国会活動
配布資料⇒経済連提言
○山本太郎君
私は、生活の党と山本太郎となかまたちを代表し、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が次々に行われ、それにより本当に国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することになるのか。これまで安倍政権が推し進めてきた政策の数々を見ている限り、あり得ないと断言するしかない状況です。
消費税の増税分は全額社会保障に使うと言いながら、後期高齢者874万人は保険料が引き上げられ、児童扶養手当は減額、生活保護費用は10%引下げが決定され、それと連動する最低賃金は上がりづらくなり、派遣法では派遣会社が大喜び、雇う企業も継続的に安く雇用できてうれしいことでしょう。残業代ゼロ法案は、1075万円以上の人が対象と言いながら、この先、その要件は経団連の要求どおり下げられていくことも見え見えで、労働者は、金銭的にも身体的にも精神的にも、ただでさえ厳しい状態からより厳しい状況に追い込まれます。
そこに、外国人労働者の入口となる本法案改正で間口が広がっていけば、この国に生きる人々の労働環境はどうなっていくでしょうか。これらの背景には、経済団体の提言などのリクエストが存在しています。企業がもうかれば雇用が増えても賃金は上がるという政治的な掛け声は現実的にはあり得ないと多くの庶民が身をもって経験し、それに気付いています。
国税庁調べで、正規の平均年収473万円、非正規の平均年収168万円。安倍政権発足当初、2013年1月と2015年5月を比べると、確かに役員を除く雇用者数は113万人増えていますが、内容を見ると、正規雇用は減り、非正規労働者が126万人増えているのが現状です。
働き方の多様化とは聞こえがいいが、賃金の格差を見れば、それもおまじない程度の話であったと労働者の多くは理解しています。全国津々浦々まで好景気が実感できるまでに、この国に生きる人々は何度生まれ変わらなければならないのでしょうか。掛け声だけは美しく、たくましく、勇ましい。現実を見ていただきたい。我が国に生きる6人に1人が貧困、単身女性の3人に1人が貧困、年収200万円未満のワーキングプアと呼ばれる人々は1100万人を超え、貯金ゼロ世帯は31%、非正規労働者はもうすぐ四割という状況。
企業がもうかれば、世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が行われれば行われるほど国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与するなどのおとぎ話は、ふだんの政治的決定を見れば現実的ではないということが明らかです。これ以上、大企業優遇の政策を続ければ、持続可能な未来は閉ざされてしまいます。
国家戦略特区法第一条の目的の最後の部分にある「国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。」、このことを本気で考えるならば、国家戦略特区、構造改革特区が開く未来は、この国に生きる人々にとって本当に必要なものではないと申し上げて、私の反対討論を終わります。
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