国会活動
2022.11.9 憲法審査会「サギ、 って言ったら怒られますた。」
2022年11月11日
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○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。
○山本太郎君 れいわ新選組代表の山本太郎です。
コロナで危機感を持った国民がいる間に憲法改正を進めようという声が聞こえてきます。そのやり口を詐欺と呼びます。災害便乗型の詐欺です。本審査会の尊敬する諸先輩方の中にはそのような火事場泥棒的発想を持つ人はいないので、今日は安心して発言できることを感謝申し上げます。
憲法改正は、立法府が取り組むべき優先順位としてかなり低いものであることをしっかり政治家が認識しなければなりません。
2022年参議院選挙後の7月に行われた共同通信世論調査、選挙で投票する際、最も重視した政策を見てみると、1位が物価高、経済対策42.6%、2位が年金、医療、介護12.3%、3位が子育て、少子化対策10.4%、4位が外交や安全保障9.6%、5位以降にコロナ対策、原発、エネルギー対策と並び、憲法改正5.6%。国民が求める国政における重要課題は憲法改正ではないと分かります。
国民にとっての最重要課題は、目の前の生活です。不安しかない将来、老後です。改憲を直ちに進めたいという人には申し訳ない話なんですけれども、憲法を変えなければ直ちに不都合がある状態ではございません。逆に、現行憲法が遵守されなければ、命や暮らしが脅かされる事態が存在します。25年間に及ぶ経済不況、そこに、コロナの感染拡大、そして輸入物価高という三重苦の中で、明らかに生存権や幸福追求権が脅かされ続けている。
本年、岸田政権の経済財政報告の資料にあった所得の中央値、全世帯で所得の中央値が25年間で131万円も減少したと。先進国の中で唯一不況が続き、衰退し続ける国が日本、先進国の中で唯一日本だけが賃金が上がらない国、高い所得から低い所得、全て並べて真ん中の値、中央値が131万円も低下、一部の勝ち組以外は多くが貧しくなった、それが日本なんですね。
この30年近くの間、ほぼ一部資本家のためだけに政治は機能してきた。直間比率の是正の掛け声とともに、大企業に対する大減税を行い、それと両輪で消費税を減税、働き方の流動化の名の下に、労働環境を不安定にし、いつでも首を切れる非正規労働者を増やす、海外からの低賃金労働者も流入させ、賃金が上がりづらい圧力を強める、人々の収入を減らし購買力を奪い、事業者の収益を減らし国内の需要を落ち込ませる無限ループ、国内産業は新たな需要を求め国外に移転、国内の空洞化は加速しました。一方で、資本家は過去最高益を上げ続ける。賃金を削り、未来への投資、設備投資も削り、株主への還元を最大化する株主至上主義に転換、内部留保は10年連続過去最高、昨年は516兆4750億、11年度からの増加率は約8割です。
その一方、国民生活どうなっていますか。コロナの前、2019年、厚労省大規模調査を見れば、生活が苦しい、やや苦しいと答えた割合、全世帯で54.4パー、母子世帯で86.7パー。コロナの前から憲法25条違反なんですよ。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と、憲法25条守られていませんよね。憲法改正云々言う前に、やるべきことあるんです。
将来に不安しかない、そういった人々の認識が広がれば生きる希望も失われます。厚労省、人口動態統計を見ると、2019年時点で、15歳から39歳の若者の死因、死ぬ原因の第1位は自殺です。
子供から大人まで死にたくなる社会を広げたのは、紛れもないここ永田町。社会不安を自分たちの手でつくっておきながら、その責任も感じない政治家たちが今もあぐらをかいている状態ですが、自分たちがまいた種により、見捨てられた就職氷河期、老老介護、介護離職、介護殺人、ヤングケアラーなど、社会問題は肥大化しています。個人として尊重されるどころか、自助、共助で何とかしろ、甘えるな、国にもたれかかるなという憲法13条違反はずっと前から続いています。まさにこの世が地獄、そこにコロナの感染拡大、打撃を受けたのは、ここの30年で最も政治が切り捨ててきた弱い立場の方々です。
特に、女性の貧困と自死が加速。2021年、横浜市が行ったロスジェネ、非正規女性の調査。年収はほぼ2人に1人が200万円未満、貯蓄は10万円未満が最も多い。収入の低さから病院にもなかなか行けないという実態が明らかに。2021年自殺対策白書、飲食サービス業など非正規女性が多い現場の雇用環境が悪化。2019年までの5年間の平均と比べ、女性の自殺者数は3割近く増加。学生も困窮、親の収入が減少、バイト先の仕事もなくなり、経済的事情で退学を余儀なくされた者もいる。これらは過去の話ではありません。
毎週土曜に民間が行う新宿都庁前での食料配付、受け取る人の数はコロナ前で40人から70人程度でした。今年の10月29日には、過去最高、631人、コロナ以前の10倍もの状態。永田町の政治家が想像するよりもはるかに時代は悪化の1途をたどっている。
政府は目の前の物価高騰に策を打つと言いますが、見当違いも甚だしい。25年以上の不況、そしてコロナ、そこに輸入物価高騰、この3重苦を何とかする意識と気概と政策がなければこの国は立て直せない。そして、この憲法違反の状況は是正されません。消費税を廃止、悪い物価高騰が収まるまで、一律の現金給付は緊急対策としてマストです。
本審査会は、憲法がその趣旨どおりに実施されているか、憲法違反が生じていないかを調査する役割を持つと先日の理事懇談会でも確認されました。憲法を通しての行政監視を行える唯一の本審査会で、本日私が発言した25条違反、13条違反はもちろんのこと、それ以外にも、ほごにされ続けている憲法違反及び疑いに関する調査を徹底的に行い、しっかりと是正するよう政府を導き監視する、そのような本審査会の本来の本格的活動に期待して、私からの発言を終わります。
○赤池誠章君
最後に、先ほど山本太郎議員の詐欺というのは刑法犯罪者のことであり、それが国権の最高機関として、そしてこの憲法審査会でふさわしいかどうか、議事録を精査していただいて、幹事会で御検討いただきますよう提案いたします。
○松川るい君
また、優先度が低いという御指摘もミスリーディングです。物価高対策と比べて憲法改正の優先度が低いのは当然ではないでしょうか。
私は、政治の役割は、国民に迎合、後追いすることではなく、国家国民にとって必要なことについてリードしていく、そういう役割もあると考えます。是非、この憲法審査会におきましてしっかりと国民の期待に応え、時代に合った憲法改正に具体的につなげる審議を行うべきことを改めて申したいと思います。
○会長(中曽根弘文君)
山本太郎君。
○山本太郎君 憲法14条に関わる一票の較差問題です。
合区の解消は必要、憲法改正は必要なしと私たち考えているんですね。一方で、議席を微増、微減で調整するというのは小手先と言わざるを得ません。対処療法ではなくて、根本治療が必要なんじゃないですかというお話です。国家戦略の誤り、又は国家戦略なき政治によって生み出された一票の較差問題だと捉える必要があるだろうと。
人口が東京を含む三大都市圏に集中している。集中の裏には、国の持つリソースの多くを大都市に注ぎ続けたことがあると。
例えば、東京オリンピック。人口爆発が起こっている東京に更に金と人を集める儀式。そこに何の伸び代があるんですか。大都市のみ、限られた仲間のみうまみを享受する話でしかありません。高知、徳島でオリンピックなんて聞いたことないですもんね。
国からのリソース配分は薄くて、人口減少と衰退の一途、選挙区も合体、声を届けようにも届きませんよ。地方は国家レベルで行われる金もうけからもいつだって蚊帳の外です。切捨ての連続、構造改革の名の下で地方を疲弊させてきたのは誰ですか。自民党です。
地方に十分な予算を配分してこなかった緊縮財政。政府は2005年から10年にかけて集中的に定員管理の名の下に地方の正規の公務員数を大幅に削減してきた。その結果、地方は公務員も十分に確保できず、賃金カット、非正規化、長時間労働が常態化。人事院の資料、人口1万人当たりの公務員の数を世界と比較、日本は圧倒的に数少ないですよね。フランスは日本の3.2倍の公務員、イギリスは3.1倍、アメリカ2.2倍、ドイツ2.1倍。安定した雇用の受皿としても必要なのが公務員です。公務員バッシングでガス抜きする政治勢力もございますが、是非とも恥を知っていただければ幸いです。
最低賃金を見ても、小泉政権の2002年、昨年、2021年で見ると、東京、神奈川では330円台の上昇、一方で、高知、愛媛、鳥取は210円前後、120円近くの格差。1991年、2021年で見ると、東京都の出生数は8.3%減少、一方、秋田は60.6%減少。格差はなくなるもんじゃない。けれども、一方で、それを埋められるのが政治でしょう。全国どこで働いても最低賃金は1律1500円、不足分は国が補填する。そのような地方自治体に様々な大胆な財政政策を徹底的に行い、それぞれの経済圏を厚く太くしていく。そうしなければ地方の人口減少、少子化、衰退にブレーキ掛かりません。
議員の数を増やす必要があります。人口100万人当たりの国会議員の数、イギリス22.5人、フランス14.3人、ドイツ8.6人、日本はたった5.7人。今国会における公職選挙法の改正、十増十減、議席が増えるのは大都市、減るのは地方です。
現在の地方自治体は、国家観なき中央政治の犠牲者。徹底した積極財政と議員定数増が必要です。憲法改正の問題ではないと申し上げて、終わります。
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