国会活動
2018.2.14 資源エネルギーに関する調査会ー参考人質疑
2018年02月26日
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○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。
参考人の先生方、大変貴重なお話ありがとうございました。
まず、磯部先生にお聞きしたいと思います。
今まで外に流出していた富を地元にとどめて地域に還元しようと、これはもう本当に地元の人たちにとってはすごくうれしいことというか、エネルギーを自分たちのために使えるんだと、電気以外のことにも使えるんだということで非常にテンションの上がる話だと思うんですけれども、その中でも、地域サービス受けられるという、利用者は地域サービスを受けられるという仕組みも本当に、特に高齢化が加速している中で非常にもっと全体的に考えていかなきゃならないという、非常に参考になるようなお話だったと思います。
で、今、先生の頭の中にもしあれば、これからチャレンジしたい住民サービスだったりとかというものがあれば教えていただきたいということと、そして、ほかの地域の取組で、あっ、これ、いい視点だなとかいいサービスだなと思われていることがあれば教えていただけますか。
○参考人(磯部達君) 御質問ありがとうございます。
先ほどから少し触れていますように、私は健康と教育ではないかなと思っていまして、まず、地域の健康づくりというのは、高齢者の比率がどんどん高くなってきます。そうはいいながら、元気なお年寄りの方が多いんですけれども、やはり生活習慣病の改善につながるような日々の運動とか食事の提供だとかみたいなことを、それも一つのコミュニティーだと思っていまして、地域の人たちがコミュニケーションをより深くするために健康に必要なサービスを提供するというのが非常に、地域の皆さんの理解が得られやすいのかなと思っています。
それと、今少しずつ市役所の職員の方とも相談をしながら、あるいは教育長とも相談をしながら計画作りを今スタートをしているんですけど、やはり未来を担う子供たちへこうした再エネの重要性、地域づくりの重要性を、小学校には小学生の教え方、高校生には高校生の教え方、それぞれに合った形で、いかにそういった再エネの活用の重要性あるいは地域づくりの重要性というのを教える機会を、我々の活動を通じて、そうすることによって、一旦例えば外に出ても、ああ、子供のときに刷り込まれたそうした思いがあって、ある年代になって経験をされてきたらまたUターンをして地元のために尽くそうという子供たちが増えると思いますので、やはり健康と教育というところに力を入れてやっていきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
日本版シュタットベルケ、これを拡大していく上で、これちょっと障害になっている、若しくはなり得るなと思うような何か規制だったりとか法律というのは存在しますか。
○参考人(磯部達君) 先ほどから先生方の御質問ありますように、電力の安定化と。安定という意味では、今の法律の中で、電力の大手の一般電気事業者、私たちでしたら九州電力等の御支援をいただける形は取れていますけれども、例えば今直面している問題としては、この冬、例年になく雪が多い寒い日が続いています。どうしても地域にある再生可能エネルギー一〇〇%というわけにいきませんので、電力卸市場からの電力の調達をしています。
そういう意味で、安定供給の法律的な仕組み、制度は整っているんですけれども、こうした冬寒い日が続きますと、新聞紙上でも出ていますけれども、西日本は特に例年の八割アップみたいな単価になっています。五十円を超えるようなというのは、キロワットアワー五十円というのは、一般の家庭の電気代というのがおよそ二十何円かぐらいですから、その倍ぐらいの値段で電気を調達せざるを得ないというところがございますので、ただ単に寒いからということだけではなくて、様々な、結果として電力市場の安定化が保てないとすると、そうした市場の公平な取引に対してきちんと目を向けていくような、もっと厳密的なルールや法律みたいなこともあればなというように、日々の活動の中ではそう思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
続きまして、諸富先生にお聞きしたいと思います。
発送電分離についてなんですけど、日本では法的分離という方法を取ると。一つの電力会社が送電だったり発電だったり小売だったりということを同一のグループに置くことができますよということだと思うんですけれども、これ結局、地域独占でやってきた旧来の巨大電力会社が送電線を握り続けることになっちゃうんじゃないかな、本当の自由化とは言えない状態に陥る可能性が高いんじゃないかなと思います。そこには不正、不公正がないようにと強い権限を持った電力・ガス取引監視等委員会が存在するというんですけど、これ国会での人事ではないと。任命するのは経産大臣であるので、時の権力のありようによっては自由化が阻害されるおそれもある、そういうふうに思っちゃうんですよね。
例えば、この日本の監視機関に付け加えるべき権能あるとするならば、例えばどんなものがあるでしょうか。
○参考人(諸富徹君) ありがとうございます。
この発送電分離を成功させることができるかどうかというのは、非常に重要な日本の電力システム改革上の重要な分岐点だというふうに思います。そういう意味では山本先生の御指摘のとおりでして、そういう意味では、監視委員会とそれから広域の機関ですね、広域系統に関する広域機関が非常に重要な役割を果たすと思います。それに加えて公正取引委員会、これらが恐らく、発送電分離後、確かに法的分離という形で欧州がやってきた所有分離に比べますと一見弱いとも見えるわけですけれども、ただ、こういう形で法律が通りましたし、スタートさせたわけですから、できる限りその枠の中で送電部門における中立性というものを担保する方向にやっぱり持っていくというのが重要かなというふうに思います。
その意味で、既に幾つか人事交流だとか様々なことが進んではおりますが、新たに与えるべき権能としては、やはりその監視委員会の役割は非常に重要だというふうに思いますが、やはり電力系統の状況、容量問題とも関わりますし、それから市場の取引、磯部参考人からも問題提起のあった点でございますが、市場の活性化、市場の取引が本当に公正に行われているのかどうか、透明な取引が行われているのかどうかに関してきちっとそのマーケットから監視委員会の方に情報提供が常時行われる、それからその系統の使用状況についてもリアルタイムの情報がやはり監視委員会の方に届けられる、それについてのやっぱり分析をきっちり監視委員会の方で行っていくというようなことが今後必要かというふうに思います。
そして、競争条件の公平性が損なわれていると判断された場合、あるいは市場取引において十分な、客観的かつ透明な取引が行われてはいないというようなケースが見られた場合について、やっぱりその条件に照らして適宜監視委員会が当該問題について取り上げ、そして調査を行い、場合によってはそれについてペナルティーを含めた措置をとることができる権限、ちょっと私も法律をつまびらかに存じ上げていませんので、既に現存の権限で十分なのかどうかということについては私も深くは存じ上げていないんですけれども、こういった一連の権限が十分必要かなというふうに考えています。
以上でございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
最後に二つ聞きたいんですけれども、一つはざっくりと。全体的に見て、日本の電力自由化、これは順調に進展していると言えるのでしょうか、それとも言えないのでしょうか。そしてもう一点、自由化の障害になり得る事情、障害になり得る事情があるとするならば、先生の陳述をお伺いした中でいえば空き容量だったり先着優先、系統接続辺りになるのかもしれませんけれども、その中で一番自由化への抵抗が強いであろうものについてお話を伺わせていただけないでしょうか。よろしくお願いします。
○参考人(諸富徹君) 自由化の進展、順調かどうかと言われれば、私は今のところは日本のこれまでの議論の文脈の中ではそれなりに順調に進展してきているのではないかなというふうに思います。最大の次の課題は、やはり山本先生御指摘のあった、発送電分離をきっちりやることができて送電部門の中立化を果たすことができるかどうか、そして再生可能エネルギーのような新規の事業者とそれから既存の事業者の競争の公平性を担保できるかどうか、この辺りが次の試金石になっていくというふうに思います。
障害ということになりますと、やはり今このプレゼンテーションでも取り上げさせていただきました系統容量の問題、これは最大の問題でございましたが、一定程度解決の方向に向けて動き始めております。
続いて、大きな問題として次の課題だと私が考えておりますのは、やはり卸電力市場ですね。これをやはりどのように育て、活性化し、そこで透明かつ公平公正な取引というものが行われていくかどうか、これも次の重要なポイントかというふうに思います。今までは、電力市場を通さない形で相対取引、電力会社の中で発電されたものを電力会社の小売部門が受け取って販売するという形だったんですけれども、新規事業者がそこへ入ってきますと、取引市場というものの客観性、透明性、公平性というものが非常に重要なポイントになってきます。
ただ、これについては僅か、これまでは、つい最近まで市場の占める比率は二、三%でしかございませんでした。ようやく最近一〇%近くになってきたんですが、これをどうやって大きく育てることができるかどうか、ここが次の大きなポイントかというふうに思っております。
○山本太郎君 終わります。
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