国会活動
2015.8.19安保特①「今回の安保法案は、第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
2015年08月20日
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○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
永田町ではみんな知っているけれどもわざわざ言わないことを質問していきたいと思います。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
まず、中谷防衛大臣、よろしくお願いいたします。
中谷大臣は、7月31日の本委員会、福島みずほ委員の、今まで周辺事態法でできないとされていた弾薬の提供がなぜできるのかという質問に対し、現行法制定時には米軍からのニーズがなかったので、弾薬の提供と戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備については除いていたが、その後、日米の防衛協力ガイドラインの見直しの中で、米側から、アメリカ側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたと答弁されました。
ということは、中谷大臣、今回の安保法制制定の立法事実として、米軍のニーズ、要請があるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現行法の制定時におきましては米側からのニーズがなかったということで支援内容から省いておりました。これ、国会でも答弁をいたしたとおりでございます。
しかし、その後、日米防衛協力ガイドライン、これの協議が行われまして、その中で米側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたということです。また、先ほど答弁いたしましたが、一昨年、南スーダンPKOに参加している陸自の部隊が国連からの要請を受けて韓国部隊のために弾薬提供を行ったように、想定外の状況によって弾薬を融通する必要がある場合も想定をされるということ、また、いろんな状況も変化をしてきたということでございまして、こういったことをもちまして、今回、あらかじめ法的に措置をしておく必要があると考えたわけでございます。
○山本太郎君 中谷大臣、現在の周辺事態法ではできなかった弾薬の提供などを今回の安保法制でできるようにするのは、アメリカ側からの期待、米軍のニーズがあったからということでしたけれども、米軍からいつ頃どのような形でどのような具体的なニーズがあったのかということを教えてもらえますか。
○国務大臣(中谷元君) 日米防衛協力が進展をしたということ、またガイドラインの見直しが進められたということ、また自衛隊もそういった能力が向上してきたということで、米側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたということで、今回、重要影響事態に際してもこれらの支援を行うようにできるように法的措置を講じることにしたということでございまして、基本的には日米間の協議の中でニーズが出てきたということでございます。
○山本太郎君 余り答えていただいていないような状況だったと思うんですけれども。
とにかく米軍のニーズが立法事実になっているんだという話ですよね。リクエストされたから、ニーズがあったから、それによってこの国の在り方、ルールを変えていくという話ですよね。弾薬の提供、輸送すると。弾薬は、法律上は銃弾、砲弾、手りゅう弾、ロケット弾、果てはミサイル、核兵器まで提供、輸送できる。また、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備も。これらは誰が見ても明らかに武力行使と一体となった輸送、兵たんで、明白な憲法違反。
弾薬の提供、輸送と戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備については、これまで武力行使と一体となった後方支援ということで憲法違反だったんですよね。でも、今回、憲法解釈を変えたんですよね、米軍のリクエストで。
実は、アメリカ側のリクエストというのはもっとスケールが大きくて綿密なんだよということをお知らせしたいと思います。
パネルをお願いします。(資料提示)
このパネルは、集団的自衛権を認める昨年七月一日の憲法違反の閣議決定の二週間後、7月15日、首相官邸での写真でございます。首相官邸のホームページから引用させていただきました。
安倍総理と握手している方、ショー・ザ・フラッグ、ブーツ・オン・ザ・グラウンド、この言葉で有名なリチャード・アーミテージ元アメリカの国務副長官。一人置いて左から二番目、赤いネクタイの方、もうほとんど側頭部、後頭部しか写っていない方ですけれども、この方がジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授。
このお二人、一体何者なのと御存じない方のために、外務省のホームページで次のように詳しく紹介されています。日米安全保障研究会米側委員を代表して、ジョン・ハムレ戦略国際問題研究所、CSISですよね、CSISの所長が、14年前にアーミテージ元国務副長官とナイ・ハーバード大学教授がアーミテージ・ナイ・レポートを作成し、日本の安全保障に対するアプローチについて提言したと述べたと書いてあります。
このお二人が提言してくださった有り難いお言葉の数々が日本国の政策にそのまま反映されている、とても影響力のある方々というお話なんです。
2000年10月に第一次、2007年2月に第二次、そして2012年の8月に第三次が公表されたアーミテージ・ナイ・レポートは、それぞれ日本の安全保障政策に大きな影響を与えた。
パネル、入れ替えてもらっていいですか、お願いします。
二枚目のパネルは、その第三次アーミテージ・ナイ・レポートの中の日本への提言9項目、そして、その他注目すべき記述を抜粋したものです。これを見ると、今回の憲法違反の閣議決定から憲法違反の安保法制まで、ほとんど全てアメリカ側のリクエストによるものだということがよく分かる。
まず、パネルの下の方ですね、いきなり下でごめんなさい、その他の十番を御覧ください。レポートの本文ではこのように書かれています。皮肉なことに、日本の国益保護に必要な最も過酷な状況下では、米軍は自衛隊と日本の集団的防衛を行うことは法的に禁止されているのだ、日本の集団的自衛権禁止を変えることはこうした皮肉の全てを解決するだろう、政策転換において、統合軍やより軍事的に攻撃性の高い日本、日本の平和憲法の変更は希求されるべきでない、集団的自衛権の禁止は同盟にとって障害だと書かれています。
パネル一を一瞬上にかぶせてもらっていいですか。
このときの写真、一体何なんだろうなと思ったら、集団的自衛権容認の憲法違反の閣議決定を提言した人たちですよね。提言した、しかもそれが実現した。だから、彼らは官邸まで、よくやったね、君たちと褒めに来てくれた、そんな現場での心温まる写真の一枚なんじゃないかなというふうに考えてしまいます。
済みません、パネルを外していただいて、二枚目のパネルに戻ります。
提言の1です、一番上です。ここでは何と原発再稼働を求めている。安倍総理は、これも安全性無視で実行しましたよね。
提言の3、TPP交渉参加。安倍政権は、2012年の衆議院選挙での自民党の選挙の公約を堂々破って、これを忠実に実行している真っ最中でございます。
提言の8、日米間の、あるいは日本が保有する国家機密の保全。これ、特定秘密保護法そのまんまじゃないかよって、これもクリアしてしまっています。次は、もうちょっと下になるんですけれども、
その他の12、日本の防衛産業に技術の輸出を行うよう働きかける。これ、防衛装備移転三原則で実現していますものね。
今年4月27日、新しい日米防衛協力ガイドラインを承認したときの日米共同発表文書には、日本が国際協調主義に基づく積極的平和主義の政策を継続する中で、米国は、日本の最近の重要な成果を歓迎し、支持する。これらの成果には、切れ目のない安全保障法制整備のための2014年7月1日の日本政府の閣議決定、国家安全保障会議の設置、防衛装備移転三原則、特定秘密保護法、サイバーセキュリティ基本法、新宇宙基本計画及び開発協力大綱が含まれると書いてあるそうです。この第三次アーミテージ・ナイ・レポートの提言どおりの新ガイドラインと、その他の重要な成果なんですよね。
そして、今回の安保法制、戦争法制は、パネルで見てみると、2.シーレーン保護、5.インド、オーストラリア、フィリピン、台湾等との連携、6.日本の領域を超えた情報・監視・偵察活動、平時、緊張、危機、戦時の米軍と自衛隊の全面協力、七、日本単独で掃海艇をホルムズ海峡に派遣、米国との共同による南シナ海における監視活動、9.国連平和維持活動(PKO)の法的権限の範囲拡大、11.共同訓練、兵器の共同開発。これらはほとんど全て今回のこの安保法制に盛り込まれたという話です。
岸田外務大臣にお伺いします。
この第三次アーミテージ・ナイ・レポートで示された日本への提言などが、今年4月27日の新ガイドライン共同発表に書かれた日本の最近の重要な成果や、今回の安保法制で実現することになったとお考えになりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の報告書ですが、あくまでもこれは民間の報告書ですので、政府の立場からこれ逐一コメントすることは控えなければならないと思いますが、少なくとも、御指摘の今年の新ガイドライン、さらには今審議をお願いしております平和安全法制、これはこの御指摘の報告書を念頭に作成したものではないと考えます。
平和安全法制につきましても、あくまでも我が国の国民の命や暮らしを守るためにどうあるべきなのか、これは自主的な取組であると考えておりますし、新ガイドラインにつきましても、安全保障環境が厳しさを増す中にあって、日米の防衛協力について一般的な枠組みですとかあるいは政策的な方向性、こうしたものを示したものであると認識をしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
中谷防衛大臣、配付資料でお配りした第三次アーミテージ・ナイ・レポートの概要、これ、今でも海上自衛隊の幹部学校のホームページに掲載されているものをそのまま使わせていただきました。この第三次アーミテージ・ナイ・レポートの日本への提言、今回の安保法制の内容に生かされていると思いますか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊といたしましては、幅広く世界のいろんな方々からの考え方も含めまして情報収集、また研究、分析をしております。
今回の平和安全法制につきましては、あくまでも我が国の主体的な取組として国民の命と平和な暮らしを守るというために作ったわけでありまして、これは時間を掛けてオープンな場で様々な意見、議論を経て決定をされたということで、特に政府内の有識者の懇談会、また与党内、自民党と公明党の協議会において25回に及ぶ徹底的な議論を経て作成したものでありまして、このナイ・レポート等の報告書を念頭に作成したものではないということでございますが、しかし、政府としましては、今後の点において、これからも研究、検討は続けてまいるわけでございますので、このレポートで指摘をされた点もございますが、結果として重なっている部分もあると考えておりますけれども、あくまでも我が国の主体的な取組として検討、研究をして作ったものであるということでございます。
○山本太郎君 民間のシンクタンクなんだよって、偶然の一致なんじゃないのみたいなお話ですけれども、民間のシンクタンクの方々がこれだけ頻繁に日本に訪れ、そして総理もそのシンクタンクで演説をなさったりとかしているわけですよね。随分懇意だねって、それが偶然の一致なんて話になるのって。これらのレポートを念頭に作成したものでない、結果重なってしまっている部分があると言うんですけど、ほとんど重なっているんじゃないかって。そっくりそのままですよ。完コピって言うんですよ、こういうの、完全コピー。
昨年7月1日、憲法違反の閣議決定から今回の憲法違反の安保法制、戦争法制までだけを見たとしても、何だこれ、アメリカのリクエストどおりじゃないかって。おまけに、原発再稼働、TPP、特定秘密保護法、武器輸出三原則の廃止、何から何まで全てアメリカのリクエストどおりに行っているんだなって。アメリカ、アメリカ軍の要請、ニーズには、憲法を踏みにじってでも、国民の生活を破壊してでも、真摯に全力で取り組むって、これどういうことなんですか。これ、独立国家と呼べますか。完全コントロールされているんじゃないかよ、誰の国なんだ、この国はという話をしたいんですね。
これだけ宗主国様に尽くし続けているのにもかかわらず、その一方で、アメリカは、同盟国であるはずの日本政府の各部署、大企業などを盗聴し、ファイブ・アイズと呼ばれるイギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどとその盗聴内容をシェアしていたと。もう間抜けとしか言いようがないお話、先月出てまいりました。
いつまで都合のいい存在で居続けるんですかってお聞きしたいんですよ。いつまで没落間近の大国のコバンザメを続ける気ですかって。(発言する者あり)今、後ろから声が聞こえてきました。もう一つの州、最後の州なんじゃないか、そういう考え方もあると思います。もう一つの州であるならば、アメリカ合衆国の大統領、僕たちが選べなきゃおかしいんですよ。そんな状況にもされていないって。
諦めているんですか。いつ植民地をやめるんだ、今でしょうって。対等な関係、健全な関係にするべきじゃないですか。出されたリクエスト、全て形にしていくなんておかしな話ですよ。
今回の戦争法案、アメリカのアメリカによるアメリカのための戦争法案には断固反対、当たり前です、廃案以外はあり得ません。
中国の脅威というならば、自衛隊を世界の裏側まで行ける、そのような状態をつくり出すことは、この国の守りが薄くなるということですよ。どうして自衛隊が地球の裏側まで一体化してアメリカと一緒にいろいろなところに行けなきゃいけないの。アメリカ以外の国とも一緒に行けるような状況になっていますよね。歯止めありますか、ないですよね。中国の脅威をうたっている割には、国の守りが薄くなることに対しては全然平気っぽいですね。
廃案以外はあり得ない、この戦争法案、廃案以外あり得ないと申し上げて、午前の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
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