国会活動
2022.12.7 憲法審査会「一票の格差について」
2022年12月22日
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○山本太郎君 ありがとうございます。れいわ新選組代表の山本太郎と申します。
1票の較差問題については、今、憲法審査会で議論すべきではないというのが私の意見です。
先般11月15日、本年の7月の参議院選挙に対する1票の較差による無効訴訟の判決が出そろったと。結果は皆さん御存じのとおり、16の高裁、高裁支部のうち、合憲が7、違憲状態が8、違憲が1。仙台高裁では合区となってから初の違憲判決が出たと。このように、合憲、違憲の判断が真っ二つに分かれている状況の中で、来年秋には最高裁判決が出る予定であると。まずはこの判決を静かに見守るべきだ、私たちはそう考えます。
この判決が出るまでは、立法府たる国会においては高裁、高裁支部の判決の是非を論ずるような議論は避けるべきだと。なぜならば、古くから司法権の独立をめぐって立法府と司法府には緊張関係があるからです。
例えば、法学の教科書に出てくる浦和充子事件があります。昭和23年、裁判所の判決に対して、参議院法務委員会が量刑が軽過ぎるとして国政調査権を発動。これを問題視した最高裁が、憲法に規定された調査の範囲を逸脱するとして警告を発するという事件がありました。この事件は、もちろん国政調査権の在り方についての論争ではあるんですけれども、立法府からの司法権の独立、そういった観点では同じものだと思います。
先日の幹事懇の場で、与党側から、高裁の判決に憲法審査会での議論が影響したという趣旨の発言がありました。立法府における議論によって司法の判断が分かれるという結果、若しくはその可能性があることに関しては、立法府からの司法権の独立という観点からは望ましいものではないと考えます。したがって、来年秋の最高裁判決が出るまでは、立法府において1票の較差問題が憲法に関わる問題であるか否かなどに関しては議論を控えるべきだと考えます。
数々の憲法違反が疑われる行政への指摘や解決に向けての議論こそ、今、本審査会で最優先する課題ではないでしょうか。
憲法四十七条には、選挙区、投票の方法そのほか両議院の議員の選挙に関する事項は法律でこれを定めるとされています。まずは法律で解決することが筋であると。物事の順序を飛び越えた議論の進め方は戒める必要がある。1票の較差をどのように是正すべきかについては憲法四十七条が規定するように選挙制度の問題であって、まずは今述べたような参議院改革協議会、ほかにも、各院における政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会においてその方向性を議論すべきであると申し上げます。
今国会では、いわゆる10増10減の法改正行われました。私たちは、いたずらに地方の議席を減らすことには反対の立場です。先日の意見表明でも、OECD諸国で比較すると、人口百万人当たりの議員定数で日本は極めて少ない実態があるとお伝えしました。定数を減らすのではなく、増やす、増やす改革が求められていることは言うまでもありません。その中において、過疎地の定数も増やしつつ、都市部も定数を増やすことにより、1票の較差の拡大を防ぐことが必要です。
国会議員は全国民の代表とはいえ、地方の衰退、過疎地域の疲弊を食い止める危機感をより強く持っているのは、日頃の活動からその地域の人々の声を聞き、熟知する、その課題を抱えた地域から選ばれた衆参の国会議員ではないでしょうか。その数を減らす調整を較差の是正と呼ぶなら悲劇でしかありません。
この先、1票の較差問題を憲法審査会で議論するというのは時期早尚に思います。現在、複数行われている議論の場にそれを委ね、見守りつつ、本審査会は25年以上の不況の中で、コロナ災害、そこに加えて物価高という現状で、生存権、幸福追求権をもないがしろにされている人々、事業者の改善に向けて徹底的に議論する。国民の負託を受け、熟議の府にいる私たち、憲法審査会こそがやれる大仕事ではないでしょうか。
終わります。
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