国会活動
2015.5.21文教科学・内閣連合審査(東京オリンピック・パラリンピック特措法案)
2015年05月22日
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○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。よろしくお願いします。
平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案について質問いたします。十分しか時間がありません。答弁は簡潔に、かつ内容はつまびらかにお願いいたします。
私、現在でもうそと利権の東京オリンピックには反対でございます。収束の方法も分からない、レベル7の事故が三つも起こっている状態の東電福島原発の事故を横に置き、オリンピックなどやっている場合かと、そんな気持ちになるのは国を憂う者の一人として当然であります。
それではまず、オリンピックを東京に呼びたいがために世界の舞台でうそまでついたと言われる件について質問いたします。
一昨年九月、ブエノスアイレスで行われた東京オリンピック招致のプレゼンテーション、安倍総理は、福島第一原発について、私は皆さんにお約束します、状況はコントロールされております、汚染水による影響は第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内の中で完全にブロックされていますと発言されました。本当にコントロールされているんでしょうか。ブロックされているんでしょうか。
資源エネルギー庁、先日、4月6日の復興特で、私は、昨年度、平成26年4月1日から平成27年3月31日の一年間でセシウム137が3900億ベクレル、ストロンチウム90が9600億ベクレル港湾へ放出されたという東京電力の資料について質問いたしました。この大量の放射性物質で汚染された流出水は、昨年度一年間で何トンになりますか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、委員御質問いただきました数値、セシウム137 3900億ベクレル等の数値でありますが、これは東京電力が港湾内の放射性物質の濃度の変化から推計をしたものでございます。すなわち、港湾の水は潮の満ち引きなどによって入れ替わっておるわけでありますが、その水の入れ替わりが最大であった場合、最大であったと仮定をいたしまして、それによって本来下がるはずの濃度の低下と実際の放射性物質の濃度との差分が新たに提供されたというふうに仮定をして推計をしたものであります。その意味で、水の入れ替わりの量を最大と見ておりますので、一番保守的な数値、すなわち一番最大の数値であるということを申し上げておきます。
その上で、お尋ねの雨水の排水路からの流出量でございます。これについては、流量のデータを定期的に計測をしまして公表をいたしております。この公表データに基づいて推計をいたしますと、排水路からの雨水の流出量は一年間で約260万立米であります。それからまた、地下水の港湾への流出量でありますけれども、これは地下水の流動のシミュレーションモデルをつくりまして解析をいたしております。この流出量でありますが、一年間で約10万立米でございます。
260万立米が雨水の排水、それから10万立米が地下水が港湾に出ているものということでございます。
○山本太郎君 重さで聞いたんですけれども、体積でお答えになったということですね。分かりました。これは推測値だと、それはそうです。カウントしっかりできているはずないですもんね。
先日の答弁では、それらは政府の汚染水対策の主な対象であった汚染水ではないと、政府が言う汚染水は、燃料デブリに触れた水、原子炉建屋に滞留している水だということですから、そのような汚染水とは別に大量の放射性物質で汚染された流出水があるということですよね。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 汚染水といいますと建屋の中に滞留している高濃度の汚染水を皆さんイメージされるものですから、何でもかんでも汚染水と言うことによっていろんな風評被害が生じると、そこは十分配慮をしてほしいというふうに地元の皆様からも要請を受けております。
そういう観点から、高濃度の汚染水については汚染水と従来から言っておるわけでありますけれども、それ以外のもの、例えば排水路から出ている雨水については汚染水とは呼んでいないというところでございます。
○委員長(水落敏栄君) 山本君、ちょっと待ってください。
先ほど、山本君の発言の中で不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上に適切な措置をとることといたします。
山本君、どうぞ。
○山本太郎君 議事録には残していただけないというような方向ということですかね。うそをついたという話のところですか。うそか本当かというのは、今この委員会の質問の中においてはっきりさせたいと思っているところなんですけれども。
質問を続けたいと思います。
先ほどの話、要は汚染水には二種類あるんだよということをはっきり言っていただいたと思います、いろんな言い訳をされていますけれども、政府の汚染水対策の主な対象であった汚染水と政府の汚染水対策の主な対象ではなかった汚染水。
資源エネルギー庁、これまで政府の汚染水対策の主な対象ではなかった汚染水、これ、コントロールされていないということですよね。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 高濃度滞留水、つまり高濃度の汚染水についてのみ対策を講じてきたということではございません。優先的に濃度の高いものから対策は講じてきておったわけでありますけれども、排水路から流出しておる雨水につきましても放射性物質を一部含むことがあるものですから、これについて排水路の流域を除染をいたしましたり、また排水路の底の掃除をして汚泥を取ったり、そういうことをやって排水路の浄化対策、そういうことも進めてまいりました。
したがって、高濃度汚染水以外についても対策は講じてきております。ただ、優先順位としては、やはりより環境に悪影響を与えるのは濃度の高いものでありますので、高濃度の汚染水を優先して対策を進めてきた、ただ、それ以外のものについても去年の春以降、いろんな対策を、浄化、除染等を進めて行ってきておるということでございます。
○山本太郎君 済みません。今お聞きしていると、汚染が含まれているものもございますし、含まれていないものもございますというような言い方でしたけれども、お聞きしますよ、じゃ。
高濃度って幾つから幾つまでなんですか。それ以外の数値って決まっているんですか。高濃度と言われるのはこれぐらいの数値のものだと、じゃ、それ以外のものはこれぐらいのものなんだと。汚染が含まれていないものもありますと言っていますけど、じゃ、汚染が含まれていないものというのはどれぐらいの数値のことをおっしゃっているんですか、一体。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 高濃度汚染水と言う場合には、溶けて固まった燃料を冷やすのに使って、その後、その建屋の中にたまっている水、高濃度の滞留水でございます。具体的には、十の六乗から七乗ベクレル・パー・リッターだったとたしか記憶しておりますけれども、それぐらいの濃度のものを汚染水と呼んでおります。それ以外のものについては汚染水という言い方は、風評とか様々地元にも与える影響を考えて、そういう呼び方はしていないということでございます。
○山本太郎君 10の6乗から10の7乗みたいなものを高濃度と言うんだと、それ以外のものは汚染水と呼ばないというような雰囲気の話ですけど、おかしいじゃないですか、そんなの。風評被害をつくっているの誰だよって。訳の分からない数値を出して、高濃度だとかいろんな呼び方を変えて、そんなふうに呼んでいること自体が風評だろうって。情報公開しろよって、どれぐらいのものが流れているのかって。はっきりと把握できているのか、できていないのか。できていないからこそ、大量に汚染された、皆さんが、国が、政府が認めない、汚染水と呼ばれないもの、それが海に垂れ流されているということははっきりしているわけですよね。
質問を続けます。
そのとき質問しました、前回。お分かりになると思います。完全にブロックされているという、安倍総理いわく、完全にブロックされていると言われている港湾内の0.3平方キロメートルの海水、一日で57.3%、中と外が入れ替わるんだよ、五日後に99%が入れ替わるんだよという話をしました。これ、どうなんですかと私が資源エネルギー庁に聞いたところ、一番保守的に見て47.3%入れ替わると答弁されました。
港湾内のほとんどの海水が港湾外の海水と入れ替わるのに何日掛かるんですか。
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、先ほど情報公開しろよという御指摘がありましたけれども、基本的に、計測をした全ての放射線データについては情報公開をいたしております。
それから、御質問の港湾内の海水の入れ替わりでありますけれども、これは潮の満ち引きの差によって、また五号機、六号機の冷却水によってそれで入れ替わるということを最大47.3%一日当たり入れ替わるというふうに、これは港湾の中の海水が均等に入れ替わると仮定をして保守的に計算をしたものであります。これを単純に計算をいたしますと、八日で99%入れ替わる計算になります。
ただ、実際には、港湾の中にシルトフェンスというフェンスを設けております。このシルトフェンスは、水は通すんですけれども、セシウム等が吸着した泥とか粒子は通さないというフェンスであります。このシルトフェンスの中と外で計測をいたしますと、本来通るはずの水と同じトリチウムの濃度につきましても一桁、二桁違います。つまり、外の方が低うございます。ということは、このシルトフェンスによって、やはり中の水を何らかとどめ置くという効果があるというふうに考えております。
その意味で、先ほどの47.3%というのは一番極端な仮定をした場合の大きな数値であるという前提でお答えをさせていただきます。
○山本太郎君 東電発表でも一日で五〇%という話はもう出ているんですよね、東電発表で。結局これ、中と外、入れ替わっているんですよ。(発言する者あり)ゴルフでは一分過ぎても許されましたよね。どうしてなんですかね、この汚染水については都合悪いんですかね。
というわけで、これ、はっきり言って、安倍総理のこの発言、訂正されるべきだと思います。官房長官、どう思われますか。これ、訂正される必要があると思うんです。ブロックされていません。
○国務大臣(菅義偉君) まず、法令の告示濃度限度に比べて十分低いままであるということは、これは事実です。そしてまた、IAEAにも定期的に、その濃度に、周辺海域についてこれは調査をしてもらっていまして、世界保健機関、いわゆるWHOの飲料水ガイドラインの範囲内にあり、公衆の安全は確保されているということが正式に評価をされています。
したがって、汚染水の影響は福島第一原発の港湾内に完全にブロックされているという総理の発言はうそではなくて、真実であります。
○山本太郎君 終わります。
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