国会活動
2024.3.8 予算委員会「山本が聞いた被災地の声 個別の仮設住宅が必要なワケとは」
2024年03月08日
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○委員長(櫻井充君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
資料①。(資料提示)
能登半島地震後、総理は一貫してコミュニティーを守ると御発言。この言葉にうそはないですよね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) うそはありません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
資料の②。
ほかにも、農業、漁業は日本人にとっても大きな誇り、しっかりと支えていくと御発言されました。この言葉にもうそはないですよね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) うそはありません。そのとおりであります。
○山本太郎君 資料③。
能登は世界遺産としても評価を受ける重要な農業地域。
農水省、認定理由、簡潔に説明を。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。
石川県能登地域は、能登の里山里海として平成23年に国連食糧農業機関により日本で初めて世界農業遺産に認定された地域であります。
この認定は、能登地域の農林漁業とそれに関わる人々の営みの中で守り伝えられてきた祭礼や伝統技術、美しい景観、豊かな生き物のつながり等が一体となった農林水産業システムが評価されたものと承知しております。
○山本太郎君 総理、美しい能登の第一次産業をこれ守ると、是非もう一度宣言いただけないですか。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 能登の一次産業を守る、これは国としても重要な責務であると思います。
○山本太郎君 能登半島は、地震により一次産業が危機的状態です。一次産業なくして当然地域コミュニティーの維持はありません。
資料④。
政府、石川県は、被災地のコミュニティーを維持するため、地元の空き地などに仮設住宅を建設。元の地域に近い場所に入居できるよう、ふるさと回帰型仮設住宅の計画を発表。
今回、仮設住宅は三種類。資料を御覧いただくと、1番左側、そちらが旧来型、旧来型の仮設。真ん中は熊本地震からの長屋タイプ。1番右、今回石川モデルとして推進されるふるさと回帰型。この建設時期は、復興中期、恐らく2年後目標と思われます。3つのタイプ、これを駆使して能登の再生を図るようです。
この資料、この資料の赤いライン部分、赤いライン部分の3つのタイプの仮設住宅は、最少で5戸、5戸から最大100戸以上の集合型、集落型の仮設住宅群となります。こういった集合型、集落型では仕事に支障が出てしまうという方々もいらっしゃる。
資料の⑮。
牛や動物から目が離せない酪農、いつでも田んぼ、畑の状況が確認できる環境が望ましい農業、一般的な仕事とは時間帯が違う漁業など、住まいとなりわいの場所が近接していることが望ましい方々のために、元の自宅の敷地や農地などに個別で仮設住宅を設置する。なりわい近接型仮設住宅の設置を速やかに行い、生産者を守ってほしいんです。
資料⑤、⑥。
2月26日、能登半島珠洲市で農家と漁師の方々から直接お話を伺いました。
米作りをする3世代9人の家族。地震で家が倒壊、2人が家屋の下敷きに。近所の方にチェーンソーを持ってきてもらって、何とか救助。避難所ではなくて、今も、山の水をくみ、食器を洗ったり洗濯したり、自衛隊の給水を受けたり、ビニールハウスで生活をしています。子供もいるし、何より田んぼから離れることはできないから避難所には行けない、そうおっしゃいました。政府に今何を求めますか、そう聞くと、ここに仮設住宅を置いてほしい、集合型の仮設からは田んぼに通えないと。
漁師の方々ともお話をしました。私と同年代。家族を金沢に避難させ、被害が半壊という自宅から漁に出ている。半壊といっても普通に住める家じゃないよ、でもそこからでも通わなきゃ、珠洲の漁業を終わらせるわけにはいかない、そうおっしゃいました。先日、港に仮設が設置される、そこで寝泊まりできると喜んでいたら、寝泊まり禁止、電気も通さないと。ただのプレハブが届いたんだっておっしゃっていました。
ほかにも、避難所から海に出る漁師さん。漁師は夜中に出ていくもんだから、避難所のみんなは寝ている時間。物音を立てないようにそうっと準備して海に向かう。港に仮設があったらどんだけ気が楽かっていつも思ってる、そうおっしゃいました。
資料⑦、⑧。
報道されている声も紹介します。
輪島市の男性。避難先から無人の集落に通い、1人、芋を植える。農業ができるぞと見せて、住民に帰ってきてもらいたい。
珠洲市の農家。離れたところで長期の避難生活が続けば、田んぼは維持できない。
資料⑨、⑩。
奥能登地域では地震前から離農が進んでおり、担い手の更なる減少が懸念される。
珠洲市の水産会社社長は、港の近くに住む場所もない、このまま漁業に携わる人が離れるんじゃないか、不安になる。
過去の災害では、集合型、集落型ではなくて、個別に仮設住宅を設置した例があります。
内閣府、北海道の事例のみ説明を。
○政府参考人(高橋謙司君) お答えいたします。
仮設住宅は、石川県及び市町において協議の上、その上、建設場所が選定されるものと承知しておりまして、過去の災害では、個別の特殊事情に鑑み、なりわい現場に近接して仮設住宅が建設された例があると承知をしております。
今委員御指摘のとおり、平成30年北海道胆振東部地震では、家畜の体調管理や餌やりなど昼夜を問わず家畜の見守りが必要となる方向けに、酪農家の敷地内にトレーラーハウスがリース方式で設置された例があると承知しております。
○山本太郎君 資料⑪。
熊本の地震のときから始まったんですね、取組は。そのときには、トイレなし、お風呂なし、ただのプレハブを設置するだけだった。2年後の胆振地震、今御紹介があったものに関して、グレードアップされているんですね。立派なトレーラーハウスを個別に設置、すばらしい取組です。
内閣府、自宅付近、なりわい現場付近に個別に仮設住宅を建てる計画、今ありますか。
○政府参考人(高橋謙司君) お答えをいたします。
現在、71か所で仮設住宅の建設が進められているところでございますが、その中には農地や漁港の近くに立地しているものもあるものと承知をしております。一方で、委員御指摘のなりわい現場付近に個別にという意味での、個別に仮設住宅を建てる計画ということにつきましては、石川県に確認しましたところ、現時点では具体的な計画はないとお聞きをしております。
内閣府としては、被災自治体と連携しながら、被災者の方々の意向にできる限り寄り添った形で住まいが提供されるよう適切に取り組んでいきたいと考えております。
○山本太郎君 今のをまとめるとこういうことになります。なりわいの現場に個別で建設する話は出ていません、基本は自治体で決めていくことで、国は先回りしていないという回答なんですね。
仮設住宅を畑などなりわい現場の近くに個別に建ててほしいという声は被災自治体から要望として届いていますか。
○政府参考人(高橋謙司君) お答えをいたします。
これも石川県に確認いたしましたところ、委員御指摘の個人の畑などのなりわいの現場の近くにおける仮設住宅の建設について、現時点では具体的な御意見としてお聞きしていないとのことでございますが、御指摘のように過去の災害でそうした地域の実情を踏まえて対応した例もございますので、これは引き続き丁寧にニーズを酌み取りながら対応していきたいと、石川県と連携して対応していきたいと考えております。
○山本太郎君 言葉ではそうおっしゃるんだけど、実際は動きがないということなんですね。
で、これ、住民の声というのが必ず自治体や首長に届くとは限らないんですよ。私がお会いした農家の方々は、国会議員どころか市議会議員、県会議員も訪ねてきたことがないとおっしゃった。漁師の方々は、自治体に言っても手がいっぱいで無理だ、そうおっしゃるんですね。被災自治体からの要望が届いていないから住民の要望がないと考えたり、被災自治体の首長とも密にやり取りしているから大丈夫だと総理にはどうか安心していただきたくないんです。
今回、私がある市役所で職員から聞き取りをしている際に、呼んでいないのに急に市長が現れて、政府はよくやってくれている、現場は少し大変だけど国のおかげで大変助かっている、十分に支援してもらっていると、尋ねてもいないことをぺらぺらと始め、お話しになられたんです。で、2日間住民に聞き取りをして国の支援が足りていない部分が分かったので国会でこれから求めていきますからねという話を言うと、いや、そんなことはない、うまくいっている、問題ないんだというふうに遮ってくるんですよ。
国からどう見られているかということを気にし過ぎてほかが見えなくなるというような政治家も社会には存在します。もちろん、そういったケースだけじゃなくて、今も現場は大変な状況が続いているので、様々な要望を幅広に受け入れて順調に処理すること、なかなか無理なんですよ。だからこそ、総理には、自治体からの要請がないということをうまくいっているとか安心したというふうに思ってほしくない。常に何が足りていないか、国が目配り、先回りをしていってほしいと、そういうお願いでございます。
能登半島の第一次産業、この灯を消さないためにも、特殊事情に鑑みて、個別の仮設住宅、なりわい近接型の仮設住宅を設置するよう先回りしていただけないですか。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど答弁の中にもありましたように、トレーラーハウス型の仮設住宅、なりわい近接型の仮設住宅、これは選択肢の一つであると思います。
委員の御指摘は、そのニーズをどう酌み取るのか、国としてもその誤解をしてはならない、しっかりニーズを酌み取れということであります。
ニーズの酌み取り方については、やはり国としても引き続き具体的に、アンテナを広げてニーズを酌み取る努力、これは広げていきたいと考えます。
○委員長(櫻井充君) 時間が来ております。
○山本太郎君 まとめます。
できれば要望調査などをしていただくのが一番正確だとは思うんですけれども、それには時間も要するし、ほかの公務員とかの増員とかも必要になってくると思うんですね。
逆に、国が先回りをして、是非この近接型、なりわい近接型を前に進める、プッシュ型でという形を是非進めていただきたいというお願いでございます。どうかよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
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