国会活動
2015.8.19 安保特②「政府が集団的自衛権行使容認のよりどころとする砂川判決こそ、米国からの指示だった!」
2015年08月20日
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資料①⇒
資料②⇒
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
永田町ではみんな知っているけれどもわざわざ言わないことを、午前に引き続き質問したいと思います。今回は、もう一つアメリカのリクエストを皆さんに御紹介したいと思います。
パネル、お願いいたします。(資料提示)
このパネル、政府・与党が今回の集団的自衛権容認の根拠にした砂川事件の最高裁判決そのものが実はアメリカのリクエスト、指示によるものだったということを表す資料でございます。これは、早稲田大学の憲法学の教授水島朝穂先生のホームページから、水島先生の許可を得、引用した資料でございます。
〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
この砂川判決、もう皆さんの前では言うまでもないかもしれませんけれども、1959年、昭和34年3月30日に東京地方裁判所で米軍駐留の違憲判決が出て、ちょうど日米で交渉中だった新安保条約に政治的に悪影響を与えないように、東京高裁をすっ飛ばして最高裁に直接上告した。これ、跳躍上告っていうそうですね。この跳躍上告、かなり珍しいことで、その中でもなお珍しい、戦後、砂川事件も含めて三件しかない検察官による跳躍上告を行った事件だったそうです。それもアメリカのリクエストだったと。
1959年、昭和34年3月30日、東京地裁で駐留米軍は憲法違反の判決が出た翌日、朝8時に、アメリカのマッカーサー駐日大使、この方はもう皆さん御存じでしょうけれども、GHQダグラス・マッカーサー元帥のおいっ子さんだそうです、このマッカーサー駐日大使その人が当時の藤山愛一郎外務大臣に面会をして、日本政府が迅速な行動を取り、東京地裁判決を正すことの重要性を強調し、日本政府が直接最高裁に上告することが非常に重要だと言ったそうです。
それに対しまして藤山外務大臣は、直後の、今朝9時に開催される閣議でこの行動を承認するように勧めたいと語ったそうです。
そして三日後、4月3日、検察官が跳躍上告をしたと。
そして、それから三週間後、4月24日、当時の田中耕太郎最高裁判所長官がマッカーサー大使に、日本の手続では、審理が始まった後、判決に到達するまでに少なくとも数か月掛かるとわざわざ語ったというんです。
これだけでも日本の最高裁って一体何なんだよという話ですよね。わざわざそんなことを報告しに行くのかって、おかしな話だよなと思いますよね。
でも、本格的にびっくりするのは次のお話なんです。
こちらのパネル、もう皆さん御存じだと思います。(発言する者あり)はい、そのとおりです、今、外電ねというお話がありました。
それから三か月後、7月31日、ただいまお見せしたパネルは水島朝穂先生のホームページから引用させていただいたものなんですけれども、2013年の1月に元山梨学院大学教授の布川玲子さんがアメリカ国立公文書館に情報公開請求して出てきたものです。在日米国大使館から国務長官宛ての公電、ウィリアム・レンハート首席公使に田中長官が述べた話の報告、その電報のコピー、先ほど皆さんにお見せしたのがその内容でございます。
ちょっとお伺いしたいんですけれども、この文書の存在というのは御存じでしたか。外務大臣からお聞きしてもよろしいですか。済みません、これ、いきなりなんですけれども、申し訳ないです。
○国務大臣(岸田文雄君) 米国において様々な公文書、公開されております。公開された文書については米国も一般にコメントを行わない、このようにしていると承知をしております。日本国政府として、この公開された文書について一々コメントすることは適当でないと考えます。
○山本太郎君 知っていたということでよろしいんですかね、この文書の存在は。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のこの文書も含めて、砂川事件に関しまして審理過程で日米間で交渉したのではないか、こういった指摘があります。これにつきましては、日米間で交渉したという事実はないと考えます。砂川事件の際の最高裁判所への跳躍上告が米国の要望によるものであるというような御指摘は当たらないと考えております。
そして、御指摘の中で、3月31日のこの文書については衆議院の委員会におきましても指摘がありました。この文書についても外務省として改めて確認作業を行いましたが、日本側にこれに該当するような文書は存在しないということを報告させていただいております。
○山本太郎君 日米間でのやり取りはなかった、別にそれはアメリカ側が跳躍上告させたわけじゃないんだというような話だったと思うんですけれども、でも、日本側にはその文書も残っていないと、それは破棄しただけじゃないのという話ですよね。だって、アメリカの公文書館から出てきているんですもの。当時のアメリカ大使から国務長官宛ての公電で。首席公使が田中長官と話し合ったことをここに書いてきているわけですよね。
その内容、どんな内容なのということなんですけれども、このような内容でした。田中耕太郎最高裁長官はアメリカ大使館の首席公使レンハートさんという人に、砂川事件の判決が恐らく12月に出るであろうと今は考えている、争点を、これは裁判の争点ですよね、争点を事実問題ではなく法的問題に限定する決心を固めている、口頭弁論は9月初旬に始まる週の一週につき2回、いずれも午前と午後に開廷すればおよそ三週間で終えることができると信じている、最高裁の合議が判決の実質的な全員一致を生み出し、世論をかき乱しかねない少数意見を避ける仕方で進められるよう願っていると語ったというんですね。
これだけ聞いてもちょっとよく分からないなって恐らくネットの中継御覧になっている方いらっしゃると思うんですけれども、ざっくり言うと、普通の外交ルートでは知り得ない最高裁の内部情報、しかも、かなり精度の高い情報を最高裁長官自らがぺらぺらとアメリカ側に横流しをした。自分の立場を最大限に生かして、手心を加えまくって根回しをして、日米安保を成立させるために都合のいい判決を出すのを急いだという話なんですよね。
アメリカの政治工作のとおり、日本の最高裁はシナリオどおりの判決を出したという忠犬ハチ公もびっくりのお話。これ、アメリカの公文書館から出てきているものですよ。そこに書かれているんですよ。それをとぼけるってすごくないですか、知らないって。そんな事実はないというような雰囲気で先ほどお答えをいただいたと思うんですけれども。
そして、その田中長官のお言葉どおり、1959年、昭和34年12月16日、最高裁大法廷で裁判官15名の全員一致で田中長官本人の口から米軍の駐留は合憲という砂川判決が言い渡されたと。これで、米軍の駐留は違憲とされた東京地裁判決、いわゆる伊達判決は破棄されましたというお話です。
本当に、ここまで聞いて、何か少し前にノーベル物理学賞ですか、受賞された中村修二教授が日本の司法は腐っているとおっしゃっていたんですけれども、よく聞きましたよね、そういう言葉を。最高裁長官が自ら動いて、超スピードでアメリカに言われたとおりの判決を出すなんて、日本の司法は随分前から腐り続けていたんだなという話だと思うんです。砂川判決は、司法の独立などほとんどが夢の話で、自己保身に必死な者たちによる腐った判決だったと私は言えると思います。
岸田外務大臣、この砂川判決、先ほどもお答えいただいたんですよね、先回りをして。もう一度お聞きしたいな。該当する部分だけお聞きしたいと思うんですけれども、この砂川判決、跳躍上告がアメリカのリクエストだったということを御存じでしたかという話だったんですけれども。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この砂川判決につきまして、米国の関与につきまして裏付ける文書は確認できていないと考えます。
〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
そして、あわせて、最高裁と在京米国大使館とのやり取りについて御指摘がありました。最高裁と在京米国大使館とのやり取りですので、私の立場で申し上げるのは適切かどうか分かりませんが、私の知る限り、平成25年ですが、5月9日の参議院法務委員会において、最高裁内部において御指摘のやり取りを裏付けるような資料はない、こうした答弁があったと承知をしております。
○山本太郎君 この国の真実は、もう海外からの情報公開に頼るしかないというような状況になってしまっているということですよね、本当に。これ、特定秘密も入ってしまえば余計にそうなっていくというような話だと思うんです。
政府・与党が集団的自衛権行使容認の根拠とする最高裁の砂川判決、この判決には集団的自衛権の容認などどこにも書いていませんよね。政府・与党の議論はおかしいし、信用できませんし、何を言っているのか分からないレベルですよ。その砂川判決、砂川判決そのもの、アメリカのリクエスト、要求、指示によって跳躍上告され、要求どおりに作られた全く信用できない代物だということですよね。こんな腐った砂川判決を根拠にして、しかもその判決文には全く書かれていないのに集団的自衛権の行使が合憲だと言われても、説得力全くありませんよねという話です。
水島朝穂教授も、判決が出た翌日の電報、この電報でマッカーサー大使が田中最高裁長官の手腕と政治的資質を称賛していると書いておられます。政治的資質ですよ、政治的資質ってどういうことなんですかね。魂を売って、そしていかに役に立っているかということを政治的資質というんですかね。国会内外でそのような魂を売り、そしてスパイ活動、そしてこの砂川判決というものをひっくり返したという勢力は確かにあるという話ですよね。
こんな砂川判決、信用できるのかと。アメリカのロックフェラー財団が田中長官と密接な関係を持ち、アメリカに招待し、人的な関係を築いていたそうです。こんな砂川判決、信用できるはずありませんよね。
そして、政府自ら認めているように、これまで憲法違反であった弾薬の提供、輸送や戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備も、武力行使と一体化した後方支援ではないから憲法違反でないと今回勝手に憲法解釈を変更したのもアメリカからのニーズ、リクエストなんですよね。
何でもニーズには飛び付くんだなって、国内のこの国に生きる人々のニーズには耳を傾けずに、けど、アメリカ様やアメリカ軍の言うこと、そして多国籍企業の言うことはいろんな手を使っても推し進めるんだな。
じゃ、今回のこの法案、アメリカ側のニーズって何なのって、リバランスでしょうって。リバランスって何なんだって、アメリカの肩代わりだよって。
スターズ・アンド・ストライプス、星条旗新聞、これ、2015年5月13日の分ですよね。何て書いてあるか。アメリカの防衛予算は既に日本の自衛策を当てにしている。2016年の最新のアメリカ防衛予算は、日本政府が後押しをする新法案、すなわち同盟国防衛のための新法案を可決するという前提で仮定をしている。見込まれているんですよ、もう、これが通るから。あと、金のことよろしくなって。だから、4万人もアメリカは軍関係者を削減したと。それだけじゃないって。最新の防衛予算はもう削減がはっきりしていると。この肩代わり、リバランスするの誰、日本ですよね。
それだけじゃない。フォーリン・ポリシーってもう皆さん御存じですよね。米国の権威ある外交政策研究季刊誌、フォーリン・ポリシー、7月16日にこのような見出しで書かれていたと。日本の軍事面での役割が拡大することはペンタゴンとアメリカの防衛産業にとって良いニュースとなった。どういうことか。金が掛からない上に金ももうけられるんだって。誰がもうけるのって。日本政府は多くの最新の装置を買うことができる。それはアメリカの防衛産業にとって良いことである。
テキサスに本社を置くロッキード・マーチン社製のF35、バージニア北部に本社を置くBAEシステムズ社製の海兵隊用の水陸両用車両、日本政府は購入する予定。日本政府はまた、アメリカに本社を置くノースロップ・グラマン社製のグローバルホークの購入計画を持っている。二隻のイージスレーダーを備えた駆逐艦とミサイル防衛システムの開発を行っている。これらはロッキード社製だというふうにフォーリン・ポリシーには書かれている。
完全に利用されているじゃないですか。ATM、いつやめるんですか。
そして、午前の部で私が御紹介しました第三次アーミテージ・ナイ・レポートに書いてあるとおり、今回の安保法制、戦争法制も原発再稼働もTPPも特定秘密保護法も防衛装備移転三原則もサイバーセキュリティ基本法もODA大綱も、全部アメリカのリクエストだということ、はっきりしているじゃないですか。いつ植民地やめるんですか、今でしょうって。
この戦争法案、アメリカのアメリカによるアメリカのための戦争法案、軍事関連産業の軍事関連企業による軍事関連企業のための戦争法案、断固反対、廃案以外ありませんよ。再度申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
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