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国会活動

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2015.3.4 国の統治機構等に関する調査会にて参考人質疑がありました。

調査内容:国の統治機構等に関する調査(時代の変化に対応した国の統治機構の在り方)
「国と地方の関係(これからの地方自治)」

参考人
・西尾勝 東京大学名誉教授 地方公共団体情報システム機構理事長
・人羅格 毎日新聞論説委員

 

○山本太郎君 政党名に個人名が入っているとは何たることかと、前代未聞であると、国会内の皆さんにもかわいがっていただいております、生活の党と山本太郎となかまたち、山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。
参考人の先生方、本当に貴重な御意見聞かせていただいて、ありがとうございます。是非、中学生でも山本太郎でも理解できるように教えていただけると助かります。よろしくお願いいたします。
まずは、両先生方にお伺いしたいと思います。
ざっくりで結構なんですけれども、いわゆる大阪都構想では、大阪市を解体して五つの特別区にすることを住民投票で決める流れになっていますよね。その一方で、東京都の二十三の特別区では市と同等の権限を求める意見もあるようです。専門家の目から見て、大阪市を五つに分割することによって住民へのメリットとデメリットを教えていただけないですか。
○参考人(西尾勝君) 都構想というのは、東京都の基本的に先例が唯一あるので、それに基本的に同じようなことを大阪で考えていらっしゃるわけですけれども、エッセンスは、従来の大阪府に加えて、大阪市がやっていたような広域的な事務といいますかね、重要な事務は府の方に持っていくわけです。東京都でいえば、二十三区の都市計画権限のかなりの部分を東京都自身が持っているわけですね。二十三区に残されているのは、軽微な都市計画事業しかできなくなっているわけです。そういう意味で、集中しているわけです。それから、消防の業務等を全部府で持つと。東京都の消防庁が持っているように集中すると。
そういう集中の面と、それから分権するという意味が、従来の大阪市の場合は行政区しかありませんから、区役所しかなくて、区長さんも区議会もなかったわけですね。それが、今度は五つの特別区になりますと、公選の首長さんが出てきますし、公選の区議会もそこに置かれるということになりますから、従来の行政区というよりははるかに強力な自治体が生まれるわけです。そこにまとまった仕事を下ろすという意味では、大阪市以上にもう少し住民に身近なところへ権限を下ろすという部分と、両面を持っているわけです、都政構想というのは。
ですから、そこで、五つの特別区ができたらうまくいくのかというのは非常に複雑な話で、私は、東京都で、東京市と東京府を統合して東京都になってきたあの制度が持っている東京都にとってのうまみですね、それはかなりあの財源に支えられたところがあります。そういう意味で、都政のうまみというのが東京都の関係者は享受している部分があります。しかし、大阪はそれだけのまだ財政力がないんですよ。府市統合してもないんです。それで果たしていいうまみが出てくるかということは、やってみなければ分からないというところじゃないでしょうか、本当に、そう思います。
○参考人(人羅格君) 一般的な話として申し上げますと、都構想の場合には、メリットとして議論されているのは、府市、府市合わせという表現をよく言われるようですけれども、そういった二元状態ということがある程度解消されるのではないかという点がまず一点あるでしょう。
あともう一つは、現行の政令市においては、区長というのはお役人です。役所の役人として配置されている人ですが、先ほど西尾先生のお話にありましたとおり、大阪都構想になった場合には、自治体ですから、区長、区議会というものの公選が行われるということはガバナンスという点では強力になる可能性があるということであろうと、ここがメリットとして言われている点ではないかなというふうに思います。
逆に、じゃ、デメリットの点について言いますと、大阪市をわざわざ分割して、市はなくなるわけですから、そこまでして区に割って、それでその割られた区によって財政の均衡度がきちんと保たれるのであろうかと、そこに格差が生じるのではないかと、そこをどう調整するのであろうかということについて、そこの答えはどうだろうという、そこについていろんな議論が多分あるんだと思います。そういった点が議論になっているのではないでしょうか。
以上です。
○山本太郎君 大阪都構想と、そして道州制の関係についてお伺いしたいと思うんですけれども、大阪都ができた場合、大阪都は関西州に含まれるのか含まれないのか。大阪都構想と道州制、これ、何か矛盾するような気もするんですけれども、御意見をお伺いできますでしょうか、お二人の先生に。
○参考人(人羅格君) これは私の不勉強というしかないんですけど、橋下さんとか、大阪府市においてどのような議論がなされているかということを私自身はちょっとまだよく承知していませんが、基本的には都構想というものと関西州なり何州を、道州制を置くということは別な問題であろうというふうには思いますが、ただ、実際には政治的には、大阪市が仮に都に移行するということになれば、やはり改革機運というんですか、そういった意味では道州制などの議論に政治的には波及、連動しやすいムードが醸成されるということは、そこは政治的にはあるんじゃないかなというふうに考えています。
ただ、それが道州制と都構想が果たして両立することが矛盾するのかという点については、ちょっと私自身、今明確に申し上げることはできないと思います。
○参考人(西尾勝君) これは物すごく複雑な話で、なかなか中学生に分かるように説明するというわけにとてもいかないテーマなのですけれども、東京都の場合も同じなのですが、これを道州制にするといったとき、東京都をまず廃止するわけですね。先ほども御議論の、皆さんの前提は東京都も千葉県も神奈川県も廃止するということですが、東京都を廃止するということは二十三特別区制度も廃止するということになるんです。これ大問題なんです。その後どうするのという話になるわけです。
大阪も同じ問題が起こります。今度、今維新の会が進めておられる府市統合が進んで、でき上がったとします。その後道州制論議が出てきて、大阪府も兵庫県も京都府も奈良県も一旦廃止よとなった途端に、大阪五区はどうするのと。この制度も廃止になります。改めてどうなるのという話になるわけです。ですから、そのときは改めて、旧大阪市だった部分を大阪市を復活するのかとか、この五つの特別区を全部市にしてしまうのかとか、何かそこの始末をきちんと決めない限り大阪府の廃止はできないということなんですよ。そういう意味で複雑になりますよという議論です。そのことをどれだけ意識していらっしゃるかは分かりませんが、かなり複雑な問題になりますということです。
○山本太郎君 ありがとうございます。
次に、地方主権、地方創生にとっても重要なことであろう選挙権年齢を引き下げる公職選挙法改正について、両先生に伺いたいと思います。
若い世代からは、選挙権年齢を引き下げてくれといった声は大きく聞こえてこないんですよね。一方、国会では、十八歳への選挙権年齢の引下げは二〇〇七年の国民投票法改正以前から視野に入っていたのかもしれません。しかし、選挙権年齢を下げること以外には大切なことが放置されたまま、議論も尽くされていない印象を受けます。一つは成年年齢の引下げ、そして、若い方々も政治にチャレンジできるように、被選挙権年齢の引下げと、それを実現するための供託金の大幅な引下げです。これらの議論が少しも詰まっていない状態で選挙年齢引下げだけを先行させるのは、大事な議論をすっ飛ばしている、順序を無視していると言えるんじゃないかなと思うんですけれども、先生方のお考え、お聞かせください。
○参考人(人羅格君) 毎日新聞は、十八歳選挙権については実現すべきという立場でございます。
それで、よくそこで議論になるのは成人年齢と少年法ですよね。ここのところの絡みが議論になるわけなんですけれども、成人年齢については、法務省が、少年法もそうですけれども、そこは選挙権年齢と分離しても支障はないという見解を示しております。諸外国の例を見ても、選挙権年齢と成人年齢は一致しているところも確かに多いんですけれども、必ずしも一致しているわけではございません。分離している。ドイツのように、最初は選挙権年齢を引き下げて、その後に成人年齢が付いていったというケースもございます。むしろ、選挙権年齢を先行させて、十八歳でも成人年齢に値するのではないかという議論が醸成されていくということもあり得ると思います。ということなので、これはケースとして私もそう思っているんですけれども、その成人年齢と少年法の話ということは、選挙権年齢と必ずしも一体不可分ではないということでの処理が可能ではないかというふうに考えております。
○参考人(西尾勝君) 人羅参考人の御意見と余り違いません。一体で、引き下げるなら引き下げるで少年法、刑事関係も民事関係もみんな一緒になった方が分かりやすいとは思いますが、選挙権が引き下げられたら必ず少年法の扱いも民法の扱いもそうなるべきだとまでは言えないのではないか、そこに違いが生じても合理的な理由があれば仕方がないのではないかというふうに思っています。
○山本太郎君 被選挙権のことについてお聞きしたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
参考人(西尾勝君) 私は、選挙権と被選挙権に区別を付けているという部分については、余り合理的な理由がないのではないかというふうに思っています。ですから、選挙法についていろいろな改正をするときには被選挙権年齢を見直すということは十分あり得る論点だと思っています。
○参考人(人羅格君) これについては私も西尾先生とほぼ同様の意見であります。被選挙権年齢と選挙権年齢については、別に、必ず違っていなければならないということではなくて、大いに議論の余地がある問題ではないかというふうに考えています。
○山本太郎君 ありがとうございます。
供託金のことについてはいかがお考えでしょうか。
○参考人(人羅格君) 日本の選挙の進め方において供託金が高過ぎるのではないかという点については、これも毎日新聞の意見としてでありますが、その意見には同意しております。供託金については、これもやはり見直すという議論が政治的にかなり行われてしかるべきではないかというふうに考えております。
○参考人(西尾勝君) 全てのレベルの選挙についてそう言えるかどうか自信はありませんが、基礎自治体である市町村議員の選挙における供託金はもっと下げるべきなのではないかと思っています。
○山本太郎君 ありがとうございました。
是非、若者に対して選挙であったり、いろんな権利を与えていくということには僕も大賛成なんですけれども、それに伴って、被選挙権であるとか、若者がチャレンジしやすいように供託金、今の供託金の制度だったら選挙区で三百万円、比例区で六百万円。これ政党に属していなかったら十人一緒に立候補しなきゃいけない。これ参議院の場合ですけれども。六千万円を素人が集められるかといったらやっぱり難しいんですよね。だから、そういうところも一緒に、政治が、十八歳に引下げということに伴ってというよりも、それとともに一緒に考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思いました。
貴重なお話、ありがとうございました。

 




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