国会活動
2024.3.18 予算委員会「「夏を越える前に資金は枯渇・・・」 能登で今起こっている、介護事業の問題について」
2024年03月18日
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○委員長(櫻井充君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。
今日、日本経済を復活させるため、総理と議論をする予定にしていたんですけれども、急遽内容を変更させてください。申し訳ありません。
昨日、石川県の奥能登に入り、様々な声を聞いてまいりました。極めて急ぎの案件ですので、総理に直訴させていただきたいんです。
昨日、自民党党大会で総理は、被災者のためにできることは全てやる、やらなければならないことは必ずやると御発言されています。この言葉にうそはないですよね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) はい、うそはありません。
○山本太郎君 結論から言います。能登半島、特に奥能登、高齢者が利用するデイサービスセンターを仮設で造っていただきたいんです。現在、政府の応急仮設団地での取組とはまた別の話なんですね。仮設が難しいならば、代替できる施設などの賃料をどうか払っていただけないですかというお願いです。奥能登の介護事業者がこのようなお願いを石川県に対してしたときに、恒久的な施設であればいいけど、それ以外はお金がないので無理、仮設は考えていないと言われたそうです。
高齢者が利用するデイサービス、皆さん御存じのとおり、自宅で暮らす高齢者が日帰りで施設に通い、機能訓練、入浴支援などのサービスを受けるもの、心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されていると。
災害で被災した施設を修繕するのにお金が掛かるだけでなく、工事関係業者が余りにも忙し過ぎる、見積りさえ取れない状態だといいます。再開の見通しも立たない、そういった声、幾つも聞きました。問題を五つに分けます。
1 現在、在宅で避難している高齢者にも必要なサービスの提供ができていない。例えば入浴、災害前は毎日サービスを提供できていたが、現在はNGO、NPOの助けで、巡回で週一回の提供がやっとである。現在も何とか使える建物でサービス提供する者もいるが、お茶を飲んだり健康相談に乗ったりはするけれども、本来の活動が行えていないと、限界があると。
2 現在、奥能登では、2次避難などでサービス利用者が減り、収入を大きく減らした介護事業者は職員の雇用を維持することが難しい状態である。事業者の資金が枯渇するまでに猶予が余りない。国による底上げがなければ事業の継続が難しい。
3 このままでは、現在2次避難をしているが、この先、奥能登に戻って余生を過ごそうと考えていた高齢者が受けられるサービスを提供できる事業者、介護者、これ確保ができない状況になってしまう。つまりは受皿がなくなる。
4 受皿がない又は普通のサービスを受けられない土地に高齢者を帰せないとなれば、奥能登に人が戻らなくなる。
5 今のままでは奥能登の介護体制は崩壊、コミュニティーを守るどころの話ではなくなる。これが現場の悲鳴です。
職員の中には、金沢などに避難したり、家族の都合で退職する者もいますが、何とか踏ん張って残っている人たちもいます。予測の付かない近い将来のために事業者は何とか雇用を維持して職員を抱えようとする、その場合、給料を払わなければなりません。介護の受皿がない、何とか受皿はあっても、機能していない、キャパが縮小されているなどの状態があれば、家族としても、父母、祖父母を地元に帰すわけにはいきません。
現在、社協を含む介護事業者を政府が支えなければ、コミュニティーは崩壊、奥能登はゴーストタウン化するおそれもあります。まずは、仮設でデイサービスを提供できるようにしていただけないですか。大きな被災を免れた施設、そういったものを代替として、使えそうな物件を使うという手もあります。しかし、その支払、年間で300万、400万、500万になってしまう。この先どれぐらいの利用者が戻るか分からない中で事業者が自前で踏み出してしまった場合、予想よりも利用者が帰ってこなければ資金がショートしてしまい、遅かれ早かれ、事業、畳まざるを得なくなります。
総理がおっしゃるコミュニティーを守る、そのために絶対的に必要なインフラ、介護、福祉、保健、医療、デイサービスを提供できる仮設、早急に造っていただきたいんです。仮設が難しいなら、物件借りてサービス提供する場合、その賃料であったり、係る設備、国で持っていただけないでしょうか。
職員の雇用にも問題はあります。どれだけの人が戻ってくるかは分からない。今、元々職員として働かれていた方々は継続して雇用している事業者が多いようです。地域、利用者のことをよく理解して、故郷を何とか守ろうと使命感に燃えている人たちが多いそうです。この災害で従業員をつなぎ止めるために雇用調整助成金が出ます。休業期間、雇用主は賃金の6割以上を労働者に支払い、その八割を国がカバーする。でも、全産業平均100万円近く安い所得の介護従事者を更に少ないお金でつなぎ止めようとするのはさすがに厳しいのではないでしょうか。
ある介護者の方、地震前は3つあった施設が今は2つ被災して使えなくなった、小さな場所で地元に残った少人数の高齢者にサービスを提供している。二次避難から帰ってくる人、これ増えたとしたら対応できそうですか、私がそう聞いたら、今の場所では無理ですね、違う場所が必要になると思います、あとそのときに職員がどれくらい残っているか、これが非常に重要なことだと思いますと教えてくれました。
ほかに、事業者にも話を聞くと、この仕事を商売として考えたことはないけれど、商売ベースとして話すとむちゃくちゃ薄利多売なんですよと、介護保険事業でちゃんと利用者が入ってこないとお金回らない、絶対事故を起こさないためにも職員の配置も厳格にやるし、利用者が1人減っただけでも収入には大きなダメージがあると。災害前で100人と少しぐらいの登録者がいましたけどね、みんなが毎日施設に来るわけじゃないですよ、それぞれが週3回利用する感じです、イメージだと毎日20人ぐらいの利用者かな、これだと何とか赤字出さずにいけるんですけど、今、少人数だから、経済的には回せません。厳しい。心折れそうですね。そうコメントくださった方、この介護事業所では基金を使って何とか持ちこたえているそうです。その基金とやらでいつまでいけそうですかということを聞くと、このままだと夏を越える前に資金は枯渇する。ほかの事業所の方は、このままだと次年度前半、6月にはショートする。ほかの事業所で聞いた話では、数か月後にはお手上げです、そういう方もいらっしゃいました。雇用される側にとっても不安でしようがない状態なはずです。
お話を伺った介護従事者のお1人は共働き、最悪この先資金繰りが厳しくなってここが潰れたとしても、旦那の稼ぎでぜいたくしなきゃやっていける、今は地域の恩返しのつもりでやっているんですよとおっしゃっていました。ほかにも、正直次の仕事が見付けないと、次の仕事を何にしようかということを考えながらここで働いていると。でも、やっぱり残った利用者さんのことを考えたらなかなか踏ん切りが付かないんです、そういう言葉をくださった方もいらっしゃる。雇用する側もされる側も、不安でしようがない中、必死で地域のために利用者のために踏ん張ってくださっている状態です。
残念ながら、国が本気で支援しなければこういう状態も長く続かないと思うんですよ。資金がショートするという物理的リミットが目の前に迫っているからですね。このままでは、コミュニティーを守る、それどころじゃないんです。
冒頭の話に戻ると、高齢者が利用できるサービスを提供する施設は、コミュニティーを守るために絶対に必要なインフラの1つ。高齢者が安心して暮らせるためのサービスがなければ、見守りがなければ、家族は奥能登に親を帰せません。家族も一緒に戻る、そういうこともできません。奥能登のコミュニティーを崩壊させないというなら、絶対に必要なインフラである高齢者施設を今から施設や雇用を守って維持しておかなければなりません。
何度も繰り返しますが、石川県は恒常的な施設以外は造れない。仮設に出せるお金はないそうです。総理、デイサービスを提供できる仮設、既に取り組んでいる部分ではございません、その仮設を新しく建設する、ニーズに合ったものを造っていくということを宣言いただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、お話聞いておりまして、被災地におけるデイサービスの重要性、これはもう御指摘のとおりだと思います。そして、委員の方からいろいろな例を挙げられました。在宅介護の方が行く場所がないとか、多くの方が避難されているからして地元のこの事業者が維持できないというような話、さらには、避難されている方が帰っても受皿がないという話、結果としてコミュニティーが維持できないという話、幾つも具体的な例を挙げていただきました。
これ、話聞いておりまして、これは事業者の問題でもありますし、雇用者、雇用の問題でもありますし、職員の確保の問題でもあります。いろいろな問題を含んでいるなと思いながら聞いておりました。
そして、委員の方からは、仮設で造ってくれという話、賃金のこの支援ができないかという話、石川県のお話についてがありましたが、それも確認した上で、国としてこの御要望に向けて何ができるか、これ、今、私自身はこの今の問題、指摘、初めて伺いましたので、それを国として具体的に何ができるか検討をしたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
是非、地元の事業者の方々、そして職員の方々がおっしゃったそういう声をすくい上げて、何としてもコミュニティー守るために、今から守っておかないと、戻ってきたときに対応できませんという状態じゃ定着できないと。是非、何とか能登を再生させたいという総理の思いに、そういうような介護体制を今からつくっていただきたい。まずは仮設で、仮設が無理なんだったら代替施設で。そういうことの、何でしょうね、支援の手を、県でできないのであるならば是非国が先回りをしてやっていただきたいというお願いでございます。
もう1つあります。先ほどの話ですけれども、やはり、従業員を押さえておく、つなぎ止めておくのに非常に大変な思いをされていると、なかなか難しい。先ほども言いました、雇調金ではやっぱりなかなか、何だろうな、その仕事のままでいておいてくれる、体を空けておいてくれる、そういうことが難しいという状態の人たちが結構いらっしゃいます。
なので、できればこれ介護従事者の所得、そこで働いてくれることを条件であったりとかという、何よりも今踏ん張って頑張っている方々に対して、災害前と同じ給料がちゃんと保障されるように、そして、それ同額以上でも結構でございます、そういうような支援をお願いしたいんですけど、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 詳しくは厚労大臣から答弁させますが、要するに職員の確保という観点においても国として何ができるのか、こういった点は考えてまいりたいと思います。
○国務大臣(武見敬三君) 雇用調整助成金について、助成率や支給日数を引き上げることなど特例措置を講じております。
具体的に、中小企業に対する助成率を3分の2から5分の4へ、大企業に対する助成率を2分の1から3分の2へ引き上げることや、従業員1人当たりの支給日数の上限を年間で100日から300日へ引き上げるなどの特例措置を講じたところでございます。
そして、雇用調整助成金、これ雇用保険制度の附帯事業であり、雇用保険2事業で実施しており、雇用保険に加入している事業主が負担している保険料で全額措置をしており、地方の負担はございません。
○山本太郎君 雇調金では、これ人をつなぎ止めることが難しいんです。御存じのとおりです。なので、厚生労働大臣にはお願いしませんでした。総理にお願いしております。
是非、これだけの災害があったところ、ちゃんと復興できるんだ、それを伴走したのが岸田総理だと、しっかり介護を守った、職員も守ったということが後に残りますように、是非御支援の方、よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
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