山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動


○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。

○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
先日、最高裁は、昨年夏の参議院選での議員定数配分規定について合憲と判断。大きな論点は、選挙区間の最大較差が、2019年選挙の最大較差3.00から昨年の選挙では最大較差が3.03にやや拡大したことと。最高裁は、合憲と判断した理由を、選挙区間の最大較差は3倍程度で推移しており、有意な拡大傾向にあるとも言えないとした。1票の較差という問題を憲法の視点から見たら、許容範囲、合憲であるとの判断。公職選挙法上の合区を維持したことを評価して合憲としたと。
改めて言うまでもなく、最高裁は、ある法律について違憲審査権を行使する終審裁判所であると。その最高裁が違憲かどうか問題にしているのは、公職選挙法上の定数配分規定の平等原則違反であり、合区規定ではありません。しかも、合区規定があるがゆえに定数配分規定は合憲としている。このように、合区問題はそもそも憲法問題ではありません。したがって、合区制度の妥当性、改正、廃止などを検討するのであるならば、舞台は参議院の改革協議会です。
合区が検討されたのは、参議院の議員定数、総数を固定したままで一票の較差の縮減を図るためでした。2015年、自民党も賛成して、参議院の選挙区について、鳥取・島根、徳島・高知を合区とする定数配分調整規定が成立。その後、2019年選挙に向けた選挙制度改革の議論の場として各党参議院幹事長で構成される参議院改革協議会が2017年に設置されて、更に議論が進められた。他方、自民党は、参議院在り方検討プロジェクトチームを設置、合区解消の検討を始めたと。マッチポンプなんですね。その結果、考案されたのが憲法に参議院議員は都道府県から1人以上と明記する案です。
自民党が法律の改正で対応すべき合区問題を憲法改正にこじつけている背景には、参議院の議員定数を増やさないまま投票価値の較差を是正しようとしていることがあります。そうであるなら、参議院の議員定数を増加することこそ検討すべきじゃないですか。日本の人口100万人当たりの国会議員の数は5.6人。OECD38か国中36位です。国会議員の数は先進国の中では非常に少ないわけですから、もっと増やしてしかるべきです。
自民党のウェブサイト、「憲法改正ってなぁに?身近に感じる憲法のおはなし」によると、改憲4項目のうちの1つ、参議院の合区解消、各都道府県から必ず1人以上選出へには、現状、人口減少が急速に進む地域で参議院の合区が発生していると書かれています。まるで他人事のような書きぶり。地方の衰退、人口減少の加速は、国のリソースの多く、人、金、物を三大都市圏、大都会に集中させた自民党の失敗から生み出された現象です。それに加えて、自民党が中心となって旗を振り実現した合区についても、発生したと、まるで災害にでも遭ったような表現。余りの面の皮の厚さにこちらが恥ずかしい思いをしなければならない状態です。
本来、憲法審査会で扱われる案件は合区についてではありません。長年政権与党にありながら、地方の人口減少が深刻になるような原因、都市部との人口格差を広げた経済政策の失敗の検証、そして反省、抜本的見直しが必要なはずです。
 国を、この国に生きる人々を30年もの間痛め付ける国会運営を行ってきたことへの、国家運営を行ってきたことへの違憲性のチェックこそが憲法審査会で行う最優先課題。それでもいち早く合区を解消したいというならば、すぐにでも参議院の改革協議会の議論を始めればいい。合区問題を憲法審査会を開催したという回数稼ぎに使うべきではありません。
終わります。




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