山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

20150706-nanone

 

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち、政党名は非常に長いんですけれども質問時間は15分と短めなので、是非答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

それでは、まずは環境省に確認いたします。

東電原発事故後、福島県の18歳以下の子供約37万人を対象に行われてきた小児甲状腺検査で、小児甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いとされた子供は、先行検査で112人、本格検査で新たに15人、現在合計で127人である、これに間違いはありませんでしょうか。時間がありません。間違いならば訂正ください、間違いがなければ内容を繰り返さずに間違いないとだけお答えください。ありがとうございます。

○政府参考人(北島智子君) 間違いございません。

○山本太郎君 御協力ありがとうございます。

お配りした資料なんですけれども、皆様のお手元にあると思います。いきなりですけれども、資料3から始めたいと思います。「福島県における甲状腺がん有病者数の推計」というタイトルのものです。これは、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長である津金昌一郎さんが国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計研究部に試算を依頼したもので、これをベースに「県民健康調査」検討委員会の中にある甲状腺検査評価部会が甲状腺検査に関する中間取りまとめを発表しました。それが配付資料の2になります。

事故後の甲状腺検査で、悪性ないし悪性疑いと診断されていた104人全員ががんだった場合、その患者数は2010年時点の有病者数の61倍、今年3月時点で悪性ないし悪性疑いと診断された112人が全て悪性だった場合は66倍、本格検査、二巡目以降の検査ですよね、本格検査で新たに診断された15人の子供たちを合わせた127人が全て悪性だった場合は2010年時点の有病者数の75倍になるとの計算が出たそうです。もちろん、試算であるため、数字が多少変化することにより25倍や30倍と小さくなることもあり得る、そういう意味で数十倍のオーダーと丸めたと疫学の専門家である津金さんがデイズジャパンの取材でお話をされております。

お聞きします。福島県で子供たちの甲状腺がんが数十倍のオーダーで多発していること、環境省はお認めになりますか。

○政府参考人(北島智子君) 御指摘の中間取りまとめでは、甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことが指摘をされております。この解釈につきましては、被曝による過剰発生か過剰診断のいずれかが考えられるとした上で、過剰発生を完全に否定するものではないが、過剰診断の可能性が高いとの意見があった旨が記載されております。

また、平成26年12月に公表された住民の健康管理に係る専門家会議の中間取りまとめでは、甲状腺がんの疫学に関する文献の内容を踏まえ、成人に対する検診として甲状腺超音波検査を行うと罹患率の10から50倍程度の甲状腺がんが発見されることが示されており、原発事故による放射線被曝の影響ではないかと懸念する意見もあるが、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないとの見解が示されております。

この見解は、御指摘の甲状腺検査評価部会の甲状腺検査に関する中間取りまとめの評価と大きく異なるものではないと考えております。

○山本太郎君 だから、多発しているとは言えないとおっしゃりたいわけですよね。イエスかノーかでお願いします。

○政府参考人(北島智子君) そのとおりでございます。

○山本太郎君 だから、それ、誰が計算したんですかという話なんですよ。この状況を計算できる、多発ということを認められるのは、疫学者だけなんですよね。福島県の小児甲状腺がんの原発事故前と事故後の推移を疫学者として計算したのは、試算したのは、日本では、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎さんと岡山大学の津田敏秀さん、この2名のみなんですよ。その両名とも数十倍の多発を指摘していらっしゃる。

福島県の小児甲状腺がんの多発はしていないという評価をするなら、それはどういう研究者のものなんですか、代表的な研究者の方のお名前を挙げてもらえますか。

○政府参考人(北島智子君) 環境省の専門家会議、それからこの福島県の「県民健康調査」検討委員会甲状腺検査評価部会の中にも疫学者が含まれております。ちょっと手元に名簿がございませんけれども、「県民健康調査」検討委員会には津金先生、児玉先生が入っておられます。そして、環境省の専門家会議には祖父江先生が入ってございます。

○山本太郎君 たっぷりと時間を使って、ありがとうございます。

結局、その津金さん、その委員会にも入っているよという方がこれ出されているわけですよね。その中の一員なわけですよ。結局それを評価しているのは誰なんですか、山下俊一さんですか、長瀧さんですか、その26年のという話をされていましたけど。その方々は疫学者じゃないんですから試算できないんですよ。津金さん、津田さんという専門の疫学者が計算をなさった、試算をなさった、その上で多発だという結果を出されている、試算を出されているということなんです。

環境省の北島部長さんですよね。お医者さんでもあられるんですかね。そうですよね、医官ですからね。検討委員会の委員でもあられるんですよね。そうですよね。御専門は何なんでしょうか。

○政府参考人(北島智子君) 行政マンですから、専門というよりは、行政でございますけれども、元々の専門は公衆衛生でございます。

○山本太郎君 なるほど。分かりました。

北島部長は、今回の件に関して御自身が疫学的な計算というのは、じゃ、できないわけですよね。

○政府参考人(北島智子君) できるできないというよりも、行政マンでございますので、こういった問題につきましては、専門家の意見を聞いて取りまとめていただくという立場でございます。

○山本太郎君 公衆衛生を勉強されてきたということをおっしゃいました。専門といえばそうかもしれないと。北島部長ならば、じゃ、疫学者の評価、無視できないということはよくよく御存じですよね。公衆衛生を勉強されていた方ならそうだと思います。

これというのは、やっぱりスクリーニング効果ということ、過剰診断であったりとか、スクリーニング効果とかということも含まれていくということなんですかね。いかがですか。過剰被曝ということも考えられるけれども、過剰診断ということも考えられるんだということを先ほどおっしゃいました。いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) 環境省の専門家会議では、定義付けが難しいといういろいろな御意見がございまして、過剰診断という言葉は使っておりません。福島県の県民健康調査の評価部会におきまして、その過剰診断という言葉をどう定義付けたかは報告書にございませんけれども、この部会の評価結果におきましては、過剰診断の可能性が示唆されたものと考えております。

○山本太郎君 現場で患者と向き合っている人たち、ここの県民健康調査の検討委員会の中にもいらっしゃいますよね、臨床でやられている方々。その方々は過剰診断なんかじゃないということを強くおっしゃっていますよね、中でも。だから、過剰診断ということはほとんどこれは適用されないと思うんですよね。現場の方々はしっかりと診ているということだと思うんですけれども。

多発していると言えないというのは何か専門家会議の取りまとめなどの根拠があるんですかということをお聞きしたかったけれども、先ほど御自身でおっしゃいました、平成26年12月に取りまとめを出した環境省東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議、それがベースになっているんですよね、多発とは言えないということは。多発とも言えないしということはそうじゃないですか。

それだけじゃなく、恐らく、平成25年2月に取りまとめを出された原子力規制庁でもこういうことをやっているんですよね。東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チームもそのような取りまとめといいますか、というものが出ていると。結局、そういうものをベースにしていくとやはり多発とは言えないというようなことを言っていると。でも、今、北島さんがおっしゃったのは26年12月の環境省のものですよね。

はい、話進めます。

平成27年5月、福島県の「県民健康調査」検討委員会甲状腺評価部会の取りまとめという最新の現場からの報告なんですよ、これ、今私が言っているのは。最新の報告、過去の二つの検討会、北島部長がおっしゃった環境省のものだったりとか規制庁から出されたものだったりとか、それとは内容が違ってきているということなんです。議論だけに基づいた結論だけじゃなくて、多くの人々の命に関わる間違いの許されない状況で最善の答えを出すために疫学が存在すると、それを基に甲状腺検査評価部会が新しく評価した結果が中間取りまとめですよね。違いますか。中間取りまとめですよね。

この最新の評価を踏まえて、住民の健康管理の在り方についてもう一度検討すべきだと思うんですけど、いかがでしょう。

○政府参考人(北島智子君) 環境省が開催しました東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議の中間取りまとめについては、「県民健康調査」検討委員会において会議資料として提出するとともに、概略を説明しております。

一方、環境省の専門家会議と「県民健康調査」検討委員会甲状腺検査評価部会は、構成員や委員の専門分野、検討に用いた資料、検討を行った時期などが異なるため、両者の中間取りまとめについては内容が異なる部分もあると考えておりますが、「県民健康調査」検討委員会甲状腺検査評価部会の中間取りまとめにおいて環境省の専門家会議の中間取りまとめの考え方を否定したり変更を求めるような内容はないと考えております。

そのようなことで、この福島県の「県民健康調査」検討委員会甲状腺検査評価部会の動向を見守ってまいりたいと考えております。

○山本太郎君 最新の知見は採用されないなんて、そんなことあり得るんですか。この国を代表するような疫学者じゃないんですか。国立がん研究センターのがん予防・検診研究センター長ですよ。この方の試算を基に、この方が、がん研究センターのがん対策情報センターがん統計研究部に試算を依頼したわけですよね。最新の一番疫学に詳しい人たちが福島の情報をインプットして出してきた数、それを出してきたわけです、評価したわけですよね、中間取りまとめとして。

お聞きします。北島部長、第14回の専門家会議で終了した後の囲み取材で、中間報告という形になっていきますけれども、今後どういうスケジュールということになりますかと記者に聞かれました。北島部長自身、また新しいものが出たところで必要な検討をしなければいけないと考えております、こんなコメントをされているんですよ。

今日の答弁で、環境省が根拠にしている取りまとめは既に古いんです。最新の知見が出ているということなんですよ、疫学者による。しかも、それは検討委員会の委員でもあり、そして甲状腺検査評価部会の部会員でもある、そのような人たちが取りまとめたものの最新の知見がピックアップされないなんておかしいでしょう。アップデートして当然じゃないですか。もう一度検討すべきだと思います。新しいものが出たら必要な検討をすると御自身でおっしゃっているんですから。

手短に、するのかしないのか、お答えください。

○政府参考人(北島智子君) ただいま申し上げましたとおり、最新の評価部会の中間取りまとめにおきましても、12月の専門家会議の中間取りまとめの考え方を否定したり変更を求めるような内容はないと考えておりますので、この福島県の専門家による議論を、私も自ら参加はしておりますし、見守ってまいりたいと考えております

○山本太郎君 見守る見守らないは関係のない話なんです。もう最新の知見が出ているというお話です。

先ほどお話ししたとおり、否定したりとかという話じゃないんですよ。要は、これよくよく見ていくと大変なことになっているんじゃないかと。もちろん、スクリーニング効果ということで上乗せされる部分はあるだろうと。でも、これ、疫学者的に言うと二倍程度だと。その上乗せ割合を考えたとしても、それを上回る多発が見られる、そのような話なんです。スクリーニング効果だけじゃ、これは原因というか、その内容、話、説明付かないんだと。だから、もっとそれを幅広げていく必要があるんじゃないかという話になっているんです。

これ、フォローアップが必要だと言っています。長期低線量被曝の影響を調べる必要があると言っています。福島県甲状腺がんの発生に関する疫学的検討、資料4ですね、その結論として書かれているのが、長期低線量被曝の影響を調べる必要があり、平成28年1月から義務化されるがん登録推進、福島県と周辺県については、がん登録と県民手帳を組み合わせてフォローアップする必要があると書いてあります。

大臣にお伺いします。大臣、いいですか、この件に関して最新の知見がメンバーから出てきているんです、元々の県民調査の。これ、大臣として、新しい知見を基にもう一度みんなの中で話し合うということを求めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(望月義夫君) 福島県の「県民健康調査」検討委員会及び同検討会の甲状腺検査評価部会では継続して議論がなされておりまして、5月18日の検討会では甲状腺検査評価部会での中間取りまとめが示された。これは、今、新しい知見だということで承知をしております。

福島県の「県民健康調査」検討委員会では、先ほどからお話ございましたように、環境省の環境保健部長が委員として参加しております。我々もそういった情報をしっかりとそういったところでいただいておりますが、環境省としては、まず、福島県が実施している県民健康調査の進捗状況のほか、福島県での議論や対応についてしっかり注視してまいりたいと思います。

また、県民健康調査甲状腺検査の充実や福島県及び福島近隣県における病症の罹患動向把握など施策にしっかりと取り組みつつ、環境省としても引き続き、県民健康調査の検討状況なども踏まえまして、福島県と密接に連絡を取りながら適切に放射線の健康管理が実施されるように努めてまいりたいと、このように思います。

○山本太郎君 最新の知見を取り入れて、是非一刻も早くやってください、被害が拡大する前に。

ありがとうございました。

 

 

 




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