国会活動
2016.4.28内閣委「子ども・子育て等一般質疑」生活保護・奨学金問題について
2016年05月02日
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○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
子ども・子育て支援法等についてお聞きいたします。
平成26年8月29日閣議決定、子供の貧困対策に関する大綱には、「いわゆる貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない。」、「子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要である。」、このようにあります。
加藤大臣、安倍政権の現在の政策、お変わりはございませんでしょうか、変更ありませんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お読みをいただきました部分を含めて、子供の貧困対策に関する大綱、第二次安倍政権の下、平成26年8月に決定をさせていただいたものでありまして、当然、それをしっかりと踏まえさせていただいて、貧困の連鎖によって、あるいは子供の生まれた環境によって子供たちの将来が閉ざされることがないように、まずこの大綱に基づき子供の貧困対策を総合的に推進していきたいと、こう思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
生活保護家庭の子供たちに対する政府見解についてお聞きします。
2015年9月3日、本委員会、厚労政務官が答弁された、高校の卒業された後は、その高校への就学を通じて得られた技能や知識を生かして就労をすべきものでございまして、大学進学後の保護を受けながらの就学というのは認めていないというのが現状でございます。したがいまして、御指摘の大学の受験料や入学金の収入認定除外については、今申し上げたような生活保護の原則も踏まえつつ、生活保護を受給されていない方との均衡も考慮をする必要があるということがございますので、慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。
厚労副大臣、ありがとうございます、来ていただいて。この政務官の発言内容は変更ありますか。あるかないかでお答えいただけると助かります。ありがとうございます。
○副大臣(竹内譲君) 今委員御指摘の生活保護を受けながら大学に就学することは認めておりませんで、大学の受験料や入学金につきまして奨学金の収入認定除外の対象となっていないという方針は変わっておりません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
政府は、生活保護世帯の子供たちの大学進学を今も認めていない、そのスタンスは今も変わらないと確認いたしました。
先日の子育てに関する参考人質疑でもこの件に関して質問をいたしました。参考人の大日向雅美さん、とかく子育て支援といいますと、乳幼児期にどうしても焦点が当たりがちなんですが、実は高等教育の方が親、家庭の負担が大きいという現実がございます。したがいまして、高等教育に社会的支援が必要だということは私も同感でございます、このようにお答えくださいました。
加藤大臣、安倍内閣は、生活保護家庭の子供たちは、高校を卒業したら、その高校への就学を通じて得られた技能や知識を生かして就労すべきものである、大学や専門学校などへは進学せず働くべきである、こういうスタンスなんですよね。貧困家庭に生まれ育った子供には、大学で学ぶチャンスも、教育を受けて収入の良い仕事に就くチャンスもない、貧困から脱出できる機会を国が与えない、こういう話なんですね。
加藤大臣、生活保護家庭にも大学進学の道をこれから開いていくという必要あると思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、生活保護という対象にするかしないかということと、それから、高校を卒業された方が経済的には厳しい状況の中で大学進学をどういう形で我々が応援をしていくのかというのは、少し切り分けて議論した方がいいんではないかなというふうに思います。
そういう意味で、べきであるというのは、その持てる力を発揮をしていただくという意味において、生活保護の適用という意味においてはそういう考え方を取っておられるんであって、生活保護で育った方はもう高校以上行っちゃいけないんだということを我々は言っているわけではありません。したがって、高校卒業後において、その方が、例えば大学の授業料免除、あるいは今我々やらせていただいております無利子の奨学金等々も活用しながら、そして高校時代においてもいろいろ稼得をされてきたもの、そういったものも活用していただきながら大学進学の道、今は全世帯に比べて大学に進学している割合というのは半分以下でありますけれども、それをしっかりと引き上げていけるように我々としても努力をしていきたいと、こう思います。
○山本太郎君 これ、切り分けて考えられないんですよ。要は、どういう家で育ったかということによって、その先、人生どうなるかというのが大きく変わるわけだから、そこに注目して、子供の貧困をなくそうという考え方の下にいろんなことが今進められているわけですよね。
大臣おっしゃいましたけれども、現実を知っていただきたいんです。奨学金の給付、利息の枠広げているんだから、そこを利用すればいいじゃないのというお話も恐らくされたと思うんです、後半戦で。奨学金、たとえ借りられたとしても、入学金払えないんですよ。文科省ホームページによると、平成26年度、入学金は国立で28万2千円、私立平均で26万1千89円、このほかにも初年度費用いろいろ掛かりますよね。例えば授業料、これ必要ですよ。国立は53万5千8百円、私立は平均86万4千384円。さらに、私立は施設設備費とかも要るんですよね、平均で18万6千171円掛かる。保護家庭にそんな大金ありますかって、これ切り分けて考えるって無理ですよって。バックアップしなきゃならないんですよ。入試に至るまでの学習塾などにも通う余裕もちろんございません、それが保護家庭ですから。そういう状態を見て人々の善意が集まるんですね、共助が生まれる。でも、国はそこを邪魔するんです。
先ほどの厚労政務官の発言、政府の生活保護家庭の子供に対する考え方の後段の部分なんですけれども、御指摘の大学の受験料や入学金の収入認定除外については、今申し上げたような生活保護の原則も踏まえつつ、生活保護を受給されていない方との均衡も考慮をする必要があるということがございますので、慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございますと。
国が生活保護世帯の大学進学を認めていないんですから、事実上。こういう非情なスタンスを崩さないから、民間の心ある方々が生活保護の大学進学希望者に対して給付型の奨学金を出してくださっているんですよ。これ、国がやらないことをやってくださっているんです。
しかし、その奨学金や自分で働いたアルバイト代、受験料や入学金に使うと収入と認定されてしまう、生活保護費を減額されるんですよ。これ理不尽極まりないじゃないですか。そんな扱いあるのかって。これ、だって、国がやらないことをやってくださっているんです。これちょっと理不尽じゃないかなと思うんですけれども、加藤大臣、この部分も改めていく必要というのをお感じにならないですか。加藤大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと私も担当じゃないので今のおっしゃった事実確認ができないので、ちょっとまず事実確認をしていただいた上で答弁させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(神本美恵子君) 指名を受けてから発言してください。
○副大臣(竹内譲君) さきの橋本政務官の答弁がございまして、そこには受験料等、受験料と大学入学料ということが指摘をされておりましたので、これは奨学金に対することであるということでございまして、奨学金につきましては、先ほども申し上げましたように、現在のところ、大学の受験料や入学金について奨学金の収入認定除外の対象とは今のところはなっていないということでございます。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御説明ありましたように、生活保護世帯の子供さんが大学に進学することを踏まえた制度の運用見直しについては、厚生労働省が所管をされ、また生活保護の原則に留意しつつ、生活保護世帯の子供たちの自立を助長していくという観点なども踏まえて対応していただいているものというふうに考えております。
ただ一方で、先ほど申し上げましたように、子供の貧困対策を進めていく立場、また一億総活躍社会の実現を進めていく立場として、生活保護世帯の子供たちであったとしても、未来を切り開いていけるような機会や環境をつくっていくということは当然必要だというふうに思っております。
したがって、そうした経済的に厳しい環境にある子供さん方に対する、先ほど申し上げました授業料の免除、あるいは無利子の奨学金の適用等々含めて、そうした進学がし得る環境の整備に努めさせていただきたいと、こう思っております。
○山本太郎君 ちょっと話がこんがらがったかなと思うんですけれども、給付型の奨学金、一般の方々が出してくださった給付型の奨学金であったりとかバイトをしてそのお金を使いますというときに、学業に関すること、その先、例えば大学の受験をするときに使いますとかということに関しては収入認定されますよね、これ。収入認定されるということで橋本さんもそのときにも了解を取っていますし、そのフルの発言をもって確認もしていますよね。それだけじゃなく、昨日もレクも受けています。
この質問を初めて加藤大臣にするわけじゃなく、以前にもさせていただいています。確認取るまでもない、要は、生活保護家庭の子供たちがそのような状況にあるときには収入認定されてしまうから、そうすれば元々の保護額が減額されてしまうというこの非情な状況を変えてくださいというお話をされていたんですけれども、ごめんなさいね、細かい確認は後ほどしていただきたいです、こちら、裏を取ってからお話をしているので。
先ほどの橋本政務官の時代に、慎重な検討が必要だとおっしゃったんですね、発言された。夏が来れば、この質問をしてから一年がたつんですよ。慎重な検討の結果、もう出ましたよね。どんな感じになっていますか。
○副大臣(竹内譲君) ちょっと整理をさせていただきたいと思います。
そもそものこの生活保護制度は、まず原則でございますが、利用できる資産、能力、その他あらゆるものを活用することを前提として行われておりますので、生活保護世帯の子供の自立を支援するために奨学金の使途を確認して、高等学校の修学旅行費や私立高校の授業料などに充てる場合については収入認定から除外することといたしております。一方で、高校卒業後は、高校への就学を通じて得られた技能や知識を生かして就労すべきという基本的な考え方がございますので、保護を受けながらの大学の就学は認めておりません。
こうした生活保護の原則や生活保護を受給されていない方との均衡を図る観点から、先ほどの奨学金につきましては、大学入学料や受験料に充てる場合の収入認定除外というのは今のところ認めていないということをまず申し上げておきたいと思います。
その上で、生活保護制度におきまして、最低生活を保障しながらどこまで収入認定から除外するかにつきまして、生活保護の先ほど申し上げた原則に留意しつつ、生活保護世帯の子供たちの自立を助長するという観点なども踏まえまして、今後も適切に検討してまいりたいということでございます。
以上でございます。
○山本太郎君 何の確認なんですか。もうこれ、頭で確認できていることをもう一度繰り返しただけですよね。間にももう一度確認されましたよね。これ、質問時間削ろうとしていませんか。勘弁してくださいよ、時間限られているんですから。伝えなきゃいけないこといっぱいあるんですよ。
余りにもひどい仕打ちなんですよ。お聞きになりましたよね、今、加藤大臣、もう一度お話を。収入認定除外ということはしていないという話なんです。収入認定除外はされないということなんですよね。まだ理解されていませんか。
とにかく、この余りにもひどい仕打ちを変えていただきたいんですよ。生活保護家庭、大学進学は事実上諦めろというメッセージにもなっているんじゃないかって、これ。国がやらないことを民間の方がやっていただいている、若しくは、本人が一生懸命バイトをして、そのお金をこれからの進学のために使ったりとかということに対して、それは収入として認められちゃうという現実があるんですということなんですよ。
これ、ちょっと余りにもひどいですよね。どうやって道開いていくんですかって。収入がある程度あるような家に生まれないと、大学進学、事実上難しいじゃないですかって。奨学金受けたとしても、その後どうやって生活回していけばいいのって。生活保護受けながらの大学進学、勉強することは無理なんですよ、事実上、これがある限り、ここを認めていただけない限り。誰も彼もそうしろという話じゃないんですよ。少なくとも、大学に行けるような学力を持っていたりとか、そのために一生懸命頑張っている人たちが今除外されようとしているこの現実を、余りにも非情じゃないかって。この部分変えていきませんかという御相談なんですよ。是非そこに光を当てていただきたいんだということを申しているんです。
この収入認定除外にすることを、給付型奨学金やバイト代などを大学進学のための模擬試験、受験料、入学時に必要な入学金、初年度授業料などに充てる場合、収入認定除外にしますということを考えていくという必要性というのはお感じになられないですか。ごめんなさい、随分時間が削られちゃったので、手短にお答えいただけると助かります。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど整理をさせていただいたというのは、基本的に生活保護の世帯の中におりながら大学進学ということは前提としていないということでありますから、それに係るようなものは今おっしゃるように基本的に収入の認定除外としても認められない、そういう原則になっているんだろうというふうに思います。
ただ、その上で、先ほど申し上げましたように、切り分けるといって申し上げたのは、生活保護という形からは離れながらも、授業料の免除を受けながら、あるいは無利子奨学金を受けながら対応していく、そういった道をつくっていく、そういった中で大学を進学できるような環境も整えさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
○山本太郎君 先ほど最初に言われた大学進学は認めていないという事実に関しての確認というよりも、その内容の確認は私が冒頭でさせていただいたとおりですから。聞いていただけていなかったんだったら確認する必要あるでしょうけれど、前回にもそのお話をさせていただきましたから。
2015年12月3日、日経新聞の記事です。日本財団の子供の貧困の社会的損失推計レポートについて。貧困家庭の子供を支援せずに格差を放置すると、現在15歳の子供の一学年だけでも、社会が被る経済的損失、約2兆9千億円に達する、政府には約1兆1千億円の財政負担が生じる。これ、それプラスということですよね、なくなる部分、なくなるというか、手に入らない上に、その上掛かるんだという話ですよね。推計は、貧困対策を必要としている対象を、15歳の子供約120万人のうち生活保護受給世帯と一人親家庭、児童養護施設にいる約十八万人としたわけです。
国などが高校進学率と中退率を全国平均並みに改善させて大学進学率も上げる支援をした場合と支援しなかった場合を比較されたんですって。子供が64歳までに得られる所得額の差を算定。支援をした場合、64歳までの所得が約25兆5千億、支援がない場合約22兆6千億にとどまる。進学を促して収入の良い仕事に就くチャンスを広げないと、社会は差額の約2兆9千億円失うんです、けちって。貧困の中にある子供に手を差し伸べなきゃ、チャンスを与えなきゃ2兆9千億失う。それだけじゃない。その先の社会保障費、これ差し引いた差額、より国の負担が1兆1千億増えるという話なんですよね。生活保護家庭の大学進学を支援することはコストではないんですよ、先行投資なんです。
大至急二つの改善が必要。一つ目、先ほどから言っているとおり、給付型奨学金、バイト代等を、学校に係る、進学に係るような事柄に使うことは収入認定除外していただくこと。そして二つ目、生活保護家庭の大学進学者に対して生活保護費給付できないですか。していただきたいんです。せめて生活扶助費支給することをお願いしたい。
先ほど言われました、大臣が、生活保護家庭から大学進学する場合は二つのパターンが考えられる。一つ、家を出る。でも家賃高い。これ無理なんです。B、家を出ずに世帯分離する。元々の家には住めるけれども世帯分離、大学生の分の生活保護費は打ち切る。大学生の生活費や学費は奨学金やバイトで自分で何とかしなきゃいけない。これ、勉強どころか一日中バイトしなきゃ回らないんですよね。だから、生活費の一部だけでも国に支えていただきたい。
生活保護を受けながらの大学進学は認められていない現状は存じ上げております。でも、生活費を一部でも援助することで未来のこの国が変わっていく、そういう話なんですよね。せめて生活扶助費だけは支給してくださいと。都市部で考えてみましょうよ。一級地の一の場合、例えば三人世帯、19歳の大学生の生活費を支給することで増える保護費は僅か四万円程度。厚労大臣、先頭に立ってやっていただきたいんですよね。また長い答えを返されたら困るので、ここは質問しません。
加藤大臣、是非、今A、Bと言いましたけれども、その部分を話し合っていただきたい、厚労大臣と話し合っていただきたい。民間の善意に頼るなとは言いませんよ。でも、貧困のループから子供たちを抜け出させるのは国の責任じゃないですか。それが王道じゃないですか。話合いに巨額の予算は必要ありません。是非話合いをしていただきたい。
一昨日、開催されましたよね、一億総活躍国民会議。菊池桃子さんもメンバーです。議長は安倍総理で、毎回出席されておられる加藤大臣は議長代理で会議取り仕切っておられる、関係閣僚も出られる、塩崎厚生大臣も出られている。是非、この会議でこの問題、塩崎大臣とともに検討していただけませんか。検討していただけますか、いただけませんか。加藤大臣、失礼します。加藤大臣、もう時間がないんですよ。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどから申し上げておりますように、生活保護は生活保護としてのいろんな考え方にのっとって運用がなされているということだというふうに思います。
今委員御指摘のように、いろんな経済事情の中で、やはり大学に入る力があって、しかし経済的な理由で大学に行けない、こういったことに対しては、先ほども申し上げましたけれども、授業料の免除とか、あるいは無利子の奨学金とか、あるいは今給付付き奨学金もどうするかと、議論はあるわけでありますけれども、そういった形で対応していく。
こういう、私は二つと申し上げましたけれども、そういった形でこの問題には対処していくべきではないだろうかと、こういうふうに考えております。
○山本太郎君 ということは、この問題に関しては目をそらすということですね。しかも、検討もしていただけないと、この一億総活躍の会議では。非常に残念です。この国の未来、持続可能な社会をつくるためには、この部分は避けては通れない部分です。是非話合いを、せめて厚労大臣とは話合いをしてください。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○委員長(神本美恵子君) まだ時間あります。
○山本太郎君 あるんですか。あっ、済みません、失礼しました。ああ、すごいびっくりした。いつもほら、質問時間短いじゃないですか。今回は民進党さんから五分、いや5分じゃない、延長させていただいたんですよ。ああ、よかった。もう焦って、今すごい、まだ八分半もあるっていうね。済みません、失礼いたしました。
じゃ、ゆっくり聞いていきたいと思います。
加藤大臣、気を取り直して、もう一度よろしくお願いいたします。
是非……(発言する者あり)ちょっと待ってください、もう大丈夫ですから。是非加藤大臣、一億総活躍会議で検討していくという方向を考えていただきたい。その前に是非厚労大臣ともお話をしてくださいませんか。
一応今こういうシステムがあるんだということなんですけれども、そのシステムでは行き詰まっていると、そして苦しんでいる人たちがたくさんいる、子供たちの夢が絶たれてしまっている、そんな状況なんです。一億総活躍、子育て、そして女性活躍、いろんな分野に関して、大臣が横断的に大臣という立場立たれていると。ならば大臣、是非厚生労働大臣ともう一度この生活保護世帯の部分に関して話合いしてくださいませんか。いかがでしょうか。
○委員長(神本美恵子君) では、まず竹内厚労副大臣。
○副大臣(竹内譲君) 済みません。事実関係だけ少し申し添えておきたいと思います。
現段階では、高校生のアルバイト収入を大学入学料に充てた場合には、就労体験による本人の自立へとつながることを評価して、収入として認定しないこととしております。そのことだけ申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほども申し上げましたけれども、そうした生活保護の世帯におられる方を含めて、様々な経済状況を抱えておられて、進学する力はありながら経済的な事情で進学をできない方々、そういった方々も大学教育を積んでいただき、その方の人生を切り開いていただく、またそういう中で、先ほどお話がありました社会的にも多くの貢献をしていただく、そういう道を開いていくことは我々も大事だと、またそれを是非進めていきたいというふうに思っております。
ただ、委員御議論の前提になっております生活保護をそれに活用していくのか、違う形でいくのか、そこは議論があるところだと思っておりますし、今、生活保護は、竹内副大臣からもお話がありましたように、それはそれとしての考え方にのって対応しているわけでありますから、そこに委員御指摘のような形を入れるのはなかなか難しいんではないかな。しかし同時に、そうした進学ができる環境をどうつくっていくのか、それに対しては我々もいろいろと更に議論を進めていきたいと、こういうふうに思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
議論を進めていただけるということは、それは厚労大臣とも話合いを、こういう問題があるということを、でも、少なくともこういう問題があるんだと、それによって経済的損失が将来生まれる可能性があると、その可能性を探るまず第一歩を、話合いを始める、まず検討をしていただくということは可能ではないんですか、これは。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどから度重ねて同じことを言って恐縮ですが、生活保護という仕組みは、それはそれとして一つの考え方にのっとった運用と制度があるわけであります。そこに今委員おっしゃったような形で入れ込むのは、私は非常に難しいんだろうと思っております。
しかしながら、様々な環境にある子供さん方が、その能力を持って大学を進学する力がある、そういった子供さんをどうやって我々として応援をしていくのか、それはしっかりと取り組んでいかなければならないだろうと。
したがって、その生活保護とこの話を結び付けるのには非常に難しさがある。しかし、大学進学に対する様々な形での応援は我々として検討していかなきゃならないと、こういうふうに考えております。
○山本太郎君 この生活保護以外の部分で生活を支援するという枠組みがほぼないですよね、この国には。セーフティーネットとして実際に回っているのはこの生活保護以外に何かありますかって。
だから、現状あるシステムを使って、その運用と制度を使ってやっていくということはもちろんのことなんですけれども、でも、その幅を広げていく、運用を変えるとか制度を変えていくということももちろん検討されていくということが普通なのではないのかなと思うんですよ。何が何でもこれしか駄目だということであるならば、世の中変えていけないわけですね、全てのことに関して。運用と制度がこれで決まっているけれども、時代とマッチしているか、社会的状況とマッチしているかということを勘案しながらそれを変えていくということが政治のやることなのかなって。僕は、ごめんなさい、まだ浅いのでよく分かっていないのかもしれないけれども、是非そうしていただきたいと。
新たに若い学生さんたちやこれから大学に行こうとする人たちに対して、新制度設立というところまでには時間が掛かるだろうし、手続も大変だろうと。ならば、今あるこの制度でそのようなことができないか。せめて生活扶助費、都市部の一級地の一というところでも、生活保護世帯で一人増えたとしても4万円程度、その4万円という部分を一部生活費として支給するだけでどれだけの子供たちが高等教育を受けられて、そして将来社会に出て納税として返していっていただくとかというような、先ほどの日本財団のお話にもありましたけれども、そのような本当に持続可能な、この国の国益にかなうようなことをやっていただきたいんですよね。
先ほど、二之湯委員の質疑に対しまして、教育、子育ては未来への投資だということはまさにそのとおりだとおっしゃったということですよね。もちろん、そのことは保育のことを考えて言われていたのかもしれないけれども、教育ということならば、高等教育も含めて全て長いスパンで、長期的な目線で見ていただかないと持続可能な社会はつくっていけないのかなと思うんですよね。是非厚生労働大臣とこの部分に関してもお話をしていただきたいんです。
先に行きます。安倍政権になってから10%も引き下げられました、生活保護の支給基準額。子育てをする生活保護家庭、ただでさえぎりぎりです。その中から更に生活費を削らなきゃいけない、苦しいですね。
配付資料1ページ目、厚労省がホームページで公開している資料。安倍政権が始まった平成25年度より、生活保護基準の見直しと称して引下げが始まった。その結果、生活保護の生活扶助基準は、多人数世帯ほど基準額は大きく削られ、都市部の夫婦子一人世帯、引下げ前と比べたら月1万6千円減額。都市部の夫婦子2人、月2万もの減額。
さらに、家賃まで引き下げられると。住宅扶助の基準額引下げなんです。全国で一番引下げの影響を受ける地域は埼玉県二級地。この場合、三人から5人世帯は月6千円の家賃引下げ。たった6千円、何をオーバーなことを言っているんだと思われるかもしれない。でも、この六千円が削られてしまったら、今の住まいでは家賃が合わない、住み続けることが難しくなる可能性も出てくる。より安い物件がある地域への移動、今まで住み慣れた場所から離れる必要もあるかもしれない。子供たちの学校どうなりますかね。せっかく築いてきた人間関係も疎遠になる、保護世帯が孤立することを生み出すことになるんです。電車、バスで知り合いに会いに行きゃいいじゃないか、そう思うかもしれない。でも、その交通費さえ捻出が難しいのが保護世帯。
これ、埼玉県で見てみますと、夫婦子二人の世帯では、埼玉県二級地で月2万6千円、年間で31万2千円減額です。これ、10%削られて、子供の健全な発育、担保できるんですかね。子育て、教育に回す余裕なんてありますかね。
どんな経済状況の中においてもみんなに同じようなチャンスがある社会をつくっていくことが私たちの使命、貧困な状況の中においてチャンスが摘まれていく、希望が持てないという状況はなくしていかなければならない、これ、アメリカ大統領候補者、バーニー・サンダースの言葉ではありません、全て安倍総理のお言葉です。
この生活扶助の10%引下げに対して裁判が行われているんですよね。だけど、ここに判検交流というものが出てきた。要は、国側の代理人として、金沢地裁にいた人が国側の代理人として検察庁の側に立つことになった。生活保護の問題にずっと取り組んでいたのに、もう一度金沢地裁に赴任したら、またその生活保護関連の裁判に出るようになったと。国側の代理人で生活保護をブロックしようという考えの人たちが、次は地裁に立ってその生活保護の部分をジャッジするということになっていたんですよね。この件に関して、法務省、いかがお考えですかね。
○委員長(神本美恵子君) 時間ですので、答弁簡潔にお願いします。
○大臣政務官(田所嘉徳君) はい。
そもそも法曹は、法という客観的な規律に従って活動するものであり、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においても、その立場に応じて職責を全うするところに特色があります。裁判官の職にあった者を訟務検事に任命するなどの法曹間の人材交流は、その特色から、裁判の公正中立性を害するものではなく、国民の期待と信頼に応え得る多様で豊かな知識経験等を備えた法曹を育成、確保するために意義あるものというふうに考えているわけでございます。
その上に立って、国側の訴訟代理人を務めた裁判官出身者が裁判官として復帰した後に担当する事件については裁判所において判断される事項でございまして、法務省として答える立場にはないのでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
もう時間ですからね。民主党政権時代にこの交流をやめようという話なんです……
○委員長(神本美恵子君) 時間が過ぎております、まとめてください。
○山本太郎君 はい、分かりました。
じゃ、この続きはまた次回ということで、判検交流を廃止すべきだということで、今日の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございます。
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