうち、ギャンブル関係を多く見積もって3分の1ぐらいあるんじゃないかと、じゃ、2億円だねと。じゃ、これ、70万人で割ると幾らになるって、1人当たり約290円、これ小学生のお小遣いですよ。何ができるんだ、こんな予算でって。

 

ここでもう一回、先ほどの細田会長のお言葉をお伝えいたします。

 

この依存症について、また医学的、心理学的、教育学的なアプローチもして、社会全体としてそれを正していくということがまず大事でございます。それをやってこそ、また、この法律でカジノにその対象を広げることについての言わば説明ができるわけでございますから、この点も政府に、実施法までの間にきちっとした対応をすることを今求めている。そういったことを、これから推進法の成立後の実施法案までの間に個々に対策を取ることは可能であると考えているわけですと。

 

これ、本当はこれだけの熱意があれば、予算これ付けてくれということを、もっと具体的に、もっと熱く、切り出しても問題ないぐらいの、ここがギャンブル依存症に、今対策するためにこの予算を取ってきたんだと言えるぐらいの状況になっていなきゃ、この細田さんの言葉というのは何だったんだろうって話になると思うんですよ。

 

世界では事業者が依存症対策費、負担してきたと。これ、日本では事業者も国も自治体も全くと言っていいほど依存症患者、放置してきたと言わざるを得ない。その状況はこの法案では改善されないんじゃないかって。

 

こんな事業者側に思いやりが深くて、依存症者、その家族、支援団体に手薄、そんなふうに見えちゃうんですよね。

 

平成29年度より、厚生労働省の地域生活支援促進事業として民間団体支援事業を始めているということです。

 

どういった支援していくんですかということを聞くと、ミーティング会場の提供、医療、保健、行政等の専門機関に関する情報提供、ギャンブル等依存症の理解を促進する刊行物発行の費用援助といった活動支援を行うとのことで、本法案が通って公布された後もこの事業は続けていくし、これも拡大していくんだよという話なんですね。

 

今読み上げた、例えばミーティング会場の提供だったりとかいろいろありますけど、これ支援してもらっても全然赤字だ、支援団体言っていますよ。これ、依存症対策に対して幾らぐらい掛けるおつもりですか、お聞かせください。衆(議院)の発議者の方、お願いします。

 

○衆議院議員(中谷元君)
平成30年度の依存症に対する対策費は、予算は6億3912万円でありまして、厚労、文科、金融等に分かれて計上されております。次年度等につきましては、この法案の成立後、政府の対策会議等もございますが、基本的には、基本計画を作成をされまして、その後、計画推進ということになりますが、それまでの間におきましては、政府の方でこれを上回るやはり対策が必要でありますので、それぞれ必要な額の予算が計上されるものと考えております。

 

○山本太郎君
じゃ、政府側にお聞きしたいんですけれども、これ、どれぐらい費用が掛かるものなんだということは一応試算はされているんですよね。

 

○政府参考人(中川真君)
お答え申し上げます。

ギャンブル等依存問題の対策につきましては、この法案に関するこの場での御審議におきましても、公衆衛生に着目した対策を中心にしていくのか、あるいは医療面に着目した対策をしていくのか、その在り方自身についても御議論がされていたというふうに理解をしているところでございます。

 

したがいまして、今後のこの依存問題への対策のために、国の予算として、これは、先ほど中谷提案者の方から御説明されましたのは厚生労働省とか文科省とか金融庁が直接支出をする予算として計上されているものでございますので、そのほかにこの依存問題で医療サービスを受ける方の医療保険に関する国庫負担金だとかは入っていないものでございます。

 

したがいまして、今後どういう対策をどういう柱でやっていくのかというようなことを、今後、この法律が成立した暁には、政府といたしましては、内閣におかれます本部の下できちんとつくっていきたいと思っております。

 

お尋ねに直接お答えするとすれば、今この時点で、将来的にこの依存問題の対策に国の一般会計予算として幾らぐらいの予算が必要になるかということについては現時点ではお示しすることはできないと考えております。

 

○山本太郎君
それはお示しするの難しいですよね。いろんな問題があるから、そこを話し合ってその先決めていかないと予算ってこれぐらいかなということは見積もれないというのは分かるんですけど、試算していないんですよね、大体どれぐらい掛かるのかというその入口の試算。

 

だって、中間報告で出たじゃないですか、最近1年間で依存症が疑われる状態だった人70万人、これまでの生涯でギャンブル依存症が疑われる人たち283万人。このデータができたんだから、試算すりゃいいじゃないですか。例えば、先ほどおっしゃっていた、公衆衛生に着目した場合、医療に着目した場合、いろんなパターンでどうして試算しないんですかって。どっちみち、試算しなきゃ話進まないじゃないですか。

 

いや、手挙げなくていいですよ。だって、試算していないんでしょう。ちょっと待って、した場合だけ手挙げてください、じゃ。

はい、先に進みます。えっ、何ですか。したんですか。じゃ、お願いします。

 

○政府参考人(中川真君)
お答え申し上げます。

今委員御指摘の直近のAMEDの調査によります過去1年間のエピソードでの0.8%、成人年齢に当てはめまして推計いたしますと、この70万人のリスクを持っている方というのは、たしか参考人の御説明の中でもあったと思います、樋口参考人からもあったと思いますけれども、この依存に問題を抱えているリスクのある方及び、その方が大体5%ぐらいだというふうに考えられているという御説明もあったと思いますし、また、その中で、特に病的依存という、本当に医療上、医学上、この依存症と、あるいは依存ディスオーダーという形での診断ができるような方が約1%ぐらいということでございますので、この70万人がそういういろんな方を含めてのこの数字でございますので、そういう70万人をベースとしてどういう対策が必要になるか、あるいはこの医療サービスが、どれぐらいの深度の医療サービスが必要になるかということを推計することは非常に難しいであろうと。ましてや、公衆衛生に着目した対策を取る場合に、この70万人という数字をベースにして推計をしていくことは現時点では難しいということは御理解を賜りたいというふうに思います。

 

○山本太郎君
試算している場合だけ答えてくれと言ったんですよ。

今、試算していない理由をずっと並べていただけですよ。時間返してくださいよ。勘弁してください。

 

だって、今自分で言っていたじゃないですか。70万人そのまんま試算するわけにいかないから、だって、先生、専門家によっては5%と言う方もいらっしゃるんだから、その中でとか、自分で言っていたじゃないですか。じゃ、その5%を試算してみればって、70万人も試算してみればって。全体的に分からないじゃないですか。

 

こういうお話を聞いて、小西(洋之)先生はどう思われますか。

 

○委員以外の議員(小西洋之君)
お答え申し上げます。

ちょっと今……(発言する者あり)

 

○委員長(柘植芳文君)
指名してから言ってください。

 

○委員以外の議員(小西洋之君)
失礼いたしました。

ちょっと今、政府参考人の説明を聞いていて、私、7月3日の議事録が今手元にあるんですが、その樋口参考人がおっしゃっていた、1.3%あるいは5から10%というのはギャンブリングに参加している人であります。

 

久里浜の院長のおっしゃっていたのはギャンブルの依存症の疑いがある人がこれ70万人なので、多分この前提の捉え方が異なっているんじゃないか、依存症の疑いがある人が70万人というのが国の調査の結果でありますので。

 

なので、一言だけ、本法案についての立法者として申し上げさせていただきますと、正確な試算は困難ではございますが、規模感として、先ほど委員がるる御説明いただきましたほかの諸外国の金額例等々を踏まえると、数十億は下らない、もう数十億は下らないようなその事業費というものが日本国全体としては必要にはなるだろうと。

 

それを賄(まかな)うために、今の我が国の財政状況で、ほかの医療政策、福祉政策もある中で、果たしてそれを本当に賄うことができるのか。

それをする唯一の、唯一の方法として、事業者の方に、これも諸外国の例では売上げの僅か0.05%程度でございます、0.05%程度のものを、物すごい高額の税額納税、収益を上げていらっしゃるそのギャンブル事業者、公営競技も、あるいはパチンコ、なぜ求めることができないのか、立法者として誠に不思議でございます。

 

○山本太郎君
まあ、金掛かるから、試算したら結構大変なことになっちゃいますものね、これ。

ごまかしながら、ごまかしながら前に進んでいるとしか言いようがない。

すごく、私、ゴール決めるところだったんですけれども、小西先生がすばらしい理知的な整理で、やるべきこと、規模感というところから、世界ではこれぐらいだ、日本ではこれぐらいになるんじゃないかということぐらいは、政府側にしろ、語っていただきたいと。少なくとも、試算はもうされていなきゃ駄目だろうという話なんですよ。当たり前じゃないですかって。

 

今現在も、現場でギャンブル依存症患者さんのケアをしている団体の方々、少ない予算でいっぱいいっぱいの状態でしっかりしたケアできないと苦しんでいる状態だと。

先日の参考人質疑、依存症者とその家族の支援を行う大阪いちょうの会の山口美和子参考人。相談に来る当事者などの交通費や、連絡が途絶えないよう携帯電話の料金まで支援者側が負担し、食料まで手配をすると。生活困窮の状況に追い込まれているんだということですよね、借金しまくって。それを持ち出しで支えていると。

 

ほかにも、ボランティアの人たちが加わります。医師、弁護士、司法書士など支援に参加してくれる方はみんなボランティア。その上に、サポーターとして一口5000円毎月支払ってくれているって。ほかにも、広く、月500円のサポーター制を広く募りながら、御本人含む支援、募りながらやっているけれども、山口さんを含む支援者の方々は完全持ち出しだと、手弁当で何とか活動を続けているとのお答えに大変ショックを受けたんですね。

 

加えて、国から幾ら出たら助かりますかという趣旨の質問に対しては、年間600万ほどあれば、日頃無償で働いてくださり、かつ、サポート費用も払ってくださる先生方に最低基準の時給が払える。加えて、新しい支援者の育成費用も出ると。

 

そこで、参考人終了後、全国の7つの支援団体に急遽連絡を取らせていただき、名前は出さない前提で、山本太郎事務所から4つの質問を投げて回答を頂戴しました。御紹介します。

 

質問1、ギャンブル依存症に対応するに当たって運営費はどのように賄っていますか。

 

団体A、全てギャンブル依存症の家族、当事者及び支援者からの寄附でございます。

B、ほとんどが会員からの会費収入で、そのほか家族相談会の参加費収入などで賄っています。

C、多重債務者やギャンブル依存症者の会費で賄われています。また弁護士や司法書士などの支援者からのカンパなどでも賄われています。

D、会員の会費、カンパなどで細々と対応している。もちろん持ち出しが多々あります。

E、会員の会費や寄附金、県からの補助金。人件費は全てボランティアで行っている。せめて相談員の人件費はきちっと出したい。交通費もボランティア持ちである。

F、一人当たり入会金5000円、年会費4000円から賄っています。

G、行政からの支援はないので相談者からの会費で行っている。

 

質問2、現在までの間に国からの補助金はありましたか。あった場合、補助金は運営費の何%を占めますか。

 

団体A、ありません。例えば事業の委託費はいただいたことがございます。今年も依存症予防教育で文科省予防教育モデル事業の助成金をいただいていますが、これは会場費等の実費のみで、運営費は一切含まれず、むしろ諸経費を考えたら赤字でやらせていただいております。

B、全くありません。運営費ゼロです。運営費のゼロ%です。

C、ありません。

D、ギャンブル依存症対策費としての補助金はありません。ただし、厚労省が自殺対策として県へ交付している自殺対策補助金の中から自殺対策関連の依存症対策へ一部を充てているが、依存症対策へ回せるのは5%から7%くらいか。

E、県からの補助金のみ。これも以前は最高で450万円の補助金があったが、現在は150万円に減額されている。

F、ありません。

G、ない。

 

質問3、今、国から幾らでも予算を付けますと言われたら、どういった部分に幾らぐらい支援が欲しいですか。

 

団体A、何といっても事務所を運営するための家賃や人件費が欲しい。人件費の中でも、電話相談を1年365日受けているので、電話相談スタッフの人件費が一番欲しい。また、東京や大阪で相談会開催していますが、こちらも会場費や交通費などで自腹を切って運営しています。人件費として1人10万円を2人分、20万円掛ける12か月で240万円、家賃、水道光熱費、10万円掛ける12か月で360万円、合計600万円。いちょうの会さんと御要望一致しますけれども、最低限これだけの固定費を助成してもらえれば運営はずっと楽になりますと。

 

皆さん本当に、基本的なことだけでも支えてもらえたら今の状態はしのげるのにという話なんですね。

 

これ、支えてもらえるのかなと思うんですけれども、本当はまだまだあるのでお読みしたいんですが、時間の関係上、ちょっとはしょらなきゃならないんですね。要は、これ、支援者団体のマイナスというのは、これ、ギャンブル依存症の当事者やその家族に対する、要は直接の手助け、交通費であったりとか、下手したら食料であったりとか、携帯電話の料金であったりとかというところにも及ぶということですよね。

 

これ、イコール、その当事者たちが本当に生活困窮に置かれていると。これ、両方を支援しないと意味ないんですよ、両方を支援しないと。でも、自民、公明、維新案を見たときには、支援団体の方には何かしらしてくれそうな感じはあるんですけれども、当事者たちに対して経済的支援というものは見えないんですね。

 

恐らく、この両方を持ち合わせているのが参議院の法案の方だと思うんですけれども、小西先生、このような声を聞かれて、その法案でどういうことができるというふうに思われますか。

 

○委員以外の議員(小西洋之君)
今御指摘でございますけれども、確かに、21条でございますが、直接支援の具体的なメニューを、我々立法時のときには具体的に絵を描いて検討したというところまでは至っていないかもしれませんが、ただ、参考人の質疑、また今の先生からの御指摘を踏まえまして、まさに各地域において依存症の患者さん、またその御家族の方が置かれている状況を踏まえて、そうした方々が確実な実効性のある支援に必ず達することができるような必要なものというのをしっかりと措置する、そうした運用を政府の方に求めていきたいと思います。

 

○山本太郎君
本当にもう悲鳴にも近い声がずっと届いているんですね。じゃ、何か、国や行政にギャンブル依存症への支援について直接言いたいことありますかと聞いたら、

 

団体A、現在、政府はカジノを通すために分かりやすく依存症対策を表面的に行っているだけ。予算規模も、ギャンブル依存症対策を失敗していると、そう言われている韓国ですらおよそ26億円も出しているじゃないかと。

国は、世界的には標準的な取組である産業側に痛みを伴うギャンブル依存症対策費の拠出のような大掛かりな改革には手を付けず、また当事者や家族の声は極力取り上げないようヒアリングに呼ぶこともなかったと。国や医療、行政ができることはほんの僅かなんだ。当事者や家族には、伴走者のように寄り添い、家族に介入していけるような経験者の力が必要です。民間団体に対して正当な支援をお願いしますと。

 

団体B、困っている家族が確実に支援を受けられるような体制づくりをお願いします。私たち民間団体が受皿となって支援している現状へのサポート、切にお願いします。私たち家族の声に耳を傾けていただき、本当に必要な支援をお願いしますと。確実に支援が行える人材の育成急いでくださいと。

 

これ、現場の気持ちだけに頼り続けてきていて、もう限界ですよと。

やっと取り組んでくれるのかと思ったら、ちょっとこれ思っていたのと違うじゃないかって話なんですよ。

 

各都道府県にギャンブル依存症対策協議会を設置するよう義務付け、その中にクレサラ被害者の会も入れるようにしてくださいと。こういう意味では、もう義務化する、県でのいろいろ取決めを義務化する。地方との関係はやっぱり独立したものだからと、都合のいいときだけ使わないでくれって話なんですよ。ふだん国がコントロールしているじゃないか、地方もって。こういう問題こそある程度の一定の強制力を持って、義務付けてやるという法律を作っていただいたというのは、非常に希望だと思います。ありがとうございます。

 

もう時間が来たのでやめなきゃいけないんですけれども、本法案に対しての修正案も準備いたしました。

これだけに限らず、パチンコ、スロットによる依存症大量生産のもととなっているEGM、機器に対する問題ですね、ここに対しても今からでも予防的に取締りを行わなきゃならない、規制をするべきだ、じゃなければ何のための依存症対策なんだと申し上げて、終わりたいと思います。

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○委員長(柘植芳文君)
この際、委員の異動について御報告いたします。

本日、榛葉賀津也(しんばかずや)君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男(おおしまくすお)君が選任されました。

─────────────

○委員長(柘植芳文君)
他に御発言もないようですから、ギャンブル等依存症対策基本法案に対する質疑は終局したものと認めます。

ギャンブル等依存症対策基本法案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎君。

 

○山本太郎君
私は、ギャンブル等依存症対策基本法案に対し、修正の動議を提出いたします。

その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。

 

これより、その趣旨について御説明いたします。

 

政府が依存症対策として挙げるものは、主には、全国拠点機関における依存症医療支援体制の整備、地域における依存症の支援体制の整備などです。

 

やろうとしていることといえば、依存症になったら病院につなげて治療してもらいましょう、そして民間の支援団体に面倒見てもらいましょうというものが中心です。これは、依存症患者が様々な困難に直面するのは自己責任で、その克服や対応の責任はあくまでも個人にあり、個人で治しましょうねというものです。依存症に陥るようなギャンブルを国が金もうけの道具として合法化したことが原因であることを鑑みれば、依存症を生み出す原因は社会的な仕組みにあると捉え、社会の責任として対応していくことが本当の依存症対策ではないでしょうか。

 

これまで依存症は、本人の意思が弱いからなど、気持ちの問題という捉え方をされていましたが、近年の研究では、依存症患者の脳の一部に変化が起こることによるものと明らかになっています。このことについても国が責任を持って調査研究を進めることは言うまでもなく、調査研究の結果を待つのではなく、予防的な依存症対策にも大きく前に踏み出す必要があります。

 

現在、日本において最も依存症患者を量産するパチンコ、スロットは、その機器の機能として強烈で刺激的な照明、色彩、フラッシュ効果、音響を駆使し、心理的、生理的に依存症を誘発させ、脳に変化をもたらすという研究結果もあり、これらに対しても調査研究を行うことはもちろんのこと、パチンコ、スロットの機器に対してすぐにでも予防的に規制を掛けることを国家の責務として推し進めることが、これ以上依存症を増やさないために必要不可欠な措置であります。

 

また、他国のギャンブル事業者においては、ギャンブル等依存症対策に要する費用の一部又は全額を拠出している例もあります。

 

依存症を引き起こしている事業者の社会的責任を明確にし、その責務として関係事業者に金銭の拠出を求めるというのが当たり前ではないでしょうか。考えの浅い政治が、ばくちをばくちでない体を装い、依存症者を増やし、そこに手当てもしてこなかった結果が現在なのですから。

 

ばくちでもうけた事業者及び関係者に依存症対策に必要な費用を十二分に拠出させ、最も依存症者やその家族に寄り添い、伴走し続ける自助グループに対して手厚い経済的支援が約束されるのでなければ依存症対策とは呼べません。政治がやらかした現実を現場の善意で支えてもらおうなど、あり得ません。

 

そこで、こうした問題に対処するために、本修正案を提出いたしました。

修正の要旨は、次のとおりであります。

 

第1に、ギャンブル等依存症対策は、ギャンブル等依存症の背景には社会的な要因もあることを踏まえ、社会的な取組として実施されることを基本理念として行われなければならないこととしております。

 

第2に、国及び地方公共団体は、関係事業者が行う事業の実施の方法についての施策を講ずる場合においては、ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発に関する科学的知見を踏まえつつ、予防的な取組方法を活用するものとしております。

 

第3に、国及び地方公共団体は、ギャンブル等の実施に際して用いられる映像、音響等がギャンブル等依存症の発症、進行及び再発に及ぼす影響に関する調査研究の推進等のために必要な施策を講ずるものとしております。

 

第4に、政府は、ギャンブル等依存症対策に要する費用の一部に充てるため、関係事業者に金銭の拠出を求めるための仕組みについて、諸外国における動向を含めて調査研究を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。

 

以上が修正案の趣旨であります。

 

何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

 

○委員長(柘植芳文君)
これより原案及び修正案について討論に入ります。

御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

(中略)

 

○山本太郎君
自由党共同代表、山本太郎です。

社民との会派、希望の会を代表し、本法案に反対の立場から討論を行う前に一言。

この程度の審議時間で十分審議したなどあり得ませんよねって。圧倒的に時間足りませんよ。一体誰の都合なんですか、こんな半端な審議時間。衆が短かったからこっちも短い、だったら参議院要らないじゃないですかって、そういう話なんですね。

 

ギャンブル依存症を減らす、なくしていくことは政局じゃないでしょうって。人々の生命、財産、これ守る上で超党派で取り組むべき問題なんですよね。特に、現在依存症に苦しむ人々に寄り添う法律作り、これ求められているはずなんですよ。

 

その上で、2つの、今日一緒に審議しているという2つの法案見れば、人々を守る側に立つ内容になっているのはどっちだと言ったら、参法じゃないですか。野党案じゃないですか。どうしてそれに与党側が乗れないんですか。全く理解できない。依存症に関する問題まで政治闘争にされてしまうんですか。採決もされないなどあり得ない。そう抗議いたしまして、討論を始めます。

 

2年前に成立したIR推進法、あのときに行われた審議では、IR実施法案までには数々の依存症対策を前に進めるという趣旨の答弁が提案者からされたはずですけれども、現在の状況を見ればすかすかとしか言いようがありません。抽象的な枠組みだけで進めることができる基本法という手段を使い、今回は基本法ですから、肉付けは基本計画や地域計画、関係者会議、先延ばしを重ね続ける。ある意味、逃げ道を準備しながらの立ち居振る舞いで、やることはやったという雰囲気を演出し、カジノ実施に移行する。人々を救うというより、業界側、企業側に最大限寄り添い続ける姿、滑稽ですよ。

 

今現在、日本には既に公営ギャンブルやパチンコなど社会の至る所に存在し、ギャンブル依存症の疑いのある人が320万人もおり、大変大きな社会問題となっていますが、これまでこういった問題には目もくれず、放置してきたにもかかわらず、いざカジノを日本に導入したいからといって慌てて上辺だけのギャンブル依存症、その対策をこしらえて、カジノを日本に導入したいなんて、これ、寝言は寝てから言っ

てくださいって言いたいですよ。目の前にいるじゃないですか、たくさんの人たちが、苦しんでいる人たちが。

 

まずやるべきは、これまでに大量に生み出された依存症や家族、支援者に対して最大の救済、援助がなければ、うそですよ。現場に立ち続け、人々を救い続けた支援者たちのノウハウを生かし、医療や行政などを含むバックアップ、サポート体制づくりもされていないうちから、もう次のばくち、合法化しようなど、全体の奉仕者としてあるまじき行為です。今あるばくちで生み出された依存症を解決もせずに次のばくちを解禁しようなど、ずうずうしいという言葉では足りないほどです。

 

依存症大量生産産業、パチンコにおいては、依存症を誘発すると言われているEGMの規制をすぐにでも予防的に始め、店舗数の制限を掛けるなどを実行しないのはどうしてですか。また、依存症を引き起こしている事業者の社会的責任を明確にして、その責務として関係事業者に依存症対策における費用を負担させる、これを実行しようとしない理由、何なんですか。

 

政治がやらかした現実をまた現場の善意で支えてもらおうという気満々の姿勢からは、ギャンブル依存症がなくなる、減っていくとは到底思えません。

 

以上、反対討論といたします。

 

○委員長(柘植芳文君)
他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。

それでは、これよりギャンブル等依存症対策基本法案について採決に入ります。

 

まず、山本君提出の修正案の採決を行います。

本修正案に賛成の方の挙手を願います。

 

〔賛成者挙手〕

 

○委員長(柘植芳文君)
少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。

 

それでは、次に原案全部の採決を行います。

 

本案に賛成の方の挙手を願います。

 

〔賛成者挙手〕

 

○委員長(柘植芳文君)
多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。


【支援団体のアンケート回答全文】

7月3日の参考人質疑終了後、全国のギャンブル依存症の支援団体に急遽連絡を取らせて頂き、 

名前は出さない前提で、山本太郎事務所から4つの質問をなげ、回答を頂戴いたしました。 

7月5日の質疑の中では時間が足りず、すべてご紹介できませんでしたので、ここでご紹介いたします。  

 

質問 

【ギャンブル依存症に対応するにあたって、運営費はどのようにまかなっていますか?】 

 

A「すべてギャンブル依存症の家族・当事者および支援者からの寄付でございます。」  

 

B「ほとんどが会員からの会費収入で、そのほかに家族相談会の参加費収入などでまかなっています。」 

 

C「多重債務者やギャンブル依存症者の会費で賄われています。 

また、弁護士や司法書士などの支援者からのカンパなどでも賄われています。」 

 

D「会員の会費、カンパなどで細々と対応をしている。もちろん持ち出しが多々あります。」 

 

E「会員の会費や寄付金、県からの補助金。人件費はすべてボランティアで行っている。 

せめて、相談員の人件費はきちんと出したい。交通費もボランティア持ちである。」 

 

F「1人当り入会金5000円、年会費4000円から賄っています」 

 

G「行政からの支援はないので、相談者からの会費で行っている」 

 

H「会へ入会してもらうこととしています。その際、入会金4,000円、年会費6,000円を原則もらうこととしていますが、最近はほとんどもらえていません。会へ来たときは疲れ切って所持金もほとんどない状態です。また、借金をきっかけとして相談に来ますので、解決したらほとんどの方が時間がたつと会から遠ざかってしまいます。悪い思い出は早く遠ざけたいという事でしょう。サポーター会費、毎月500円以上。これが現在、運営費のほとんどを占めています。」 

 

 

 

 

 

 

質問 

【現在までの間に国からの補助金はありましたか?あった場合、補助金は運営費の何%を占めますか?】 

 

A「ありません。例えば、事業の委託費は頂いたことがございます。 

今年も依存症予防教育で、文科省予防教育モデル授業の助成金を頂いていますが、 

これは会場費等の実費のみで運営費は一切含まれず、 

むしろ諸経費を考えたら赤字でやらせていただいております。 

 

B「まったくありません。運営費の0%です。」 

 

C「ありません。」 

 

D「ギャンブル依存症対策費としての補助金は有りません。 

ただし厚労省が自殺対策として県へ交付している自殺対策補助金の内から 

自殺対策関連の依存症対策へ、一部を充てているが、依存症対策へ回せるのは5%~7%くらいか。」 

 

E「県からの補助金のみ。これも、以前は最高で450万円の補助金があったが、 

現在は150万円に減額されている。」 

 

F「ありません」 

 

G「ない」 

 

H「当会として国からの補助金は受け取ったことはありません」 

 

 

 

質問 

【今、国から「いくらでも予算を付ける」と言われたら、どういった部分に幾ら位、支援が欲しいですか?】 

 

A 

「なんといっても事務所を運営するための、家賃や人件費が欲しいです。 

人件費の中でも、電話相談を1年365日受けているので、電話相談スタッフの人件費が一番欲しいです。 

また、東京や大阪で相談会を開催していますが、こちらも会場費や交通費など自腹を切って運営しています。 

人件費として一人10万円を二人分。   20万円×12か月で、240万円 

家賃・水道光熱費 10万円×12か月で、360万円 

合計600万円 

 

 

いちょうの会さんの、ご要望とも一致しますが、 

最低限これだけの固定費を助成して貰えれば、運営はずっと楽になります。」 

 

 

B 

「●家族会を全国に立ち上げる費用 940万程度 (47都道府県×20万円) 

私たちは一つ一つ支部を立ち上げ、 

現在では全国15か所となりました。 

しかし、圧倒的に不足しており、全47都道府県に、各3~5か所程度が必要と考えています。 

 

1つの都道府県ごとに立ち上げ準備として、 

「相談会の相談員を育成するピアサポート研修 10万円」 

「会員の交通費10万円」と見積もって計算しました。 

 

  • ギャンブル依存症の啓蒙教材の制作費 100万~300万程度

啓蒙パンフレット(無料配布)、家族が学べる「動画」「e-ラーニング」などが必要です。 

 

  • 事務局(本部)の運営費 年間360万程度

事務担当の専任スタッフの給料(月20万×12か月)、 

事務所の家賃や光熱費、ホームページ運営費など(月10万×12か月)。 

現在、運営事務はメンバーのボランディアでまかなっています。」 

 

C 

「ギャンブル依存症対策協議会を作り、 

官民含めた医療、福祉、司法、支援者のネットワークを作りたい。 

そのために、人件費(相談員など)300万円、 

相談活動費200万円、事務所維持費100万円、 

旅費・研修費など100万円、 

合計700万円ほど。 

 

特に相談員らの人件費や事務所維持費など必要最低条件部分への金銭的支援は、 

継続的支援に繋がり非常に大切だと思っています。」 

 

D 

「予算を付けてもらえるのであれば、 

①年間6回の相談会・会場費・相談員日当・交通費・チラシ作成費・文書郵送費⇒60万円 

②年1回の講演会開催費・チラシ作成費・講師謝金・交通費・会場費・文書郵送費⇒50万円 

③新聞広告費などその他⇒50万円 

【合計】160万円程度」 

 

E 

「合計350万円  

(内訳) 

啓発活動用ポスタ-・パンフの作成費用 20万円      

県下自治体・医療機関等への啓発活動  30万円  

専従相談員の人件費  200万円 

その他のボランティアの交通費  50万円 

フリ-ダイヤル通話料  50万円」 

 

F 

「毎月1回の例会(家族会議)に要する経費(会場借上料)として年間3万6000円 

事務所維持の固定費として年間48万円 

その他所雑費年間12万円 

合計60万円」 

 

 

G 

「依存症者本人はもとより依存症者の家族の支援も必要です。(他、病院動向費用なども)」 

 

 

「当会は毎週2回の昼間の相談、毎週2回の夜間相談を都度、弁護士・司法書士、専門家が2~3名相談時間はエンドレスでボランティアでやっています。また、当事者、その家族の家族教室の相談活動に毎月、第4日曜日に4名派遣しています。また、毎週、貧困の象徴たる大阪/釜が先に相談活動で都度3~4名ボランティアで参加しています。現在は交通費、謝金すべてゼロです。そこになんとか手当していきたいというのが、我が会の「夢」です。その関係で300万円、専従者は現在、ボランティアの無報酬ですが、せめて最低賃金ほどの保障があればと思います。その関係で120万円。また、事務所費等固定費=150万円。合計600万円。(現在、当会は補助金はもらっていませんが、様々な支援団体は人件費、謝金等、事務所費等の関連固定費はすべて補助金の対象外になっているのではと思います。それで道半ばでやめざるをえないというケースが多いのが実態です。そういった分野も補助金の対象と認定していくべきかと思います。自助団体に依拠していくというならば、いまやそうすべき時代かと思います。)」 

 

 

アンケート④ 

【何か国や行政に、ギャンブル依存症への支援について、直接、言いたいこと(要望等)ございましたら教えてください。】 

 

A 

現在政府はカジノを通すために、わかりやすく依存症対策を表面的に行っているだけ。 

予算規模も、ギャンブル依存症対策を失敗していると言われている韓国ですら、 

およそ26億円も拠出しています。 

国は、世界的には標準的な取り組みである、 

産業側に痛みを伴うギャンブル依存症対策費の拠出のような、 

大がかりな改革には手を付けず、 

また、当事者や家族の声は極力取り上げないよう、ヒアリングに呼ぶこともしません。 

 

国や医療、行政ができることは、ほんのわずか。 

当事者や家族には、伴走者のように寄り添い、家族に介入していけるような経験者の力が必要です。 

民間団体に対し、正当な支援を願いしたいと思います。」 

 

 

B 

「困っている家族が確実に支援を受けられるような体制づくりをお願いします。 

私たち民間団体が受け皿となって支援している現状へのサポートを切にお願いします。 

私たち家族の声に耳を傾けていただき、本当に必要な支援をお願いいたします。 

確実に支援が行える「人材の育成」も急務です。 

 

困っている家族のなかには、行政に相談に行ってもたらいまわしになって、 

適切な支援につながれない人がいます。 

重篤な依存症者によって家庭内暴力を受けても「助けて」の声が上げられず、 

支援につながるまでに数年かかる人もいます。 

行政、地域のリソースと、私たち民間団体が連携して、支援の体制を充実させたいです。」 

 

C 

「ギャンブル依存症(ギャンブル障害)に対する医療分野での専門家があまりにも少なく、 

我々の支援しているグループミーティングだけでは1人よがりの回復に陥ってしまう傾向にあります。 

早急に専門医を育ててください。 

各都道府県にギャンブル依存症対策協議会を設置するよう義務付け、 

その中にクレサラ被害者の会も入れるようにすること。」 

 

D 

「国から依存症対策費として県などに補助金が出ていることは知っているが、 

その補助金は県が主催するアディクション対策費であり、アルコール依存症、薬物依存症が主体となっており、ギャンブル依存症やクレプトマニア依存症などの支援団体は会議に参加するだけであり、 

偏った支援の在り方だと思っている。 

 

アルコール依存症及び薬物依存症は入院が可能で薬が出せる医療関係機関と、 

県精神保健福祉センターが年1回だけ開催しているもので、 

我々ボランティア団体が開催するギャンブル依存症やクレプトマニアの相談会や活動には、 

本当の支援が行き届いていません。現在ギャンブル依存症と共に、クレプトマニア依存症の相談が急増しています。 

このことは、自殺対策とも関連しており、もっと社会に理解していただきたい問題です。 

ボランティアでの活動をしているものですが、どの団体にも真似のできないくらいの活動・運動を展開しています。 

どうかご理解くださいませ。」 

 

E 

「ギャンブル依存症は沢山の不幸をうみだします。 

そして、挙句には、国民の税金がその人たちの生活を支えなければなりません。 

国民の健全な生活を保障するためには、韓国のように パチンコを全廃してほしい。 

カジノを絶対に日本に設置しない。そのことこそが、 

ギャンブル依存症を生み出さない最大の保証となるのではないだろうか?」 

 

F 

「カジノ法廃止されたい」 

 

G 

「多重債務の原因が、会では統計上8割がギャンブル依存である。 

その為、本人をとりまく家族の支援が重大であることから、パチンコ店そのものの排除を希望したい。」 

 

 

「・ギャンブル依存症を扱う病院が皆無に等しい~点数が低い=病院経営ができない(カウンセリングのみで注射もできない、薬物投与もできない)⇒ギャンブル依存症に対する診療点数をアップしないと病院がふえない。 

・「問題あるギャンブラーはごく一部だ。ギャンブル問題は、ギャンブルという商品(サービス)やギャンブル場に問題があるのではなく、ギャンブラー(や家族)の問題だ」とする産業界の主張がまかり通っている。かつてのたばこ産業のようだ。「のめり込みに注意」=個人の責任に転嫁する主張がまかり通ってる。産業、業界の責任を明確に認めてほしい。異議申立てを政治家は具体的にしてほしい。 

・パチンコは遊技ではなく賭博であるということを認めよ、いまやそれを認めず、中途半端にすることは許されない。 

・貧困ビジネスを許すな⇒患者取りのブローカーの暗躍が想定される。 

・GAやギャマノンはミーティングの際の参加者の少額の献金(100円単位)で運営し、援助金、寄付金、施し等は一切拒否して自主運営しています。ミーティング会場は無料で提供してくれる協会などが主になっています。しかし、へんぴなところが多く交通の便がおよそ悪いところです。律しすぎるぐらいの厳しさで運営していますが、せめて「どこからでも便利にいける公的な会議室等」「便利な公的施設」を無料で提供していただきたいと思います。ミーティングには通い続けることが原点で重要です。便利な場所を提供いただけたらと思います。」 

 




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