国会活動
2023.4.19 東日本復興特別委員会「テキトーにも程がある避難計画について」
2023年04月19日
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○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
原発事故を受けまして、避難計画の策定が必要なエリアというのが30キロ圏まで拡大をしました。避難の対象人数も1原発当たり数10万人、避難先の確保、交通手段、物資の輸送など、避難計画のために必要な論点というのは多岐にわたります。
内閣府は、原発避難計画策定を支援するため、地域原子力防災協議会を設置しました。内閣府防災白書、これ令和2年版を見てみれば、この協議会では、国と関係地方公共団体が一体となって地域防災計画及び避難計画の具体化、充実化に取り組んでいるとあります。
防災大臣に聞きますね。ごめんなさい、原子力防災大臣に聞きます。
それぞれの地域の事情に即した避難計画を策定する必要がある、この認識には間違いないですよね。
○国務大臣(西村明宏君) そのとおりでございます。
○山本太郎君 地域の実情に即した計画にするというのは当然のことでございますと、ありがとうございます。
資料の⑥になります。ちょっと飛んじゃってごめんなさい。
避難に関して、これまで内閣府は、方針として、避難を円滑に行うための対応策を地域の実情に即して検討する必要があると述べています。今お答えいただいた、そのとおりだとおっしゃった、そのとおりなんですね。
もう一度、大臣にお聞きします。
例えばなんですけれども、東海第二原発、避難計画の対象住民は90万人を超えます。人口の多さだけ取っても、ほかの地域とはこれ比較できないんですね。
例えば、ある地域のために作った避難計画をコピー又は少し変えて別の地域の避難計画に使うなどの行為、万が一こういうことが行われていたとするならば、これは不適切であるという認識でよろしいですか。
○国務大臣(西村明宏君) ほかの地域で作った避難計画においていい点があれば取り入れるということは当然あると思いますけれども、それを、そういった、各地域において当然やるべきこと、しなければならないこと、それはベースとしながらも、その今おっしゃった東海第二の地域であったり、泊であったり伊方であったり、それぞれの地域事情もございます。そういったものを踏まえた上で、各自治体において必要なものをしっかりと加味しながら作り上げていくべきものだと思います。
○山本太郎君 まあ何でしょうね、お手本となるようなものがあったとするならば、それはあったとしてもいいけれども、地域の実情に即した計画にするということはもう大前提ですよね。いかがでしょう。
○国務大臣(西村明宏君) 当然、地域の実情に熟知した自治体がそういった避難計画等々を作るというのは当然のことだと思います。
○山本太郎君 資料の⑧。
平成29年12月21日に行われました第5回東海第二地域原子力防災協議会作業部会、その記録によりますと、内閣府の担当者、これ、地域原子力防災推進官が次のように述べているということなんですね。上司からは、とっぴなことを考えず、避難経路を決めていけばいいと言われると。バス確保、バス確保についても、後でいいだろうと。よその地域で整理した内容でやっていけばいいと、そう言われたので、サラリーマンなのでやるしかないと思ったと。これ、よその地域で整理した内容でやればいい、上司に指示されてそれでやるしかないと思ったということを、これ、その地域に行って言っているんですね。
大臣、これって対応策を地域の実情に即して検討する必要があるとの方針に私は矛盾していると思うんですけど、大臣は矛盾すると思われますか、矛盾していないと思われますか。
○国務大臣(西村明宏君) このお示しのものに関しては、現時点において事実関係の確認ができておりませんので、当時の担当者の発言に対してコメントは控えたいと思いますけれども、もしこれが万一事実であるとするならば大変不適切であるというふうには思います。
しっかりその状況は確認したいと思いますが、その上で申し上げますと、内閣府といたしましては、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、原子力災害対策指針に基づいて、関係自治体と一体となって、地域の実情に応じた避難経路の確保やバスなどの緊急車両の確保など、避難計画の具体化、充実化に取り組んでいく所存でございます。
原子力防災の備えに、いつも申し上げておりますけれども、終わりや完璧というものはございません。今後も、原子力防災体制の充実や強化を図って、原子力災害対応の実効性の向上、これに省を挙げてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○山本太郎君 今の後段の部分が、恐らく、内閣府としてのこの避難計画というのを地元とどう作っていくか、しっかりバックアップしていくか、充実させていくかということの、本当の、一番正しいお答えだと思うんです。そこから考えると、まあ私が示した資料、これはもう正しい資料なので後で確認していただければいいんですけれども、この内容、先ほど言ったような、読み上げたような内容だとするならば、やっぱりこれは問題あるだろうという認識も示していただいたと思います、大臣にはね、先ほど、ありがとうございます。
先ほどの、原子力防災協議会作業部会で発言のあった、バス確保は後でよいと、上司から指示があったなどというのはもう暴論でしかないんですね。避難計画など適当な形で作っておけと、まさか内閣府がそんなこと考えているのかなと思わせるような内容になっちゃっているんです。逆に言ったら、にじみ出ちゃっているんじゃないかなというふうに疑いたくもなるんですけれども。様々、そのような問題発言が散見されたというような、ある意味でのそういうものが開示請求によって出てきているんですけれども。
実際に、作業部会で内閣府の担当者がこのような支援を現場でしているということを考えた場合に、これ、どう思われますか、大臣。
○国務大臣(西村明宏君) 先ほど申し上げましたように、これは事実関係は確認しておりませんけれども、もしこれが、この発言が事実ということであれば、大変不適切であるというふうに思います。
○山本太郎君 東海第二避難計画では、これまで、トイレ、倉庫、こういったものが避難所面積に換算されるという、面積過大算定が繰り返されるなどなど、問題がいっぱいあったんですよね。再発防止のためにも、避難計画策定プロセスを住民や専門家がチェックすることというのはこれ欠かせないなと。今読み上げたものも開示請求でやっと出てきたものですからね。
地域原子力防災協議会作業部会の中身というのは、これは常に公表されるべきだと私は思います。これ、公表されていなかったら、こんなこと分からないですから。公表されていなかったから、開示請求してこれが出てきて、今大臣にお届けできているんです。これがそもそも公表されているものだったら、これはみんなの監視の目があるから、そんな緩いこと、暴論とかはそういった中ではやれないんですよ。元々、元々それを公開していないってことに問題があるということの論点から今日は話していきますね。
この作業部会の内容というのはブラックボックスです。国として記録も作成しないし、公開の義務もない、そう政府はこれまでも答弁してきています。
先ほど示した資料の⑧、この議事記録は、市民団体いばらき原発県民投票の会が、作業部会に参加した市町村に対して情報公開請求して開示させたものなんです。
今後、市町村が議事メモの作成をやめてしまえば、完全に住民の目から隠されてしまいます。それでも、内閣府が開催する協議会作業部会の場合、1枚から2枚の議事概要や配付資料だけはホームページに公開されることになっているんです。1枚、2枚の議事概要、配付資料だけですよ。そこから、開催日、大まかな議題、開催している回数とかは分かるんです。この情報を手掛かりに、これまでは住民が市町村に情報公開請求をすることもできた。もしもですよ、もしも避難計画の詳細に関する内閣府と自治体の協議をこれ任意の勉強会とか意見交換、そういった形で行われてしまったら、議事概要すら掲載されないことになっちゃうんですよ。そのような会議を開催した事実さえ隠されて、完全な密室協議となってしまうんですね。
大臣、さすがに、そのような別建て、作業部会とは違う別建てで勉強会開催しますといって隠れみのにして、そこで重要なこと話し合っていくようなことはしない、させないってことをここで約束していただきたいんです。お願いします。
○国務大臣(西村明宏君) 今、山本委員にお示しいただいたこの勉強会に係るものに関して、これも現時点において内容の事実確認はできておりませんのでこれ自体に対するコメントは控えたいと思いますが、その上で、地域防災計画や避難計画、これの具体化、そして充実化に当たりましては、原発の所在地域ごとに設置しております地域原子力防災協議会の下に、協議会ごとに作業部会を置いて議論しているところであります。協議会や作業部会での議論の内容につきましては、先ほど委員からお話あったように、議事内容の作成、公表を行うことによって情報の公開に努めているところでございます。
その上で、今回、この今お示ししていただいた勉強会というものは、これ自体は県が事務局でございまして、内閣府として主催したものではございませんので、内閣府としては、この勉強会の開催の是非、また会の在り方についてはコメントする立場にはないと思っております。
○山本太郎君 だから、それが隠れみのになってるんだって話なんですよ。内閣府主催じゃないって逃げられるでしょう。県主催なんだということにできるじゃないですか。
作業部会、これは内閣府主催、でも、同じ内閣府の主催で作業部会をやってるんだけど、途中で勉強会に切り替えるんですよ。切り替えちゃったら県主催、で、記録も残さなくていいってことになっちゃうから、その中でむちゃくちゃなことやってるんですよ。だから、それ言ってるんです、やめてもらえませんって。
もしもそういう事実があるとするならば、もしもし、隣と話しないでください、私と話してるんですから、今。作業部会の途中で看板を付け替えて、その勉強会、記録に残さなくていいという勉強会の中で重要事項を決めるようなことをやっちゃ駄目じゃないですか、当然でしょう。誰の目にも、誰の目にも見えないようなところで重要な案件を、先ほどの暴論みたいなことを交えながらむちゃくちゃやられてると思っちゃいますよ。もっと公明に、もっとみんなの目にちゃんとさらされた形でやるべきなんですね。内閣府のマターじゃない、県のことだから県で決めればって言ってるけど、内閣府がっつり入っているじゃないですか、勉強会に。入ってるんですよ。
だから、お願いしたいのは何かといったら、作業部会と言われているものをそこそこにして、看板を掛け替えて勉強会、その中で重要事項を決めていくようなことはやめていただきたいんです。それ、約束していただきたいんです。大臣にしかお願いできないし、これを止められるのは大臣だけなんです。いかがでしょう。
○国務大臣(西村明宏君) 今おっしゃっているように、この勉強会と称して隠れみのでやっているかどうかはこれは分かりませんけれども、先ほど申し上げたように、地域防災協議会、また作業部会においての議論はできるだけ透明性を持って情報公開できるように努めておりますし、また、こういった勉強会、今御指摘ございましたので、またこの在り方については、しっかり山本委員の御指摘を受け止めながら検討させていただきたいと思います。
○山本太郎君 受け止めていただけるのは有り難いんですけれども、検討していただくのも有り難いんですけれど、これ今実際にそういう運用が行われている疑いが非常に強いってことです。目を光らせていただきたいし、そこに対して、そのようなことはするなという、やはり一番トップからの声がいただきたいということなんですね。
先ほど透明性は確保されているとおっしゃいましたけれども、これ公開の義務は元々ないんですよ、この作業部会に関しては。一、二枚の議事概要、配付資料のみ内閣府のホームページで掲載なんですね。そこを透明性確保されているなんて言葉は使っていただきたくないんです。お願いいたします。
懸念したとおり、密室会議というものが実際に開かれている。先ほどのストーリーですね。ジャーナリスト日野行介さんが明らかにしました。協議会作業部会と同じ日時に、ほぼ同じ参加者によって、茨城県主催の勉強会という体裁で東海第二避難計画の詳細に関する協議が行われていた。会議の前半を内閣府主催の協議会作業部会として開催した後、同じ会場で、この後は県の勉強会としたいなどと仕切り直して協議を続けていると。
この後半の県の勉強会については、内閣府、責任負わない。先ほど言われましたよね、内閣府、関係ないと。そのとおりなんです。議事概要や配付資料すら公表する義務もなくなる。実質同じ会議なんですよ、これ。県の勉強会という隠れみのになっちゃって、後半部分、完全に隠蔽する手法になっちゃっているんですね。
ジャーナリスト日野さんによれば、これまで少なくとも5回はこのような協議会と同日同時刻開催の県の勉強会が行われてきたと。この県の勉強会の議事録は茨城県が作成しています。一切の議事録を不開示とする茨城県に対して、ジャーナリスト日野さんの不服申立ての結果、2年掛かって、2年掛かってやっと開示された。固いですね、守りが。オープンにしてください。
開示された議事録を見てみると、安定ヨウ素剤を配布する場所、避難経路、避難用車両の確保、避難計画の重要な詳細を内閣府と自治体の担当者で協議しているんです、この勉強会で、看板掛け替えた後に。重要項目そこでやったら駄目ですよね。それがおかしい、それを止めてくださいというお願いを先ほどしました。完全非公開にしたいがために勉強会という隠れみのを使う、そのようなことをやめていただきたいということです。
で、お願いがあります。委員長、全ての地域について、これは東海だけじゃなくて、その地域にも疑いがあります。全ての地域について、県、市町村勉強会などと称して内閣府も参加した避難計画に関わる会議の全ての記録の公開を求めます。これは内閣府に取りまとめていただくしかないとは思うんですけれども、是非そのことをお諮りください。
○委員長(古賀之士君) 後刻理事会で協議いたします。
ちなみに、時間がありませんので、おまとめください。
○山本太郎君 避難計画というのは、やはり東電原発事故の後に、その反省としてやはりもう1回新しくリスタートしようということで始まったことですよね。この避難計画をこのような形で進めていかれてしまえば、これは避難の実効性も難しい、そこに対して疑心暗鬼しかない。そこを守れるのは西村大臣だけです。この隠れみの、是非剥がしてください。
よろしくお願いします。
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