山本太郎(れいわ新選組代表)オフィシャルサイト

国会活動

点字版はこちら

0322-復興キャッチ

資料①日本原子力発電株式会社HP「(平成22年6月28日)原子力発電所における放射線管理の現状について」

資料②福島県農民運動連合会「県北定例土壌検査結果 2016年度」より

資料③県北定例土壌検査結果2017年度・全140件(国会質問提出用)

資料④イラスト_

資料⑤福島県農民運動連合会の申し入れ書

○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表してお聞きいたします。
昨年四月二十八日、本委員会、吉野大臣、私の質疑の最後に、福島県の農民連の皆さんと直接お会いくださると約束をしていただきました。それから五か月後の九月二十日、二十分間の会談が福島で実現をいたしました。大臣、お忙しい中ありがとうございました。
大臣、農家の皆さんの実情をお聞きになってどう思われましたか。
○国務大臣(吉野正芳君) 山本太郎先生の御尽力で、福島県の農民連の方々と懇談をする機会が得られました。本当にありがとうございます。私は、大臣に就任してから、いろんな現場の声を聞いて復興行政に役立てていきたい、このように考えておりますので、山本先生の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
そして、農民連の方々の意見を聞いて、そういう意見もあるんだなということを直接伺った中で感じたところです。これからいろんな意見を踏まえて復興行政に役立てていきたい、このように考えています。
○山本太郎君 ありがとうございました。当日は共産党の岩渕友さんも現場に来てくださいました。ありがとうございました。
それでは、本日の質疑に入りたいと思います。
東電原発事故により広い範囲にばらまかれた放射性物質、この影響から人々の健康を守ることは国の責務です。福島県の食の安全については、性質がセシウムに近いカリウムを土壌にまくことにより、セシウムが土壌に入っていても、濃度のより高いカリウムが農作物に移行、放射性物質セシウムの食物への移行が抑えられ、現在の一キロ当たり百ベクレル以下という食品の安全基準値においてはおおむね担保されています。
カリウムやゼオライトにより食物に放射性物質が入ることを軽減できても、生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝し続ける。そもそも、問題ない程度の汚染なんだから生産者には影響ないでしょうという話ならば、元々カリウムもゼオライトもまく必要がありません。確実に汚染は存在し、そこで作業をする農家の皆さんは被曝のリスクにさらされている。
厚労省、一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか。
○政府参考人(田中誠二君) お答え申し上げます。
放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合は、電離放射線障害防止規則に基づく管理区域となります。
○山本太郎君 はい。電離則や炉規法であっても放射線管理区域は一平方メートル当たり四万ベクレルです。この放射線管理区域を超える汚染の中で農家に被曝作業をさせているのが国の実態です。
資料の二、福島県農民連が実際に土壌を測定したデータ。二〇一六年四月と五月、表の真ん中、色の付いた部分が一平方メートル当たりの汚染、百六十二か所の果樹園を測ったうち、一か所を除いた全てが一平方メートル当たり四万ベクレルを超える土壌だった。一番右、薄緑の部分が空間線量。表の一番上の緑と表の一番上の黄色を見ていただくと、伊達郡国見町、空間線量が毎時〇・二一マイクロシーベルトの場所でも、実際土壌を測ると十七万六千三百ベクレルの汚染。これを見て分かるのは、空間線量がたとえ低くても、一平方メートル当たり四万ベクレル、つまり放射線管理区域を大きく上回る桁違いの汚染が数多く存在することが確認できます。
要は、空間線量だけを安全の要件にするのは危険で、空間線量と土壌汚染の調査がセットでなければ安全など担保することはできないとはっきりお分かりいただける内容だと、以前の質疑の際、これを使って説明をいたしました。
同じ要領で御覧ください。資料の三、一年後、二〇一七年四月に農民連が測定したデータ。百四十か所を測定。百三十八か所が放射線管理区域以上の汚染を確認されました。どちらのデータも同じ問題点が指摘できる内容。空間線量が低くても、高い土壌汚染が確認される。
厚労省、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはなぜですか。
○政府参考人(田中誠二君) 電離放射線を受けた労働者は白血病などのがんや皮膚障害などを発症するおそれがあることから、これらの健康障害を防止するため、事業者に対し被曝管理や健康診断などの措置を義務付けているところでございます。
○山本太郎君 農水省、避難指示が解除された地域での農作業、何のルールにのっとって行われますか。
○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
避難指示が解除された地域での農作業については、農業者の放射線による健康障害を防止する観点から、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインなどに基づき行うこととされているところであります。
○山本太郎君 農作業を行う人々が除染作業と同じガイドラインっておかしいでしょう。これ、大きな議論にならないのは何でなんですか。興味ないんですか、皆さん。
それ以外にもまずい部分があります。電離則又は除染電離則とは何か。放射線障害から労働者を守るために事業者に対して被曝管理や健康診断などの措置を義務付ける規則だと。それが適用されるのは法人などで、誰かに雇用されている人に限られる。
福島県の農業者のうち、法人化していない家族経営は九八・四%、法人化していない組織経営は〇・四%、合算すると九九%近くの農家の皆さん、個人で農業を営んでいる。要は、電離則によって守られる可能性がある人は全体のたった一%ほど。つまり、放射線管理区域と同等若しくはそれ以上の汚染がある土壌で農業を営んでいても誰も守ってくれない。国がやっていることはこれですよ。気を付けてくださいよ、皆さん、自己責任ですけどねってやつなんですよ。こんな状態、復興って呼ぶんですか。乱暴過ぎますよ。私には今、無政府状態にしか見えません。
農民連の皆さん、要求は至って真っ当です。一部読みます。
福島県農民連では、原発事故で汚染された農地の放射性物質を測定している。その結果、四万ベクレル・パー平米を超える農地が多く存在することが分かっている。この数値は電離則において放射線管理区域に該当するが、農家は除染電離則のガイドラインを自己責任でやるだけで法的に何も措置もされていない。この間、厚労省、農水省、復興庁に農家の被曝軽減や健康調査などを国の責任で実施するよう求めてきたが、除染電離則の基準にも該当しないことで無視され続けている。事故前ならば、四万ベクレル・パー平米を超えるような場所で一般人が労働することなどあり得なかったはずである。農家は、今後数十年間、放射能汚染された農地で低線量であれ被曝し続ける。若い生産者がこれから農業を続けていくためにも、国が責任を持って、汚染マップを農地一枚ごとに作成し、健康診断や条件不利地で働く福島県の農家を支援すべきである。
冒頭お話ししました福島県農民連と吉野大臣との会談、これ会談実現までに五か月もの時間を要しました。時間が掛かり過ぎている理由、省庁の職員に尋ねたら、各省庁に横断する内容なので、大臣がお答えする内容を各省庁で統一するすり合わせの時間が掛かっていると。なので、会談の日程がなかなか決まらないということで五か月待ちました。会談当日、大臣は、今日は皆さんのお話を聞きに来ましたと。いただいたお時間のそのほとんどは当事者の方々からの発言がほとんど。せっかく数か月掛かって考えたという、省庁を横断する内容のお話は全く伺えずに終わりました。
大臣、大変お忙しい中来ていただいたことは理解していますけれども、農家の皆さんは、大臣のお顔見れてよかったという会談は望んでいないんです。
農民連の皆さんの訴えはシンプル。もちろん吉野大臣にもいろんな政治的なしがらみとかがあったりして、やってあげたいけどやってあげられないということもあるかもしれません。でも、どうか同じふるさとに生きる農家の皆さんたちと腹を、後ろから役人が紙入れないでくださいよ、答えそこに載っていませんよ。腹を割って話していただける機会をいただきたいんです。腹を割って、一ミリでもどうやったら動かせるかもしれないというような可能性についても腹を割って農民連と皆さんと話し合う機会をいただけませんか。
○国務大臣(吉野正芳君) 過日、山本先生のお手配で農民連の方々とお話をし、フェース・ツー・フェースでお話をすることができました。本当に私にとっては役立つ意見をいただいたと思っております。
これからも政府としてきちんと農民連の皆様方とお話をしていきたい、このように考えています。
○山本太郎君 済みません。政府としてということは、吉野大臣が会っていただけるということでいいんですよね。
○委員長(江島潔君) 時間が来ておりますので。
○山本太郎君 簡潔にお願いします。
○国務大臣(吉野正芳君) もう私は一度お会いしましたので、政府として、いわゆる事務方の方がきちんとお話を伺う、こういうことでございます。
○山本太郎君 まとめます。ありがとうございます。まとめますね、終わります、もう時間なんでね。
これ、今日の所信の中でも大臣は、被災者の方々と意見交換をさせていただいたということをおっしゃっています。この間のは交換じゃないんです。ボールを受け取っただけなんです。まだ交換されていません。是非お会いいただきたい。四月二十六日、農民連、東京にやってきて申入れをします。大臣が難しければ、三役のどなたかを出していただきたいんです。是非お力を貸していただきたい。一回会ったからもう会わないなんて話はないですよ。同じ福島の方じゃないですか。今言ったようなひどい被曝にさらされながらも復興を頑張っていらっしゃる方に、一ミリでも動かすために、腹割って話し合う機会を是非、大臣、持ってください。お願いします。
ありがとうございました。




最新の記事

カテゴリ

過去ログ