国会活動
2017.4.28 復興特別委員会「新大臣 農家と直接話し合うの巻」
2017年06月09日
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資料A=資料A 日本原子力発電株式会社HP「(平成22年6月28日)原子力発電所における放射線管理の現状について」
資料①=資料① 福島県農民運動連合会「県北定例土壌検査結果 2016年度」
資料②=資料② イラスト 福島県農民運動連合会「県北定例土壌検査結果 2016年度」より
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。自由・社民の会派、希望の会を代表して質問いたします。
大臣、就任おめでとうございます。そして、本日のお話の中から少しお伺いしたいんですけれども、余りにも急な辞任で、そこからばたばたと、前任の方との引継ぎもなく今日という日を迎えたという確認だけ、そのとおりだったかどうかということだけ教えてください。
○国務大臣(吉野正芳君) お答え申し上げます。
全く突然のことで、正直まだ引継ぎもしておりません。そういう、任命を受けてから、昨日は福島、宮城、連休には岩手、宮城という形で、本当にばたばたしている中での今日を迎えておりますので、本当にこれからもよろしくお願いしたいと思います。
○山本太郎君 前任者との引継ぎが行われないまま所信表明を行い、質疑に立つということはあり得ない話だと思うんですね。私、これ、吉野大臣を責めているわけじゃないんです。これは任命した安倍総理、安倍総理がこのような状況で質疑に立たせるということまでやっぱりそれを認めてしまっているということですよね。
これ、余りにもおかしいじゃないですかということなんですよ。復興委員会がこれ甘く見られているということだと思うんですよ、私。参議院が甘く見られているということだと思うんですよ。
これ、委員長にお諮り願いたいんですけれども、この件に関すること、そして復興に関することに関して、総理出席での復興委員会の集中審議を是非お諮りください。
○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
それでは、本日の質疑に入りたいと思います。
東電原発事故により広い範囲にばらまかれた放射性物質、この影響から人々の健康を守ることは国の責務です。先日、決算委員会でも問題提起をさせていただきました農家の被曝について、是非、新大臣と一緒に考えていきたいと思います。
食の安全と生産者の安全は現在守られているのか、生産段階で放射性物質が農産物に移行するのを防ぐためにどのような取組が行われていますか、簡潔に教えてください。
○政府参考人(鈴木良典君) お答えいたします。
土壌中の放射性物質の農産物への移行防止には、土壌中のカリウム含量を高めることが効果的なことが明らかになっております。このため、農林水産省では、福島県営農再開支援事業などによりカリ質肥料の施用への支援を実施しているところであり、避難指示などにより作付けが制限されている地域や山間部で水稲などの作付けがない地域を除き、全市町村でカリ質肥料を施用しているところであります。
これらの対策や時間経過による放射能の減少などにより、例えば米については、平成二十七年産及び二十八年産では基準値を超過するものがゼロとなっております。
今後とも、こうした支援を通じて、福島県産農産物の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
今お答えがあったカリ、つまりカリウム、セシウムと近い性質だよ、カリウムを畑にまくことによって農作物が根っこからセシウムを吸収するより先にカリウムを吸収します、セシウムが農作物に移行するのを軽減するというわけですと今御説明がたっぷりありました。そして、ゼオライトというのもありますよね。空洞の多い天然の鉱物粒子で、この空洞の中にセシウムを吸着することができて、農作物が根っこからセシウムを吸収するのを妨げたり土壌の回復に役立つと。これもう以前に農水省からもレクを受けております。
放射性物質の吸収抑制対策分として、取組で、福島県では二十四年から二十九年度まででも七十七億円を超える事業になっていると。カリウムやゼオライトによって放射性物質が農作物に移行することを低減させる取組は確かに行われております。その一方で、食物に移行しなかった放射性物質はどこに行くんでしょうか。依然、畑や田んぼ、いわゆる圃場に存在したままだと。
カリウムやゼオライトにより食物に放射性物質が入ることを軽減できても、生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝し続ける。そもそも問題ない程度の汚染なんだから生産者にも影響ないってばという話は通用しません。だったら、元々カリウムもゼオライトもまく必要がないんです。農家の皆さんが汚染にさらされている事実はこの委員会に御参加の皆さんなら既に御存じのことと思います。
今日のテーマ、東電原発事故によりばらまかれた放射性物質による農業生産者の被曝についてです。
厚労省、一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合には、電離放射線障害防止規則に基づく管理区域となるものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
資料のA、一枚目ですね、一枚目、二枚目。電離則や炉規法であっても放射線管理区域は一平方メートル当たり四万ベクレル、一平方メートル当たり四万ベクレルで放射線管理区域、これを超える汚染の中で農家に作業をさせているのが国の実態です。
厚労省、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはなぜですか。
○大臣政務官(堀内詔子君) 御指摘の電離放射線障害防止規則、いわゆる電離則では、電離放射線を受けた労働者が白血病などのがんや皮膚障害などを発症するおそれがあることから、これらの健康障害を防止するため、事業者に対し、被曝管理や健康診断などの措置を義務付けているところであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
事業者は電離則により放射線管理区域などで働く労働者を守らなくちゃならない、それが十分かどうかはおいておいて、電離則とは、一般的に、事業者が放射線管理区域で働く人々の被曝を管理し、健康状態などもチェックするという規則。
農水副大臣、福島県内の営農再開、農業を再開していい基準、何なんでしょうか。
○副大臣(礒崎陽輔君) お答えいたします。
避難指示区域における営農再開については内閣府において考え方が示されており、避難指示解除準備区域等において営農ができることとなっております。
また、営農活動を行うに当たっては、農業者の安全を確保するため、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害の防止のためのガイドライン等に基づいて行うこととなっております。
品目によっては出荷制限や作付け制限等が掛けられており、まず試験栽培により農産物の安全確認を行う必要があることから、福島県営農再開支援事業により試験栽培の支援等を行っているところでございます。
○山本太郎君 農水省は、航空機モニタリング測定、飛行機で測定した後、二キロメッシュで行った後、地上三百八十四地点を測定したよと。そのうち、避難指示区域が百二十地点、うち今年四月で解除になったのが百十二、既に多くの地域で事実上営農再開がなされるか、若しくは既になされている状態だと。
放射線管理区域と同等又はそれ以上で営農する農業生産者はどのような規則、法律で守られますか。
○大臣政務官(堀内詔子君) ただいまの御質問、放射線管理区域で働く労働者はどのような規則で守られていますかといった御趣旨だと存じておりますが、医療施設や原子力発電所等、一定の場所に放射線源が存在している状況において、管理区域で働く労働者については、電離放射線障害防止規則により被曝管理や特殊健康診断などの措置が事業者に義務付けられているところであります。
○山本太郎君 ちょっと待ってください。
これ、先ほど、営農する農業生産者はどのような規則、法律で守られるのかと、放射線が散らばった場所でという話なんで、これ農水の答えなんじゃないんですか。それとも、質問時間削るために一問どこか違うやつを挟もうって考えですか。勘弁してくださいよ、時間ないのに。
じゃ、こっちで答えます。
営農、農業されている方々が汚染地と言われるところで農業を再開するために農水省はルールを使っていますと。何のルールですかって、厚生労働省の除染のルール、二つのガイドラインを引っ張ってきている。そのガイドライン、どういう内容かといったら、土地の汚染が一万ベクレル・パー・キログラム以上の土壌汚染で線引きをしている、若しくは空間線量毎時二・五マイクロシーベルト以下であれば特段の処置要らないんですよ。今言った一万ベクレル・パー・キログラム以上の土壌汚染だったりとか空間線量で毎時二・五マイクロシーベルト以上であれば除染電離則が適用される、でもその数字以下だったら適用されない。
つまり、法人、農業法人などで雇用される人々は電離則によって守られる可能性があるんですね。電離則又は除染電離則は放射線障害から労働者を守るために事業者に対して被曝管理や健康診断などの処置を義務付ける規則だから、だから法人の人たちは守られると。しかし、個人経営で農業をされる方々は誰も被曝に対する対策取ってくれません。自己責任です。
福島県の農業者のうち、法人化していない農家と法人化していない組織、集団営農の割合を教えてくださいという質問だったんですけど、時間が削られてしまったので自分で答えます。
法人化していない家族経営は九八・四%、法人化していない組織経営は〇・四%、合算すると九九%近くの農家の皆さんは個人で農業を営んでいる。要は、電離則によって守られる可能性がある人々は全体のたった一%ぐらいなんだよっていう話なんですよ。つまり、放射線管理区域と同等、それ以上の土壌で農業を営んでいても、誰も何も守ってくれない。九九%近くの農家の皆さん、気を付けてくださいね、自己責任でというのが現在なんです。乱暴過ぎませんか。
では、九九%近くの農家、その実態の一部、お伝えします。
資料の一、福島県農民連の方々、実際に土壌の測定をしました、そのデータ。二〇一六年四月と五月、百六十二か所の果樹園を測った。一か所を除いた全てが一平方メートル当たり四万ベクレルを超える放射線量だった。表を見てください、真ん中、黄色い部分、一平方メートル当たりの汚染。一番右、薄緑の部分が空間線量。例えば、一番上、伊達郡国見町、空間線量が毎時〇・二一マイクロシーベルトの場所でも、実際土壌を測ると十七万六千三百ベクレルの汚染だと。このほか、違うページ見ていただいても、空間線量がたとえ低くても、放射線管理区域の一平方メートル当たり四万ベクレル、大きく上回る桁違いの汚染、数多く存在することを確認できます。
要は、空間線量だけで安全の要件にはなり得ないよって、空間線量とともに土壌汚染も調べなきゃ意味がないよって、空間線量と土壌汚染の調査がセットでなければ安全なんて担保することできないんだということがはっきりとお分かりいただける内容だと思います。
農水副大臣、このデータを御覧になって、感想、短く一言。
○副大臣(礒崎陽輔君) できるだけ短く申し上げますが、議員の御指摘は、要は、なぜ電離則を適用しなくて除染電離則だけでいいかという御質問だと受け止めておりますが、いずれも年間の被曝量が五ミリシーベルトを超えないような基準で、元々は同じなんでありますが、この管理区域の方は放射性鉛を想定した基準となっておりますが、一方、農場の方は、除染電離則の方は、これは空気中のセシウムを基準としています。
したがって、表面のいわゆる基準が四ベクレル毎平方センチメートルを超えていても、鉛とセシウムを比べますと、シーベルトでいくと百分の一以下の値になるものですから、もしその百分の一以下であれば、除染電離則で決まっている数値以下であってもその基準は十分守られるということで除染電離則を適用させていただいているところでございます。
○山本太郎君 今の言い訳に対するお話をしたいと思います。
農水省が準用している除染のガイドラインでいくと、汚染を密度で表すキログラムの換算なんですね。そっちキログラムでしょう。じゃ、君が言っているのは平方メートルで汚染を表しているけど、私たちキログラムですからということをおっしゃっている、結局はね。どういうことかって。
人間への影響を考えた場合、厚労省の電離則でもキログラム換算ではなく表面の汚染を表す平方メートル換算使用しているんですよ。当たり前じゃないですか。土の中の汚染はなかなか影響及ぼしづらいけれども、表面にあるところで見ていかなきゃいけないというのは当たり前のことなんですよ。資料の二にイラストが描いてありますけれども、こういう意味なんですよ。
人間への影響を考えた場合では、やはり表面にある汚染を考えなきゃいけない。放射線管理区域の規定は表面汚染のほかに外部被曝線量や空気中の放射性物質の濃度などもありますけれども、キログラム換算の規定ってあるんですか。ないですよね。だからこそ、厚労省が冒頭で放射線管理区域の説明をしたときには、一平方メートル四万ベクレルというふうに、そういうふうに表示をしてくれたわけですよね。元々一センチメートル当たり四ベクレルという数字をそういうふうに換算してくれたわけですよ。
つまり、農水省が言っているのは、食べ物、食物の根っこ十五センチ、二十センチのところの汚染の話を言っているんですよ。でも、人間の健康を守るためには表面汚染を見なきゃいけない。こういうような現実に立って、今農家の人たちはすごい被曝に遭う可能性、そして今もそうしながら営農をしているという状態なんです。
大臣、お願いがあります。このデータを取った福島県農民連の皆さんの声を直接聞きに行く機会を持っていただきたいんです。現場主義だとおっしゃいました。直接声を聞くとおっしゃった。ならば、この方々の声を直接聞く機会を設けていただけないですか。そしてもう一つ、その方々のお話を聞いて、一つ一つの圃場、空間線量ではなく、そして基準よりも低いところでも測っていくという、それこそ福島の安全というものを皆さんに広げていきたいんだったらそれ必要だと思います。後ろで耳打ち、やめてくださいね。
まず、農民連と会う気があるかどうか。そして、一枚一枚の圃場を測っていくかどうか。後ろ、やめてください、耳打ち。お願いします、大臣。
○国務大臣(吉野正芳君) 御指摘の皆さんと一度会って、じっくりお話を聞いてみたいと思います。
○山本太郎君 大臣、ありがとうございます。
終わります。
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