国会活動
2017.4.13 内閣委員会「外国人奴隷 労働者枠 拡大のお知らせ」
2017年04月17日
- カテゴリ
資料②=資料② 技能実習制度の見直しについて(平成27年10月)
資料③=資料③ 現行受入れ人数枠
○山本太郎君 おはようございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表し、質問いたします。十五分しかございません。皆様、できれば短い答弁いただけると助かります。よろしくお願いします。
クールジャパン担当大臣にお聞きいたします。
外国の方々に日本の魅力を知っていただくのに一番効果的なのは、日本を実際に訪れた外国の方々が、いい国だった、おまえも行ってみろよという口コミ、これが一番大きいんじゃないかなと思うんですけれども、大臣もそう思われませんか。
○国務大臣(鶴保庸介君) 同感でございます。
日本を訪れた外国人による口コミを広げるためにも、我が省としても、消費行動などに大きな影響力を持つブロガーの皆さんやジャーナリストなど、いわゆるインフルエンサーと呼ばれるような方々に、SNSやブログ、メディア等を通じて情報発信をしていただくことを旨として大きな広がりを持たせようと努力をしておるところであります。
このため、ファムトリップやモデルツアーあるいはモニターツアーなどを通じて、外国の方に日本に訪れていただいて日本での体験をしていただくということを今内閣府として取り組んでおるところであります。
○山本太郎君 鶴保大臣、お忙しい中来ていただきまして、ありがとうございます。この後もあるようなので、ここで結構でございます。ありがとうございます。
○委員長(難波奨二君) 鶴保大臣、御退席いただいて結構でございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
実際日本を訪れ暮らした人々にとって日本はどんな印象でしょうか。移民政策と誤解されないよう配慮しつつ、更なる外国人人材の活用の仕組みを検討すると安倍総理御発言のとおり、東京五輪向けの建設、造船分野での緊急措置、神奈川、大阪、東京、特区での外国人家事労働者導入、在留資格「介護」の新設、製造業での外国従業員受入れ事業など、着々と進んでいると。さらに、今年三月、農業人材の就労解禁のため、国家戦略特区法改正案も提出、今年秋には技能実習の介護分野への拡大も予定。こういった方々が母国に帰った際に大いに日本を宣伝してくれる存在になれば、これぞやはり、何といいますか、廃りのないといいますか、本物のクールジャパン戦略ではないかという観点で、外国人技能実習生に国家戦略特区を絡めて質問していきたいと思います。
お聞きします。外国人技能実習生に日本に来てもらう狙いは何でしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することによる国際貢献を目的とするものでございます。
○山本太郎君 技術、技能の移転、つまりは国際貢献だと。日本では、介護分野での労働不足、深刻です。この秋、介護分野に実習生が入ってきます。開発途上国では家族介護がほとんどと聞きます。
介護職が職業として定着していない、じゃ、日本で学んだ技術、帰国後にどう生かされるんですかといったら、大いに疑問なんですよね。送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握、厳格にされていますか。技術、技能の移転でなく、日本の介護分野の人手不足、補っているんじゃないですか。客観的に確認する手続を採用すべき。すなわち、送り出し国にある日本大使館、領事館、ジェトロ、JICAなど在外機関を通じて送り出し国の社会経済状況等を把握した上で、技能実習ニーズの有無について判断すべきだと。これは、国が実際にやっていないことを今お伝えしております。
副大臣、是非、送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握を客観的に確認する手続を採用すべきと各省庁などに御提言いただきたいんです。よろしくお願いします。副大臣、あっ、ちょっと待ってください、ここはお答えは結構です。よろしくお願いしますというお願いです。よろしくお願いします。
日本の外国人実習制度については世界からはクレームの嵐です。国連からは、女性差別撤廃委員会、人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、自由権規約委員会からは二度指摘いただき、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意すると。アメリカ国務省人身売買報告書では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者をこれまで一人も認知していないと、二〇〇七年から二〇一六年まで毎年指摘されました。
世界は見ています。そして、世界に完全にばれてしまっているようです。これではさすがにまずいと、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が成立。運用は今年十一月から。
現在、現場ではどんな問題があるでしょうか。資料の一、冊子になります。外国人技能実習生権利ネットワーク発行、「実習生ネット通信」から紹介。ショッキングな写真があります。お気を付けください。
六ページです。二〇一五年冬、中国から来た黄さん、二十四歳。監理団体は岐阜県大垣の商工会、受入れ企業は大垣市の段ボールの製造、こん包資材の加工業者。黄さんはそこで段ボールを製造していましたが、翌年七月、B段繰ロール、機械ですね、七ページの左、のロールに右手を挟まれた。けがは、親指を除く四本の指のうち、小指は曲がらず、ほかの三本は骨まで砕けるほど。直ちに病院へ搬送、入院。資料を見れないインターネットの方々にお伝えすると、親指と小指以外は一つになっています。そして、テニスボールのようになっています。
入院治療から二か月、医師の診断書、治療終了までに今後十二か月を要し、皮膚移植手術を二回、指の分離手術を三回程度予定していると。当時、黄さんのビザの期限、二〇一六年十二月十七日まで。更新が必要です。日本での治療を強く望んでいた黄さんは、監理団体の商工会及び受入れ企業にビザの申請を何度もお願い。しかし、商工会は、けがをしたので技能実習一号から在留資格を延長する技能実習二号へ移行する試験が受けられない、そのため、制度上在留資格がなくなることを理由にビザの申請を拒否。同時に、資料七ページに書いてあります在留資格変更に係る確認書に署名を求められたといいます。要は、監理団体にも受入れ企業にも責任はないという書類です。
黄さん、名古屋入管、大垣労基署を訪ね、監理団体はビザ申請をせず、確認書に署名するよう言われたが、確認書に同意できない、自分でビザ申請ができないかを相談しました。入管や労基署は、制度上自分で申請できない、監理団体と話し合うしかないと言われ、行き詰まった黄さん、岐阜一般労働組合第二外国人支部へ相談。このことが明るみになりました。
業務中けがを負った実習生への対応で特に多いのが、労災休養中の実習生に在留資格延長のための移行試験が受けられないという理由で帰国を強要すること。このように、実習生が長期の療養を必要とする場合などで技能検定試験を受験できず、在留資格の延長ができない場合、一時的に在留資格を特定活動などに変更することによって治療を受けたり、その後、回復状況により再び技能実習への在留資格変更を行い、復帰する道が考えられると思います。
お聞きします。
例えば、特定活動などに在留資格を変更した状況でも、技能実習生の労働契約は労災休業時でも解雇はされないということでよろしいでしょうか。つまり、在留資格変更で自動的に労働契約が終了することはないということでいいですか。また、このような状況で使用者が技能実習生に合意による退職を迫ることは、法的にどういった問題となりますか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
まず、労働災害による休業中の解雇についてでございますけれども、労働基準法におきましては、第十九条で、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間は解雇してはならないことが規定されておりまして、技能実習生は労働基準法上の労働者でありますので、この規定が適用されるということでございます。
それから、在留資格の変更と労働契約の終了についてでございますが、技能実習生についても通常の労働者と同じ労働関係法令が適用されますので、労働契約の終了事由についても同様でございます。具体的には、その労働契約の終了事由には、一般的に使用者から解約をする解雇、それから労働者からの解約である辞職、労使の合意による合意解約などがあると解されておりますが、先ほど申し上げましたとおり、労働災害による休業中の解雇は禁止をされておりますけれども、仮にそれ以外の場合において在留資格が変更されたことによって解雇をされたというような場合には、労働契約法の規定に基づいて当該解雇の有効性が司法において判断をされるということになります。
それから、もう一点、合意による退職を迫ることについてお尋ねがございました。これも司法において判断されるものでございますけれども、最高裁判例でも示されているように、殊更に多数回、長期にわたるなど、自由な意思決定が妨げられている状況での退職勧奨行為は違法な権利侵害となり得るということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
確かに労働の法律では守られています。でも、言葉がうまく話せない実習生には、日本人と同じルールでしか守ってもらえないというのはかなりハードル高いと思いませんか。司法の判断と言いました。裁判、これできますかねって。実習生制度としてしっかりとサポートすることを考えるべきだと思うんですけれども、新しい法律の内容を聞いてもいまいち実効性に欠ける、技能実習生の救済についてはっきりとまだまだ決まっていないことが多いというのが正直なところじゃないかなと思います。
実習生を受け入れる企業などには、それぞれ受入れの人数枠があるとお聞きしました。そもそも人数枠を設けた理由、簡単に教えてください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度の趣旨が、先ほど申し上げましたとおり、技能等の開発途上国等への移転を目的とするものであることに鑑みまして、受入れ企業の基準として受入れ企業の常勤職員数に応じた技能実習生の受入れ人数枠を設けておりますのは、受入れ企業における十分な指導体制を確保するためのものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
例えばでお聞きします。今、常勤職員の数が五十人の企業は、現在、実習生の受入れ可能人数は九人です。今年十一月から始まる法律の運用で、受入れ人数は最大で何人まで増やせますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 新制度におきましては、通常の受入れ機関の場合は技能実習二号までの技能実習生が最大十五人、それから、中でも優良な受入れ機関の場合、これはまさに十分な指導体制が確保できているものということでございますけれども、技能実習三号までの技能実習生を最大六十人までそれぞれ受けることが可能になります。
○山本太郎君 最大九人だった受入れ枠が最大で六十人、九人が六十人、これすごい拡大ですね。資料の三、この大幅な受入れ拡大、技能、技術を移転するための実習制度の意義を変えるものじゃないですか、空洞化させるんじゃないですか。技術、技能を移転するためにこれ人数ちゃんと制限しなきゃいけないねという話だったのに、九人が六十人というような、例えば五十人の常勤職員がいるところであれば、これぐらいの幅を持って拡大させるって、これ異常じゃないですかねって。
実習生の権利侵害に関わる数々の問題については、はっきりとした解決方法もなく、答えもないまま、ちゃんとやりますという雰囲気物がほとんど。世界中から人身売買国家認定された反省、反映された制度にもなっていない。どう実習生を守るか、具体的に決まっているものの方が少ない。一方で、労働者の数を増やすことだけは、安い賃金で調達するための人数枠拡大だけは、何よりもむちゃくちゃ具体的じゃないですか。受入れ体制もできていないのに、受入れ枠拡大なんて筋が通りますかね。
日本に来た実習生の日本での記憶が、過去に国連などで報告された実習制度そのものであったなら、つまりは、長時間労働、超低賃金、暴力、性的虐待、パワハラ、モラハラのオンパレードといった思い出だったとしたら、日本なんて大嫌いだという人々を日本国自ら大量生産しているのと同じことですよ。周辺国の若者たちから奴隷労働の事実が口コミで広がれば、日本がアジアのリーダーになる日など永遠に来ることもありません。アメリカからも人身売買国家として認定されるきっかけの実習生制度は、進みながら改良することなど許されないと考えます。
しっかりと体制ができるまで、受入れは中止するべきじゃないですか。副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(盛山正仁君) 山本先生の御指摘、我々もそういうような御指摘があるのは承知はしておりますけれども、誤解に基づく御指摘も多いのではないかなと、そんなふうに思っております。これまでの法案審議でもそういうようなやり取りが行われたところであります。
さて、お問合せの件でございますけれども、御指摘のとおり、技能実習法は今年の十一月一日から施行されるという予定でございます。同法に基づき、法務省として管理団体の許可を厳格に行っていく、それとともに、外国人技能実習機構においても、技能実習計画の認定や実習実施者などに対する実地検査などの管理監督業務を的確に行い、併せて、技能実習生からの相談、申告への対応や援助などの技能実習生保護業務をきめ細かく行っていくこととしております。
そして、何といいましても、政府間の取決め、相手国との間の取決めによりまして、送り出し国や送り出し機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めることとしております。こうしたことを通じて制度の一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○山本太郎君 国家戦略特区関係も御担当されている山本大臣にお聞きします。
外国人労働者がいないと日本の社会回っていかないんですかね、もう。いかがお考えですか。
○国務大臣(山本幸三君) これは先生先ほど御指摘されましたけれども、日本再興戦略二〇一六で、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ政府全体で外国人材の受入れについては検討していく必要があると、そういうふうに再興戦略で書かれているわけであります。
一方で、私どもは、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する専門的、技術的分野の外国人の受入れは重要と認識しているところであります。このため、国家戦略特区担当大臣としては、日本経済活性化の観点から外国人家事支援人材の受入れ事業を推進するとともに、現在提出中の改正国家戦略特区法案に盛り込んだ強い農業を実現するための農業外国人材の受入れや、クールジャパン、インバウンド分野の外国人材の受入れを進めてまいりたいと思っております。
詳しいことは法案の審議のときにしっかりとやりたいと思いますが、一方で、技能実習制度の問題については、先生御指摘のようなことは認識しております。劣悪な労働環境や低賃金等により、技能実習生のような、失踪も起こっておりまして、そういう問題が生じないような万全の対策を講ずる必要があると思っております。
このために、今回の制度設計においては、国と自治体が合同で協議会を設置して、国、自治体が自ら受入れ企業を直接管理することで、労働時間、賃金等の労働条件等を適切に管理する仕組みを導入する予定でありますし、また、仮に問題が生じた場合は外国人材を適切に保護できるよう、苦情相談を直接受け付ける窓口を協議会に設置する予定でありまして、これらの取組により万全を期してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 もう終わりなのでまとめます。
受入れ体制ははっきり言ってまだできていないと思います。修正点たくさんあるのに、それもせずに受入れ枠の拡大、これは余りにもあり得ない。ここをしっかりと体制を整えるまでは、この実習生そして国家戦略特区で外国人を受け入れるということも一度見合わせるということが必要だと強く申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
最新の記事
- 2024.12.19 環境委員会「狂ってる…秘密会議はもうやめろ!」
- 2024.12.16 予算委員会「能登の復旧・復興 いつまでボランティア頼みにするんだよ!」
- 2024.12.6 予算委員会「総理マジギレ、ガン無視の展開に 豪雪前、能登を見捨てるな!」
- 2024.10.8 本会議 代表質問
- 2024.6.19 災害対策特別委員会「政権取ったら豹変!? 被災地を切り捨てる自民党」
カテゴリ
- PCSC協定
- SPEEDI
- もんじゅ
- グローバー勧告
- サイバー
- テロ関連
- マイナンバー
- ロスジェネ
- 予算委員会
- 健康・医療戦略推進法
- 内閣委員会
- 原子力委員会設置法
- 国家公務員法の一部を改正する法律
- 国家戦略特区法
- 天下り
- 奨学金
- 子宮頸がんワクチン
- 小児甲状腺がん
- 川内原発
- 年次改革要望書
- 放射性物質拡散シミュレーション
- 新型コロナウイルス感染症
- 日米原子力協定
- 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会
- 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律
- 水素エネルギー
- 汚染水対策
- 法科大学院
- 特定秘密保護法
- 独立行政法人通則法の一部を改正する法律
- 総合科学技術・イノベーション会議に関する内閣府設置法の一部を改正する法律
- 被ばく問題
- 規制基準
- 重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律
過去ログ
- 2024年12月
- 2024年10月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2017年12月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年7月
- 過去記事一覧