山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

2022.12.1 予算委員会「ロスジェネと竹中とハゲタカファンドと」

 

○委員長(末松信介君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。

○山本太郎君 れいわ新選組代表、山本太郎と申します。
総理、今回の補正予算、当面必要な分は一定積み上げることができた予算だと、そうお考えになっていますか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回の補正予算はさきに決定した総合経済対策の裏付けとなる予算でありますが、これは、今、日本のその物価高騰、円安、あるいは賃金の引上げ、そして日本経済の再生、こうした課題に向けて緊急に求められる内容を盛り込んだものであると認識をしております。

○山本太郎君 必要な予算さえ積めていないと思いますよ。危機感がない、どけち、圧倒的に足りていない。
資料の①。(資料提示)補正予算って何ですか。

20221201-予算委員会資料①

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(新川浩嗣君) 補正予算は財政法第29条に規定されておりますが、同条におきましては、内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができるとした上で、第1項におきまして、法律上又は契約上の国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合とされておりまして、御審議いただいております補正予算はこうした条項に照らした上で必要なものを積み上げたものでございます。

○山本太郎君 資料の②。緊要とは、差し迫って必要なことという意味。
残念ながら、今回は、今すぐ必要でないものには潤沢に、一方で、すぐにでも必要なものには薄い予算。輸入物価の高騰に対処すると総理は言っていますが、これでは対処できません。
総理、日本経済を再生させると豪語されている。なぜ再生させる必要があるんですか。日本って、この30年、どんな状況なんですか。

 

 

 

 

 

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今の物価高騰に対応し、そしてそれに見合うだけの賃上げを実現するとともに、当然のことながら、将来に向けて日本の経済を活性化させていかなければならないと考えています。
従来のこの経済を考えた場合に、特に賃上げ、人への分配の部分について充実を図ることがこれから求められているのではないか、そのことによって経済の好循環を実現して持続可能な経済をつくっていくことが重要ではないか、こんな問題意識に立ってこれからのこの経済再生について取り組んでいこうというのが政府の考え方であります。

○山本太郎君 答えていないです。
経済再生するためには、みんなの使えるお金を増やすしかない。それが景気を良くなっていくことにつながっていく。その逆が30年続いているのが日本です。
資料の③。内閣府、先進国比較、この30年、各国1人当たりの実質賃金の増加率、各国で教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(村山裕君) 令和4年度年次経済財政報告におきまして、1991年から2020年までの1人当たり実質賃金の推移をお示ししております。
当該期間30年の累積の上昇率につきまして、日本は3・1%、アメリカ46・7%、英国44・4%、ドイツ33・7%、フランス29・6%である旨示しております。

○山本太郎君 資料の④。コロナの前からみんな苦しかった。2019年、厚労省大規模調査、生活が苦しいと答えた割合、教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
2019年の国民生活基礎調査におきまして生活意識が苦しいと答えた世帯の割合は、全世帯で54・4%、高齢者世帯で51・7%、母子世帯で86・7%、児童のいる世帯で60.4%となってございます。

○山本太郎君 今言われたような状況の中でコロナがやってきた。おまけに輸入物価高。三重苦なんですよ。今は徹底的に政府がお金を出す必要があります。
総理、消費税の減税、行いますか、行いませんか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府の対策については、足下の物価高の主要因であるエネルギー、食料品等に的を絞り様々な政策を用意する、こういった考え方に基づいて対策を講じています。
消費税については、この急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、これをあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられています。よって、この消費税の減税は考えておりません。

○山本太郎君 今の1点だけでも社会の状況は見えていないんじゃないですか。消費税、廃止しかないんですよ。
給付金、冬と春、一律で10万円ずつ出してください。最低限、短期策でこれぐらいないと、物価高どころか、日本経済の再生なんて不可能ですよ。
この30年間の間、国民生活は常に緊急事態。一方で、勝ち組は資本家です。消費税を上げるたびに資本家には減税のプレゼント。
資料の⑤。財務省、内部留保、何ですか、これ。この10年、どう推移していますか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(江島一彦君) お答えいたします。
正確な会計用語として内部留保という定義はございませんが、法人企業統計年次別調査における利益剰余金がいわゆる内部留保のデータとして広く用いられております。
法人企業統計年次別調査における利益剰余金の推移を見ますと、10年前の2011年度調査の約282兆円から直近の2021年度調査の約516兆円へと約83%増加し、10年連続で過去最高を更新しております。

○山本太郎君 一方、人々の所得はどれぐらい減っているかということ。
資料の⑥。岸田政権の経済財政報告、所得の中央値、どうなっていますか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(村山裕君) お答えいたします。
令和4年度年次経済財政報告におきましては、全世帯の再分配後の所得の中央値について、1994年505万円、2019年374万円であったと報告しております。この間に、相対的な所得が低い高齢者世帯や単身世帯の割合が増加するなど世帯構造が変化する中でということでございますが、約131万円低下したという結果が示されております。

○山本太郎君 一部の勝ち組以外は多くの人々が貧しくなった30年、それが日本です。政治が資本家に魂を売り払った結果が失われた30年、被害者の代表格がロスジェネ、つまりは就職氷河期世代です。
資料の⑦。氷河期世代とは現在何歳の人たちですか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。
就職氷河期世代につきましては、明確な定義があるわけではございませんが、バブル崩壊後に雇用環境が厳しくなったおおむね1993年から2004年頃に就職活動を行った方々で、現在30歳代の半ばから50歳代の前半の方々を念頭に置いております。

○山本太郎君 氷河期世代は、社会に出る時期に経済不況が重なり、正規雇用にありつけず、今になっても不安定な労働環境の中にいる方も多い。
資料の⑧。氷河期世代は、先ほどの中央値で、再分配後どうなっていますか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(村山裕君) 35歳から44歳の世帯につきましてでございます。94年566万円、2019年464万円、同様に、45歳から54歳につきまして、94年690万円、2019年515万円であったと報告しております。この結果、この間、約102万円低下、35歳―44歳でございます。一方、45歳から54歳、約175万円の低下でございます。

○山本太郎君 この30年、全ての世代の中で所得が一番落ち込んだのが氷河期世代なんですよ。
資料⑨。94年と2019年、35歳から44歳の単身世帯を比べて、一番数が多い所得レベル、教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(村山裕君) 本年3月3日、経済財政諮問会議におきまして内閣府から報告した資料に基づくものでございます。それによれば、94年では分布の一番多い所得階級は500万円台、19年では、2019年では300万円台となっております。

○山本太郎君 昔と今と比べると、今の中年の方が圧倒的に貧しい。
資料の⑩。厚生労働白書、40代後半の未婚率、昔と今で比較してください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(中村博治君) 令和2年版厚生労働白書では、当時直近でございました平成27年総務省国勢調査の40代後半の未婚率の数値を紹介しているところでございます。白書の公表後に国勢調査におきまして新たに数値の補完として公表されたものがございますので、そちらをベースにお答えをいたしますと、40代後半の未婚率は、平成2年は男性6・8%、女性4・6%、平成27年は男性27・4%、女性17・1%となっております。また、直近の令和2年の国勢調査によりますと、令和2年の40代後半の未婚率、男性29・9%、女性19・2%となっております。

○山本太郎君 資料⑪。 氷河期世代は人口のボリュームゾーンです。しかし、家族をつくるどころか自分一人生きるだけで精いっぱい。資産もつくれない。あと10年もすればロスジェネの上の方は60歳です。

 

 

 

 

 

大学を出たのにアルバイト、派遣しか経験がない、年収200万円以上になったことがない男性。派遣の給料が10数万円、実家から出ることができないまま親の介護が始まった女性。また、コロナ禍では多くのロスジェネがホームレス化した、そのことを支援団体が指摘している。その中には、バブル崩壊によって正社員になれず、その10数年は寮付き派遣の仕事を転々とした果て、コロナ禍で路上生活となった人たちも少なくない。経済政策の失敗の直撃、これを受け続けたロスジェネ、自己責任だとまた見捨てますか。
資料の⑫。これまでの氷河期世代への支援策、名前だけ教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。
これまで取り組んだ施策でございますけれども、例えば、2003年に若者自立・挑戦プラン、2006年に再チャレンジ支援総合プランが取りまとめ、実行されてまいりました。2012年には、トライアル雇用助成金の拡充、2017年に特定求職者雇用開発助成金の拡充を行うなど、就職氷河期世代支援の観点から個別の施策の見直しが行われてきたところでございます。

○山本太郎君 様々言われましたけれども、ほとんどピント外れなんですよ。
資料の⑬。2019年、放置し続けたロスジェネに、突然、人生再設計第1世代という失礼な名前を付けて、3年間で正社員30万人増を掲げた。どんな取組ですか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。
委員が御指摘をされました人生再設計第1世代という用語につきましては、2019年4月の経済財政諮問会議におきまして民間議員から提出された資料の中で使われたものでございますけれども、政府として使用しているものではございません。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) じゃ、もう一度。

 

○山本太郎君 どんな取組ですかと聞きましたよ。
○政府参考人(吉岡秀弥君) その後、政府におきましては、2019年に策定をいたしました就職氷河期世代支援プログラムにおきまして、同世代の正規雇用者を30万人増やすことを目指すことといたしまして、具体的には、不本意ながら非正規雇用で働く方々などに対する相談から訓練、就職定着までの支援や、引きこもり状態にある方々の社会参加の支援などに取り組んでおるところでございます。

○山本太郎君 何人が正規雇用になりました。

○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。
就職氷河期世代の正規雇用者を30万人増やすという目標につきましては、2021年までの2年間で正規雇用者数が3万人の増加となっております。これにつきましては、例えば、就職氷河期世代支援プログラムに基づきまして、ハローワークの職業紹介により就職氷河期世代が正社員に就職した件数は、昨年度までの2年間で約20万人となるなど、就職氷河期世代支援は一定の成果を上げていると考えております。
しかしながら、2020年に入りまして以降、新型コロナウイルス感染者が、感染症が拡大をいたしまして雇用情勢が厳しくなったため、離職者の増加などによりまして支援策の効果が相殺された側面があると考えております。

○山本太郎君 30万人正規雇用とぶち上げて、蓋開けたらたったの3万人だったんですよ。途中増えたけど、首が切られやすいような正社員を増やしたって話です。
正規雇用30万人というプログラム策定に当たって、氷河期世代への実態調査、行いましたか。

○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。
2009年、19年の就職氷河期世代支援プログラムの策定当時、特別の実態調査は行っておりませんが、総務省労働力調査など各種の統計調査などを基に、不本意ながら非正規雇用で働く方々などの実情を踏まえた上で策定をされたものでございます。
その上で、政府といたしましては、毎年、就職氷河期世代支援に行動計画を策定いたしまして、きめ細やかな支援に取り組んでおるところでございます。
その際、様々な機関や団体が行った実態調査などを参考としております。例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2012年度、2013年度に個人に対してヒアリングやアンケート調査を実施した結果ですとか、一般社団法人が2019年度に引きこもり状態の方々の実情などを調査した結果などを参考といたしております。
今後とも、こうした実態調査に加えまして、関係団体や専門家から現場の実情などについてお伺いするなど、就職氷河期世代の実態の把握を図りながら必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

○山本太郎君 いろいろ教えてくれましたけど、施策を打つ前に内閣府として必要な調査を行ってない。ヒアリングなんて2012年のものですよ。実態が分からなきゃ施策は打てない。本気出してもらっていいですかって話なんですね。
氷河期世代に対する詳細なこれ実態調査やっていただきたいんですよ、総理。やっていただけないですか。いかがでしょう。

○国務大臣(後藤茂之君) 政府としては、毎年、就職氷河期世代支援に行動計画、策定しておりまして、就職氷河期世代の就労や社会参加の支援にきめ細かく取り組んでいるわけでありますけれども、その際に、様々な機関や団体が行った実態調査などを参考といたしております。
それに加えまして、就職氷河期世代の推進に向けた全国プラットフォームなどの場を通じまして現場の実態をお伺いする取組なども行っております。
こうした取組によりましてしっかりと実態を把握した上で、毎年の行動計画の策定を通じて必要な支援に取り組んでいきたいと思っております。

○山本太郎君 どうして大臣出てきたんですか、中身のない答弁するために。
総理大臣、答えていただきたい。調査やっていただきたいんですよ、救ってほしいから。お願いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今答弁にもありましたように、毎年行動計画を作ります。その際に、様々な機関の調査を参考にしながら行動計画の改定を行っているという御説明をさせていただきました。その様々な資料の内容をしっかり確認し、そして、それを補う必要があるかどうか、不足している部分があるかどうか、こういった点から、必要であるならば政府として調査を行う、こうしたことではないかと思います。
いずれにせよ、具体的にどんな調査が手元に集まっているのか、この辺を確認した上で必要な対応を考えたいと思います。

○山本太郎君 調査が必要かどうか精査していただけるということでよろしいですか。総理、お願いします、本当に。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府として必要な政策を進めるために実態を把握しなければならない、これは当然のことであります。よって、実態、今集まっている調査の結果、これをいま一度点検した上で、必要であるものがあれば政府として対応する、これは当然やらなければいけないと思います。

○山本太郎君 では、この件に関して対応していただけるということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今言った考え方に基づいて、この関係部署に対応させます。

○山本太郎君 総理、ありがとうございます。
話題を変えます。コロナ禍、事業と雇用を守り抜く、総理、宣言できますか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今、コロナとの闘いにおいて、感染症対策と経済社会活動の維持、このバランスの中で、できるだけ平時に近い活動を維持していく、これがウイズコロナにおける政府の考え方であります。この考え方に基づいて、この生活、事業、しっかり守っていきたいと考えます。

○山本太郎君 災害、疫病、経済不況、個人や民間の努力でどうにもならない、そんなときには政府が大なたを振るう。つまりは、政府が大胆にお金を出して不況を防ぎ、事業者と雇用を守る。潰れる企業や所得を減らす、失う人が増えれば不況はより深刻化。必要な政策は大胆な財政出動です。
資料の⑭。コロナ関連融資について、経産省、ゼロゼロ融資も含め、説明してください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
政府としては、コロナの影響により売上高が減少している事業者に対して、官民の金融機関による実質無利子無担保融資を実施してきたところでございます。
まず、日本公庫等の政府系金融機関におきましては、売上高が5%以上減少した中小企業に対して、当初3年間、金利を0・9%引き下げる低利融資を実施中でございます。また、本年9月までは更なる売上高減少要件を満たします事業者に対して利子補給を行って、当初3年間の実質無利子化を実施してまいりました。
さらに、民間金融機関による融資についても、都道府県等の制度融資を活用し、2021年3月末まで一定の売上高減少要件を満たす事業者に対して利子補給を行い、当初3年間の実質無利子化を実施してきたところでございます。

○山本太郎君 ゼロゼロ、利子ゼロは最長で3年、元本返済の猶予は最長5年と。
資料⑮。コロナ融資後倒産の割合、教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(小林浩史君) 倒産件数は、コロナ前と比較いたしますと、引き続き低水準ではございますが、ある民間調査の結果によりますと、足下の本年10月は594件となってございます。そのうち、政府系金融機関及び民間金融機関による実質無利子無担保融資を受けた後に倒産した件数は、同じく10月で37件でありまして、同年、前年同月比で14件の増加、割合でいえば60・9%増加したとの結果も承知しております。

○山本太郎君 来年にも多くの企業が返済期限のピークを迎える。
資料の⑯。借りている事業者、返済に不安を抱える事業者の割合、把握していますか。

 

 

 

 

 

○政府参考人(小林浩史君) ある民間の本年8月時点のアンケート調査結果によりますと、まず、コロナ関連融資を現在借りていると回答した方が54・1%でございますが、その回答した大企業も含む事業者に対して今後の返済見通しを尋ねた結果として、12・2%の事業者の方が今後の返済に不安を抱いていると分析していると承知しております。

○山本太郎君 中小企業の54・1%のうち、今ちょっと含むっていう話になりましたね。事前の説明とちょっと違うかな。まあ、54・1パーのうち12・2パーと、これを全体で見ると約6・6パーが返済不安を抱えるとなる。
資料の⑰。国内の中小企業の数、従業員の数、教えてください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(小林浩史君) 総務省と経済産業省が実施、公表いたしました平成28年経済センサス活動調査から集計したものでありますが、平成28年6月時点における小規模事業者を含む中小企業者数は約358万社、従業員数は約3220万となっております。

○山本太郎君 政府による全数調査データっていうものがないので、簡易的に中小企業総数に先ほどの6・6%を当てはめ、債務不安を抱える企業が倒産しましたと想定すると、単純計算で約23・6万社が倒産し、約212万人が失業する。不況どころか恐慌への道ですよね。
ゼロゼロ融資、全体で幾ら融資していますか。

○政府参考人(小林浩史君) 官民金融機関の実質無利子無担保融資等の融資決定件数、金額は、本年9月末時点で約245万件、約43兆円となっております。

○山本太郎君 総理、これ、徳政令でチャラにしてもらえないですか。
一気が無理なら、例えば4年間掛けるとか、そうしたら年間10兆円程度でこれやっていけると思うんですね。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) この中小企業、新型コロナ、物価高騰等によって厳しい事業環境にある、そして、今後ゼロゼロ融資の返済も本格化していく、こうしたことに備えていかなければならない、これは御指摘のとおりだと思います。
そのために、まずは官民の金融機関に対して、返済猶予などに柔軟に対応すること、新規融資に対しても貸し渋りを行わないことなど要請を行っているところですが、新たに、債務の借換えの円滑化による返済開始時期の後ろ倒しや返済負担の軽減に加え、新たな資金需要にも対応できる新たな保証制度、これを創設するということを政府としては考えています。
しかし、それでもなお増大する債務に苦しむ事業者に対しては、債務圧縮や減免を含め再生支援を進めること、これは重要、必要になってくるかと思います。これについては、全国の中小企業活性化協議会を通じた取組を強化してまいりたいと思っています。

○山本太郎君 資料の⑱。政府はこの状態を改善する幾つかの支援を国会で説明しています、今もされましたけどね。そのときの議事録、ポイント、4つに分けました。
経産省、①について説明してください。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
これまで政府といたしましては、官民の金融機関等に対して、事業者から債務の条件変更や借換え等の申出があった場合には、返済期間、また据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、実情に応じて迅速かつ柔軟に対応すること等を繰り返し要請してございまして、その結果、条件変更の応諾率は約99%と、多くの事業者の申出が応じられているところでございます。
その上で、先日、11月28日に開催されました中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換におきましても、西村大臣から各金融機関代表者に対し、事業者のニーズに応じたきめ細かな支援を徹底するよう改めて要請していただいたところでございます。

○山本太郎君 政府は要請するだけですよね、基本。金融機関への事前相談でこれ拒否されれば、申請さえできない。申請されたものだけを取り上げて、99%やってどや顔しているんですよ、いつも答弁で。
②の説明、お願いします。

○政府参考人(小林浩史君) 日本公庫による低利融資の拡充という点でございますが、コロナ禍において、日本公庫は、当初3年間、通常の金利よりも0・9%引き下げる低利融資を実施してきておりますが、本年9月に策定いたしました中小企業活性化パッケージNEXTを踏まえ、本年3月末までこれを継続するほか、貸付限度額3億円を4億円へと引き上げることで追加の資金ニーズにも対応できるようにしたところでございます。

○山本太郎君 返済困難に陥っている事業者が公庫からお金借りられるかな。借りたとしても、すぐに利子発生しますね。首が絞まる。問題何か分かっていらっしゃいますかってことです。
③の説明、お願いします。

○政府参考人(小林浩史君) 借換え保証の創設ということでございます。今後、民間ゼロゼロ融資の返済本格化を迎える中小企業を支えることが重要ということで、この借換えにより返済期間を長期化することで都度の返済負担の軽減を図っていくこととしております。
そのため、今回の経済対策を踏まえ、借換えの円滑化を図るとともに、新たな資金需要にも対応できる保証制度を創設するということで、低い保証料で100%保証の融資は100%保証で借換えできる制度を検討しているところでございます。

○山本太郎君 まあ、金融機関と再建計画作るって、かなりハードル高いと思うんですよ。しかも、無利子にならないんですよね。無条件で借換え、無利子の継続というものがなければ、当然これ、倒産待ったなしになっていくんじゃないの。
④、説明お願いします。

○政府参考人(小林浩史君) 4つ目は、中小企業活性化協議会の支援充実ということでございます。
全国47都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会を経営改善支援センターと統合いたしまして、収益力改善、事業再生、再チャレンジを一元的に支援する組織として中小企業活性化協議会を本年4月に設置したところでございます。
増大する債務に苦しむ事業者に対して、中小企業活性化協議会による個別の事案に応じた再生支援が円滑に進むよう取り組むこととしておりまして、飲食業・宿泊業支援専門窓口の設置、信用保証協会との連携強化に加えまして、再生支援制度の活用事例集の作成などを通じて同協議会の一層の強化に取り組んでまいります。
また、1つ、大変恐縮でございますが、先ほど答弁の中で、日本公庫の低利融資の拡充という点について、私、本年3月までと申し上げてしまいましたが、これ、来年3月までの間違いでございます。訂正しておわびいたします。

○委員長(末松信介君) はい、了解しました。

○山本太郎君 資金繰り支援でのお話じゃないですね、今のは。計画を作る中で減免が認められるかもというお話。これ、もうちょっと本気で救う策ってやっていった方がいいんじゃないかなと思うんです。
コロナ関連融資で、低利融資とゼロゼロ融資の利子補給、合わせて幾らですか。

○政府参考人(小林浩史君) コロナ関連低利融資の利子補給への支出ということでございます。
まず、日本公庫等の政府系金融機関が実施しております低利融資は、日本公庫等への出資で財務基盤を強化することで貸出金利を引き下げておりまして、令和元年度から3年度までに約5・7兆円を出資しております。
加えて、本年9月まで実施してまいりました当初3年間の実質無利子化のため、令和3年度までに約1200億円を執行しております。
また、民間金融機関においても、昨年3月末まで実施した民間ゼロゼロ融資における実質無利子化のため、令和3年度までに約2800億円を執行しております。
なお、民間金融機関によるゼロゼロ融資については、3年分一括ではなく毎年利子補給をしていく仕組みでございますので、今後も利子補給が行われることで継続的な執行が見込まれているところでございます。

○山本太郎君 まあ何にしても、数兆円規模の財政でここ数年は利子の引下げや無利子はできたと。だったら、あと何年かこの無利子、この利息ゼロで助けてほしいって話なんです。これ、十分に意味のある投資でしょって。
全額チャラが難しい、だったら百歩譲りますと、コロナ関連融資の無利子化、これ4年間継続、こういうことを、総理、決断していただけないですか。いかがでしょう。

○国務大臣(西村康稔君) いわゆるゼロゼロ融資、公庫による無利子無担保の融資につきましては、申請件数がもうコロナ前の平時と同程度になってきております。足下の資金需要の状況などを踏まえて、9月末に終了としたところであります。
その上で、先ほど来説明がありましたけれども、通常の金利よりも引き下げた、0・9%低い低利融資、来年3月末まで継続をすると。さらに、今回の経済対策を踏まえて新たに借換え保証制度を創設し、セーフティーネット貸付けを来年3月まで継続するということにしたところであります。
いずれにしても、中小企業の資金繰り、万全を期していきたいと考えております。

○山本太郎君 資料の⑲。政府はできるのにやらない、それには理由がある。コロナ関連融資の不良債権化は資本家にとってのビジネスチャンス。債権を投資等、投資対象の中心としたファンドを運営するキーストーン・パートナーズ社長は、バブル崩壊後よりも不良債権案件が多くなるのは確実と言う。

 

 

 

 

 

資料の⑳。ターゲットとなるのは、コロナ禍のマイナス影響により経済が弱体化した国にあって、割安感が強まっている企業や事業であり、日本企業もその対象に含まれているものと推測されると。

 

 

 

 

 

資料の㉑。日本国内で不良債権を対象とする投資事業に参入したペッパー・グループCEO。新型コロナは金融システムに大きな負荷を掛け、主に地銀で不良債権処理のニーズが高まると見ている。欧州ではコロナ禍で売上げが大幅に落ち込んだ旅行、宿泊関連の不良債権などが売却されており、日本でも同様の投資機会が増えるだろうと。

 

 

 

 

 

 

資料㉒。バーゲンセールは既に始まっていますと。長崎ハウステンボス、香港が拠点のファンド系企業に売却。西武、プリンスホテル、ゴルフ場など31の施設をシンガポールの投資ファンドに売却。

 

 

 

 

 

 

資料の㉓。買収を目的とした投資についての調査。2021年、ほかの年と比べて言えることは何でしょうか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
日本銀行が公表しております2021年の国際収支統計及び本邦対外資産負債残高、この統計資料によりますと、2021年の外国投資家による買収を目的とした対内直接投資、MアンドA型の投資、1兆9001億円ということで、それまでの年との比較では増えた形になってございます。

○山本太郎君 不良債権に、これ、不良債権処理に目を付けて外資系ファンドが買いたたくって、過去にもありましたよね。
資料の㉔。この顔にぴんときません。金のにおいがする場所に必ずいる人。
内閣府、この人、誰ですか。どのような役職を歴任されていますか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(三浦聡君) お答えを申し上げます。
内閣府地方創生推進事務局の関係でございますと、国家戦略特区の関係ですが、スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会の専門調査会委員、それから、「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会の座長、国家戦略特別区域諮問会議有識者議員を務めていただいたことがございます。

○政府参考人(三浦章豪君) 続きまして、産業競争力会議等について御説明申し上げます。
竹中平蔵氏は、産業競争力会議、産業競争力会議課題別会合、産業競争力会議実行実現点検会合の議員、産業競争力会議ワーキンググループ改革2020WG、産業競争力会議テーマ別会合立地競争力の強化、産業競争力会議分科会フォローアップ分科会の主査、産業競争力会議テーマ別会合産業の新陳代謝の促進、産業競争力会議テーマ別会合人材力強化・雇用制度改革、産業競争力会議テーマ別会合クリーン・経済的なエネルギー需給実現、産業競争力会議分科会雇用・人材分科会の担当を務められました。
また、未来投資会議の議員、構造改革徹底推進会合第4次産業革命会合の会長、成長戦略会議競争政策の在り方ワーキンググループ、スタートアップの育成の在り方に関するワーキンググループ、PPP/PFI等に関するワーキンググループの有識者、コンセッション等に関するワーキンググループの参加者を務められました。

○山本太郎君 本当はまだまだ続くようなぐらい、役職いっぱい抱えた方だったんですね。ありがとうございます。
2002年、竹中プラン、どのようなものでしたか。

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。
金融再生プログラムでございますが、2002年10月に作成されております。主要行の不良債権問題解決を通じた経済再生を図るべく、主要行の不良債権比率を2004年度末までに半分程度に低下させ、不良債権問題の正常化を図るとともに、構造改革を支えるより強固な金融システムの構築に取り組むことなどを目指したプログラムでございます。

○山本太郎君 資料の㉕。当時、報道では、政府が不良債権処理を強行したことで、外資を含むいわゆるハゲタカファンドに日本企業が買いたたかれ、再生できるはずの企業も売りさばかれたことを指摘している。

 

 

 

 

 

資料の㉖。小泉政権での不良債権処理、その影響はどんなもんでしょう。

 

 

 

 

 

○政府参考人(伊藤豊君) 不良債権処理を通じた不良債権比率の低下が銀行貸出しを増加させ、貸し渋りが解消されたことで設備投資が改善したことによる効果が金融再生プログラムにはあったというふうに承知しております。
上場企業倒産につきましては、2002年に過去最高の29件、2003年の19件、2004年11件、2005年の8件と、徐々に減少したというふうに承知をしております。

○山本太郎君 退職者も同じように減少していきましたっていう説明を本当はしてくれるはずだったんですけど、何でしょうか、この答弁。
最初に意図的に潰す企業は潰し切ると。事実上の首も切りまくれば、その後、数が少なくなっていくのは当たり前の話なんですね。
当時は、景気、これ輸出主導でしたと。2003年、量的緩和の拡大、大規模な円売り介入。2004年、円安、ブレーク・イーブン・インフレ率もプラスと。輸出で設備投資が伸びている影響を考えれば、その成長というのは竹中プランの成果とは言えないんですね。なのに、一定効果があったようなことを言っている。これ、どさくさで竹中万歳みたいな印象操作やめてくださいって話なんですよ。自ら命を絶った人もいる。多くの事業者や生活者が壊されたという事実は無視ですかってことです。
資料の㉗。なぜこのような政策進められたんですかって。ただの外圧を友情だと勘違いした。自民党をぶっ壊すどころか、日本をぶっ壊したという総理が主犯格だと思っています。

 

 

 

 

 

総理、資料の㉘。総理は、竹中プラン、これ間違えであったと、そう思われますか。いかがでしょう。

 

 

 

 

 

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) この政策については、そのときの日本の経済社会の状況、国際情勢、様々な環境の中で適切な政策を判断していかなければならないということであります。その中で、かつて御指摘のような政策が行われた結果、様々お示しいただきましたような結果が生じたということであります。
その評価につきましては、今後、日本の経済の行方等を見た上で中長期的なこの目で政策を判断していかなければならないと思っています。

○山本太郎君 いや、もうこれ評価されていないと駄目なんですよ。
どうしてか。資料の㉙。コロナ禍、竹中プランの手口に再び注目が集まっている。この7月、金融機関から不良債権を買い取るファンドを設立、ニューホライズンキャピタルの会長、再生ファンドへの債権譲渡は不良債権削減策として、金融再生プログラム、竹中プランの際に重宝された手段だ、コロナ禍による過剰債務対応策として再生ファンドの役割は再び見直されていると。
これ、民間が勝手にやっているから知らないよという話じゃない。だって、政府も官民ファンドを使って進めようとしているでしょう。
REVICって何ですか。

 

 

 

 

 

 

○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。
地域経済活性化支援機構、REVICは、地域金融機関などと連携しつつ、事業再生やファンド事業業務等を通じまして地域経済の活性化に資する事業活動の支援を行うことを目的とした時限の組織でありまして、ハンズオン支援を行うことを特徴としております。
新型コロナ等の影響を受けた事業者支援を行うため、令和2年6月に法改正を行いまして支援・出資決定期限を五年間延長いたしまして、現在、新型コロナ等の影響により経営環境が悪化した事業者に対しまして、事業再生の枠組みを活用した支援や地域金融機関と連携したファンドを通じた資本性資金の供給等を進めているところでございます。

○山本太郎君 再生支援の中で不良債権処理進めて、経営陣の交代、人員削減、事業を切り離した上でスポンサー企業に譲渡なども行ってきているのがREVICだと。
資料の㉚。自民党の金融調査会も政府に対して、これ、REVICの資金調達に更なる政府保証を付けろということを言っているんですね。これ、政府もこれ対策案に盛り込み済みと。これ、小泉・竹中イズム、今も自民党に引き継がれているということですか。
総理、またハゲタカの餌やりやめてほしいんです。そんなつもり毛頭ないというなら、コロナ関連融資利息ゼロ、4年間延長してください。無理だったら2年でもいいです。いかがでしょう。

 

 

 

 

 

 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 経済における新陳代謝という考え方は1つの重要な考え方でありますが、具体的な政策の適用につきましては、今後状況を見ながら政府として責任を持って判断をしていきたいと思います。

○山本太郎君 あのね、景気が悪いときとか不安定なときには新陳代謝を進めちゃ駄目なんです。

○委員長(末松信介君) 申合せの時間が来ております。
○山本太郎君 絶対にこういうことは許されないということで、終わります。

 




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