山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

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 ○山本太郎君 ありがとうございます。

自由党の共同代表、山本太郎と申します。先生方、今日は大変御貴重なお話をありがとうございました。

まず、岩間先生にお聞きしたいと思います。先ほど、シェールガス革命により、燃料価格の低下による経済発展というようなお話もあったと思います。それだけではなく、副産物のエタン、メタン、ブタンなどを低価格で入手できるようになることで石油化学産業への好影響があるということも論文の中にお書きになられていたと思います。逆のお話を聞きたいんです、逆。

シェールガス革命によって直接悪影響を受けるような日本の産業というものは存在するんでしょうか。済みません、一分ほどでお願いします。

 

○参考人(岩間剛一君) 実は、石油化学というのは、天然ガスの成分の一つであるエタンを使ったエタンクラッカーというエチレンプラントと、原油から作られるナフサ、粗製ガソリンを使ったナフサクラッカーというエチレンプラントと二つあるんですね。日本の場合は、基本的に原油から作られるナフサを原料としたナフサクラッカーなんです。ですから、そういう意味でいうと、エチレンという汎用品、つまり基礎化学品を作る上では、米国のシェールガスを原料としたエチレンプラントには歯が立たないんです。

ですから、そういう意味でいうと、今御質問、山本先生から御質問がありました点でいうと、日本の場合においては、シェールガス革命において一番打撃を受けるのは、そういった価格競争力だけに頼ってしまうような、そういった汎用品である基礎化学品のところにおいては大きな打撃を受ける可能性が今後大きいということがあります。

ただ、逆にナフサを使わないと作れないような高機能化学品というのがあるんですね。逆に、エタンでは高機能化学品は作れません。ですから、例えばベンゼンとかそういったものはそうなんですけれども、そういったところに関しての強みがありますので、それをどういうふうに、ですから強み弱みを生かしていくかということが重要だと思います。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。引き続き岩間先生にお聞きします。

資源エネルギー庁の平成二十七年度の年次報告によると、日本の発電に対する各電源の割合、石油が一四%であると、その、全体の一四%を占める石油の輸入先、これ八二%が中東からだということらしいんですけれども、先生が先ほど御懸念されておりました、今後アメリカが中東から手を引いた場合を考えると、コストが大幅に膨らむということもあると思うんですね、日本にとって。

お聞きしたいのが、中東からの輸入に頼らない、この二十七年度の一四%分をですね、うちの八二%ですか、中東から頼っているものを中東に頼らなくするということは可能なんでしょうか。東南アジアとかほかの地域で賄うということは可能なんでしょうか。一分半ほどでお願いできますか、お願いします。

 

○参考人(岩間剛一君) まず、アジア大洋州というのは、石油の需要は非常に大きく伸びています。先ほど柴田先生もお話をしたように、今、欧州諸国等では基本的にエネルギーの消費量って余り伸びていないんですね。ところが、世界全体で見ると、アジア大洋州というのは非常に石油の需要が伸びています、日本はちょっと人口減少で縮小していますけれども。そうすると、需要が伸びていて、しかもある程度大きな量ということになってくると、まとまったロットを輸入するということになってくると、地理的な関係からいっても、日本の場合は中東にやっぱり依存せざるを得ないということがあります。

もちろん、世界の大産油国の中にはメキシコあるいはカナダといったような地域もあるんですけれども、まずメキシコの場合も実際のところは大西洋からずっと回ってくるというふうなことになってきますし、あとメキシコ、カナダの原油というのは基本的には米国で使われてしまうんですね。

ですから、そうしますと、日本の場合において一番アベイラビリティーがあるものはやはり中東産の原油になってくる。ですから、そういう意味では、米国が中東に対する関心が低下するということは、日本を含めて、日本、インドあるいは中国、そういった国にとって見ると、それはエネルギー安全保障上から見ると非常に極めて重要な問題というものを提起しているということは言えると思います。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

それに関連したお話といいますか、二〇一四年、原油価格が下落、大きな要因としてサウジアラビアが原油生産量の削減を行わなかった、事実上、原油生産調整役、原油の生産調整役を放棄したことが挙げられると先生も論文の中で書かれておりました。それで、現在アメリカが世界最大の産油国になったと、アメリカの中東からの原油輸入量が減少していけば、アメリカが中東産油国への依存が小さくなるから巨大な軍事費をわざわざ投入してまで中東に頼るということはなくなっていくんじゃないかというお話の続きなんですけれども、その結果が逆になるという可能性はないのかということについてお聞きしたいんですね。

要は、アメリカが世界最大の産油国になったのであれば、原油価格を下落させないためにも中東の石油生産量の調整をアメリカが行う、価格をコントロールしていこうというような考えはないんでしょうかね。つまり、アメリカの世界戦略に変更はなしということはあり得ないんでしょうか、先生のお考えをお聞かせください。

 

○参考人(岩間剛一君) 今御質問にありましたように、中東に対する関心が低下したということは、中東の安全保障に対して、あるいは中東和平に対しての責任というものが低下しているという意味なんですね。

ですから、逆に言うと、最近のやはりトランプ政権になってからのイランの核合意に対する見直しというような強硬な姿勢とか、あるいは親イスラエルということで、エルサレムに大使館を、実際のところは引っ越しさせるという、そういったような動きというのは明らかに、ですから中東の要するにそういった和平に対しての責任というものに対する関心の低下ということがあると思います。

そういった中東に対する強硬な姿勢というのは、結果的に中東情勢というものをかなり緊張化させて、結果として原油価格を高騰させる。ですから、先ほど柴田先生もちょっとおっしゃったんですけれども、実際のところ、トランプ政権のやっていることというのは、要するに米国はシェールガス、シェールオイルの開発の促進をしながら、同時に中東の情勢を緊張化させることによって、原油価格が上がりながら米国の石油産業が要するに利益を上げられるという、そういったウイン・ウインの関係に結果としてはなっている。まあ、どこまで計算しているかどうかは分からないということがありますけれども、そういうふうな形で結果としてはなっているということがあると思います。

ちなみにもう一つ補足すると、実際に米国とサウジアラビアとの関係というのは前と比べるとかなり冷却化しています。というのは、なぜかというと、九・一一同時多発テロのときの遺族がサウジアラビア政府に対して損害賠償の訴訟を起こしてもいいというふうなことが米国の議会において可決されています。ですから、そういった形で、従来のサウジアラビアの原油に依存することによって、米国とサウジアラビアが非常に親密な関係にあるという関係から、かなり実は変化をもたらしているというふうなことが言えます。

ですから、そういう中で、日本はサウジアラビアから一番原油を輸入していますから、そういう意味では、日本の立ち位置というのは非常に慎重に考える必要があるというふうに考えています。

 

○山本太郎君 ありがとうございます。

続いて、柴田先生に、教えていただきたいことが一点と質問が一点あります。

教えていただきたいことに関しましては、論文の中で述べられていました食料競合とは何なんですかということを、短い言葉で言うとどういうことなのかということを教えていただければと思います。

そして、質問についてはバイオエタノールについて。日本のバイオエタノールの生産量は年一・五万キロリットル、〇・〇三%、例えばガソリン生産量と比較するとそれぐらい小さなものであると、体積比で。自給率は僅か二%で、九八%はブラジルなどからの輸入に頼っていると。

これによって得られるものって一体何なんだろうと思うんですよね、たったこれだけのものをといいますか。日本全体にとってはこのバイオエタノールというものは、言い方悪いかもしれないですけど、余り役に立っているようには思えないと。それでいて、例えば現地の方々の土地の収奪だったり、労働力の収奪というものにつながる可能性があるのではないかと。

日本が他国の食料競合に加担、推進するようなことになるおそれはないんでしょうか。今後もバイオエタノールを輸入し続ける必要性というのはあるんでしょうか、教えてください。

 

○参考人(柴田明夫君) 食料競合というのはきれいな言葉で言ったんですが、食料争奪戦の話であります。中国と、あるいは最近は、今後やはり中東・北アフリカ、MENA地域、ミドルイースト、ノースアフリカ、ここは人口が五億人ぐらいありまして、若年層が多いんですね。食料の消費量が増えている。乾燥地帯なので余り生産増えない。トルコ、イラン、エジプト、農業大国あるんですが、生産増える余り見通しがない。輸入が増えているんですね。小麦ですと、世界の貿易量の三割が輸入になっています。トウモロコシ、大豆、キャノーラ、牛肉、米、こういったところが輸入が増えているんですね。日本と競合するんです。だから、日本もこれは、いつまでも安いもので良質なものを手に入れる、入るという状況は変わってきていると思います。

それから、先ほどのエタノールの一%弱と、やっぱりこの一%弱というのは余り意味がなくて、そういう意味では、なかなかガソリン、石油業界が自分のところに混ぜこぜにされるのは余り好ましくないなという感じはあるんだと思うんですね。その一%の輸入の分というのは、ただ、御懸念の部分はこれ、いわゆるサトウキビのエタノールですから、直接食料と競合するという話でもないんで、そういう意味では余り心配はないのかなと思います。ただ、サトウキビのエタノールが生産増えることによって、玉突き現象で、何というかな、あそこのアマゾンとかですね、こういったところの森林がどんどんと奥にやられるというような可能性はあると思いますね。

 

○山本太郎君 終わります。

 




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