国会活動
2023.5.10 憲法審査会「国民を守るために改憲の「ウソ」」
2023年05月10日
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○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。
○山本太郎君 参議院緊急集会について、衆議院任期満了時には緊急集会を招集できるのか、70日間以上開催することができるのかなど、運用面の限界を指摘する意見が結構出てきていますよね。
確かに、衆院任期満了時や緊急集会の期間について憲法には規定はないです。これらの課題は憲法に沿った解釈と運用ルールで解決できることだと私は思っています。つまりは、必要に応じて衆院任期満了時にも開催する、必要に応じて70日以上開催もできると憲法解釈すればいいだけのことだと。それほど無理のある話ですか、これは。
例えば、憲法9条。9条をそのまま読めば自衛隊は違憲ですが、13条と併せて考えることで合憲だとこれまで解釈してきたわけです。国民の生命、財産を守る上で必要であるということから、これほどまでの解釈も可能となったと。
参議院緊急集会について、今のままでは緊急集会を70日以上開けない、任期満了時は無理だ、憲法改正が必要だという論立て自体、無理があるんじゃないですか。国民の生命、財産を守る上で必要があり、憲法に沿った解釈がなされるならば、当然70日を超えても開催できると考えるのが筋ではないでしょうか。
これまで好き勝手に解釈しまくって立法までしてきた者たちが、緊急集会などに関しては憲法改正が必要だと悲壮感たっぷりに訴える意図は何なんでしょうか。欲しいのは、憲法改正を私たちの手で行ったという形でしょうか。それに加えて、事実上の白紙委任、緊急事態条項を手に入れたいということでしょうか。
他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ない。このように、従来、政府は、集団的自衛権は憲法上認められないという見解を示してきました。集団的自衛権は本来、憲法改正をしなければ容認できないものです。それを憲法改正の手続は一切踏まずに、解釈変更の閣議決定で容認、強行採決で立法化しました。憲法改正が党是だと言いながら、本来は立法する以前に必要である憲法改正をやらずに、解釈だけで、数の暴力で強権的に立法化したのはなぜですか。
4月30日、NHK「日曜討論」で、衆院憲法審査会の幹事、自民、新藤議員は、今の憲法は占領下で防衛力を放棄させられていたときの憲法だから自衛の範囲や実力組織についての規定がない、だから、憲法に規定のない武力行使や集団的自衛権を一般法で定めてきた、今度は安保法制に書き込んだことを憲法に後付けで盛り込むのだと、そういった趣旨の発言をされていました。
現行憲法98条、この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するそのほかの行為の全部又は一部は、その効力を有しないとあります。憲法を飛び越えた立法は許されない。これさえ理解していない者が国会議員であり、憲法審査会の幹事を務めていることに、同じ国会議員としてではなく、1有権者として危惧します。憲法尊重擁護義務が公務員にはありながら、その感覚が全くない。あきれるのではなく、非常に危険な状態だと考えています。
話を解釈に戻します。
参議院の緊急集会の開催要件や期間を広く取る憲法解釈と集団的自衛権の合憲解釈、どちらにより憲法解釈上の無理があるでしょうか。言うまでもありません。
終わります。
○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。
○山本太郎君 緊急事態条項を作りたいという議員たち、参議院緊急集会を70日以上開けない国会の空白を生まないために衆議院任期延長が必要だと主張される方々、この国会の空白期間が生まれることはならぬと主張する方々の中には、これまで国会の空白期間をつくり出してきた常習犯であった、そんなようなお話をしたいと思います。
70日を超える、しかも大幅に超える国会の空白を自公政権は意図的に繰り返し生み出してきました。それも、困窮する国民にとって待ったなしの非常時に空白期間をつくり出すんです。早急な補正予算編成、緊急対策が求められるといった状況で空白を長引かせるのが特徴です。
2021年6月16日、通常国会が終了。次の臨時国会までの空白期間は109日間続きました。憲法53条に基づく野党からの国会召集要請は無視。コロナ禍に苦しむ中小企業も国会審議を求めていたのに無視。当時は第五波の真っただ中、医療機関はパンク、感染者は自宅で放置されていたのに無視。菅政権は国会を開かずに退陣です。自民党は国民の苦境に見向きもせず、総裁選に明け暮れて、ようやく成立した岸田政権で10月4日に臨時会召集。大した議論もなく、10日後に衆院解散。
2020年通常国会終了後、コロナ禍で医師会などは法整備のための早期国会審議を求めていました。しかし、アベノマスク批判から逃れるためにも、安倍政権は野党の国会召集要請に応じず、空白期間は90日間にも及んだ。
ほかにもまだまだあります。共謀罪を強行に成立させた直後、2017年6月18日に安倍政権は国会を閉じた。次の臨時国会まで101日間の空白。モリカケ疑惑の追及から逃げたと批判される件です。そして、安倍政権は9月28日、臨時国会を開くも、途端に衆院解散。このときの解散の理由が国難突破解散。国難とは何ですかと問うた場合に、これ、少子化が国難なんですというふうに総理もその後答えているんですね、何度も。少子化が原因で国難突破する必要があると。で、今になって何やっていますか、異次元の少子化対策。2017年から具体的な対策取られていなかったということの証拠じゃないですか。
話を戻します。
国会の空白づくりの常習犯、自民党が、70日以上国会が開けなかったらどうするのか、憲法改正だと、さも深刻げに心配する姿が非常に白々しく映ってしまいます。国会の空白期間を心配するなら、100日を超えて国会を放棄し、国民を放置してきた、党利党略、保身のために国会の空白期間を常習的につくり出してきたことへの反省を述べることから始めなければお話になりません。
当初、本日は参考人質疑を行う予定でしたよね。参考人の日程が調整できないから、このような形での開催となった。何も無理やり開く必要はないんですよ。参考人の調整が付かないなら、審査会の日程を延期すればいいだけなんですね。毎週開催することで回数を積み重ね、意見は出尽くした、議論は尽くした、そう言って憲法改正に誘導したいんじゃないかなって疑いたくなっちゃうんです。本来議論すべき数々の違憲状態について何も審議せず、緊急事態条項絡み、改憲ありきと思わせるような毎週開催は不健全。これは国民から憲法審査会への信頼を失わせるものだと思っています。
国民の優先順位は改憲ではなく、目の前の生活。30年に及ぶ不況の中で、コロナに物価高、憲法違反状態の中で苦しむ国民の現状をしっかりと議論することが優先順位の最上位ではないですか。政治的野心達成のためではなく、国内の安全保障を30年間放置し、国民の多くを傷つけたことへの反省も踏まえた上で、本審査会のテーマ設定をもう一度やり直す必要があると考えます。
終わります。
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