国会活動
2017.6.16 内閣委員会「また、日本の労働環境ぶっこわすんですね。」
2017年07月13日
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○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。
もう声がかれちゃっていますね。皆さん、大丈夫ですか、頭動いていますかというぐらいの睡眠不足の中の委員会の質疑だと思います。よろしくお願いします。
これ、文科省の再調査を受けて内閣府が調査していただいて、ありがとうございますということなんですけれども、それが、先ほど委員会始まってからその内容というものが配られました。で、急遽その内容について御質問させていただきたいということで、藤原審議官、今日いらしていたので、そのまま残れませんかということを聞いたら、快くオーケーしていただきまして、ありがとうございました。
で、今さっと、時間がない中、斜めに見たりとか途中で作業止まりながらという感じで確認させていただいたんですけど、対象者九名いらっしゃったと。このうちの審議官一と書かれている、ヒアリングをしたと言われる調査対象者九名のうちの審議官一というのは藤原さんでよろしいでしょうか、確認です、藤原さんということでいいですか、これは。
○国務大臣(山本幸三君) 本人は対象者ですから私の方からお答えいたしますが、対象者の一人です。
○山本太郎君 ありがとうございます。
で、個別の文書についてというようなことが書かれているんですけど、この調査結果に、ヒアリング対象者の全てが文書一は見たことがないと回答していると書かれているんですよね。文書一って何ですかというと、藤原内閣府審議官との打合せ概要と書かれた、獣医学部新設について、これ文科省と内閣府がお話しになった内容のことですよね。この文書を確認されなかったというのは、先ほど田村委員も言われていました、内閣府にこの文書がないというのも、別にそれ、文科省がそれメモったものなんだから当然じゃないかという話なんですよね。
要は、その中身についてやり取りがあったかということまでしっかりとヒアリングしたのかという部分なんですけど、平成三十年四月開学を大前提にという部分に関して田村委員からも突っ込みがありました。で、これ、先ほど藤原さんは、選択肢の一つとして申し上げたというようなことをおっしゃっていたんですけど、じゃ、このときには平成三十年四月開学以外の選択肢はほかにも示されたということでいいですか。示されたのなら、平成三十年四月開学以外の選択肢はどんなものだったんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(藤原豊君) 御答弁申し上げます。
先ほど申し上げましたけれども、この二十六日かどうかというところにつきましても、まだ私どもの中では定かではございません。その中で、三十年四月開学ということは一つの選択肢というふうに申し上げましたけれども、当然のことながら、そこに間に合わないスケジュールの可能性というのも十分あるわけでございまして、選択肢の一つ、あるいはそれが満たされない場合につきましてもブレーンストーミングをさせていただいたという会合がこの時期に行われたということは記憶にございます。
○山本太郎君 いやいや、そうじゃなくて、ブレーンストーミング、ブレーンストーミングしたということは、じゃ、平成三十年の四月開学という選択肢以外の選択肢も、じゃ、一番いきたいのは平成三十年の四月だけれども、これが駄目だった場合に平成三十年九月だとか平成三十一年の四月だというような選択肢もほかに示されたということでいいんですか。示されたのか、示されていないのか、聞かせてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、私ども、規制改革をスピーディーに進めるという立場で仕事をしておりますので、三十年四月という場合があり得るかというところにつきましての議論、そして、それがあり得ない場合というところにつきましても、当然のことながら議論があるいはブレーンストーミングがあったというふうに考えております。
○山本太郎君 じゃ、ほかの開学予定というものも示されたということでいいですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
示す示さないということではなくて、こういった、何か資料を使って議論をしたということでもないので、私どもの中で、この開学時期の話、前例もございますし、さらに、同じ告示で一年前に議論したこともございます。また、これは文科省さんとも当時、この一年前にもさせていただいたわけでございますし、また、各省の役割分担でございますとか今後の進め方、一般に、大変何時間も議論していないわけでございますので、そういった意味で、様々な議論を当時からさせていただいたという記憶がございます。
○山本太郎君 おかしいな。平成三十年四月開学が選択肢の一つとして挙げられただけで、それ以外の選択肢は挙げられたのかということに対してお答えにならないんですね。
これ、同様に、ここに書かれている調査結果、官邸の最高レベルが言っている等の発言をした者がいないことも、ヒアリングの結果、確認されたと書いてあるんですよね。むしろ激しいことを言っていると言われているんですよ、文科省側のメモでは、官邸の最高レベルが言っていること、括弧、むしろ激しいことを言っていると。できないという選択肢はなく、事務的にやることを早くやらないと責任を取ることになるということまで書かれているんですよ。これについて、そんなことを言った覚えないと言っているんですね。理由は何だ、じゃ、どうしてこういう言葉が出てくるんだろうといったときに、ちゃんと言い訳も書かれているんですよ。スピード感を持って実現するという旨の発言をされていることから、これ、総理ですよね、総理がふだん言っていることを私たちはおもんぱかって、関係省庁との議論を行う際にこうした総理の発言に言及することはあったという意味合いの回答をされているんですよ。
ということは、これ、どう考えたってトップダウンじゃないですか、本当はね。総理の御意向はあったという文書見付かったと言っているじゃないですか、文科大臣。なのに、それがないという話にしようとしているわけでしょう、内閣府の調査。でたらめじゃないですか、こんな調査。トップダウン、間違えないようなトップダウンだった、これ、かなりこういう疑義が生まれているわけですよね。トップダウンとされていたものを自分たちでそんたくのレベルまで引きずり下ろしたわけですよね。いいお仕事されていますね。
藤原さん、これ、いいんですか。これ、事実ということで間違いないんですか、それとも、もう安倍政権と心中することを決めたんですか、自分の中で。いかがでしょう。
○国務大臣(山本幸三君) 総理の意向だ、そんなことはない……(発言する者あり)私が決めて、指示しているわけであります。
○山本太郎君 覚悟が決まっているのは大臣だけと。俺が責任取るって言ったんですか、じゃ。
じゃ、大臣、この後々この追及が深まっていった場合、もしも何か責任を取らなきゃならない場面が生じたとしたら、これ、大臣辞職ということじゃ済まないですよね。議員辞職まで考えられているんですか。
○国務大臣(山本幸三君) 仮定の質問についてはお答えできません。
○山本太郎君 御都合のいい話ですね。ずうっと仮定で、国会という場はずうっと仮定で進められる世界なんじゃないんですか。こうなったらどうなる、だからこういう法律を作ろうとか、こういう岩盤規制を行ったらどうなるということで進めてきた話なんでしょう。で、自分の進退については、これだけ世間を騒がし、これだけはぐらかし続けて、この内閣委員会だけじゃなく国会を愚弄した上に、これ、イコール国民がなめられているという話になるんですよ。野党のばかをはぐらかして、結局、どんどん審議時間が削られたということで終わる話じゃなくて、これ、イコール国民がばかにされている話なんですよ。
もしも、御自身、この先この追及が進んでこれ進退問題になったときに、大臣辞職だけで済まない話でしょう、これ。議員辞職もなさるおつもりでしょう。いかがです。
○国務大臣(山本幸三君) これは国民経済のためにやっていると、私は信念持ってやっております。
○山本太郎君 まあまあまあまあ、そうですか。
大臣、今日で国会が閉じれば、次回国会、秋ぐらいになりますかね。その頃、加計学園問題というのは、この疑惑というのは風化されている、そう思います。
○国務大臣(山本幸三君) そのような質問には答えられません。
○山本太郎君 質問には答えられませんって、当然、今のは私、事前に通知していませんよ。だって、大臣に対して事前に告知したって、官僚が作ってきた文章を読むだけじゃないですか。御自身の気持ちで答えていただきたいから、私は細かい通知はしません、告知はしません、当然ですよ。だけど、それは一国会議員として、一大臣としてお答えができる範囲でしか聞きませんよ。
先に進みますね。
大臣、内閣府では、まあ調査、こういうふうにしていただいたんですけど、元々は調査しないというものが一転調査することになったと。これは本当にありがとうございますと、その調査結果がどうあろうとということなんですけどね。
これ、大臣、やはり憲法六十二条の国政調査権ということももちろん尊重してくださった上で、誠意を持って対処をしてくださったと私は思っています。そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(山本幸三君) 国政調査権については、それは個人というよりは委員会等が決めるような話でありますが、いずれにしても、文科省においてそういう調査が行われ、内閣府の関係が示されましたので、それに対応する調査をやらなければいけないと考えたわけであります。
○山本太郎君 やらなあかん空気になったからやったというだけの話なんですか、じゃ。国会で幾ら求めても情報は出さない、法律に基づいてと言って。でも、国会という場所は、一番守らなきゃいけないの憲法なんだよって。
六十二条に基づいた国政調査権、やっぱりここは尊重して認めていかなきゃいけないということの責任感もこの調査という部分には含まれているものじゃないということなんですね、じゃ。そういう理解でいいですか。
○国務大臣(山本幸三君) そもそも憲法六十二条に基づく国政調査権は、国会議員個人に与えられた権利ではなくて、衆議院及び参議院の両議院に付与された国政を調査する権利であります。
しかし、国会からの御要請にはできる限り対応すべきものと考えております。これまでにも、内閣府としては、諮問会議取りまとめやその議事要旨などをホームページ等で公表するとともに、取りまとめに至るやり取りの時期や相手方のプロセス等にはできるだけ詳細に説明してきたところであり、可能な限り情報は公にしております。
今回、文科省の文書の再調査を、追加調査ということでありましたので、その中で文書の存在があったということでありますので、しかも内閣府との関係もありましたので、それに対応する調査はやる必要があるというふうに判断したわけであります。
○山本太郎君 もちろん両院に与えられたものですよ。でも、その両院にあるそれぞれの委員会、網羅的に数々の資料、求められているじゃないですか。一つの委員会から、あなたから求められたって、そんなもの、それ国政調査権という部分には入りませんよ的なお話でしょうけど、今のは。出先機関扱いですか、その中の一人扱いですか。違いますよ。網羅的にほとんどの委員会から求められているんじゃないんですか、この問題に関して。
はい、分かりました。なかなかそういう部分を分かっていただけないようですね。
これ、委員会の求めに応じて、内閣委員会では、恐らくこの調査に関する調査が出たから、これに関する閉会中の審査というものが行われると思うんですね。この調査に関して快く大臣も応じていただけますよね。まさか与党側の理事に対して下請のように、それ何とかもうごまかすようにしとけみたいなことはないですよね。快く受けていただけますよね。
○国務大臣(山本幸三君) そのことは国会で決めることだと思います。
○山本太郎君 失礼という話がありましたけれども、今までの国会運営の流れを見ていれば、スキップしなきゃならないところはしっかりスキップするということを、委員会、国会と行政と、しっかりと三権分立できているかといったら、なかなかそこはできていますねとは言い難い部分があるじゃないですか。失礼も何もないんですよ、現実を言っているだけです。
有権者が許してくださるなら、大臣、あと何年現役の議員としてやりたいというような、自分の中でありますか。
○国務大臣(山本幸三君) そういうこと、そういう質問に対しての答弁は差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 これ、大事な話なんですね。どうしてかというと、国家戦略特別区域諮問会議運営規則第八条を見れば、議事録は四年間公表されないんですって、四年間も。これは勝手に諮問会議で決めているんでしょう。どうして四年なんですかって。精査する期間四年も必要ないですよ。で、これ、四年後も大臣を含めた関係者がまだ現役であった場合を考えると、これ、不都合と思われる部分、先回りして隠したくなりませんかという話なんですよ。要は、四年の間に私人に戻られたりとか、いろんなことがあればいいですよ。でも、四年を超えても御自身がまだ続けられているという可能性ありますから。
これ、一番楽なというか、一番いい方法は秘密指定することじゃないかなと思うんですね。国家戦略特区に係る議論、資料などが先々秘密指定されるということ、大臣、あるんですかね。
○国務大臣(山本幸三君) ちょっと考えにくいと思います。
○山本太郎君 考えにくい。というのは、じゃ、国家戦略特区などで、国家戦略特区に関わるワーキンググループだったりいろんなところで話し合われた内容、それに使われた資料などは特定秘密に指定されるような内容ではないという理解でいいんですよね。
○国務大臣(山本幸三君) それは公で議論される話のものだと思いますので、ちょっと考えにくいというふうに思います。
○山本太郎君 ごめんなさい、何言っているか、声が小さ過ぎてよく聞き取れなかったんですけど。
まあ別に秘密指定されなくても、もう既に秘密指定されているぐらいの勢いで出てこないじゃないですか、何もかもが。だけど、一番大事なのは、四年後のこの議事、議事録とかいろんなものが出てきたときに、中にまずいものがあったとしたら隠したくなるだろうなと思って。その隠すためにはどうしたらいいだろうなと考えたときに、あっ、特定秘密というやり方あるよなと思って。でも、そういうことは考えにくいと。ないということでいいですよね、大臣、これはね。
じゃ、本法案の中身について聞いていきますね。
大臣、どうして今この日本で外国人人材が必要だと思われますか。
○国務大臣(山本幸三君) この特区の外国人材については、一般的な外国人労働者の受入れというのは私の所管外なんですけれども、特区としてお答えしたいと思いますが、これは、未来投資戦略二〇一七にあるとおり、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要があるものと認識しております。これが基本的な姿勢であります。
一方で、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する専門的、技術的分野の外国人の受入れは重要と認識しております。このために、国家戦略特区担当大臣としては、日本経済の活性化の観点から外国人家事支援人材の受入れ事業を推進するとともに、現在提出中の改正国家戦略特区法案に盛り込んだ強い農業を実現するための農業外国人材の受入れや、クールジャパン・インバウンド分野の外国人材の受入れを進めてまいりたいということであります。
○山本太郎君 どうして今外国人人材が日本に必要なのかということに関して、景気良くするためにも必要なんだよと、人が足らないんだよという意味合いのことを言われたのかなと、ちょっとよく聞き取れなかったんですが。
どうして今外国人人材が必要なのかという部分を考えるならば、やはり私、これ、今までの国家戦略なき政治の失敗、この結果、尻拭いということでこのような外国人人材をこの国に引き入れなきゃいけない状態になっているんじゃないかなと思うんですよ。大臣、そう思われません。
○国務大臣(山本幸三君) 技能実習生についてはいろいろな問題があることは承知しておりますので、そうではない専門的な人材については、一方で、先ほど申し上げましたように、経済の活性化の観点から、あるいは強い農業をつくるというような観点から必要でありまして、そうした弊害を除くような措置をしながら入れていくことは大事なことだというふうに思っております。
○山本太郎君 済みません、何かいろいろ答え用意してもらっているみたいですけど、なかなかマッチしないですね。大臣のお言葉で聞きたいんですよ、書かれている文章じゃなくて。そう思わないんだったら、そうは思わないでいいと思うんですね。
でも、私は、今ここで外国人人材を日本の中に引き入れなきゃいけないというのは、人口減少対策というものがしっかりと行われてこなかった、その一方で雇用破壊というものが行われたりとかして、その中で、やっぱり賃金、余りにも低くなり過ぎるようなところにはそういう人たちを来てもらうしかないような状況がある。それを雇用の調整弁として、労働の調整弁として、表向きには技能の移転という形にしながら、実際はそのような雇用の調整弁、労働の調整弁として実習制度を使っているという現実があると思うんですね。
ちょっと話が違う感じにしていきたいと思うんですけれども、大臣、持続可能な国づくりって絶対必要だと思うんですね。政治って、それは絶対、そのために政治があると言ってもいいと思うんですよ。今、真っ先に日本が取り組むべき事柄って何でしょう、持続可能な国づくりのために。
○国務大臣(山本幸三君) 日本の最大の問題は少子高齢化ですね。この点について、最大限それをストップさせる、あるいは改善させる政策を一番先にやらなきゃいけないと思います。同時に、そうしたことが可能になるためには、経済をしっかり回復させて、そしてそうした子供を産み育てということが可能になる、そしてそれを増やしていくことが可能になるような、そういう経済の実力を上げるということが大事になると思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
もう大臣の御経験と御知識の中から、今一番大切なものは何だ、もちろん経済成長も必要だけれども、それと恐らく両輪で、その人口、少子化対策、この国が抱えている問題、ここを解消しなきゃいけないという御見識が聞けたと思います。ありがとうございます。
で、持続可能な国づくり、これをするために国家戦略として真っ先に取り組むべき課題何だろうって。しかも、この法案、本法案と関係するところで考えると、二つあるのかなと思うんですね。一点目がちょっと二つになっているようなところもあるんですけど、まず一点目、少子化、人口減少対策とそれに係る雇用破壊の歯止めという部分が必要になると思います、これが一点目だと。
随分前から少子化になること分かっていましたよねって。大して有効な施策って打たれなかったんじゃないですか。逆に、一人で生きるだけ精いっぱいで、子づくりなど考えられないほどの生活環境を若い世代にも強いてきた、そういう状況ないですかねって。本当の意味での国家観、国家戦略を持ち合わせない政治によるツケが回ってきているのが現在とここからの未来ではないかと。
このツケに対する将来的な支払、これ安価な外国人労働者による埋め合わせという形で行われるんじゃないでしょうかと。外国人労働者が必要になった理由の一つとして、これまでの政治において有効な少子化対策、人口減少対策がなされていなかったからだと。
これ、大臣としてはいかがお考えになりますかね。もうちょっとしっかりと対策しておくべきだったと思われるのか、これは、これなりのことだったんじゃないか、どう思われますか。
○国務大臣(山本幸三君) その点については、私は、もっとしっかり早めから取り組んでおく必要があったし、その点がまだまだ十分ではなかったということは感じております。これは改めて、私の担当ではないところもありますけれども、是非内閣挙げて取り組んでいかなきゃいけないと。そのために、少子化担当あるいは一億総活躍担当大臣もつくってやるようになったんだと理解しております。
○山本太郎君 現在、国家戦略特区で外国人の就労を認めた又は認めようとしている分野というのは、家事支援、農業人材の二つですよね。この先検討が予測されるであろう、予想されるであろう就労解禁分野というのは何かあるんですかね。どんなものがあると考えられますか、大臣。
○国務大臣(山本幸三君) 今回の法案でもクールジャパン人材というのが入っております。
○山本太郎君 それは具体的に何かの業種というものが限定されるという考え方ではないということですよね。要は、クールジャパンに係るようなそういう人材をという話なんですよね。なるほど。
でも一方で、秋からは介護に関する実習生、これ受け入れるようなんですね。確かに介護人材というもの、不足しているし、全産業で見ても非常に低い給料だという部分もあるんですけれども。国家戦略特区でもこの先、外国人の人材、これ解禁に向かっていく可能性というのはありますか、介護人材に関して。
○国務大臣(山本幸三君) 特区は各自治体あるいは事業者等から強い要請が出てきて取り組む話でありますが、現状のところはそういう話は聞いておりません。
○山本太郎君 今の仕組みで考えると、国家戦略特区でやるのか、若しくは実習制度で、国交省がやったように、オリンピック建設で人手が足らないからと、緊急措置などと位置付けて、元々の制度の在り方をゆがめて延長できるようにするかというようなことが考えられると思うんですけど、これ、ほかに何か方法あるのかなと思うんですよね、ここが一番手っ取り早い入口なんじゃないかなって。ということは、秋から始まる介護分野に対する実習生の部分というのも、恐らく先々検討がなされるのが国家戦略特区なのかなというふうに思ったんですよね。
これまで国家戦略特区の、国家戦略特区の中でいいんですけど、中以外でも聞きたいかな、とにかく、これから外国人人材をどういうふうに解禁していくかとかという部分に関して、どの分野まで広げていくのかということに関して、これ国家戦略特区だけじゃなくていいんですけど、岩盤規制に穴を開けるということを恐らくずっと話し合われていると思うんですね、どこに開けるかということ。その中の外国人労働者、どういうふうに解禁していくべきなのか。で、大事なのは、どんな分野にまで拡大していくのかということは、安倍総理との間でお話とかされることありましたか。
○国務大臣(山本幸三君) 直接そういうテーマで話したことはありませんけれども、従来から、高度の専門人材は是非入ってもらって活躍してもらわなきゃいけないということで、その点について、例えば点数をあげるとか、あるいは永住権について期間を短くするとか、そういうことは取り組んできております。
そういう意味では、是非そういう能力のある外国人材はどんどん日本に入ってきてもらって活躍してもらいたいと、そういうことは考えているつもりであります。
○山本太郎君 これ、最初は限定的なんですよ、どれも、限定した職種だけ入れるとか。先ほど高度人材というお言葉がありましたけれども、これで何がまずくなっていくかといったら、最初限定的に始めていたものが拡大されていくという部分に一番危惧をすると。当然ですよね、最初は高度人材だけだよと言っていたものが、これ、どんどん開かれていったとしたら、これ、日本の労働環境というのは将来的に破壊されるおそれがあると思うんですね。先々、なし崩し的に外国人労働者の解禁、業種拡大されるおそれというものを危惧しています。
だから、岩盤規制に穴を開けるといったって、その先の未来、その先々のことがどうなっていくかというシミュレーションも併せて恐らく考えてくださっていると思うんですよ。じゃなかったら、むちゃくちゃなんですよね。岩盤規制に穴開けるといって、じゃ、小さな穴を開けてその先拡大していったことって今までたくさんありましたよねって。
資料の一、経団連、日本経済団体連合会がこれまで提言したほんの一部。ここにあるもの、ほぼ政治の場でほとんどかなえてさしあげていませんかって。
一番上、派遣法の改正もかなえてさしあげましたよね。我が国の雇用労働政策、労働者の直接雇用、大原則だった。けれども、一九八五年、労働者派遣法が制定時、このときにもまだ守られていましたよね、大原則。派遣業務は通訳、翻訳、速記、秘書、添乗など専門職十三業務に限定されていたが、その後、八六年に十六業務、九六年には二十六業務になった。原則、直接雇用は守られていた、このときは、派遣労働はあくまで例外だったと。無制限に派遣労働者の人数増えないようにして雇用と労働者を守ってはいた。
ところが、二〇〇一年以降、小泉総理の規制改革の下、経済財政諮問会議、総合規制改革会議などで労働環境の改悪が進んだ。翌二〇〇二年、宮内さん、オリックスの方ですね、議長を務める総合規制改革会議、労働者派遣及び有期労働契約の拡大を内閣に答申と。二〇〇三年六月、この答申取り入れて、製造業務での派遣解禁、二十六業務は三年から無期限、それ以外の業務では派遣受入れ期間一年から三年に延長、改正労働者派遣法が成立と。僅か二、三年の間ですか、これ、派遣労働者激増する環境つくられたんですよね。入口ちっちゃかったのに、どんどん大きくしていったねって。
まあ、民主党政権下では、一応改正でこれ何とか少しましなものにしようと日雇労働を禁止するなど若干の改善が行われましたけれども、またこれ、二〇一五年、安倍政権で労働者派遣法、再び改定した。それまで業務単位、原則三年しか派遣労働者は使えなかったのに、全ての業務で三年ごと、人さえ替えれば永遠に派遣労働を使い続けることになった。
これ、始まり、ちっちゃかったですよ、限定的でしたよ。でも、最終的には最大限まで広げているじゃないですか。これによって得したの誰ですかって。雇う側と派遣する側。これ、先行き分からず生活不安定になるの、働く人々ですよ。全体の労働者から見たらほんの少しだと言うかもしれないけど、その働き方に穴を開けてしまえば、ほかの業種にも影響及ぶに決まっているじゃないですか。非正規労働者、全労働者のうちの四割、女性は五割、失業前提の雇用ですよ、失業前提。つまり、半年後、一年後の人生設計も立てられないような働き方を政治が積極的に旗を振った。
多様な働き方、言葉の裏でやっていることは、雇用の流動化、不安定化だろうって。長時間安い賃金で働く労働者をより多く企業側に提供するがごとく、経済団体が望む提言どおりの政策を実現しているって。政治の場で全部ルールチェンジしているじゃないですか。大企業に対する大減税も、減った税、財源補填する消費税も、全部経団連求めているとおりですよ。二〇二五年までに消費税一九%にしろみたいな、頭が沸騰しているとしか思えないようなことまで提言していますよね。公務員、国家公務員、全体の奉仕者ですよ。だけど、組織票とか企業献金くれる者たちには特別親切ですねって。専任の奉仕者になっていませんかって。
で、先ほどの一覧表見ていただいても、外国人労働者ということをもうずっと言ってきているという状態ですよ。これって本当に何のために政治があるのか分からないという状態だと思うんですよね。
で、経済良くなるはずないでしょうって。二枚目見ていただきたいんですよ、大臣、資料ね。貯金ゼロ世帯ですよ。大臣、経済にお詳しいから分かりますよね。国民所得決めるのは何だって、総需要だって。総需要は何だといったら消費ですよね、一番は。で、投資、政府支出。で、消費、個人消費六割ですものね、GDP。と考えたときに、貯金ゼロ、これ民主党時代より悪くなっているんですよ、安倍政権。貧困も一六・一%、子供六人に一人貧困。単身女性、二十歳から六十四歳までの方は三人に一人が貧困。こんな状態で景気回復なんてできるはずないですもんね。
という状況の中、一方だけは物すごく過去最高益を上げるような状況になっていて、一般の方々はどんどん生活が厳しくなっていっているのがこれアベノミクスの現状だと思うんですね。
で、この状況を変えていくというか、今までの政治のツケが結局ここまで来ちゃったということだと思うんですよ。持続可能な国づくりということをしてこなかった。結局、人が部品のように入れ替わっていくということを企業側に提供した結果がこれだと思うんです。その一方で、企業側には大減税がなされ、租税特別措置とか、ただでさえあの税率で払ってないですよ、八十を超えるような税の割引サービスが存在したりとか、余りにも不公平で、持続可能ではなく、一部の人たちだけしか潤わないような状況にされているじゃないですかって。
アベノミクス効果はあったと思いますよ、三四%内部留保が増えたから。でも、みんなの給料は三四%増えていないです、消費税分も増えていない。こんな状況の中、更に外国人労働者を、外国人の人権侵害が、侵されるというような状況が残ったままで……
○委員長(難波奨二君) 山本君、おまとめください。
○山本太郎君 はい、まとめますね。
これ解禁しちゃったら、先々、世界中の低賃金競争に日本の労働者が巻き込まれるような状況にならないですか。
先ほどお伺いしたら、業種についてとか、いろいろそういう規制緩和に関してこの先どうしていくかということは深くは話していないというお答えだったと思うんですよ。そんなことで岩盤規制されたら困るんですね。長いスパンで物事を見てどうなるかということをシミュレーションされた岩盤規制ではないということが加計学園のことからも、この外国人労働者のことからも分かると、これ修正案出さなきゃいけないということで、後ほど発表させていただきます。
ありがとうございました。
【修正動議】
○山本太郎君 私は、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
これより、その趣旨について御説明いたします。
国家戦略特別区域は、我が国の経済成長を妨げる岩盤規制に改革の突破口を開き、世界一ビジネスのしやすい都市の形成等を目指すものであると政府は説明し、既得権益の突破を掲げております。しかしながら、今般の国家戦略特別区域を活用した獣医学部の設置をめぐり改めて問題点が明らかとなったように、本来であれば規制緩和にはなじまない分野の事業であるにもかかわらず、内閣総理大臣とお友達というだけで、官僚がその意向をそんたくし、さらには、官邸からの指示、圧力を受けて、そのお友達が実施しようとする事業の展開ありきで認められ、特定の地域、特定の者の利益のために規制緩和が行われている疑いがあります。
そもそも、国家戦略特別区域計画や規制改革メニューなどの重要事項について調査審議、決定を行う国家戦略特別区域諮問会議の公平性、中立性を確保する上では、会議に付議される調査審議事項について直接の利害関係を有する議員については、審議及び議決に参加させるべきではありません。しかしながら、現行の制度では審議等への参加の判断は諮問会議が任意に決めることとされており、特に有識者議員については、今春からスタートした家事労働外国人の就労解禁に続き、本法律案に盛り込まれている農業外国人の就労解禁などの規制緩和によりビジネスチャンスを得るような人物が公然と諮問会議に参加することが認められており、利益相反防止の実効性が担保されておりません。
岩盤規制、既得権益の突破口を開くとしながら、恣意的な特区の指定や特定の者への利益誘導により新たな既得権を生み出してはいないでしょうか。特に、諮問会議の議員については、大臣も有識者も規制緩和推進派ばかりで慎重派が一人もいないということ、規制を所管する大臣が諮問会議の構成員から除外されていること、諮問会議の議事録公開が四年経過後とされているなど情報公開が不十分であり透明性が確保されていないことなど、国家戦略特別区域制度には構造上の問題があります。
国家戦略特別区域で実施する特定事業等について定める国家戦略特別区域計画は、区域ごとに設置される国家戦略特別区域会議が作成し、内閣総理大臣に申請し、認定を受ける仕組みとなっております。この区域計画の作成には、区域会議の全員の合意が必要であり、住民を代表する関係地方公共団体の長も会議に参加していることから、当該地域の声が一応反映される形となっております。しかしながら、特区に指定された地方公共団体の意思決定により、規制緩和の影響を直接受け、国民、住民が本来持つべき権利が侵害されるおそれがあっても、国民、住民が区域計画に対して直接意見を表明する機会は与えられておりません。国民、住民や第三者の視点を入れる必要があるのではないでしょうか。
国家戦略特別区域における農業外国人の就労解禁については、問題の多い外国人技能実習制度と地続きになるおそれがあります。帰国させ一定のインターバル期間を設けることとされているものの、技能、技術の移転を目的としている技能実習制度の在り方をゆがめるばかりか、技能実習二号修了後の外国人が引き続き安価な労働者として働かされる懸念があります。
技能実習制度の下で指摘されている低賃金や長時間労働など劣悪な労働環境、人権侵害に対処するための外国人材の保護措置については、法律ではなく、内閣総理大臣が作成する指針に定めることとしていますが、内閣総理大臣すなわち内閣府は国家戦略特別区域におけるビジネスを推進する立場であり、実効性に疑問があります。農業支援外国人受入れ事業と同様の仕組みで既に受入れが始まっている家事支援外国人受入れ事業における外国人材についても同様の事態の発生が懸念される中、新たに農業分野で受け入れようとするのは時期尚早ではないでしょうか。
そこで、こうした問題に対処するため、本修正案を提出いたしました。
修正の要旨は、次のとおりであります。
第一に、内閣総理大臣は、区域計画に定められた特定事業が、特定の者が特別の利益を得ることとなるものであると認められる場合には、区域計画の認定をしてはならないものとしております。
第二に、内閣総理大臣は、区域計画の認定の申請があった場合には、透明性を確保しつつ、区域計画の認定の厳格化等により認定を適正かつ厳格に行うようにするため、直ちに区域計画を公表し、広く国民の意見を求めなければならないものとしております。
第三に、国家戦略特別区域諮問会議の有識者議員は、利害関係のある議案について、その議事に加わることができないものとしております。
第四に、国家戦略特別区域農業支援外国人受入れ事業に係る規定は、別に法律で定める日までの間、適用しないものとしております。
第五に、政府は、国家戦略特別区域家事支援外国人受入れ事業及び国家戦略特別区域農業支援外国人受入れ事業において受け入れる外国人の権利利益の擁護の在り方について早急に検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとし、この場合において、当該検討を行うに当たっては、我が国において外国人の権利利益の擁護を図るための活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を聴くものとしております。
以上が修正案の趣旨でございます。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
【反対討論】
○山本太郎君 私は、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の原案に対して、反対の立場から討論を行います。
今回の改正の目玉とされる農業外国人材受入れが可能になる部分、その外国人の要件として、農業に関して一定の知識、経験を持つ者とされていますが、一定の知識、経験を持ち、自国で生産活動を行う者がわざわざ日本に出向いてくるということが現実的ではなく、実際は外国人技能実習生二号修了者をスライドさせることが目的ではないかと考えます。国交省においても、緊急措置と称し、オリンピックの人手不足を、技能の移転との建前がある実習制度をねじ曲げ、雇用の労働力の調整弁に使っている現在、今後そのような方法でねじ曲げられる可能性は否めません。
外国人技能実習生制度においては数々の課題が指摘されてきました。その問題点の一つ、送り出し機関が実習生から徴収している保証金と手数料。技能実習生の送り出しがビジネスとして展開されており、実習生は来日前に送り出し機関に対し多額の渡航前費用を支払うことが当たり前になっている。渡航前費用には渡航前手数料や費用として百万円を超えるというケースもあり、技能実習の経験者の中には、送り出し機関に対し、ビザやパスポート費用、手数料として計九十一万円、更に渡航前研修時の学費や生活費で約六万五千円、また保証金として約五十五万円など、合わせて百五十万円以上を払っていたという人もいるとのことです。
このような現状でも、日本に来ればもうかるんだとだまされ、多額の借金をして来日、来日後の低賃金では返済が回らない状況で、多くの実習生が苦しむ現実が存在します。ほかにも逃亡したとかという話もありますが、その原因がこの事前に背負わされる借金という部分にもつながっていくということを加えて言っておきたいと思います。在留資格認定証明書交付申請書においてそのようなことがないか確認しているそうですが、それで改善することはできないようです。
政府は、六月六日、ベトナムとの技能実習における協力覚書に合意しましたと報道で発表。その覚書の中には、技能実習に関連し、保証金の徴収その他の名目の理由のいかんによらず、両国の法令に反し、技能実習生等、その親族又はそれらの者の関係者等の金銭その他の財産を管理する行為と、送り出し機関に保証金などで実習生やその家族の財産を管理することを禁止しています。
しかし、現地での実情は、保証金の徴収だけでなく、手数料やいろいろな理由を付け金銭を徴収しているのが現状。ベトナムとの覚書にも、技能実習生又は技能実習生になろうとする者から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて公表し、当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解させるために説明することとありますが、あくまでも説明してくださいねレベルの話です。
保証金だけではなく、いろいろな名目で徴収される手数料についても、何度も指摘されておるにもかかわらず、いまだ改善の兆しは見られない。ほかにも、異常な低賃金、実習生を働かせる問題については、日本人と同等又はそれ以上の賃金と言っていますが、このことを担保できる条件、ほとんどありません。どうやって確認するんでしょう。
このように、外国人技能実習生制度において問題とされたたった二つ、これを例えに出してみても課題が全くクリアにされていない状態である現在、新たに特区で外国人労働者を受け入れていいはずがありません。受入れ体制ができていないのに、受入れ人数の拡大や業種の拡大が行われていいはずがありません。部品を仕入れるように、部品を取り替えるように人間をまたやり取りするならば、人身売買国としての汚名をまた世界に広めることになります。
国連からは、女性差別撤廃委員会、人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、自由権規約委員会からは二度指摘され、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状況に関する報告がいまだ多く存在することを懸念するとともに留意すると言われている。アメリカ国務省人身売買報告書では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者をこれまで一人も認知していないと二〇〇七年から一六年まで毎年指摘されていました。
これで広げる、あり得ないと思います。国連人権理事会としての意識、そろそろ持つ頃ではないでしょうか。まずは、人権侵害が起こらない本当の体制ができるまでは受け入れることを一旦やめるべきではないでしょうか。
以上、私の本法案への反対討論といたします。ありがとうございました。
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