国会活動
2016.5.25行政監視委員会 太郎「海産物のストロンチウム検査、子どもたちのためにも是非お願いします」。馳大臣「お話はたまわりました。
2016年05月26日
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○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表山本太郎です。
質問に入る前に、昨年末、年の瀬の忙しい頃に、私、馳大臣の地元の事務所の方に電話をさせていただいて、お力を貸してくださいというお電話をさせていただいたんです。その内容というのが、仕事を失ってしまったりとかして、要は年末、年を越せないと、要は路上で生きていかなきゃいけないんだという人たちが大勢いらっしゃいまして、その方々に対して国が関連するような宿泊施設、どこか開けていただくことはできませんかというお願いをしたんですけれども、そのときに、本当に地元の秘書の方も一生懸命動いていただいて、そして文科省の方々にも声を掛けていただいたという、本当にそのときのお礼を申し上げたいと思います、最初に。結果としては、空き施設はなかったということだったんですけれども、今年はもうちょっと早めにお声掛けをしたいと思いますので、是非お力をお貸しください。
という言葉を最初に置きまして、これからは馳大臣の胸を借りて、思い切り飛び込んでいくような質問をしていきたいと思います。
2020年東京オリンピックが裏金問題で盛り上がりを見せている今日この頃ですけれども、関係者の皆様は息をしていますでしょうか。オリンピックに対して気になる幾つかの点について、馳文科大臣にお伺いしていきたいと思います。
まず、大臣に、一言でお答えいただきたいと思います。東京オリンピックは、招致活動においても、うそも裏金もなくクリーンに行われたとお考えになりますか。
○国務大臣(馳浩君) はい、そのように考えておりますし、今回のように裏金疑惑というふうに表現をして報道されることは、私も招致に関わった一員として大変胸を痛めているところであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
もう皆さん御存じのストーリーだとは思うんですけれども、今回の件、ざっくりと説明させてください。
東京にオリンピックを招致するため、幾つかのコンサルタント会社の売り込みがあったよと。その中から、マスメディアをコントロールする諸悪の根源とうわさもされている広告代理店電通がコンサル会社の実績を確認した上で、JOCがシンガポールにあるブラック・タイディング社と契約をしたと。といいましても、このブラック・タイディング社は御存じのとおり会社組織ではないと。
シンガポールの会計企業規制庁への登録の区分が法人格を持たない個人になっているようですね。そのようなコンサル会社の口座に、2013年の7月、10月と二度に分けて、謝礼として合計約2億3千万円を支払った。このコンサル会社の口座は、過去にロシア陸上選手のドーピングをもみ消す賄賂のやり取りにも使われていた実績があるとも報じられ、さすが電通、見る目は確かと、世の中に確認されたわけです。
たった一社、たったの一社、シンガポールのコンサルに対しての支払が2億円を超えた、余りにも高額だな、しかも、それが招致決定の直前、短期間の契約なのに金額が高いこと、ほかにもこのコンサル会社の過去や人脈が怪しいことを含めて問題視されております。
JOC、日本オリンピック委員会の竹田会長は、衆議院の予算委員会に参考人として呼ばれた際に、このコンサルとの関係を正当な業務に基づくものだったと発言。このコンサルについては、国際大会の招致などで実績のある会社と評価をいたしました。
ちなみに、JOCの竹田会長がおっしゃっているシンガポールの国際的な実績を持つコンサル会社は、資料の一、このようなものになっているというのはもう皆さん報道で御存じだと思います。
(資料提示)すごいですね。実績のあるコンサル会社、何か生活感を感じる、人間の体温まで伝わってくるようなたたずまいというんですか。ちゃんと落ちまで完璧に用意されていたというのにすごく感心をいたします。
この世間で言われる裏金問題が進行していたとされる当時、馳大臣は自民党の招致推進本部長で、オリンピック招致のために汗を流し、知恵を絞られていた様子が、資料の②、5月17日、朝日新聞の当時に遡った記事からも分かると思います。
馳大臣は、2013年7月の段階では、ほかの都市に票読みで負けていた、その理由は汚染水問題であり、どう対抗したらいいか作戦を練り上げていたとおっしゃっていらっしゃいます。この汚染水問題の作戦の練り上げ、先ほどのコンサルからのアドバイス、どのようなものだったんですか。
○国務大臣(馳浩君) まず、二つの点できちんと事実関係を報告したいと思います。
票読みで負けているというふうな情報が入ってきたのは、招致委員会の、多分コンサルがそれぞれある中で情報が寄せられた、その情報を分析をして、今どのような、やっぱりIOC委員に対する働きかけや招致の盛り上げを高めていくのかと、そういう中から、最大はやはり汚染水の問題でありました。
もう三つございまして、九月七日から始まるIOC総会においては三つの選挙が行われると。一つは次期IOC会長を選ぶ選挙、これには六名の立候補者がおりました。次にやっぱり関心のあったのは、オリンピックの中核競技としてどの競技が最終的に残るのかという問題で、私自身はレスリング協会の当時副会長をしておりまして、レスリングが中核競技から外されるかもしれない、これは何とかやっぱり残しておかなければいけないということで働きかけをしておりましたが、外されそうな各競技の皆さん方はそれぞれ
IOC委員に対して我こそはという働きかけをしていて、その最終的な選挙も行われることになっておりました。そしてもう一つが、2020年にオリンピックを開催する都市を選ぶ選挙でありまして、東京かイスタンブールかマドリッドかと。必ず、IOCの規定では相手の都市などを攻撃をしてはいけない、フェアプレーでやるべきだということで、したがって東京の優位性をやっぱりアピールするためにはどうしたらよいのか。
以上、四点について関心事があり、その最大は、やはり汚染水の問題について、どうしてもヘッドライン、見出しで大丈夫かというふうな報道が多うございましたので、これは東京だけではなく、招致委員会だけではなく、やはり政府も実情を踏まえた上で対応しなければいけないと、こういうふうな流れになっていたということは、様々なコンサルからの集めた情報、それを基に分析し、突き合わせたところ、この四点についてきちんとお答えをしていく必要があるというふうに流れがなっていたのがその当時であったというふうに私も承知しております。
以上です。
○山本太郎君 三点、四点あったけれども、その中で一番問題が大きかったのが、ヘッドラインにもなる、見出しにもなる汚染水の問題が何よりも大きな問題であったということだと思うんですね。
先ほどの記事の続きでは、当時、IOCのメンバーから汚染水問題に対する懸念が示されていたと説明されています、今、大臣の中からもお話がありました。当時、馳大臣は、それを逆手に取ったと、今こそ、福島の子供たちに希望を与えるためにも五輪をやらせてくれ、東京五輪をやらせてくれというストーリーをつくることになったと話されたと書かれています、この記事には。
このストーリー部分もコンサルからの提案や指導があったんですかね。
○国務大臣(馳浩君) これは、コンサルによって寄せられた情報に基づいて、招致委員会のいわゆる分析チームが、どのように誠意を持って対応していくかという中で最終的に練り上げられたストーリーであったというふうに承知をしております。
また、ちょっと詳しく申し上げますが、この流れに入るに当たって、困難な事案を直接答えないで、話をほかのところに持っていくという作戦も考えようと思えば考えられました。つまり、これは福島の問題であって、そこから200キロ以上離れている東京には大きな影響はないという言い方をする、そういう考え方もありました。
と同時に、もう一つは、いや、そうではないと、これは国際的な関心もあり、我が国としても誠実に対処しているというふうに、問題を直視して、それをどのように解決をしていくかと、東京電力だけの問題ではなく政府全体の問題として考えているんだという誠意を示す必要があったと。
実は、当時、イスタンブールにもマドリッドにもそれぞれ国家として抱えている課題、スポーツ団体として抱えている課題がございましたが、我が国は、そういう意味でいえば、一番ハードルであっただろうと思われる汚染水問題についてどのように対処するかということを真摯にやっぱり説明をする必要があったと。
実は、これは招致委員会の中でも非常に議論のあったところでありました。私自身、これは正面からきちんと答える責任があるのではないかということで主張しておりましたが、招致委員会の分析では、いや、それは得策ではないと、火に油を注ぐのではないかということで、馳さんには余りしゃべらせない方がいいのではないかという判断もあり、実は私は記者会見の会見場に、私は言うべきだといって主張していましたが、記者会見の会場に入室を許されたのは十分前でありました。恐らく、招致委員会の分析チームの中でも、やはりどのように表現をして適切に我が国の立場をIOCの委員に説明をしていくか、これは恐らく、IOCの委員の皆さんが抱えている問題意識にどのように答えるかということへの対応の仕方であったと、このような認識を持っております。
○山本太郎君 誠実に問題を見詰めて、それと向き合うような態度を見せるのか、それとも、困難な問題とは向き合わず、気をそらせるようなことを続けるのかという選択肢があったと。でも、どちらかというと後者の方に移行していったような感想を持ちます。
迎えた2013年の9月の安倍総理の、ブエノスアイレスでのオリンピック招致プレゼンテーションの後、質疑者に対してその質問に答えるんですよね。福島第一原発の汚染水問題をいかに解決するのかと聞かれ、それに対して総理は、私は皆さんにお約束します、状況はコントロールされております、汚染水による影響は第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内の中で完全にブロックされています。
この総理の答弁、これまたコンサルのアイデアなのというふうにお聞きしようかなと思ったんですけど、でも、今の話の流れからいうと、どちらかというと招致委員会であったりとかオリンピック委員会であったりとかというところが絡んだお答えだったのかなというふうに思うんですよね。だから、ごめんなさい、その発案した人の名前を教えてくれと言おうとしたんですけど、その話はちょっと飛ばさせていただきます。
この汚染水に対する、先ほどの私が読み上げました総理のスピーチ、馳大臣はこれ事実だとお考えになりますか。
○国務大臣(馳浩君) 最終的に、やはり総理がどのような表現をして、そしてどのように目の前にいるIOCの委員全員に、また報道を通じて全世界の皆さん方に我が国としての姿勢を示すのかということが大きなやっぱり焦点になっておりました。
当時、たまたま私も、その二年前でしたか、放射性廃棄物特措法をこれ議員立法で実は作成したわけでありますが、その議員立法チームの座長は鴨下先生でありましたが、私は事務局長のような形で、当時の民主党、そして公明党、そして自由民主党、三党で法案を練り上げる中においての一つのまとめ役のような仕事をさせていただいておりました。
私は、やっぱりきちんとしたモニタリング、そしてそのモニタリングに基づいた公表とか、あるいは放射性廃棄物に対する対応の仕方といったものは立法に基づいて対応されるべきものと思っておりましたし、そういう法律もできておりましたので、したがって、当時、飲料水や流通している食料品などについてはきちんとモニタリングもされておりました。こういった事実関係に基づいて、政府の現状をやっぱり総理の立場で説明する必要があると、こういう認識でおりました。当時、文部科学大臣を務めておられた下村大臣もそのような認識であったというふうに伺っております。
最終的にどのようなスピーチをすべきかという判断をされたのは、もちろん私は総理自身だと思っております。もちろん、総理自身も自分の最終的に判断をしなければいけませんが、その前に、先ほどから申し上げておりますように、コンサルから入ってきた情報、私どもが集めてきた情報、そういったことを分析チームにおいてきちんと整理をされた上で、では最終的に総理がどのような表現をしたらよいかというのが、恐らく幾つか案があったのではないかと思います。その中で、今ほど山本委員がおっしゃったような表現を私は総理がされたのだと、こういうふうな認識を持っております。
○山本太郎君 本当に毎回たっぷりと当時を振り返りながらの御答弁ありがとうございます。
2013年、オリンピックプレゼン当時の汚染水、どうなっていたかということを皆さんにちょっと思い出していただきたいんですよね。軽く説明させてください。
山側から毎日一千トンの地下水が海側に流れ込むよ、そのうちの四百トンは建屋に流れ込むんだ、燃料デブリに触れる、超高濃度の汚染水が生まれる、毎日4百トン新たに生み出される、建屋の燃料に触れる、この水量を軽減するために山側から流れてくる地下水をくみ上げて海に放出する地下水バイパスが造られたよ、一日50トンから百トン高濃度汚染水を減らせるかもねって話なんですけれど、それが始動したのは2014年の5月からなんですよね。オリンピックプレゼンのときにはこれは存在していない、垂れ流しだったって話ですよ。
放射性物質が毎日どれぐらい海に垂れ流されていたんですかというのを第一弾、2013年8月21日に汚染水の対策検討ワーキンググループが東電の公表資料として出されたんですけれども、大体、トリチウム、ストロンチウム90、セシウム137で、一日で1300億ベクレルぐらいだよって、何のことかもさっぱり分かりませんよね、どれぐらいの汚染度なのか。
それだけじゃないんだと。当時汚染された地下水がどうやって流れているのか、海にどうやって流れていますかということを調べたんですよ、どうやってか。その汚染度はどれぐらいなものなのかというのを調べるために、2号機のタービン建屋の海側に観測用の井戸を掘りました。いわゆる地下水観測孔。2012年12月から観測を開始、そこから測定された汚染が無視できない数値だった。最初に掘った地下水観測孔の東西南北に新たにこれ観測用の井戸を掘らなきゃって話になった。そして半年後、7月5日、地下水観測孔一の二で取水した測定結果、驚くべき数値だったんですよ。全ベータは当日のうちに発表された。1リットル当たり九十万ベクレル。
けれども、肝腎のストロンチウム90の値はなかなか公表しない。本当だったら、一か月ぐらいで出るはず。でも、出ない。半年以上過ぎた2014年の2月の6日にやっと発表したんですよ。全ベータで一リットル当たり90万ベクレルと言っていたものが、実はストロンチウム90だけで五百万ベクレルだったって。全然違うじゃないかって。しかも、そのときの記者会見で、どうしてこんなに遅れたんだって、どうしてこんなに発表するのが遅くなったんだって言ったら、東電が言ったのが、実は2013年の9月には分かっていましたって。2013年9月に分かっていたことを2014年の2月まで黙っていたってどういうことだって。
そればかりか、その二か月後に、最初に発表していた全ベータで一リットル当たり90万ベクレルということが1リットル当たり680万ベクレルだったって更に訂正されたと。むちゃくちゃですよ、もう。この情報公開の不可解さ、これ怪しいなと思うのは私だけじゃないですよね。これ、東京オリンピック招致にとって重要だった期間に、このとてつもない汚染状況を意図的に隠したんじゃないかと疑いますよ。
しかも、この二号機、先ほどお伝えした、観測孔を掘りましたと。海面まで、海まで何メートルですかという話なんですけど、31メートルなんですって。そんな近くにそれだけの汚染。それぞれ汚染は違いますけれども、単純にこの汚染を掛けたとしたら、どれぐらいの量が汚染として流れ出るかと。これ本当に単純にその数値だけ掛けるものですよ、
本当は正しくないけれども、2兆7200百億ベクレルぐらいだろうと。単純に掛けただけです。1リットル当たりそれぐらい汚染されているから、全体量で考えたら、一日400トンということを単純に考えて掛けたら2兆7200億ベクレルにまでなるって。余りにもあり得ない、汚染が垂れ流し続けられていたのに港湾内でブロックされますなんてあり得ない話なんですよ。どういうことですか、これ、という話なんですけどね。
汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内でブロックされている、この総理の発言に対して国会内でも質疑をしました。こんな答弁来ました。港湾内は、一日で47.3%、八日間で99%港湾内と港湾外、入れ替わりますって。当たり前じゃないですかって。潮の満ち引き、潮の流れ、子供でも分かる話ですよ。港湾内でブロックされるなんてあり得ないんですよ。うそついたんですよ、世界の舞台で。虚偽発言ですよ、これ。余りにもあり得ない。端的に言って、うそ。これもコンサルから何か指導があったのかと聞こうとしたんですけれども、もうそれは総理の思いで言われたことだろうというお話でした。
私は、馳大臣、正々堂々と言うべきだと。非常にもうスポーツマンシップにのっとった姿勢でこのオリンピックにも臨まれようとしていた、招致しようとしていたという馳大臣にお願いがあるんです。どんなお願いか。ストロンチウム90、測っていただきたいんですよ。海産物に対するストロンチウム、ほとんど測られていないんですね。事故から今までで百四検体程度、104つの検体しか測っていないんです、5年たっているのに。これもっと測らなきゃって、魚は動くよって。どういう影響があるのか分からない。海産物に対するストロンチウム検査、子供たちのためにも是非測っていただきたい。その橋渡しをしていただけないでしょうか。そのような動きといいますか、そういうような話題というものを是非関係省庁のトップの方々とお話ししていただけないでしょうか。いかがでしょうか、大臣。
○委員長(礒崎陽輔君) 馳大臣、時間が来ておりますので、簡単にまとめてください。
○国務大臣(馳浩君) お話は承りました。
以上です。
○山本太郎君 ありがとうございました。
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