国会活動
2022.11.14 行政監視委員会「与党も野党もダメ!行政監視能力を弱めた件」
2022年11月15日
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○山本太郎君 2013年から一期参議院で議員をやらせていただきました、れいわ新選組代表の山本太郎と申します。参議院に帰ってまいりました、余り喜ばれてないかもしれませんけれども。
以前はですね、本委員会にも所属をしていたわけです。国会議員の仕事の一つ、これは行政監視ですよね。それがそのまま冠となった本行政監視委員会、非常に重要な委員会だと思っています。けれどもですね、総理大臣以外は要求ベースで全ての大臣を本委員会に呼べるという、なかなかないですね、第2の予算委員会と呼んでも過言ではない非常にすばらしい委員会だった。私も以前のときに様々な大臣とやり取りをさせていただきました。
しかしですね、大きな運用変更がこっそりと行われたといいます。本委員会に呼べる大臣の幅を国会議員自らの力で狭めてしまうというとんでもない事態がここ数年の間に起こったようなんですね。
令和元年の11月までは、要求ベースで総理大臣を除く全大臣を呼ぶことができたという本委員会。しかし、令和2年4月の対政府質疑からは、呼べる大臣が事実上総務大臣のみに限定されることになっちゃった。つまりは、総務省以外は副大臣、政務官対応となったということなんですね。
事の発端何なんですかって。これは理事懇談会ですね、ああ違うな、理事会協議ですねってことになったんです。委員会どうやって開きましょうか、いつやりましょうかみたいなことを話し合う理事会。その前には行われる理事懇談会がありますけれども、その場での提案が原因だと。
令和2年4月13日の質疑、これを行うために、事前の理事懇談会で初めて与党自民党側からその提案があったといいます。要求大臣について、大臣は総務大臣、ほかの省庁は副大臣以下という運用案が示されたという話なんですね。そのときにはほかの会派から異論は出なかったと聞いています。
国会議員自ら行政監視機能を低下させることに加担してどうするんですかって話なんです。届きにくい声、不条理をこの場でただしたりとか、是正を求められる機会を自分たちで潰しにいってどうするんですかって話なんです。その権利、絶対に放棄しちゃ駄目ですよね。この件に関しては、与党も野党も関係なく駄目だと思います。テーブルの下でぬるっと手を握って何やっているんですか。
本委員会設置当時、竹山ヒロシ委員長は、本委員会の使命、本委員会に課せられております使命は、国権の最高機関である国会が、その機能を十分に発揮して、行政を恒常的に監視するということであり、委員長としてその職責の重大さを痛感している次第でございます、そう述べられました。
理事会におけるこっそり運用変更、初代委員長が言われる機能を十分に発揮できないものになってしまっている。これ、初代委員長の顔に泥を塗ることになっていません。
本委員会が設立された当初の目的を皆さんにも思い出していただきたいんです。その発議者、中曽根弘文さん。平成9年12月5日の本会議で、参議院に期待される行政監視機能を向上させるため、オンブズマン的機能を備えた行政監視のための委員会であると。具体的には、委員会自らが積極的に国政調査権を活用する、重要ですよね、委員会自らが積極的に国政調査権を活用する。また、行政運営の不適切、怠慢などによって生じる苦情を内容とする請願、請願ですよ、これ、そういったものを手掛かりとして調査を行うとともに、これらの請願の有効な処理を行うと。
今御紹介した本委員会の設立に尽力された先輩方のお言葉を聞いて、これ、現在の運用のされ方というのは、つまりは総務大臣以外は副大臣以下で対応というやり方は、行政監視委員会の設立の趣旨からこれ大きく外れていません。
本委員会は、国民の代表者である国会議員による政府に対する監視機能を向上させること、それを期待に設置されたんだと。もちろん、これ、特定の省庁とか一大臣だけに説明を求めるような狭い範囲の行政監視、そんなものでは積極的に国政調査権を活用したとは言えませんよね。現在の運用、これ元に戻すべきじゃないですか。
与野党の筆頭理事にお聞きしたいです。元の運用に戻すべきではないかということに関してどう考えていらっしゃるか。お願いします。
○委員長(青木愛君) ありがとうございます。
私からこの間の理事懇のこと、経緯は申し上げた方がよろしいですかね。今の、どうします、私から。
実は今回の理事懇の中でも、済みません、委員長で発言でよろしいんでしょうか、理事懇の中でも、やはりその点について問題提起された委員の先生もいらっしゃいまして、原則これは大臣を呼べないという決まりにはなっておりませんので、その点は確認をした上で、ここ直近の委員会ではそのような運営がなされていたと、山本委員がおっしゃるように、そのように私も伺いましたけれども、今後については筆頭間協議で、行政監視という参議院の3本柱の一つでありますから、大変重要なこの委員会でありますので、その点については筆頭間協議をしていただくということで進めさせていただいたところでございます。
以上です。
○山本太郎君 委員長、ありがとうございます。
御説明いただきましたが、これね、令和2年の4月からはこういう運用になっているんですよ、事実上の。で、毎回一応こういう確認を取るんですよ。
私、今回、やっぱりこれだけ世の中がもう本当疲弊し切っているんですよ。これ、物価上昇だけじゃないですよね。25年不況の中にコロナがやってきて、そこに物価上昇、インフレ、海外インフレが入り込んでいる。3重苦なんですよ。当然、これ消費税の減税、必要になってくるんですね。当然、これを誰に聞くかといったら、財務大臣以外いないんですよ。副大臣、政務官でいいじゃないかって、どうしてそういう話になるんですか。副大臣、政務官が大臣超えられますか。無理ですよ。
給付金の話、5万円の給付金、足りるわけないじゃないですか。一律の給付金で出さなきゃ駄目なんですよ、線引きなんかしちゃ駄目なんですよ。そのことに関して経済再生担当大臣呼ぼうかなと思ったら、無理だというんですよ。書いてあるもん、だって。11月2日水曜の理事懇談会において、各会派了承の下、14日の委員会の質疑に対する答弁者は、総務大臣の出席が要求ベース、それ以外の所管の政務3役は副大臣以下の対応と整理されてございますって。毎回確認しているという形は取っているけれども、運用は令和2年4月からずっと続いているってことですよ。
どうしてそんな縛りを自分たちでつくるんですか。どうして手足縛るの。おかしくない。だって、立法府ですよ、ここ。どうして行政府にそんなに何か気遣いするの。何でそんたくするの。おかしいじゃないですか。行政監視委員会なんでしょう。
余りに、理解が、理解が間違っているとかじゃない、そういう運用で行われてきた。だって、今筆頭理事に座られている方々とか理事に座られている方々の中で、令和2年4月の以前からやられている方いらっしゃいますか、その職で。一人もいらっしゃらないですよね。事前に調べてきていますから。
で、今そのような運用が行われてきたというのは、これまでの話です。今皆さんがお座りになって、これからやっていくことというのは変えていけることだから、だからお聞きしたいんですよ。お答えいただけません。
○委員長(青木愛君) 山本委員、済みません。後刻理事会の方で御協議をさせていただきたいと思いますけれど。
山本君。
○山本太郎君 ありがとうございます。
あのね、委員会で筆頭理事、もちろん委員長に対しても、これ発言を求めるというのは、それ別に何も間違ってないんですよ。だって、それを阻むようなルールあります、ないですよね。委員長の裁量次第。恐らく、激しく嫌がられたから委員長は気遣って、御自身で全て整理されて私に伝えてくださったということだと思います。
総理大臣以外誰でも呼べる委員会では調整が難しいからなかなか開催できないんだ、この気持ちも分かります。やっぱりね、ちゃんと開いていかなきゃいけないから。でも、大臣呼ぶよりも委員会の開催される回数を稼ぎたいという思惑あったかもしれないんですけど、じゃ、呼べる大臣を総務大臣に限定してから回数というのは、これ、劇的に増えたんですか。運用変更の令和2年、対政府質疑は一回、令和3年、対政府2回、令和4年、対政府一回。理事会によるこっそり運用変更行った後でも、対政府質疑、例年より少ないか同等なんですよ。運用変更で変わったのは何っていったら、参考人と小委員会という形で開催を増やしていくということ。委員会の開催の回数と時間を稼ぐという部分はしっかりやっていくということはもうできているんですね。その回数を稼ぐために何をやっているかといったら、小委員会じゃないですか。もちろん、対政府質疑を行うこともできるんですけど、実際に開かれた小委員会、これまで総務大臣しか呼ばれてませんよね。
何か誤解あります、誤解あるわけないんですよ、調べてからしゃべっているから。(発言する者あり)何ですか。理事会に出て言いなさいよじゃないんですよ。理事会に出たって私、一票にならないじゃないですか、オブザーバーなんだから。(発言する者あり)待ってください。対政府に対する質疑の場というのはごもっともな話。でも、考えてほしい。対政府に対して質疑をしていく上で、その発射台、土台となる部分を皆さんの手で壊してどうするんですか。対政府質疑も何もないでしょう。その土台をもう一回立て直さなければならないという私なりの、これは質問権を使った発言なんですよ。
はい、話戻ります。
委員会がこれ大だろうが小だろうが、やっていることは事実上の要求大臣の幅を大幅に狭める運用、それをスタンダードにしようとしているものなんですよ。これって本来の設立趣旨にこれ沿うものなんですか、何のための本委員会なんですか。こういった運用についての異論、いずれの委員会に向けての理事懇談会でも出なかった、初めて異論がちゃんと出してくれたの今年の11月2日、共産党さんからです。ありがとうございます。全体的にやっていることおかしくないですか。
これまで、国会の力弱めるような、国民の負託に応えることが難しくなるような委員会の取扱い行われているじゃないですか、様々。ここだけじゃないですよ。
例えば、以前は震災復興問題と原子力問題、一つの委員会で扱っていましたよね。東日本大震災と東電原発事故は切っても切れないから。平成28年9月、復興問題が特別委員会に、原子力問題は調査会に分離してしまいました。復興は終わっておらず、原子力事故は終わるどころか終わらせ方も分かっていない。切り離すこと自体があり得ないんですね。でも、それやっちゃった。
皆さん御存じのとおり、特別委員会と調査会、性格そのものが違うじゃないですか。調査会は、基本的には調査を行い、報告書を出すことが目的。ほかの委員会に立法を求めることはできるけれども、過去にその権限が行使された事例はないと。調査会が閣法が、調査会で閣法が審議されることはなくて、議員立法案は提出できるが、過去提出されたのは3回、3例のみ。この20年近くの間、調査会への法案提出ございませんよ。
一方で、特別委員会、調査会とは違って、調査も法案審査も行う。立法、立法審査の活動には特別委員会の方が調査会よりも直接的に、直接的に関与できるじゃないですか。
この国において最も脆弱な核施設についての議論と立法に対してのハードル、自分たちで下げ、自分たちで上げていっちゃっているんですよね。参議院の価値をおとしめることにもならないか、私はそう考えます。
本年1月17日、参議院の本会議で、以前は沖縄・北方問題特別委員会とODA特別委員会、別々だったけど、これ次一つにしちゃった。届きにくい声を届ける機会、問題をじっくり話し合う機会、無駄の削減と考えているんですか。それ自体間違いじゃないですか。
参議院だからこそできる、やれるはずの熟議、それを自ら潰しに掛かるのは劣化としか言いようがありません。参議院を冒涜する行為だと思います。参議院不要論を加速させたい意図でもあるんでしょうか。
本委員会の委員長、筆頭理事、理事、そして委員の皆さん、皆さんは、党派は違えど心ある議員さんなのはよく知っています。筆頭理事の方は私の部屋の並びの方で、いつでもお仕事されている様子、これ目に入るんですよね。ほかの先生方も前の6年のときにもかぶっていらっしゃる方がいらっしゃる。尊敬する諸先輩方です。どうか、行政監視委員会の本来の趣旨にのっとった委員会運営が行えるように、これ力合わせていただきたいんですね。
先ほど先回りして委員長の方から御発言がありましたけど、改めて私から、行政監視委員会の機能は、参議院に期待される行政監視機能の向上、つまりは国民の代表者である国会議員による政府に対する監視機能を向上させるために設置されたという当初の理念に立ち戻って、総理大臣以外全ての大臣を要求ベースでお呼びできるという元々の運用に戻すことをお諮りください。
○委員長(青木愛君) 理事会で協議をさせていただきます。
○山本太郎君 理事会でのやり取りは正式な記録として残りません。これからも動向を注視し、どのような改善、後退、停滞があるかを逐一この場を通じて質疑していきたいと思います。
運用の改善が行われるまでは、議事録に残すためにもここで、この場で発言を続けていきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
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