国会活動
2016.5.20 東日本復興及び原子力問題特別委員会「第三者委員会、ここも出来レース?!」
2016年05月24日
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資料①⇒日本経済新聞 朝刊3P 「炉心溶融基準 知っていた」(転載不可)
資料③⇒ 東京電力ホームページより 平成25年3月13日 東京電力株式会社プレスリリース
国会事故調への東京電力株式会社の対応に関する第三者検証委員会「検証結果報告書」P.1
資料④⇒東京電力ホームページより 2016年2月24日 東京電力株式会社プレスリリース
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表山本太郎と申します。質疑時間十分、張り切ってまいりたいと思います。
資料の①なんですけれども、今年の4月12日、日本経済新聞の記事からでございます。
東電原発事故から5年が経過する直前のお話です。今年の2月、東京電力は、原発事故当時、炉心溶融、メルトダウンしているかどうかを判定する社内マニュアルが実は存在しましたと、その基準に従っていれば事故発生から3日後の2011年3月14日にはメルトダウンを判断できたと発表いたしました。東電が事故前に作った原子力災害対策マニュアルには、炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定すると明記されていたそうです。
この公表があるまで東京電力は、社内マニュアルのメルトダウン基準の記載を見落としていたために2011年5月まで公表が遅れましたと、公表が遅れたんですと、そのように説明してきたんですよね。
ある東電幹部はこの記事の中で、2011年3月11日の時点で、5%を超えると炉心溶融だというメルトダウンの判断基準を長年の仕事の中で知っていたと発言しています。
当時は事故対策要員として4号機の使用済核燃料プールへの注水策などを検討しており、自分は炉心溶融を判断する立場にはなかったと説明をしています。
2011年3月11日の時点でメルトダウンの基準を知っていた幹部が、東電にたった一人しかいなかったわけがないですよね。これ、メルトダウン、組織的に隠蔽していたと見ることが自然でしょう。
この大問題を徹底追及し、東京電力に公表させたのは、国でも規制庁でも国会事故調でも政府事故調でもありません。この大問題を追及そして公表させたのは新潟県の技術委員会です。柏崎刈羽原発をどうしても動かしたい東京電力、柏崎刈羽原発を動かしたいなら福島第一原発事故の検証をすべきだという新潟県、そのせめぎ合いの中で新潟県が出させた情報だった。これ、国何やっているんですか、規制庁何やっているんですかと。
今年の3月2日、原子力規制委員会記者会見において、この問題について記者から質問された田中委員長の回答は、その原因を追求したことで何かポジティブなことが起こるというか、もう十分そういうことを踏まえて対応しているので、私自身はそこまでそういうことをやるだけの時間的余裕もないし、やって何か生み出すということでもないと思う、これがコメントなんですよね。記者会見はこんなコメントをしちゃったという話なんですけど、規制委員会、じゃ何のためにあるんですか、メルトダウン隠蔽の手助けしているんですか、それともただぼけているだけですかという話だと思うんですよ。何のために規制委員会があるんですかと。ここに関して情報を出させたのは新潟県だったという話なんですよね。
東京電力にお聞きしますね。現在、このメルトダウン基準の隠蔽疑惑について検証は行っているんでしょうか。
○参考人(山口博君) お答え申し上げます。
まず、新潟県の技術委員会におきまして、福島事故の総括と検証の一つとしてメルトダウンの公表問題について議論をしていた中で、事故当時の当社の通報、報告の情報発信の事実関係をエビデンスも含めて改めて調査、確認をしておりました。その過程で、当時のマニュアルに炉心溶融の判定基準の記載があったことを発見したものでございます。事故当時のマニュアルを十分に確認せず、これまで炉心溶融の判断根拠、判定基準がないと説明をしてきたことは誤りでございまして、改めておわび申し上げます。
詳細は、現在、第三者検証委員会にて調査をいただいているところでございます。調査結果が出ましたら、それも踏まえ、更なる改善に努めてまいりたいというふうに思ってございます。
以上でございます。
○山本太郎君 今東電からお話があったとおりなんですよね。これ、東電が第三者検証委員会を設置したわけですもんね、そうですよね。設置したのは東電なんですよ。ここに問題があるんじゃないかという話だと思うんです。
資料の②を御覧ください。今後の検証の進め方となっています。今回東電が設置した第三者検証委員会が客観的な検証を行うそうなんですよ。これ、下の方に委員と書かれた部分があると思います、委員と書かれた部分。上から2名の弁護士の名前を皆さんに覚えていただきたいんです。この2名何なのかという話なんですけどね。以前、何ですかね、情報を隠蔽しようとしたのか、データにドリルを空けたという事件がありましたよね。ドリル優子とも呼ばれていました小渕優子さん、この小渕優子さんの第三者検証委員会のメンバーでもあったわけですよ、この2人、この2人の弁護士の方ね。これ、名前覚えていただけました、皆さん。
じゃ、もう一枚おめくりください、資料③。あれ、さっきと同じ名前ありませんか。これは国会事故調への東電の対応に関する第三者検証委員会の検証結果報告書、今から3年前です、東電が設置した検証委員会。そのときの委員も同じ2名の弁護士が担当している、この一点だけでもおかしくないですか。前に検証委員会立ち上げたメンバーが今回もその検証委員会、それを設置したのは東電で、それを選んでいるのも東電、おかし過ぎますよね、こんなの。
話戻りますと、この国会事故調に出された検証結果報告書は、東電が国会事故調に対して虚偽の説明をしたかどうかの内容なんです。肝腎の検証結果は、事実に反する説明をしたのは、勘違いに基づくものだ、故意ではないし、組織的関与はない、こんな報告がされているんです。
随分と自分たちに優しいメンバーそろえて検証していません、これ。百歩譲ってそれが事実だということにしても、第三者検証委員会設置しましたといいながら、おなじみのメンバーですよ。これ、あり得ませんよ。誰か突っ込んであげてくださいよ。これ、メンバー替えるべきじゃないですかってお話なんですね。
第4回新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会、これ吉川委員という方がこんなことをおっしゃっています。検証委員会の人選について、技術関係者が東電社内だけだと、司法の方だけだと内容が分からず、東電技術者の説明するトーンも合わせられる可能性もあるので、何でそういうふうになっていったのか、第三者委員会に技術者も入ってもらい、経緯がちゃんと分かるようにしていただきたい、こうおっしゃっているんですよ。
お友達の弁護士だけじゃない、お友達ではない技術関係者などを入れないと、検証なんてできるはずないですよね。自分たちを検証する人間を自分たちで選べるなんて東電やりたい放題じゃないですか、これ。あり得ないでしょう。何で何も言わないんですか。
規制庁、時間ないし、ポジティブでないし、やりたくないのは3月2日の田中委員長の記者会見の発言で十分理解しました。けれども、監視して指導するというのが規制庁のお仕事ですよね。これエネ庁に丸投げなしですよ。2月に東電からこの話を聞いて、そのままエネ庁に丸投げですよね、これ。第三者検証委員会の人選からやり直すべきだと思います。いかがですか。規制庁。
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
本件は、事業者内部での判断や対外連絡の問題ということでございますので、原子力規制委員会といたしましては、これについては特段のコメントをする立場にないというふうに考えてございます。
○山本太郎君 言っていることおかしいと思いませんか。何の事故も起こしていないような一般的な事業者であるならばその話は通用するかもしれないけれども、これだけこの国を巻き込む大事故、どれだけ税金投入されているんですか、この東電に対して。何のために規制庁いるんですかと、監視するんでしょう、こういう事業者を。そのためには絶対に必要なんですよ。とにかく、この検証委員会のメンバーをもう一度これシャッフルする以外ないんじゃないですか。中身入れ替えるしかないですよね。技術者入れるべきですよ。
もう一つ言いたいのが、もう一枚おめくりいただいたら、資料を。これは、メルトダウンの基準が実はあったんですよということを報告する内容になっているんですけれども、その真ん中辺り、ごめんなさい、線引いていなくて、こう書かれているんですね。
書かれている内容は、事故当時の経緯を説明する中で、上記マニュアルを十分に確認せずに、炉心溶融を判断する根拠がなかったという誤った説明をしており、深くおわび申し上げますと書いてあるんです。これ誰に対してって、新潟県の技術委員会に深くおわび申し上げているんですよ。
メルトダウン隠しで謝らなきゃいけないのは、福島県の皆さんに対してであり、そして、この国に生きる皆さんじゃないですか。どうして深くおわびするのが新潟県の技術委員会なんですか。技術委員会にこれとにかく再稼働させるためだったら何でもするという、これTEPCOの、表れじゃないですか。
最後に聞きたいんです、社長さんに。このことも含めて、そして、この第三者委員会のメンバーの選定のやり直し、技術者を入れた上で、お友達じゃなく第三者、明らかな第三者を含めたこの検証委員会の再構成をお願いしたいんですけど、いかがでしょうか、社長さん。副社長さん。
○参考人(山口博君) 今回の検証は、関係法令を始めといたしまして、事実の認定とその評価をすることと原因分析が主眼でございますので、独立性の高い法律の専門家をお選びしまして、お願いとしましては、社会における第三者委員会の優れた取組の事例も踏まえた上で、これと同等以上の客観性、中立性を持って検証していただくというようにお願いをしているところでございます。
私どもは、第三者評価委員会の御指摘に従って十分改善を進めてまいりたいと、かように考えているところでございます。
以上でございます。
○山本太郎君 あり得ない話でした。
ありがとうございました。
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