国会活動
配布資料⇒経済連提言
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。よろしくお願いします。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について質問いたします。
前回の質疑で、私が国家戦略特区の目的は何ですかと質問したところ、内閣府内田地方創生室長は、国が主導して、岩盤規制の突破口を開いて、経済社会の構造改革を推進して、産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動拠点の形成を図ることを目的としていると答弁されました。私は、この答弁、一番大切な部分が抜け落ちた本当の戦略特区の狙いが出た答弁だったんじゃないのかなと思っちゃったんです。
国家戦略特別区域法第一条「目的」には、「この法律は、我が国を取り巻く国際経済環境の変化その他の経済社会情勢の変化に対応して、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るためには、国が定めた国家戦略特別区域において、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成することが重要であることに鑑み、国家戦略特別区域に関し、規制改革その他の施策を総合的かつ集中的に推進するために必要な事項を定め、もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。」と書いてあります。
内田地方創生推進室長の答弁は、この「鑑み」のところ、言わば手段を目的としてしまっているということなんですね。真の目的は、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することでなければならないと考えます。構造改革特別区域法の第一条「目的」でも、「もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与すること」が目的と記されています。
石破大臣、この国家戦略特区法の目的は、内田室長の答弁の産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動拠点の形成を図ることが目的ではなく、それらは手段であり、内田室長の答弁で省かれていた部分、真の目的は、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することである、そして構造改革特別区域法の目的も、国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することで間違いありませんよね。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘で正しいのでございます。内田室長がお答えしたことも、何も手段と目的を取り違えて答弁をした、それはもう意図的にそんなことをしたわけではもちろんなく、私もその場で答弁を聞いておりましたが、目的はあくまで、御指摘のとおり、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与する、それが目的であるということは当然のことでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
石破大臣、この両法案の目的、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与すること、あるいは、国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することですから、特区による規制改革が仮に国民生活の向上に寄与しない場合、あるいは、寄与するどころか国民生活に打撃を与えるようなことがあってはならない、特区はそのようなものになってはならないということで、大臣よろしいですよね。
○国務大臣(石破茂君) それは、法目的というのはそういうものでございます。何の法律でも一番最初の第一条にこの法律の目的というのは書いてあるわけで、第二条以下はその目的に資する形で構成をされているというのが法律の作り方でございます。
ですから、委員御指摘のような、寄与しないとかあるいは打撃を与えるというようなことになれば、それはその法律の趣旨そのものが覆ることになりますので、そのようなことは行わないし、仮に行われることがあるとするならば、それを厳にして戒めるのがこの法律の裏返して言えば趣旨だと思っております。
○山本太郎君 今のお答えでほとんど次の問いの答えをいただいたようなものなんですけれども、言わせてください。
石破大臣、国家戦略特区や構造改革特区が国民生活を向上することに寄与しない、あるいは、寄与するどころか国民生活に打撃を与えるものになる場合には、このような特区に対してどう対応されますか。取消しもされますか。いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 例えば、区域計画の進捗状況が不十分であるというような理由でその当該国家戦略特区における目標の達成は困難であるというふうに認められた場合には、内閣総理大臣が、区域計画の評価結果を踏まえまして、区域計画の認定の取消し、あるいは、諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴きました上で特区の指定自体を取り消すということは当然あり得ることでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
配付資料を御覧いただいたら分かると思うんですけれども、これ、ちょうど二年前なんですね。2017年7月16日の日本経団連の「民間企業の活力発揮に向けた「日本再興戦略」の一層の拡充を求める」提言です。企業が活躍しやすい国家戦略特区、これ中に書いてあるんですよね、労働法制の見直し、原発の再稼働、法人実効税率二五%、社会保障給付の一層の効率化、重点化と持続可能性の確保、ビッグデータ、オープンデータ等の活用、農業生産法人の構成要員の緩和、企業による農地所有の実現、国家戦略特区の活用を含む大規模MICE施設の早期整備。なるほどと、アベノミクスというのは、日本経団連の提言、次々に実現することなんだなと思えてしまうようなラインナップ、これによって国民生活が向上する、寄与するという部分がリンクしないのは私だけでしょうか。日本経団連は、産業競争力会議が司令塔機能を発揮することも求めています。
結局、国家戦略特区というのは、経済界、企業の求めるものであって、国民の求めるものではないのではないかなと思っちゃうんですよね。ちょっと具体的に一つずつ見ていきたいと思います。
今回の法案に盛り込まれております外国人家事支援人材の活用ですが、これは一体どなたが提案されたことなんでしょうか。この件で何人ぐらいの外国人労働者を受け入れるおつもりでしょうか。どうして外国人家事支援人材が国民生活の向上に寄与するのか、御説明ください。内閣府と、この事業を担当されている、所掌されている経済産業省、お答えいただけると助かります。
○政府参考人(内田要君) 提案でございますが、先ほど来議論がございましたように、平成26年4月4日の経済財政諮問会議・産業競争力会議の有識者委員からの提案を受けており、また、もちろん、これをやりたいという大阪、神奈川からも提案を受けておるところでございます。そこで、日本再興戦略に位置付け、今回の改正案に盛り込んだものでございます。
また、どれぐらいの人数規模かというお尋ねでございますが、これも、これから、例えば関西圏、東京圏、神奈川県ということになるのでしょうが、その中で区域を指定いたしまして区域会議において具体的に議論することになりますので、現在のところでどれぐらいの規模だとか、そういうことは想定できないという状況でございます。
また、最後に、国民生活に寄与するのかというお尋ねでございますけれども、そもそもこの制度の目的でございますが、この家事支援サービスの提供を行うことで、就業意欲をお持ちでありながら重い家事負担によりまして社会の活躍が困難であった女性の活躍を推進するというようなことも可能となり、もちろんそういう国民生活の寄与に当たるというように考えておるところでございます。
以上でございます。
○政府参考人(石川正樹君) 経済産業省からお答えさせていただきます。
先ほどの人数の件でございますけれども、今既に御答弁ありましたように、現時点では企業の側も具体的にどのような基準等が必要とされるかということについてはまだ確定していない段階でもございますので、現時点でそれぞれの地域においてどの程度の需要人数があってどの程度の方が必要になるかという件については、これからの制度を見た上での判断という状況でございます。
○山本太郎君 結局、シミュレーションしていないということですよね。法律は作るけど、規制緩和はしていくけどということはもう決めていくけど、政治の場で。でも、そのシミュレーションをされていないということ自体がどうなのかなと。法律ってそんなものなんだよということを言われてしまえばそれまでかもしれませんけれども、すごく何か随分適当な印象を受けてしまうと。
最低限のスタート、この法律作ろうというときに、これ、家事人材を外国人を使っていこうじゃないかと言ったときに、じゃ、どんな需要があるのかということをどんどんリサーチしていった上で、そのデータを基にいろいろと話合いが行われるというのが当然だと思うんです。先ほど、民主党の石橋議員からも突っ込みがあったと思うんです。全然話合いされていないじゃないかということもあったと思うんですけれども、そのような印象を受けてしまいます。
結局、この外国人家事支援人材の活用を入口にして、あらゆる分野で大規模な外国人労働者の活用を考えていくということになっていくんじゃないかなと、それがちょっと怖く思うんですけれども。
一つお聞きしたいのが、大臣、先ほど来、いろんな答弁に対して、この賃金、外国の方々に対する賃金に関して、日本人と同等若しくはそれ以上の賃金というものを担保されるようにしていきたいというようなことを言っていたと思うんですけれども、この日本人と同等ということはどれぐらいになるんですかね。少なくとも最低賃金はもらえるということですか。
あっ、済みません、補足です。通告していなかったんですけれども、今答弁をずっとお聞きしていて思い付いた質問です。ありがとうございます。
○国務大臣(石破茂君) 恐縮でございます。
それは、日本人と最低でも同等、それ以上ということで申し上げているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
共産党の田村委員の方から参考人の方に質問をされたことで、いろいろ返ってきたと思うんですよ。借金を背負ってこの国にやってくるんだよと。ここで働いたお金で借金を返済しなきゃいけないという状況の中で、じゃ、最低でも日本人と同じ額、その日本人の最低額ってどれぐらいなんだということだったら、やっぱり最低賃金になっていくと思うんですよ。
じゃ、神奈川と大阪が手を挙げたということですけれども、神奈川と大阪の最低賃金どれぐらいだといったら、神奈川で887円、大阪で837円。時給です。8日間働いて22日間、一か月ということになったら、神奈川で15万6千円、大阪で14万7千円。これ生活できるのかと、田村議員からも御指摘がありましたけれども。これ、借金どうやって返すのという話ですよね。
非常に、このような状況の中で、外国の方来ていただけるというか、逆に言うと、日本の賃金がどんどん安くなっていっているというか、たたかれていっている状況ですから、外国から人、来なくなるんじゃないかというような懸念もあると思うんですね。
話、戻ります。
この外国人家事支援、これ、外国人をどうしても使わなきゃいけないというような理由というのを昨日お聞きしたんですね、質問レクのときに。そうしたら、こうお答えになった、その省庁の方々は。例えば、海外に駐在されていた方々が日本に戻ってきて英語をやっぱり日常的にもしゃべりたいから、そういう方とコミュニケーションしながらというような、お掃除を手伝ってくれる方が必要だとかというニーズがあるというようなことを言われたんですけれども、じゃ、海外に駐在されていて、日本に帰ってきて、外国人の家事の手伝いをする人材必要としている人ってどれぐらいなんですかという話ですよね。何%なのと。そのためにこれだけ法律変えるんですかという話にもつながると思うんですけれども。
結局、じゃ、確かな答えを返してくださいと言ったら、もうそれは答弁として消えちゃったんですよね。多分、その場の思い付きで言われたことなのかなと思うんですけれども。それは石橋議員が、結局、そこに対して話合いがほとんど行われなかった、行われていなかったという現実というものが現れた部分だとは思うんですけれども。
結局、じゃ、何のためにこのようなことをするのかといったら、コストしか考えられないんですよね。今よりも安い賃金で働く人々というものができる限り多い方がいいよねと。だって、共働きという形をする、その間に家のことをやってもらいたいという話ですよね。
じゃ、このサービスを利用できる、日本人以上の給料がもらえるというようなものを払える家庭というのは、一部の人たちだけじゃないですか、これ。安い労働力が欲しいために、恐らく入口として、外国人労働者の入ってくる入口として特区をまず最初にという話なのかなと思うんですけれども、これ、大規模な外国人労働者の活用というのが、この先広がっていくということの入口ということにはならないですかね、大臣。
○国務大臣(石破茂君) そのようなことは考えておりません。少なくとも私として、そのようなことが望ましいことだとは考えておりません。
そして、そのことによって、委員が御懸念のように、じゃ、日本人の賃金というものもそれに引きずられてと言うべきか、下がっちゃったらどうなるのよという、次はそういう懸念になってくるんだろうと思います。
日本が長い間デフレであったのは、いろんな理由がございますが、やはり賃金を下げ続けてきたということも日本がデフレになった大きな原因だと私自身は考えております。日本人の賃金というもの、日本人の労働に対する対価というもの、それが下がるような事態ということを招来することは決していい政策だと私自身は思いません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
とにかく、最低でも日本人と同額、でも、その日本人の一番低い賃金、最低賃金は、先ほど言ったような月々15万円ぐらいしか稼げないんだと。都市で、大都市でさえもですよ。
でも、その日本の最低賃金に対して国連からももちろん言われていますよね。経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会からどのように言われているか、日本の最低賃金の安さ。最低賃金の平均水準が最低生存水準及び生活保護水準を下回っていること、並びに生活費が増加していることに懸念を表明するということが国連からも言われちゃっていると。これ、世界的な低賃金競争に日本人までも巻き込まれてしまうんじゃないかという懸念を持って当然だと。
じゃ、どうしてこのような外国人労働者を日本に受け入れるようなことが行われていくのかと。もちろん、これは家事だけだよ、特区だけだよという話かもしれないんですけれども、こんな話は、恐らく提言としては経団連からは2004年から出ていると。外国人受入れ問題に関する提言。ずっと前から経済団体からリクエストがあり続けてきたことを、安倍政権になって一歩前に進めたと、本格化できたんじゃないかなと。
しかも、前の経団連の会長であった米倉さん、とんでもないことを言っているんですよね。移民受入れ奨励すべきだと。移民ということはもちろん日本で働く人々も含まれるわけですから、日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだという、何様だというような発言をされているわけですよね。日本に忠誠を誓うってどういうことなんだよという話なんですけれども。ここが本当に、日本の労働環境というものがどんどん破壊されていくようなことになってしまえば非常に危険だと。
これ、経団連からのプレッシャーというのは、この労働問題、そのほかにもありますよね。例えば、労働者派遣法の改正、衆議院でありましたけれども、これも経団連から2013年の7月、今後の労働者派遣制度のあり方についてという提言が出されていたと。これもリクエストが出ていたわけですよね、経団連から。それ以外にも、外国人受け入れ問題に関する提言、今言った2004年、これ、提言がもう既にあったと。
それだけじゃなくて、消費税に関しても、2012年の8%にというときにもやっぱり経団連からもあったわけだし、ホワイトカラーエグゼンプション、残業代ゼロと言われているようなところにもつながっていく労働基準法の改正だと。これ、2005年の6月に、ホワイトカラーエグゼンプションということがもう既に経団連から話がされているわけですもんね。今回は1075万円以上という話になっているけれども、経団連、400万円というボーダーを設けていますから、この先どんどんそれを下げられていくというような気配感じますよね。ここまで経団連が実現したいというようなことを政治で次々に実現していくという現在を見ればという話なんですけれども。
続いての質問に行きたいと思います。
もう一つ、漁業生産組合の設立要件等の見直しありますけれども、これは誰の提案なんですか。一体、これによって漁業生産組合はどうなるのか。それから、どうして国民生活の向上に寄与するのか。短めに説明ください。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
昨年夏の提案募集をいたしましたそのときに、岩手県の三陸漁業生産組合から提案があったものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
結局、7人という要件を3人、震災があって、人も減って、3人では漁業が続けられないから7人を3人にという規制の変更というものを求められたということですよね。この元の要件を満たせなくなることでなりわいを失ってしまうというのは、これ改善されなきゃいけないことだとは思うんですけれども、特区以外でもやりようはあるんじゃないかなと思います。
今回、特区の改正で設立要件が見直され、7人が3人に変わることで民間企業が参入しやすくなるという側面はありますか。参入しやすくなる、そうでもない、いずれかでお答えいただけると助かります。
○政府参考人(水田正和君) 農林水産省からお答えいたします。
今回の漁業生産組合の特例でございますけれども、漁業生産組合の設立及び維持に必要な組合員の数の要件を緩和するものでございまして、漁業生産組合の組合員資格そのものを拡大するわけではございません。
漁業生産組合の組合員資格につきましては、水産業協同組合法におきまして、漁民であって定款で定めるものと書いてございまして、また、この漁民とは、同じ法律におきまして、漁業を営む個人又は漁業を営むために水産動植物の採捕若しくは養殖に従事する個人と書いてございまして、個人に限定されておるところでございます。
このため、今回の特例は、民間企業が参入しやすくなることとは関係はないというふうに考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
そのようなお話でしたけれども、漁業権については、平成26年8月19日に開催、国家戦略特区ワーキンググループでのヒアリング、漁業権の民間開放について議論されています。この会議の中で、座長の大阪大学社会経済研究所招聘教授の八田達夫さん、これ、結構むちゃくちゃ言っているんですよね、入札でやりゃいいと。漁業権って、すごく微妙なものと言いますか、一定の水面をみんなでシェアしながらやっていくという非常に微妙な調整が必要なものに対して、これ、入札、金の力で入れるようにすればいいじゃないかというような趣旨のことを言っていると。お金を払った人が権利をもらえるようになればいいじゃないかというような発言をされている。座長なんですけれども。
水産庁、これに対してどのように反論しましたか。
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
我が国の養殖業でございますが、多数の漁業者によって営まれております共同漁業とか知事許可の漁業など、ほかの漁業とともに沿岸の地先の限られた水面で複層的に営まれておるところでございます。
漁業法第一条の目的の規定にありますように、このような海面を総合的に利用して漁業生産力を発展させられるよう、資源の状況や漁場環境等、地域の実態に精通している者に免許を与えるのが適切であるというふうに考えているところでございます。
漁業法におきましては、こうした観点から、特定区画養殖業ごとに免許する者の順位を決めて、定めて免許を行っているところでございまして、資源の状況や漁場環境など、地域の実態に精通している地元の漁協や地元の漁業者が上位の優先順位に位置付けられているところでございます。
このようなことから、養殖業において入札によって漁業権を免許することは、海面の総合利用によって漁業生産力の発展を図るという法目的になじまず、適当ではないと考えているところでございまして、国家戦略特区ワーキンググループに対しましては、今申し上げた趣旨のことを水産庁から回答しているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
本当にもうひどいこと言っているんですよ。調整が必要だという話は先ほど言ったと思うんですけれども、権利を全部持った企業が入札でそこに入ればそんな調整要らないよなと、企業が全部そこを仕切れば関係ないじゃないかというような趣旨のことを言っているわけですよ。そういうものならば優先権を漁協と同等に与えてもおかしくないだろう、そこを買ってしまえば、権利を取ってしまえばと。その浜の、その湾の養殖の権限全部持っている、要するに今の漁協のように一括して買い取ってやるということならば、今の内輪もめの話ということも起きないんじゃないかというようなことまで言っちゃっていると。非常にこれ怖いなって思うんですよね。
今まで地域の皆さんがなりわいとして続けてきたこと、積み重ねてきたところに企業が入っていってそこをぶち壊していくんじゃないかというようなイメージさえ持つんですけれども、この中ですごく頑張ってくださったのが水産庁の課長さんなんですよね、このワーキンググループに参加されていた方で。そうじゃないんだと、そこを調整していかなきゃ、浜のことを一番分かっているのは地元の人たちで、そういう積み重ねをやってきたんだと、そういう強引なことはできないと。もう民間で入れるところは入っていると、それを一気に広げていくようなことはどうなのかということをもっと話し合わなきゃいけないというふうに必死でブレーキを掛けているという状況なんです。
これ、実際に歯止め、歯止めというものは何でつくられるのかと。このワーキンググループの話だけ読んでみれば、ああ、こうやって省庁の課長さんが頑張ってくれたんだ、ブレーキを掛けてくれているんだということにすごく感動する。これは歯止めになり得るかもしれないけれども、その省庁側の人間が抱き込まれてしまえば、これは通ってしまう話かもしれないですよね。
日本の漁業、農業、それだけじゃなく、労働環境までこの国に生きる者にとって不利に大きく変わっていく可能性というのはないかなと。世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が広がっていくと、大企業、もちろん金融資本、グローバル資本によってそういうものが変えていかれるんじゃないか、そのような不安があるんです。
石破大臣、それらから確実に守るための歯止め、それってあるんですかね、何か担保されていますか。短めにいただけると助かります。
○国務大臣(石破茂君) それは政府における政務三役の見識であり、そしてまた議会の見識でございます。最後の歯止めというのはそれに尽きます。
○山本太郎君 なるほど。
もう時間が迫ってきているので、次の質問に行きたいと思います。
とにかく、そのような形で、まず、国家戦略特区と密接な関係があるだろうと、6月30日に閣議決定された日本再興戦略2015、政府機関等のサイバーセキュリティーを抜本的に強化と書かれていることについて質問したいと思います。
厚生労働省のCISO、最高情報セキュリティ責任者である蒲原官房長、伺います。これ、もう時間がないんで肝のところに行きたいと思うんですけれども、官房長は最初に報告受けたのはいつですかね、これ。
○政府参考人(蒲原基道君) 本事案につきまして私が報告を受けましたのは5月の28日でございます。この件につきましては、NISCとの連絡調整を始め必要な措置はとられてきたものと考えておりますけれども、私を始め責任者への報告が遅れた点につきましては、反省すべき点が多々あるというふうに認識をいたしております。
○山本太郎君 当然ですよね。5月8日に情報セキュリティーインシデントということが分かっていれば、こんなことにならなかったかもしれない。聞いたのが5月28日だという話なんですね。
これ、法務省にも厚生労働省にも、そしてNISCにもお願いしたいことがあります。
それぞれのセキュリティーポリシー、基本方針と対策基準、そして報告手順、対処手順、緊急連絡網の資料を提出していただきたいんです。事実を検証する必要があると思います。お手盛りの検証委員会だけではなく、やはり第三者がしっかりとこれを検証するために、今言ったものをそれぞれの省庁から出していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
一般論で申し上げますと、事案の重篤性については、原因解明の進捗によって順次判明をしてくるものでございます。NISCにおける情報セキュリティーインシデントの対処基準におきましては、事案の重篤度のレベルに応じ、対応する内容は異なってまいります。どの時点でどの程度事案が重篤であるかを認知したかは、NISCの対処能力を明らかにすることにつながります。
したがいまして、NISCにおける情報セキュリティーインシデントに対する対処基準等につきましては、これを明らかにすることで攻撃者を利することとなることから……
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(谷脇康彦君) 提出は差し控えさせていただきたいと思います。
失礼しました。
○山本太郎君 委員会として是非お取り計らいをいただきたいと、各府省の資料の提出、委員長、よろしくお願いできますか。
○委員長(大島九州男君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございました。
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