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国会活動

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20160526-内閣委員会-900

○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
国家戦略特区改正案の農業分野についてこれまで質問をしてまいりました。石破大臣が前々回の質疑のときに、食料自給率の議論において、自給力というものが大切なんだと、大事なんだとおっしゃいました。私も、大臣と同じく、自給力、大切なことだと思います。食料自給力と食料自給率、これらは両輪であり、共に重要であると。
参考人の東京大学の鈴木宣弘先生、ブッシュ前大統領は、食料自給できない国を想像できるか、それは国際的圧力と危険にさらされている国だと演説、アメリカの大学では、標的は日本だ、日本人の直接食べる食料だけでなく畜産の餌穀物を全部アメリカが供給すれば日本人を完全にコントロールできるといって、アメリカはお米を一俵4千円で輸出していますが、一俵1万2千円との差額の9割は政府が払っている、それが食料戦略だとおっしゃいました。そして、日本農業が過保護で衰退した、欧米は競争で発展したというのは間違いで、食料戦略があるかないかの違いだとおっしゃっておりました。
お手元の配付資料、御覧いただけますか。一枚目は農水省の資料でございます。各国の農家所得に占める直接支払額の割合、日本が43%、EUが71%、アメリカは19%となっています。そして、二枚目の資料、国立国会図書館に作成してもらったものです。農水省と同じ2011年の各国のWTOへの通報を基にした資料でございます。アメリカの農家への支出について、農水省の資料が見ているのはWTOに通報したものの中で黄色の網掛けの部分のみですが、これに直接支払だけではなく国内食糧援助や市場価格支持なども含めると1394億8600万ドル、2011年のレート一ドル79円81銭で換算すると、11兆1324億円。黄色の網掛けから外れている国内食糧援助は国内の低所得者向けのフードスタンプなどで支給される食糧援助の政策で農業生産と農業所得を支えていると。しかし、これアメリカ産だけ購入しているわけじゃないからということで直接支払から除外しているようなんですね。結果、全てを合わせるとすると、農家への支出の割合は123%ということになるらしいんですよ
農家所得に占める直接支払額の割合について、農水省の資料がアメリカの農業に対する政府支出を非常に小さく見せているんじゃないかなって、これ国民に対して事実に反する情報提供にもなるんじゃないかなって私は心配するんですけれども、これ、石破大臣、ごめんなさい、通告はしていないんですけれども、このアメリカの農家の支出への事実ということは御存じでしたか

○国務大臣(石破茂君) もちろん、こういう数字は、農林水産副大臣あるいは大臣をしておりましたときにこういう数字というものは当然承知をいたしております。

○山本太郎君 これ、この差といいますか、もちろん直接の支出というものに限っていうと、この農水省が出すものに関してはうそではないという話になるのかもしれないですよね、このWTOの、どういうふうに通報したかという話になると。でも、実際、アメリカではこれ直接ではないけど間接的に農家に対する支援になっている、生産の支援になっている。所得への支援になっているということは、これ間違いのないことだと思うんですよね。このやり方というのは非常にいいことなんじゃないかなというふうに思うんです、私としては。要は、農家という部分も、要は、何ですかね、自分たちの所得というものがはっきりとこれ担保されることですよね、自分たちの、何でしょうね、自分たちの生活というものをしっかりと担保できる、国がしっかりとそれをバックアップをしているというのがアメリカの状態なのかなというふうに思うんですよね。
我が国でも生活が苦しいと言われている人たちが62.4%もいらっしゃる、六人から七人に一人が貧困という状態の人がいると。それだけじゃなくて、高齢者の5人に1人が貧困、障害者の4人に1人が貧困、生活保護を受けるべき人たちの約二割程度しか受けられていないというような、低所得、貧困という状況に置かれた人たちが多数いるわけですから、アメリカの食料戦略のように、貧困世帯、この低所得者世帯の方々に食料支援という形でやっていけば、農家にはそれによる間接支援という形がなされていくんじゃないかなと。
アメリカだってこれWTOの違反じゃないんだと、自由な価格競争を阻害するものじゃないんだという言い訳といいますか、やり方で農家を大きくバックアップしていっているという背景がありますよね。直接支払という形ではないけれども、間接支払という形で生産、所得という部分をバックアップしているというものがあると思うんですよね。これ、自給率、自給力共に大きく変化、そして強くしていける部分なんじゃないかなと思うんですけれども。ここは、食料の世界戦略で世界をコントロールするために生産者に安定した力を与えようとしている宗主国様のやり方というのは、まねるべきポイントなんじゃないかなと思いますけれども、石破大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(石破茂君) それは、合衆国は、先ほどブッシュ大統領、前大統領ですか、の御指摘ありました。その話は私も大臣当時に何度か、承知をしておりますし、原典に当たったこともございます。ややニュアンスは異なるようには思いますが、アメリカの食料戦略、私は全て正しいと思っておりません。それは、例えば日本である時期すごく大豆が高騰したことがございましたですよね。それは何であんなことが起こったかというと、アンチョビー、イワシが不漁になったので、結局、たんぱくというものを大豆に置き換えたので、それで日本の大豆が不足をして、物すごく豆腐が上がったということがございました。
また、スタインベックの「怒りの葡萄」という小説がございますが、アメリカの農法は私は決してサステーナブルなものだとは思っておりません。それから、私どもとして、宗主国という表現をお使いになりましたが、私は合衆国が宗主国だとは思っておりませんが、日本として本当に持続可能な農業というものを維持していくこと、そしてまた、日本の持っている農業生産力を最大限に引き出していくことが必要なのであって、私は食料を戦略物資として使うということが余り横行すると、世界人類にとって決していいことばかりでは、むしろ害悪の方が大きいだろうと思っております。
 

独立国家としていかに自給力を高めていくかということが人口減少下において真剣に論ぜられるべきですし、政府、農水省としてその方向で全力で努力をしておるところと承知をいたしております

○山本太郎君 農家やっていて割が合わない、これじゃ食っていけないよというような状況に陥るというのが、一番我が国の食料自給率であったりとか自給力という部分に大きく影響を及ぼすんだろうと。そういう意味で、アメリカがやっているような、本当にもう大きく農家の皆さんをバックアップしていくというスタイルというのはアメリカの、アメリカの何ですかね、世界戦略という部分には私は異論はたくさんありますけれども、この食料戦略という部分に関してはまねるべき点もあるんじゃないかなというふうに思うんですね。
兵庫県養父市で、これまで資格のなかった株式会社に農地法の特例として農地の所有を認める、その兵庫県養父市で農地を所有しようとしているのがオリックスの宮内義彦さんだと。その特例、規制緩和を推進してきた中心人物がパソナの会長でオリックス社外取締役の竹中平蔵さん、ローソンの元代表取締役で現在はサントリーホールディングス社長でオリックス社外取締役の新浪剛史さん。
石破大臣、本来、中立の立場で公平公正な制度をつくるべき立場の方々なんですよね、もちろん政府の会議、政府主催の会議に参加されている方々なので。でも、そろってこれ自分たちの会社に利益が誘導されるような追求をしているんじゃないかというような状況が見受けられる。皆さんオリックスの社外取締役であったりとかというようなつながりのある方々ですから、今名前を挙げたのは。そして、養父市でこの農業という部分に踏み出しているのはオリックス関係の株式会社なわけですから、これ明らかな利益相反なんじゃないかな、出来レースなんじゃないかなと思うんですけれども、石破大臣はいかがお考えですか

○国務大臣(石破茂君) 私は竹中氏もよく存じておりますし宮内氏もよく存じ上げておりますが、それは、このような案件を審議するに当たりましては、企業の利益ということとは切り離して、両氏の持っている見識というものを私どもとして国家のために活用させていただきたいというふうに考えております
企業の利益を実現するためにこのようなことをやっているのではございません。養父市において企業が農地を所有するということについて、それによってどんな可能性が開けてくるか、ですから特区としてやっているわけでございます。これが、もし個々の企業というものの利益だけを増幅をさせて、増大をさせて、それぞれの農業者の収入が減っていくとかあるいは農地の利用が低調であるとか、そういうことであれば特区の意味をもう成しません。特区としての意味がありません。そこはよく私どもは、個々の企業さえよければとかそういうようなことにならないように見てまいりたいと思っております

○山本太郎君 であるならば、何ですかね、政府のその中枢の会議においてこの農業の規制緩和という部分に関しても、幾ら社会実験という立場であっても、そこに関連企業が参加しているというのはこれ不健全な状況なんじゃないかなというふうに思うんですけど、いかがですか。

○国務大臣(石破茂君) 不健全だとは思いません。

○山本太郎君 不健全と思わないならちょっと成立しない話なんですけどね。
今回の法案には農業分野のほかに観光分野と医療分野の特例もあると、観光分野といっても自家用自動車の運送事業の特例ですよね、いわゆる白タクと言われるようなライドシェアですか。兵庫県養父市は、農業分野だけでなく自家用自動車の有償運送事業、世界ではウーバーやリフトでも有名なライドシェア事業の提案もしていますよね。産業競争力会議のメンバーである楽天の三木谷社長は、このリフトに三億ドルを出資したというのは皆さん御存じだと思います。そして、自ら役員にも就任していると。この三木谷さんが代表理事を務める新経済連盟が、自家用ライドシェアの拡大を提案をしている。この自家用ライドシェアの提案は兵庫県養父市だけじゃなく、京都の京丹後市、秋田県の仙北市も提案していたと。
今回の法案ではちょっと風当たり強過ぎるなという話になって、正面切ってのライドシェアというのはちょっと避けられた形なんですかね。ちょっと妥協の産物的に盛り込まれたといいますか、過疎地等という言葉が入ったんですよね。これ続けて、過疎地等での自家用有償観光旅客等運送事業になったわけですけれども、この過疎地等の等というのはどんな内容を含んでいるものなのかというのをこれ説明できる方っていらっしゃいますか。

○政府参考人(佐々木基君) これはいわゆる公共交通機関が不足しておって、いわゆるその地域住民の方とか、あるいは今回の場合ですと観光の方々が交通の面で不便を来す、そういう地域だというふうに伺っているところでございます

○山本太郎君 観光客の方々とかというのを等に含めているということ。えっ、何ですか、ごめんなさい、ちょっと聞き取れなかった。済みません、もう一回いいですか。

○政府参考人(佐々木基君) 公共交通機関が不足しておって、地域の方々あるいは観光客の方々が利用するときにそういった交通の便が非常に不十分なところというふうに伺っているところでございます。

○山本太郎君 過疎地という部分にもちょっと係っているような部分ですよね。もっと、等といいますからその過疎地以外の部分も含まれているのかなというような印象があったんですけれども、なるほど。
今日から始まったんですね、タクシー少ない過疎地でスマホ配車を開始って、これ京丹後。現行法でNPO法人が事前登録した住民ドライバーであれば、これ有償で運送できる事業というのが今日から開始になったと。スマホで、これウーバーですか、から情報つながって、もう今日から過疎地の交通対策であれば特例措置として認められているという部分なんですよね。これもう既にあるじゃないかという話ですよね。これもっと広げたいということですよね。これ、より規制緩和を進めていきたいという形が多分今回の特区に当てはめられるという理解でいいんですかね。
ライドシェアではなくてこの過疎地等での自家用有償観光旅客等運送事業として最初から提案している自治体というのはどこなんですかね。皆さん、ライドシェアという部分で最初は手を挙げたんですよね。でも、この過疎地等と付く部分において手を挙げられているというような自治体は元々はないんですよね。いかがでしょうか。

○政府参考人(佐々木基君) 私どもが国家戦略特区として提案を受けている中で、ライドシェアとして提案を受けているという認識は全くございませんで、あくまでも、やはりより便利に住民の方々なり、あるいは今回は観光客ですけれども、に公共交通機関が不足しているところでどうやってその足を提供していくかということで御提案を全ていただいているという、そういう認識でございます

○山本太郎君 いや、そんなことないでしょう。だって、これ、養父市とそして京丹後市から出されている資料、しっかり書かれていますよ。戦略特区の説明資料で、自家用ライドシェアの拡大と、自家用車ライドシェアの実現へ向けてと。
そんな話聞いていないなんてことなんてないですよね。だって、思いっ切り求めているものは自家用車のライドシェアという部分なんじゃないですか、自家用車利用の。

○政府参考人(佐々木基君) 先生のおっしゃっているライドシェアというのがどういうものを指すのかということはありますけれども、いわゆる白タクということで、利用者の安全性とかそういうものを損なうような形で運行しているということ、運行するものについてそれを認めていこうという提案ではないと私は理解しております。

○山本太郎君 これ、元々、何ですかね、手を挙げたところの自治体の人たちが欲しかったものが今ここの場で議論されているのかどうか、この国家戦略特区という中で審議されているのかどうかというのが分からないんですよね。本当に最初から欲しかったものが今ここで審議されていますかと。この提案書の中身とちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんですよね。農地取得でもそうでしたよね。最初養父市が求めていたものとはちょっと少し違う形になって与えるという形になったと。

これ、今の時点でじゃ手が挙がっているということの認識でいいんですかね。ごめんなさい。今、これもう既にこの国家戦略特区の今この有償旅客の部分でもう手を挙げているところはもう決まっているということでいいんですよね。

○政府参考人(佐々木基君) 公共交通機関が不足しているところについて、特に今回の場合には、観光客についてそれを呼び込みたいという意向のあるところはありますけれども、今回の措置、もちろん成立もしておりませんけれども、を使ってじゃ直ちにやろうかというところについて具体的な意向についてはこれからだというふうに思っております

○山本太郎君 だから、手を挙げているところはないということですよ、今この時点では。そうですよね。欲しがっているところは今ないということですよね、今ここで話し合われているこの内容については。違います。そうですよね。違うかどうかだけお答えください。

○政府参考人(佐々木基君) いろんな手続がありまして、制度が成立した後いろんな手続を経て、じゃ旅客運送事業をやろうかということになっていくわけでございますので、いずれの地域に、要望している地域におきましても、現時点というよりは、これが成立をさせていただいた暁にその具体的な検討に入っていくということだと理解しております。

○山本太郎君 じゃ、現在手を挙げているところはないという話ですよね。提案のない法改正を今やろうとしているということですよね。元々、だって手を挙げていたところとは今違った形でこれ提案されているということでしょう。

○国務大臣(石破茂君) どうも私どもの説明の仕方が悪いのかもしれませんが、委員が思っていらっしゃるようなライドシェアというものを、いわゆるライドシェアというものをそもそも提案してきたところはないというふうに認識をいたしております
今回は、過疎地等において実際にそういうような交通機関がないところにおいてこのような手当てをやろうということなのであって、いわゆる白タクとかあるいはライドシェアとか、そういうものを企図して手を挙げたところは今のところないのでありますし、本委員会で委員の各位に御議論をいただいたのは、まさしくそういうような過疎地等においてというようなものについて認めるか認めないかということを長時間掛けて御議論を賜っていると私は認識をいたしております。

○山本太郎君 過疎地においては、もう既に今あるルールの中で特例を認められればそれは使えるということでクリアできているわけですよね。でも、そこよりも一歩進んだという部分を求められているわけですよね、皆さんは。利用者の運送ルール、利用者目線の運送ルール等を、そうですよね、区域会議で利用者目線の運送ルール、欲しいものを見極めてライドシェアの拡大を図っていきたいという先の目標はあるんじゃないですか、でも、ないんですか。

○国務大臣(石破茂君) そのような先の目標を持ってこのような提案をしているわけではございません。それはそれ、これはこれで、別のものを御議論いただいているということが私の認識です

○山本太郎君 それぞれの、先ほど名前挙げた二つの自治体の提案書の中はそれ期待されていますよ。区域会議を導入することで利用者目線の運送ルール等を決定し、自家用ライドシェアの拡大を図ると、元々そういう心積もりでこの人たちは最初に手を挙げたんじゃないですか、そのような資料がありますけど。

○国務大臣(石破茂君) それは、利用者目線というのはお客様の目線ということであって、事業者目線ということを申し上げているのではございません。

○山本太郎君 利用者目線ということで、今のルールの中では、要は特例では、その過疎地域内であったりとか、足になるよというようなことはできるけれども、それ以上のもの、例えば観光客の人がやってきたりとかということになったら、その過疎地域内だけ、その周辺だけではやっぱり成り立たないですものね。そこからやっぱり拡大、エリアを拡大していくということにならなきゃ、話にならないですものね、ということですよね。拡大していく、それ、お客様目線、お客様が求めているものは何だと考えたときに、お客様が求めていることじゃないと要は仕事にならないわけですから、商売にならないわけだから、拡大していくということを求められていると思うんですよ、この方々は。

○国務大臣(石破茂君) いや、それはいろんな御想像はおありかと思いますが、仮に、今回これをお認めいただいたとしても、お客さんが求めているから、行政区域を離れて、営業区域を離れて、今回のが営業という概念でくくられるわけではありませんが、もうどこまでも行ってもいいとか、そういうことをやっているわけではございません。
お客様目線というのは、お客様の視点というのは、その地域において本当にそういうタクシー等々ないね、しかし、そういうところはよそからお客様を呼びたいねと、そういう方々のそういうような御要望に応えてということなのであって、それは、委員がいろんな世界を御想像なさるのはそれは委員の御見識でございますが、そういうことを私どもは求めているわけではございませんし、提案者もそういうようなことを言っているわけではございません。それはそれ、これはこれです。

○山本太郎君 その過疎地域において電車が一時間に一本、分からないですよ、一時間に一本来れば早い方かもしれないですよね。もっと来ないところあるかもしれない。例えば、電車通っていたとして、その最寄り駅、たまたま電車がなかったとしたら、もうちょっとじゃ、電車が多く通るような駅まで行きたいとかというのは、これお客さん目線になっていくんじゃないですか、普通に。いや、その周辺、その10キロ範囲内だけの移動でそういうふうに使われるとしたら、これ、お客さん目線にならないですよね。例えば、最寄り駅に降り着いて、そこから観光をして帰ろうと思うけれども帰りのアクセスが悪い、電車の乗り継ぎが悪いと、だとしたら、その近くのもうちょっと大きな駅まで乗せていってほしいとかというような要望が生まれるのがお客さん目線だと思うんですよ。
昨日の5月25日、日経新聞で、先ほどもお話がありましたけれども、トヨタ自動車とアメリカの配車アプリ最大手のウーバーが戦略提携検討を発表と報じていると。ウーバーのドライバーにトヨタが車両をリースという方向のようなんですよね。急速に関係を深めていると書いてありました。しっかりと、次に何が商売になるのかということで着々と準備が整っているということだと思うんですよね。やりたい、まあ、本当にこれがやりたかったことなのかどうなのか分かりませんけれども、更なる規制緩和がなされるということで、もう既にやりたい企業、やる気になっている企業がスタンバイしている状況だと思うんですよ。
先々、規制緩和を広げてライドシェアというのをできるようにしていくというような確信があるのか、それとも、そういうふうに読んでいるのかは分かりませんけれども、状況的にはそういう感じであると。この法案が成立したら、この手を挙げたところはやられる、確実にこのライドシェアという、ライドシェアといいますか、この国家戦略特区の中でのライドシェア的なものに乗っかっていただけるという方向性なんですよね、恐らくね。
先行きますね。
楽天の三木谷社長、自分自身が役員にもなったと、そのライドシェア事業の、この代表理事を務める新経済連盟、昨年の個人情報保護法及びマイナンバー法改正案の議論の中で、携帯電話番号などは個人情報に含めるべきではないというような提言までしているんですよね。個人の携帯電話番号やクレジットカード番号などをビジネスで最大限利活用したいという話だと思うんですけれども、個人情報保護委員会は、個人情報保護法の政令で、個人の携帯電話番号、クレジット番号、メールアドレス、アカウントなどの会員制IDなどを個人識別符号、個人情報とするのかしないのか、今どんな議論がなされているのか、政令を決定する前はパブコメをやっていただけるんですかというのを教えてください

○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。
お尋ねの個人識別符号のことだと思いますが、今後施行される改正個人情報保護法の政令において定められることとなっております事項でございますが、その内容につきましては、現在個人情報保護委員会において、個人情報保護法改正案の国会の審議における御議論を踏まえるとともに、各方面の御意見を聞きながら鋭意検討を行っているところでございます。引き続き、国民の皆様や民間事業者の御理解を得ながら改正法の円滑かつ速やかな施行を行えるように取り組んでまいりたいと思います。
 

パブリックコメントにつきましても、適切な時期に実施してまいりたいと思います

○山本太郎君 電話番号までも個人情報ではないと言い切ってそれをも商売に使おうとしているような人たちまでこの政府中枢の会議に入り込んで、規制緩和をどんどんしていこうという考えであると。
石破大臣、改めて伺わせてください。先ほど、オリックスの宮内さん、パソナの竹中さん、サントリーの新浪さん、そして楽天の三木谷さん、私自身はこれは利益相反四人組とお呼びしているんですけれども、これらの人が政府の規制緩和の会議体の中心メンバーとして規制緩和を行うこと自体、そしてその受け手となって規制緩和の先にある、社会実験といえどもそこで受け手になる企業に関連会社が入っているというのは、僕、大問題だと思うんですけど、これ、利益相反とは思われませんか。

○国務大臣(石破茂君) 思いません。
ですから、このようなことは国民のためにやっているのであって企業のためにやっているわけではございません。そういうふうにおっしゃるのであるとするならば、何が利益相反であるのか、何が彼らの個人的な利益を実現をし、国民の利益を損なっているのかという点について御指摘を賜りたいと思います。私はそのようには考えておりません

○委員長(神本美恵子君) 山本太郎さん、時間です。

○山本太郎君 はい、じゃ、もう終わりたいと思います。
派遣業法を改悪されたりとかするようなその議論の場にいらっしゃった方がパソナの方だったりとかという時点で、十分これ利益相反とも言えるという過去を持っていると思います。本当に問題のある法案だと思っています。
ありがとうございました。

 

 

 

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(反対討論)

○山本太郎君 私は、生活の党と山本太郎となかまたちを代表し、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。

今回の改正案は、農業分野、観光分野、医療分野で規制緩和、特例をつくるものですが、特に、農業分野で兵庫県養父市を特区として、従来の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社に農地所有を認めるものとなっています。
本委員会に参考人としてお招きした東京大学の鈴木宣弘先生は、私の理解では、国家戦略特区は岩盤規制に穴を空ける突破口だというふうに定義されていると思います、端的に申し上げれば、特区は政権と近い一部の企業経営陣の皆さんが利益を増やせるルールを広げる突破口をつくるのが目的ですから、地方創生とは直接結び付いていないと思います、むしろ、地方創生には逆行しますとおっしゃいました
実際に、兵庫県養父市で今回の特例によって農地を所有しようとしているのは、規制改革・民間開放推進会議議長等で規制緩和を推進したあの宮内義彦さん率いるオリックスグループの株式会社です。そして、現在の産業競争力会議で今回の農地法の特例を推進したのが、パソナ会長の竹中平蔵さんとローソン元代表取締役、現在はサントリーホールディングス社長の新浪剛史さん実は、竹中さんと新浪さんはお二人共にオリックスの社外取締役だそうです。もうちょっと隠してみるとかのしおらしさもないのかと、みんなオリックスじゃないかということで、完全な出来レース、利益相反だと思ってしまいます
観光分野、自家用自動車有償運送事業、ライドシェアを産業競争力会議のメンバーで推進する楽天の三木谷浩史社長も、ライドシェア事業の世界大手の一つリフトに三億ドル出資し、自ら役員に就任しています。これも、利益相反で許されることではありません。
参考人の鈴木宣弘先生は、食料自給率について、アメリカのブッシュ前大統領は、食料自給できない国を想像できるか、それは国際的圧力と危険にさらされている国だと演説し、アメリカの大学では、標的は日本だ、日本人の直接食べる食料だけでなく畜産の餌穀物を全部アメリカが供給すれば日本人が完全にコントロールできるといって、アメリカはお米一俵4千円で輸出していますが、一俵1万2千円との差額の九割は全部政府が払って、そして生産と輸出を振興していると、これが食料戦略というものですと言われました。
そのブッシュ前大統領、つい先日、来日をし、5月18日、女性のための予防医療シンポジウムに出席、シンポジウムの主催者である米国メルク社の日本法人MSD社が販売する子宮頸がんワクチン接種の勧奨再開のために日米共に闘わなければならないとスピーチしました。
 

これは、食料戦略とともに、アメリカの日本に対するワクチン戦略ではないでしょうか。子宮頸がんワクチンは、日本と海外ではウイルスの型の頻度が違い、副反応についても差がある可能性があるので、国内臨床試験を省略することがあってはなりません。今回の法改正には医療機器の開発迅速化が盛り込まれていますが、慎重に検討する必要があると思います。
今回の国家戦略特区によって、鈴木宣弘先生が言われた、今だけ、金だけ、自分だけの3だけ主義者である企業経営者たちに、日本の農業、医療など国民の命を守る大切な仕事を彼らの思いどおりに、金もうけのツールにさせるわけにはいかないということを強く申し上げて、私の反対討論といたします

 

 




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