国会活動
2023.4.12 憲法審査会「普段は好き放題 憲法解釈してるのにね?」
2023年04月12日
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○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
参議院緊急集会は衆院解散時にのみ可能で、衆院任期満了時には行うことができないとの意見に対して、確かに憲法54条2項には衆議院が解散されたときは緊急集会を求めることができるといった規定されていると。衆議院議員任期満了を迎えた場合についての規定は明文化されていない。一方で、多くの憲法学者が、任期満了の場合でも緊急集会開くことは解釈によって可能だと指摘しています。参議院の緊急集会を衆議院任期満了の場合にも実施することは、学説上も無理のない解釈だと。
そもそも、政府への全権委任や国家緊急権を避けるために作られた条文であり、その理念に沿う限りにおいては柔軟な解釈による運用を認めるべきだと思います。
これまで憲法に明文化されていないことを政府の解釈で容認している例が多いことは、皆さん御存じのとおりです。不信任案可決以外で首相の裁量で衆院を解散する。ほかにも、宗教活動を禁じられているはずの首相や大臣の靖国参拝は戦没者追悼として認めるような雰囲気。違憲疑いの強い集団的自衛権の容認などなどなど、挙げたら切りがない。このように、時の政府、権力者の権限を強めるための憲法解釈は数多くなされてきています。多数の、多数の学説が支持する衆院任期満了時の参議院緊急集会開催を認めることに解釈上の問題は全くないはずなんです。
ほかにも、参議院の緊急集会は70日間の期間を超えては開催できないから、長期間続く緊急事態に対処できないという主張もある。しかし、この70日という期間は、衆議院解散後40日以内に総選挙を行う、その後、選挙日から30日以内に国会召集という規定、憲法54条1項にひも付くものでありますが、非常時でこの期間中に衆議院選挙実施が本当に不可能であれば、この70日という期間に縛られず参議院緊急集会を行う運用も当然検討する余地があるでしょう。
参議院緊急集会ではフルスペックの国会機能が果たせないので、それと別に衆議院の任期延長が必要と主張する意見もあります。この提案は、国民にも選ばれていない議会に緊急時を理由にフルスペックの権限を与えようとする危険なアイデアです。確かに参議院の緊急集会では審議する議案が限定され、その決定は暫定的、次の国会で承認されなければ効力を失うもの。その意味で、フルサイズの権限を有する議会でないことはそのとおりです。むしろ、非常事態の例外的な議会運営である以上、フルサイズの権限を与えないことが憲法の趣旨です。緊急時に何らかの理由で衆議院議員選挙を行うことができない状態において、二院制の片方の議会のみでの緊急集会を行って決める以上、当然の限定です。
むしろ、権限に限定を設ける、設けつつも、任期中の正当性のあるメンバーで臨時の決定をするという仕組みこそが重要です。ここに代表制の保障、国民の参政権を尊重する工夫がある。緊急時に国民の参政権が制限された状態で国会にフルサイズの権限を与えることこそが大問題。選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは、民主主義をないがしろにする提案です。
数年間にわたって国政選挙を行うことができず、国民の投票権を制限しなければいけない非常事態って、一体何なんですか。
2014年、クリミアがロシアに占拠され、東部で内戦と呼べるような状況が続く中でも、2019年、ウクライナは議会選挙を実施しました。ロシアによる軍事侵攻が続く中でも、2024年、大統領選は行われる見通し。東日本大震災以上の被害と言われる大地震を受けても、今年5月、トルコで議会選挙と大統領選挙が行われる予定。エルドアン政権には震災対応も含めて有権者からの評価が下されるでしょう。
非常事態だからこそ、制約はあっても国民に1票を投じる権利を保障することが重要。そのような非常事態への対応を含めて、政権は国民からの評価を受ける必要がある。
この先、選挙ができない事態をでっち上げ、権力温存を図るようなやからが政権を握る可能性を考えても、任期延長改憲は断じて認められない。
終わります。
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