国会活動
◇質疑に使用した黒塗り資料=こちらPDFファイル10枚
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
本日は、いわゆる自主避難者のみなし仮設住宅の打切りという、とんでもない問題について質問をしたいと思います。
東電原発事故の自主避難者のみなし仮設住宅期間延長に関し、安倍総理は四月九日の参議院予算委員会の答弁で、「政府としては、お住まいになられている皆様の安心にしっかりと沿えるよう、被災自治体と緊密に連携しながら適切に対応していく考えであります。」。一年ごとの延長という将来が見通せず、不安の中にいる避難者に対しましては、「そうした皆様の不安にしっかりと沿えるように、被災自治体とよく相談をしていきたいと思っております。」。
この総理の答弁を受け止めまして、四月二十二日、本委員会では竹下大臣に質疑させていただいたところ、大臣は、延長に係る各県の対応、検討や内閣府の状況を踏まえて適切に対応していきたいと答弁いただきました。
安倍総理は、被災自治体と緊密に連携しながら適切に対応していくと答弁されました。内閣府は被災自治体と打切りについてどのように緊密に連携したのか、説明してください。
○国務大臣(山谷えり子君) 応急仮設住宅の提供期間につきましては、福島県において、避難者意向調査の実施、市町村を訪問しての意見聴取等を行うとともに、災害公営住宅等、恒久的な住宅の整備状況等の復興状況を総合的に勘案しながら検討を行っていると承知しております。
国としては、福島県から延長協議を受けた際には、福島県からそのような取組や復興状況等をお伺いしながら適切に対応をしてまいります。
打切りという報道でございますけれども、現時点において正式な協議書が福島県から提出されていないということで、そのような状況の中で、具体的な内容についてお答えできる状況にはございません。
○山本太郎君 一年ごとの延長、これ、安倍総理、発言されたときに、一年ごとの延長という、将来が見通せず不安の中にいる避難者に対しましては、そうした皆様の不安にしっかりと沿えるように、このようにおっしゃいました。いつ住宅支援が打ち切られるか分からない、そのような被害者の皆さんの声、総理や大臣の皆さんには直接届いていますか。不安にしっかりと沿うというなら直接声を聞いていただきたいんです。
今回、みなし仮設に暮らす東電原発事故の被害者の方々にコメントを幾つかいただきました。少しお伝えさせてください。
自立しろ、自立すべきだ、自立という言葉を聞くたびにつらくなります。私たちは、原発事故の前は自立していました。一生懸命正社員として働き、税金を納め、ローンを組み、家を建て、子供を育てていました。その自立を一瞬で奪ったのが原発事故です。もう一度自分たちの足で立てるようになるまで住宅支援で力を貸してください。私たちは自立できます。住宅支援だけが唯一の支えです。どうか切り捨てないでください。
ほかにも、もうこのおうちから出ていかなきゃいけないの、毎朝、小さな息子に聞かれます。やっと住み慣れてお友達もできたこの土地から追い出される恐怖を小さな息子も感じています。
ほかにも、原発事故前は専業主婦でした。母子での避難生活を支えるために、現在はパートの仕事に就いています。しかし、二重生活はこれまでよりも出費がかさみ、住宅支援がなくなってしまえば路頭に迷ってしまいます。
ほかにも、違う例えを使ってメッセージをくださった方もいらっしゃるんですね。現在の心境をこのように表現してくださいました。横断歩道を歩いていたら突然車にはねられた。でも、はねた運転手は痛くて立てない私を見るなり、おまえは大したけがじゃない、病院に行きたいなら勝手にタクシーでも呼べばいい、とにかく早くそこをどけ、車が動かせないじゃないかと言って、けたたましくクラクションを鳴らされている気分です。
たった一年十か月、たったそれだけの期間しか私は議員をやっていないんですけれども、その自分自身でさえも、政治の仕事というのは、最も立場の弱い人たちの、声も出せない人々の声をすくい上げるのが大切な仕事の一つだと感じる毎日です。
昨年九月、千葉の銚子の県営住宅で家賃滞納を理由に住宅明渡しの強制執行が行われる日、母親が中学二年生の娘の命を奪い、自分も死のうとした無理心中未遂事件が起こりました。このみなし仮設の延長問題でも、一歩間違えれば同じシチュエーションに追い込まれかねない区域外避難者、いわゆる自主避難者が全国にいらっしゃいます。
山谷大臣、大臣は子宮頸がんワクチンの問題で、本当に被害者の少女であったり御家族であったりという方々の声に直接耳を傾け、そしてその方々の力になるために本当に問題に取り組まれてきた方だと私知っております。本当に心のある政治家だと僕は思っています。
大臣にお願いがあります。どうかみなし仮設問題を抱える被害者の方々のお話を直接大臣が聞いていただけるような場を設けさせていただけませんか。
○国務大臣(山谷えり子君) 様々の自治体の皆様からもお声を聞いているところでありますけれども、被災者の心に寄り添いながら丁寧に、そして適切な対応をしていきたいと考えております。
○山本太郎君 本当に急なむちゃぶりで本当に申し訳ないんですけれども、お忙しいと思うんです、大臣のお仕事というのは。いろんなところに行かなきゃいけないし、いろんな人の話を聞かなきゃいけないし、だからこそたくさんのスタッフがいらっしゃって、皆さんが声を拾い上げて大臣にお届けするというようなシステムになっていると思うんですけど、どうか、このみなし仮設でもう全国に散らばった方々、どこかのタイミングで是非この方々の生の声を大臣に聞いていただきたいんです。大臣、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 福島県の応急仮設住宅の提供期間については、先ほども申しましたけれども、正式な協議書が福島県から提出されていないことから、具体的な内容についてお答えできる状況にはございませんが、正式な協議書が提出された際には、福島県の検討結果を踏まえ、速やかに対応してまいりたいと考えています。不安な気持ちの皆様の声を丁寧に聞きながら速やかな対応というのが大事だと考えております。
○山本太郎君 ということは、直接このみなしの、被害者の方々の声を聞いていただける機会はつくっていただけるんでしょうか、大臣が直接。
○国務大臣(山谷えり子君) 福島県が今様々な調査をしながら、協議書が提出されるのではないかというような状況にありますけれども、速やかな対応というのは大事だと考えております。
○山本太郎君 本当に何度も済みません。協議書が出る前であればいいんですけど、出た後でも結構です。スケジュールとにかく忙しいと思われるので、とにかく直接、その苦労を抱えた原発被害者たちの声を直接、防災担当大臣であられる山谷大臣に聞いていただきたい。その弱い方々の立場の声をすくってこられた山谷大臣に是非直接聞いていただけないでしょうか。そのような場を設けさせていただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) お声に耳を傾けながら被災者の心に寄り添うということは大切なことだと思っております。
○委員長(櫻井充君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。
○山本太郎君 なかなか難しいと思うんですけれども、じゃ、聞いてみましょうと、お会いしましょうというお答えが本当は欲しかったです。いろいろな事情がおありだと思いますけれども、でも、じゃ、次に行きます。
続きまして、竹下大臣です。申し訳ありません。
大臣は、先ほどから答弁を聞いていてもう皆さん御存じのとおり、去年九月の就任以来、とにかくプライベートの時間をお削りになって、自分の体を休める暇もなく本当に被災地に足を運ばれたと。岩手に六回、宮城に九回、福島に十四回、これ、この回数重ねようと思ったら自分の時間なんてないと思うんですよ。本当にそれぐらい一生懸命人々の声に耳を傾けてこられた方だと、市民に寄り添う政治を大臣になられても実践してこられた方だと私は思っております。
どうか、みなし仮設問題を抱える被害者の方々のお話、大臣が直接聞いていただけるような場を設けさせていただけないですか。是非お願いします。大臣、お願いします。
○国務大臣(竹下亘君) あんまり褒めないでくださいよ。
正直言いまして、今日、浜田副大臣来ておりますが、彼、全国のそういった避難をしていらっしゃる皆さん方のところをもう何か所も訪ねて実際に話を伺っております。
いろんな悩みも聞かさせていただいており、そしてその上で様々な、例えば福島県と協議したり、あるいは総務省と協議したり、お金の話、財務省と協議したりと。それは、机上の空論ではなくて、特に浜田さんがその担当として全国のそういった、全国で避難をしていらっしゃる方、これは自主避難の方ばかりじゃありません。全ての避難者の皆さん方を対象にして、浜田さん、何か所ぐらい行った。(発言する者あり)八か所、八県ぐらいは多分間違いなく行っていると思いますので、そういうことで話をしながら対応させていただいておるのが実情でございます。
○山本太郎君 浜田副大臣も全国を動かれているということなんですけれども、実質、この自主避難者に対してはどれぐらいの数がいてということは詳しくは把握していないと。先ほどの答弁でもあったと思います、違う方の質疑で。
要は、それは省庁としてしっかりとそこに手を入れていないと、NPOだったりそれぞれの地方の自治体任せであるということなのであれば、本当にその本当の声が届いているのかどうか、浜田副大臣の耳にも届いたのかどうか、これはやっぱり完璧だとは言えないと思うんです。本当に今まで皆さんが聞いてこなかったような声を直接聞いていただきたいという思いでいっぱいなんですけれども、これ、もう本当に前に進まないので、次に行きたいと思います。
配付資料の七枚目、もう皆さんにはおなじみになりました、この毎度の黒塗りでございます。これの七枚目、三の資料を御覧ください。平成二十六年七月二十八日、福島県庁で行われた応急仮設住宅供与期間の延長関係についての福島県の生活環境部避難者支援課と内閣府防災担当の被災者行政担当の意見交換の記録。
内閣府、もうこのときに打切りの協議していたんじゃないですか。協議書が出されていないだけで、その協議の中身、書類ができていないだけで、この中身のときにはもう既にそのようなやり取りあったんじゃないのって。でも、これ出してくれないんですよね、言っても。要するに、打切りの協議が知られたら困るので、べったり黒塗りしたんじゃないんですかという話なんです。
当事者たちは協議にも入れません。避難の継続、避難の打切り、それらを一方的に線引きするのが加害者側。被害者は泣き寝入りするしかないんですよ。そんな理不尽、それが世の中だ、当然だというんだったら、この国に政治が存在する理由なんてないと思うんです。だから、直接聞いていただきたいんです、お声を、皆さんの声を。
不透明過ぎるプロセスで、いきなり結論だけ突き付けるんですよ。こんなやり方、余りにも卑劣でしょう。加害者側なんですよ、国は、東電と同じ。以前にもずっと指摘されてきたじゃないですか。原発の危険性、津波、危ないんじゃないかって、二つの電源のシステムが壊れたらどうなるって。問題ない、問題ないってずっと言い続けていた。吉井英勝さんでしたっけ、共産党の議員さんにもいろんな質問されていたけれども、それは全く問題ないって言い続けてきたのが今の安倍総理なんですよね、第一次安倍政権時代に。
じゃ、今やるべきこと決まっているじゃないですか。大丈夫だって言い続けてきたことが大丈夫じゃなくて、それによって被害が生まれた人たちがいるんだったら、そこの部分に手を差し伸べてくださいという、物すごくシンプルな話だと思うんです。
山谷大臣、打切り問題、期間延長問題について、正々堂々と議論するのが筋だと思います。国会議員の資料請求に対して、こんな真っ黒な資料、これしか出さず議論もさせないというのは、これ、国会と国会議員、随分軽く見られているなという証拠だと思うんです。大臣、公開にお力を貸していただけませんか。
そして、大臣の、このお話でもう時間切れが来ちゃったら駄目なので、委員長、是非この資料、黒塗りしていないものを本委員会でお取り計らい、お願いできないですかね。済みません、ありがとうございます。
○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
それでは、山谷大臣、是非この黒塗りの元のものを出していただけないでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 議員御指摘のとおり、平成二十六年七月二十八日、福島等と内閣府防災の担当者が打合せを行っております。
福島県における応急仮設住宅の提供期間については、現時点において正式な協議書が福島県から提出されていない状況であり、何らかの方針が決まった、定まったというものではございません。
このため、審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じるおそれという行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条第五号に該当するものとして不開示としたものであります。
ただ、方針が固まった後にどのような考え方に基づいてそうした方針となったのかという、それはきちんと説明をさせていただきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
みなし仮設の一年延長に関しては三回行われたわけですから、決着付いたものに対しては公開できるはずです。是非公開してください。お願いします。
ありがとうございました。
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