国会活動
2015.5.26内閣委員会「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について
2015年05月27日
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案、長いですね、について質問したいと思います。
私たち生活の党と山本太郎となかまたち、私は共同代表であるとともに政策審議会の会長もやらせていただいているんですけれども、私たちは今回のこの法案には反対です。その決定が揺らいでしまうぐらいの説得力のある答弁、期待したいと思います。
今日は一回目の質問でありますので、個人情報保護法改正案について質問したいと思います。
山口大臣、私は、個人情報の保護、プライバシーの権利は、明文化されてはいないけれども、日本国憲法で保障された基本的人権であると思います。大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま御指摘のプライバシー権、この概念につきましては、憲法その他の法令に明文の規定があるものではありません。お話しのとおりです。その内容、範囲及び法的性格について様々あるものというふうなことで承知をいたしております。
また、学説上、これを情報のコントロールというふうな側面から捉えた、いわゆる自己情報コントロール権、これも同様に定まった概念ではなくて、いずれも憲法上確立された権利とはされておらないものというふうに認識をいたしております。
なお、この個人情報保護法は、第一条で、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護する、これを目的としつつ、第三条で、個人情報は個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきとこの基本理念を定めているところでありますので、このプライバシーの保護も念頭に置いたものというふうなことになっておると思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
今大臣も言われました、学説上でも自己の情報をコントロールする権利だと、そして消費者委員会から二十六年の九月に出された今後検討すべき課題についてという意見の中にも、自己の個人情報については自らがコントロールできる原則であるべきであるというようなことも書かれています。それだけじゃなく、過去にも請求権も有するとの判例も出ていたこともあると、個人情報保護法が制定されていること自体、プライバシー権が私たちに与えられた基本的権利の一つだと言えると思います。
山口大臣、個人情報保護法の目的、個人の権利利益の保護、すなわち個人情報の保護、プライバシーの権利の保護が目的である、今回の改正の主眼もそれが目的であるということでよろしいですか。
○国務大臣(山口俊一君) これは、今回の法案におきましては、このパーソナルデータの利活用も、これも推進をする観点から、御案内のとおり匿名加工情報に関する新たな制度を導入しています。それと個人情報の利用目的の変更の範囲の緩和の措置も講じておるわけでありますが、同時に、今お話しのように、この保護の観点からも、要配慮個人情報の類型化及びその取扱いに係る規律の導入、さらにはオプトアウト手続による個人データの第三者提供に係る届出を今回は義務付けをしたと。そして、例えばこれまでは5千件以下の個人情報を取り扱う者を事業者としては除外をしていましたが、今回はそれも削除、削除といいますか、5千件という条件を外して全ての者が対象になるというふうなことで、いわゆる個人の権利利益を守るための個人情報を保護するという観点からも強化の措置をとったし、同時に様々な状況の変化の中でやはり利活用へもきちんと交通整理をしながら道を開くというふうなものであろうと思います。
○山本太郎君 分かりました。
まず第一条、目的から入りたいと思います。現行法では、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」となっていますが、改正案では、「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」という条文になりました。個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものだということですよね。
衆議院の内閣委員会で自民党の平井たくや議員が、「今般の個人情報保護法の改正の主眼は、データ利活用社会を推進していくというものであります。」と主張されています。
山口大臣、改正の主眼、利活用の推進なんでしょうか。先ほどの繰り返しになるかもしれませんけれども、今のこの平井議員の主張というものはかなりもう利活用中心なんだと、それが主眼なんだというようなふうに取れてしまうんですけれども、もう一度大臣に確認させていただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 先ほども若干御答弁をさせていただきましたが、これは個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため個人情報のまさに適正な取扱いの確保を図るというふうなことで想定をしておるわけでありまして、ですから、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護するためとのこの規定ぶり、これに照らしますと、個人情報の保護を前提としながら利活用の推進もバランスよく図っていくということが必要であろうというふうなことで、今回の個人情報保護法の改正に至ったわけであります。
○山本太郎君 昨日、省庁のレク、説明を受けたときに、今回の改正の契機は事業者、経済界からの個人情報の利活用の推進の要請だったということを聞いたんですけれども、そのとおりなんでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) これはいわゆる、まさにこれ、十年前に個人情報保護法が作成をされたわけです、現行法が。当時、私も自民党の中で個人情報保護法のPTの幹事役をしておりまして、あの当時に例えばフランスで議論されておりましたのがプライバシー権ですね。これは大層個人的に興味を持ったのが、当時、ミッテラン大統領が奥さん以外にお友達がおいでだというふうなことで、そういったことを報道する場合でも本人の了解を得ないと駄目だみたいなことを一時期検討したことがあります。そういったこともいろいろ検討しながらこしらえたわけでありますが、しかし当時、過剰反応というか誤解もあって様々な混乱も生じました。そして、この十年間の間にやはり情報、とりわけ情報通信社会の大きな進展という中で、特にもう先生も御案内のとおり、今やはりビッグデータをいかにうまく分析、利活用できるか、これは非常に各国勝負の分かれ目になるような大事な問題でもございます。
そうした様々な状況の変化を踏まえて、やはり個人情報の取り方あるいは在り方等々の変化を踏まえ、やはり利用したいんだけれどもひょっとしたら駄目なのかなとか、まさにグレーゾーンがかなり多く出てきました。これらをしっかりと交通整理をして、整理をすることによって守るべきものは守りながら、しかし、しっかりと活用すべきところは活用して、まさに社会の発展、経済の発展に資するということで今回の法律の改正に至ったと理解をいたしておりまして、必ずしも産業界の要請に沿ったという話ではないと理解をしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
もう随分前から議論があって、そのPTから大臣はもう参加されていた、世界の実例とかもいろいろ見てきたんだよということをお話しいただいたと思うんです。決して産業界の圧力なんかではないというようなお話もいただいたと思うんです。
でも、実際にそのような提言といいますか意見が出されていると。新経済連盟、これは三木谷さんが代表されているんですかね、そこから個人情報の定義として携帯番号等の例示は不要だというようなお話が出てきていると、意見として、要望として出ているんだと。個人の識別符号というのを付けていくのに対して電話番号は除外しろよというような、簡単に言うとそのような要望、意見が出てきているということなんですよね。携帯電話番号など必ずしも単体で特定識別可能ではないので不適切であると、削除すべきですというようなかなり踏み込んだというか、はっきりとした意見がこのような経済団体からも出されている状況というのは確かにあるということです。
自民党の平井たくや議員は衆議院の内閣委員会で、今回新設される個人情報保護委員会について、個人情報保護委員会は個人情報の利活用を推進する役割も果たすべきである、委員の人選も非常に重要であり、個人情報の保護と利活用のバランスの取れた人選とすべきであることから、特に民間企業における個人情報の利活用の実態に精通した者を積極的に任用すべきと考えますと主張しています。この平井たくや議員の質問に対し、山口大臣は、個人情報の取扱いにつきましては、その保護と利活用をバランス良く推進するということが重要だと認識をいたしておりますと答弁をされました。
このまま聞いちゃったらすうっと流れちゃいそうになるんですけれども、何かこの、何といいますか、この個人情報というものの原理原則というものに立ち戻ると何かおかしくないかな、この質疑と答弁というふうに考えちゃうんですよね。本来、個人情報の保護というものと利活用というものは相入れないものじゃないですかね。個人情報の利活用を喜ぶ国民なんてほぼいませんよね。多くの人々は望んでいないということなんですよ。
利活用が進んで、じゃ、一般庶民はどういうことが起こるかと。迷惑なダイレクトメールがたくさん届くかもしれない、自分の個人情報が出ていっているわけだから。それだけじゃなく、勧誘電話もたくさん掛かってくるかもしれない。それだけじゃなく、いろんな詐欺に巻き込まれる危険性もあるかもしれない。この利活用という部分に関して、一般庶民が受ける恩恵は一体何なんだということだと思うんですよね。これを望んでいるのは、個人情報で金もうけを広げたい企業と利害関係者というところに集中するんじゃないかなと思っちゃうんですよ。何より、利活用にはプライバシー侵害のおそれが大いにあるからこそ、第三者委員会を立ち上げるわけですよね。民間企業における個人情報の利活用の実態に精通した者を委員に積極的に任用したらどうなりますかね。個人情報の利活用を推進する役割を持った委員会が誕生すれば、どうなってしまいますかね。個人情報の行き過ぎた利活用に対して、ブレーキを利かせることができる専門家が多く任用されないのであれば、この委員会って何かつくる意味あるのかなと思っちゃうんですよ。
山口大臣は、個人情報保護委員会の委員長及び委員、そして専門委員の人選を通じて、個人情報保護委員会全体として個人情報の保護と利活用のバランスの取れた体制を構築してまいりたいと答弁されていました。私は、まあおっしゃりたいことは分かるんですけれども、やはりそうではなく、法律の目的のとおり、適正かつ効果的な活用に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するための人選に力を注いでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 一律に個人情報、これの利活用というのは全て悪だという、あるいはプライバシー侵害だということに私はならないんだろうと思うんですね。
さっきちょっと申し上げましたように、先般の現行法の個人情報保護法、やはりこれを、まあ誤解でしょう、恐らく誤解が大半だったんだろうと思うんですが、やっぱり、せっかく学校が休みのとき、何かあったときに通知をする名簿が出せなくなったとか、あるいは町内会の役員さんの名簿も出なくなったとか、いろんなことがあって不便を被りましたし、どだいこれ、個人情報というものの利活用がなければ宅急便も届きません。そうしたやはり人間の知恵として、いかにうまく個人の権利、利益を侵害しない形で個人情報をやはり有用活用していくということも、一方において私は大事な話なんだろうと思っておりますが。
お尋ねの個人情報保護委員会、これも御答弁申し上げましたように、しっかりバランスに配慮していきたい。当然、ですから、消費者を代表する、消費者行政あるいは消費者の思いをよく分かっておる方にも入っていただきたいと思っていますし、あるいはこうした個人情報に関する専門家といいますか、しっかりした見識をお持ちの方、あるいはまた様々な事業を通じて個人情報の新たな利活用の現状等々をしっかり知っておられる方等々、そういった様々な方々に入っていただいて、バランスの取れた人選の中で、個人情報保護委員会の中でお互いに意見を闘い合わせて、あるいは知見を御披瀝いただいて、そしてバランスの取れたまさに個人情報保護委員会の運営というか、その後の政令あるいは規則、ガイドライン等々の、あるいはその後の周知啓発等々に当たっていただきたいと考えております。
○山本太郎君 ありがとうございました。
大臣の今の御答弁の中で、個人情報がなければ宅急便も届かないよということをお話しされたと思うんですけれども、それってどういうことなのか教えていただいていいですか。ごめんなさい、勉強不足で。
○国務大臣(山口俊一君) 例えば民間の宅配業者にしても、我々の個人情報を把握をしておるからこそ、その場所等々に持っていくことができるわけでありますので、そこら辺、一切個人情報は出さないというふうなことになってしまいますと、例えば戸籍といいますか、市役所、役場に行けば当然住民票等々があるわけですが、これはもう見ることができませんし、やはりそういった事業者というものもやはりそういった個人情報というのを、例えばあれですね、電話帳もあるでしょうし、いろんな形での情報を収集、個人情報を収集しない限りなかなか十全の御商売はできないんだろうということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
宅急便の話が出たので宅急便のことをお聞きしたんですけれども、少なくとも利用者が望んでその事業者に頼んで、荷物を運んでいただいた時点でもうその話は終わるわけですね、仕事は。その宅急便業者がよそにその名簿を売ったりとかしているわけじゃないですものね。だから、なかなかちょっと宅急便ではイメージが湧かないなという感想を率直に持ったんですけれども、次にお聞きしたいと思います。
法案の第二条二項の個人情報としての個人識別符号について質問いたします。
マイナンバー、運転免許証番号、旅券番号、基礎年金番号、保険証番号などは個人識別符号に該当すると。携帯電話番号、クレジットカード番号、メールアドレス及びサービス提供のための会員IDについては、様々な契約形態や運用実態があることから、現時点では一概に個人識別符号に該当するとは言えないということです。
政令で個人識別符号と規定されない場合は、携帯電話番号、クレジットカード番号、メールアドレス、アカウントなどの会員制IDは個人識別符号ではない、すなわち個人情報ではないよということでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
個人識別符号はその単体のみで個人情報となるものでございますが、一方で、他の情報と容易に照合できる、他の情報と照合することによりまして個人が識別できるものにつきましては個人情報となります。
通常、それらの、特に携帯電話番号等の番号の入った情報、それはほかの情報も当然入っているわけでございますが、それらの場合は識別性が高くなる可能性が高いというふうに言えるのではないかと考えております。
○山本太郎君 なるほど。その情報単体で個人が識別できるものをそう呼ぶと、個人識別符号と呼ぶと、それに該当するものだというお話でしたよね。ありがとうございます。
携帯電話番号は当然、個人情報、個人識別符号そのものではないでしょうか。電話をすれば相手出ますしね。電話して相手つかまって、そこから詐欺が始まるということもあるわけですよね、おれおれ言うて。どう考えたって個人が直接結び付くものですよね。単体としてこれ個人と識別できるものですよね。
携帯電話番号がなぜ個人識別符号に該当しないのか、明確に説明ください。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
携帯電話番号の場合は、まず、契約形態が法人契約であったり個人契約であったり、あるいはプリペイドの場合はなかなか個人が識別できないという問題がございます。
さらに、到達性という点では、先生御指摘のとおり、電話を掛ければ到達するという意味で高いのでございますが、一方で、携帯電話番号というのは変更可能でございますし、変更された場合には後ほど別の人がその番号を使うということになりますので、完全に一対一では対応していないということもございます。
これらの実態を踏まえながら、あるいは諸外国の実態等を踏まえて、このような、何といいますか、個人識別符号に該当するかどうかを判断していく必要があると思いますが、これは現時点のものでございまして、当然、社会情勢の変化、あるいは諸外国の情勢の変化によっては柔軟に対応していく必要があると考えております。
○山本太郎君 じゃ、法人契約とかプリペイド以外のものであれば、これ、携帯電話番号も個人識別符号に該当するんじゃないかなと思うんですよ。
電話番号をころころ変える人がいると言うけれども、ころころ変える人の方が数少ないですよ。電話番号が変わるということは何かあったのかなとかという心配につながりますから。だから、電話番号がずっと同じ番号を持ち続けているということは信用にもつながるというような感覚は若い人でも持っていますよ。
そういう意味で、だからそれには当てはまらないんだということ自体がおかしいと思うんです。だから、法人契約であったりプリペイド以外の携帯電話番号というのは個人識別符号に該当するんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(向井治紀君) 番号そのもので法人契約かプリペイドかというのはまず区別できないというのが一つございます。その中で、仮に区別できたとして、個人のものだけを集めたものを、それを個人情報の識別符号になるかどうかにつきましても、一つはやっぱり普遍性の問題がございます。
それから、何といいますか、一対一の対応という点では、共同利用の場合もありますし、逆に個人が何台も持っておられる場合もあるだろうと思います。そして、社会通念上、携帯電話番号を変えることがというのもございますが、一方で本人が希望すれば直ちに変えられるものでもございます。
したがいまして、そういうふうな契約形態等の状況を全部考え併せますと、今現在の時点では、携帯電話番号だけで個人識別符号というのを一概には言えないのではないかというふうに考えているところでございまして、これらはもう随時検討していくものだというふうに思っております。
○山本太郎君 ごめんなさい、これはあったかどうか分からないんですけど、携帯の端末に付いているIDということに関しても同じような考えですか。
○政府参考人(向井治紀君) 携帯端末IDとか、あるいはいろんな機器にID付いてございますが、これらは基本的には機器に振られたいわゆるIDでございまして、まさに携帯電話番号よりも更にそういう点では該当性が少ないのかなと。特に、携帯を変えることは結構二年ごととか三年ごとに変える方が多いと思いますので、そういう意味では更に該当性はやや緩いのかなという気がしております。
○山本太郎君 これ、位置情報って分かっちゃうんじゃないですか、でも、携帯電話。携帯電話で位置情報分かりますよね。国もそれやろうとしていますよね。これ、位置情報分かっちゃったりとかしたら、これはプライバシーの侵害になりませんか。番号だけで直接つながるだけじゃなくて、どこにいるかも確定することができるかもしれない。
例えば、今日、渋谷でセールがありますよ、じゃ、渋谷で乗り降りしているような人たちを例えばグループ化して、そこに対してここでセールやっていますというようなお知らせもできるようになるかもしれない。利活用ってそういうことですよね。利活用ってそういうことじゃないですか。一部じゃないですか、それも、例えば。というふうになっていくと、これ、プライバシーという部分でかなり狭まっていくんじゃないですかね。本人がどこにいるのかも特定されてしまい、そして電話をすれば直接つながってしまう。
携帯電話というものは、今、現代の私たちにとってプライバシーというものを象徴するものの一つだと思うんですよね。それに対して今、個人の識別符号というものにはされないということ自体がちょっとおかしいなと思うんですけどね。
次に参ります。
クレジットカード番号、クレジットカード番号……(発言する者あり)何かありますか。済みません、ありがとうございます。委員長、お願いします。
○政府参考人(向井治紀君) まさにそういうふうに、今現在、位置情報につきましては、本人が選択できるというのもございますし、今おっしゃられたようなサービスは現時点ではできないと思いますが、将来的にそういうふうなのができるようになってきたら、それは当然、個人識別符号に該当性が高くなるものだと思います。そういうサービスの利用形態とか、そういうのを見ながら判断すべきものだと考えます。
○山本太郎君 言いたかったのは、今、現代の人々にとって携帯電話というものは物すごく身近で、先ほど言われましたように、どこにいるかも分かる、それは自分でオン、オフできるかもしれないけれども、通話という部分でもプライバシーの象徴としてのものがここに該当していないということ自体がちょっとおかしいなと思うわけですよ。
次の質問へ行きます。
クレジットカード番号、これどうして個人識別符号に該当しないのか、明確にお願いします。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
委員御指摘のクレジットカードにつきましても、契約形態が様々ございます。特に、クレジットカード番号につきましては、カード取扱事業者が個人契約と法人契約が区別できないというところもございます。それから、クレジットカードにつきましては、クレジットカードを管理する法律におきまして、一応個人情報と当たらないことを前提に様々なクレジットカード会社に対する規制措置を講じているところでございますので、現時点では当たらないのかなというふうに考えているところでございます。
○山本太郎君 クレジットカード番号が分かったところで何もできないよというお話なんですかね。サインもあるし、PINナンバーもあるだろうしということだったら別に、でも、かといってクレジットカード番号をさらしたい人なんて誰もいないですよね。自分のプロフィールの横にクレジットカード番号を一緒に入れる人いないでしょう。隠されるべきものなんですよね、これって。余り言いたくないというか、何か巻き込まれるおそれがあるんじゃないかと。確かに、このクレジットカードによる被害とかも増えてきているわけです、あるわけですよね、ある一定数は。
メールアドレス、これも個人識別符号に該当しないんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 個人のメールアドレスにつきましても、プロバイダーとの契約によるもの、あるいはフリーメール、独自のドメインを有する会社等の組織から与えられるもの等、様々な利用形態あると思いますし、変更も比較的容易でございますから、一概には個人識別符号には入らないというふうに考えております。
○山本太郎君 インターネットを利用するときのSNSとか、そういうアカウントとかというものに関しても、これは識別符号には該当しない。
○政府参考人(向井治紀君) そういう事業者のアカウント等につきましても、基本的には同様の考え方だと思っております。もちろん契約形態等によって今後検討する余地は十分にあるかとは思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
携帯電話にしても、キャッシュカードにしても、そしてこのSNSのアカウントにしても、メールアドレスにしても、これ、それを手に入れるためには個人情報、裏にあるんですよね。メールアドレスなんかであれば、少しの個人情報でそれを手に入れることができるかもしれないけれども、ほとんどが口座とつながっていたりとか、個人情報が山盛り、その後ろにあるわけでしょう。ここで何かがあった場合に、取り返しが付かないからそういうことを表に出されたくないし、そういうものを利活用余りしてほしくないという人たちの意見の方が多いと思うんですよ。どうしてこれを個人識別符号に該当してくれないのか。だって、そこが一番商売やりたいところだからということですよね。その利活用につなげるといったら、電話だったりメールだったりというところが閉ざされちゃったら意味ないじゃないかということだと思うんですけれども、続いての質問行きたいと思います。
名簿屋対策について質問いたします。
去年九月九日、内閣府の消費者委員会がいわゆる名簿屋等に関する今後検討すべき課題についての意見と題する文書を公表いたしました。その初めの部分には、自己の個人情報については、自らがコントロールできることが原則であるべきである。自己の個人情報のコントロールを確保するためには、第一に、個人情報取扱事業者が個人情報を保有する際には、本人の同意を得ているか又は同意を得ている状態に準ずる状態にあることとあります。第二に、本人の意に沿わない個人情報の保有に対し、本人からの利用の停止又は消去ができるようにすること。第三に、前述の第一、第二の規律が実効的に行われるよう、個人データの流通に係るトレーサビリティーを確保し、個人データをどの事業者がどのような経緯で保有しているかを本人が把握できるようにすることが必要であると。これらの条件が満たされていることにより、個人情報が架空請求や詐欺的投資勧誘等の犯罪行為に悪用されることへの懸念といった消費者の不安感が払拭されるとともに、個人情報の悪用による被害の発生、拡大が防止されることにもつながると考える。以上に鑑みると、現行法には緩やかに解釈運用され過ぎている面があると考えられると書いてありました。
消費者委員会にお伺いします。
この第一の個人情報取扱事業者が個人情報を保有する際には、本人の同意を得ているか又は同意を得ている状態に準ずる状態にあることについて、現行法で緩やかに解釈運用され過ぎているのはどういう点か、またそれをどのように改めるべきか、説明ください。
○委員長(大島九州男君) 黒木消費者委員会事務局長、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(黒木理恵君) はい。お答え申し上げます。
御指摘の部分でございますけれども、現行法の下では、事業者が本人の求めに応じて個人データの第三者提供を停止する旨等のオプトアウト手続をホームページ等に掲載すれば本人が容易に知り得る状態に置いていると解されておりまして、そのような現実においては、本人が十分認知していない状態のまま第三者提供がなされているのではないかということでございます。
この点につきまして、意見においては、「本人の同意なしに個人データの提供を行う側の事業者のみならず、その個人データの受領者にも第三者機関への届出義務を課し、届出を受けた第三者機関が届け出られた事項を公表することを制度化すべきである。」というふうに述べております。
○山本太郎君 ネットでオプトアウトは可能だという部分に関して解釈運用され過ぎている、たったそれだけですか。され過ぎているという表現になりますかね、それって。もっとほかにもあるんじゃないですか、そうでもない。
○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
ここで想定していたのは、事業者のホームページ等にお届けいただければ対応しますということが書いてあるだけということですと、個人の消費者はそのホームページにたどり着くことも難しいし、あるいはそれを見付けることも難しい。どのホームページにそのような記載があるかということも分からないことが多いので、実際には形骸化しているのではないかという考え方だったというふうに理解しております。
○山本太郎君 済みません、もう時間がないのでここまでなんですけれども、またもう一回、長いこと聞けそうなので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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