国会活動
2018.3.29 内閣委員会「ロスジェネを救え!」
2018年04月05日
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○山本太郎君 衆議院解散までやったんですよ、少子化が国難だといって。今日の先生方のお話それぞれにありましたけれども、抜本的な改善ないじゃないかって話なんですよ。場当たり的と言うんじゃないの、こういうの。少子化問題を国難と利用して、衆議院解散を政争の道具に使ったと言われても仕方ないですよ、これ。国難なんでしょうって、どうして衆議院わざわざ解散するの、こんなのって。今までの待機児童問題から一歩進んだからいいじゃないかって、そんな話じゃないんですよって。一歩進めるんだったら別に解散しなくてもよかったでしょうって。
大きく変えるために国民に信を問うたんじゃないんですか。にもかかわらず、解散後に出された内容がこの程度じゃ、お話にならない。余りにも国民をばかにした話。
だって、少子化対策、本気でこれ解決しようという気概が見えないじゃないですか。衆議院を解散しなきゃならないほど少子化が国難と大胆アピールしておきながら、選挙が終わり、施策として発表される中身には大胆さも全くない。恐らく、少子化問題を解決するにはどうしたらいいのかという部分において、基礎的な部分においても、かなり大きな隔たり、抜け落ち、あるんじゃないでしょうか。今日はその隔たりをできる限り埋めて、少子化打破に資する対策を提案させていただきたいと思います。
では、本気で少子化を根本から解決するにはどうしたらいいんですかということなんですよね。まず、子供は欲しいけれども治療などが必要なんですという方々には、もちろん国が治療費などの後押しなどフォローが必要なことは当然とします。その上で、子供を持つ持たない、それを望む望まないは個人の自由です。しかし、国家戦略として持続可能な国をつくるためには、少子化、これ大問題ですよね。多くの方が、望めば自分の家族を持てるんだ、持つんだと考えられるようなバックアップ体制を準備する必要があると思うんです。
少子化を克服するためには、出生率を上げる必要がある。ざっくりと考えられるのは二つ。一、既にお子さんをお持ちの家庭に更に子供をつくりやすくする施策。子ども・子育て法案は、この一に関する法案だと思うんですね、足りている、足りていないは別にして。二、まだ子供を持たない人々に子供をつくりやすくする施策。
少子化国難解散後、少子化対策に資する施策としてつくられたものは何ですか、内閣府に問い合わせました。内容を見ました。少子化社会対策白書にある事業の一覧を見ると、たくさんの事業があるの分かるんですよ、予算も結構付いていてね。その多くが、既に子供がいる方々に対する環境整備的なものが多くを占めていると。その中で、収入が少なく自分一人生きるだけで精いっぱい、子供なんてつくれませんという人たちに対する施策はほとんどないんですよ。つまり、先ほどの二に該当する人々への施策。
確かに、若い年齢での結婚、出産の希望が実現できる環境を整備すると称して少しは役に立つかなと思えるものは、ぱっと見た感じあったんです、三つぐらい。わかものハローワーク等における若年者等への支援に必要な経費、非正規雇用の労働者のキャリアアップ事業の実施、結婚支援者等による連携会議の開催等経費、この三つぐらいですかね。施策の中には男女の働き方改革を進める、長時間労働を是正するなどもあり、大変重要なんですけれども、少子化問題を改善、解決するために必要な、両輪の片側である、まだ子供を持たない人々への施策が圧倒的に足りていない。収入の少ない若年層を含む人々も家族をつくれるようにならなきゃ国難突破できないですよね。
このような若年層には、具体的に経済的なサポートが必要かと思いますけれども、そこに予算充てられていない。子供つくるのはぜいたく、そうされている多くの人々の生活を底上げすることなくして、少子化対策などで国難突破など無理です。もっと大胆な施策、どうして打てないんですかって聞きたいんですけど、やっぱりこれ財源というところが、大臣、問題になってくると思いますか。
○国務大臣(松山政司君) 待機児童の解消に向けて、昨年の末に閣議決定されましたが、新しい経済政策パッケージの中で必要な財源ということで、消費税率の引上げによる増税分、この使い道を見直して活用するということで、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、また経済界にも御協力をいただくことにしております。
また、少子化社会対策大綱においても、長期的な少子化対策を行う上で必要な財源というものをしっかり確保しながら少子化対策の予算の拡充を図っていきたいと思っておりまして、極めて財源は重要な問題だと思っております。
○山本太郎君 大臣、消費税増税、これ絶対に必要であると、大臣はそう思われますか。
○国務大臣(松山政司君) そう思います。はい。
○山本太郎君 私は、税金の取り方消費税だけじゃないんだから消費税にこだわることないんじゃないかなと思うんですよね。
二〇一四年四月から消費税八%になりました。その採決は衆議院で二〇一二年六月二十六日に行われた。大臣はこの採決には賛成なさいましたか。
○国務大臣(松山政司君) はい。賛成しております。
○山本太郎君 賛成された理由は何でしょうか。
○国務大臣(松山政司君) これは今後の財政再建も含めて、国家の予算全体のことを踏まえて、消費税は必要だという判断でございます。
○山本太郎君 資料の九、政府広報。(資料提示)消費税増税の三%分を何に使うかってことなんですね。消費増税分は全て社会保障の充実に使うというふうに書いてあります。
大臣、三%増税後、その税収は、全額、社会保障に使われた、そう思われますか。
○国務大臣(松山政司君) 財政再建の部分と社会保障の部分と両面あると思いますが、使われていると思います。
○山本太郎君 ちょっと待っていただきたいんですよ。
このポスターには財政再建なんて一言も書いていないんですよ。全額、社会保障の充実、安定化に使われるって書いてあるんですよ。
○国務大臣(松山政司君) 財政再建は社会保障の安定につながるという具合に承知しております。
○山本太郎君 もう一度聞きます。
全額、社会保障の充実、安定に使われたと思いますか。
○国務大臣(松山政司君) 消費税率の引上げによる増収分は全て社会保障の充実、安定化に向けるということで承知しているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
資料の十、増税分何に使ったんですかってことなんですね。ポスターにはこう書かれていましたよね、充実と安定。資料の十には、増税分何に使ったかっていうその内容が書かれている。
三%の税収で、平成二十六年度、五兆円のうち社会保障の充実に使われたのはたった五千億円、一割しか充実させていないんですよ。平成二十九年度は八・二兆円のうち一・三五兆円、たった一六%しか充実に使われていない。充実という意味だけでは圧倒的に足りない、ある意味、詐欺的なんですよ。
先ほど、充実と安定と書かれていると言いました。じゃ、その安定の部分を含めたら二〇一七年度はどういう形になるかということを考えてみたら、三%の増収分、三%の税収から考えると、安定と充実を両方合わせても五五%、半分しか使っていないんですよ。これ、ある意味、詐欺じゃないですか。私、そう思うんです。
全額、社会保障に使うということで、払うのは嫌だけど、生活苦しいけどしようがないなということでみんな出し合っているんですよね。これを、蓋開けてみたら、財政再建のために使うなんて一言も書かれていないですよ。にもかかわらず、充実という意味では一六%、安定という部分も足しても五五%しかないんですよ、使っている部分。
これは余りにもひどくないですか。もっと子育て支援した方がいいんじゃないですか。もっと違うところに回した方がいいんじゃないですか。私、そう思うんですけれども、このことをちゃんと、税収の三%分は全額使うと言ったんだから、社会保障の充実と安定化に使うと言ったんだから、そこに使うべきだということを安倍総理に進言していただけませんか、いかがでしょう。
○国務大臣(松山政司君) 少子高齢化を始め社会保障を充実させるためにも、この消費税引上げに当たりその使い道を見直すことによって、子育て世代、また子供たちに大胆に投資をするとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当するということにいたしておりますので、総理を始め内閣一丸となってこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
○山本太郎君 全く答えていないんですよ。
うそついているんですよ、これ。松山大臣はそういうおつもりじゃなかったかもしれないけれども、今実際行われていることは、国民との約束をほごにして、全額使っていない。これ、大問題じゃないですか。うそつき続けていることになりますよ。
この問題をしっかりと安倍総理にもお伝えいただきたいんですね。おかしいと言ってもらわなきゃ、おかしいって言えなきゃ駄目じゃないですか。自民党内には自浄作用がないんだなと思われますよ、これ。
資料の十一、削減された社会保障費。これ、しんぶん赤旗ですよ。いつもいい記事、ありがとうございます。野党時代の自民党が何とか政権を取り返すために、俺たちは赤旗を読んだってことを自民党の先輩から聞いたことがあります。
削減された社会保障費、全額使うとうそついた上に、五年で総額で三・四五兆円もの社会保障を削減している。これ、やっていることむちゃくちゃですよ。これによって多くの人々が、世代問わず苦しい状況に追い込まれている。消費税が増税されるたびにデフレ脱却は遠のくことはっきりしている。失われた二十年を一体何年続けるおつもりでしょうか。自分一人生きるだけで精いっぱい、子づくりなどあり得ないという状況をつくってきたんですよ、政治が。
資料の十二に、日銀調べ、一人世帯の貯蓄ゼロ。大臣、ここ短くお願いしたいんですけれども、こんな状態になっているんですね。この惨状を放置して少子化克服できるとお思いになりますか。
○国務大臣(松山政司君) お答えいたします。
若者の経済的な不安定あるいは長時間労働等々、様々な要因があろうかと思いますので、一つ一つそれを阻む要因を取り除いていくことが重要だというふうに思っております。
○山本太郎君 全くお答えにもなってないですね。
資料の十四に飛ばせてください。これ、昨日、予算委員会でも使わせていただきました。
これ、共に年度、ブルーの棒グラフが帰属家賃を除く実質家計最終消費支出、赤の折れ線が対前年度比です。ブルーの二〇一三年を見ると駆け込み需要で上がっているけれども、一四年度にはがくんと下がる。七・七兆円の下落。リーマン・ショック前、その前と後を比べてもその下落幅は二〇一四年の消費税増税の影響大きいんですよ。消費税がいかに景気の足を引っ張っているか。子供つくるどころじゃない状況を生み出しているって、政治そのものが主導しているんですよ。
で、ごめんなさい、日銀の方にお伺いしたいんですけれども、二年で二%、インフレターゲット決めて、これを達成すると言っていたけど、全然いまだにできていません。ピンポイントで短くお答えいただきたいんですけれども、二%のインフレターゲット、これを、できていない、その理由は、一つは消費増税、影響していますよね、いかがでしょう。
○参考人(前田栄治君) お答えいたします。
消費者物価の前年比がこれまで二%に達していない背景につきましては、私ども二年前に公表しました総括的な検証で詳しく示しておりますが、その理由といたしましては、二〇一四年以降の原油価格の大幅な下落、消費税率引上げ後の需要の弱さ、さらには新興国経済の減速とその下での国際金融市場の不安定といった様々な要因が影響したと、このように考えております。
○山本太郎君 資料の十五、IMFの調べ、九七年から二〇一七年までの二十年間の政府総支出の伸び率。日本、断トツのびりですよ。金出していないんです、人々に。不景気だ不景気だって、当たり前だよって、政府が金出さないんだもんって話です。
これ、安倍政権も一緒なんですよ。子育てプラン見ても分かるでしょうって、こんな額で一体どうやって少子化克服するんだって、これ一例ですよ。もっとお金出さなきゃって話なんですね。だって、それを、是非、自民党の方々、よく分かっていることと思いますが、もっとプレッシャー掛けないと、総理に。このままだったら、野党側が、もっとリフレと財政出動に、その内容に傾いたときには政権取られますよ、今までは守ってこられたけど。しっかりと伝えて、そしてそれを変えるように、金を刷れ、金をまけ、必要な場所にということをしっかりと言っていただきたい。
で、そう言うと、借金そんなにツケ回してどうするんだって話になりますけれども、続いて、資料の、次のページですね。日本の借金の増加率、そんな高くないんだって話なんですよ。イギリスとかアメリカとかフランスとか見てみてって、全然上だよって、もっと出さなきゃって、今必要なんですよ。なぜか。国民生活が完全に地盤沈下しちゃっているんですよ。これを何とか、この土台を何とかまたもう一度つくり直さなきゃどうにもならないんですね。
本来なら第二次ベビーブームに生まれた私周辺の世代、いわゆるロストジェネレーションに対して、九〇年代から二〇〇〇年代初めに最大のベビーブーム到来するような施策打たなきゃならなかった。少子化にならないように、ここで国家戦略として推し進めなきゃならなかった。でも、現実は無責任な政治が放置したんですよ。そこで何が起こったか。ある世代の二十歳から四十歳までの二十年間、失われた二十年とどんかぶり。就職氷河期、就職などまともにできない。細切れの労働、資格を取ることもままならない。景気が少し上向く頃には次々に新卒の新しい世代が正社員になっていく。一方で、自身は不安定な働き方から身動き取れない、正社員になる限界年齢に近づきつつある、今こんな状態で、ロスジェネ世代の人々に結婚して家族がつくれるような補助を国が積極的に行ってくださいよ。さっき見たでしょう、大臣、貯金ゼロ。この人たちに手厚くしなきゃ、少子化担当大臣、お願いしますよ。
ただ、大臣という立場だけじゃないですよね、名前だけじゃないですよ。自民党でも財政金融部会の副会長をお務めになられていたということなので、この財政出動とこの少子化の問題というのを非常に理解されていると思います。もう一度、消費税をこれ以上上げない、逆に戻す、そればかりか財政出動をもっと積極的に人々のためにやるということを安倍総理にお話しいただけませんか、いかがでしょうか。
○国務大臣(松山政司君) 消費税の使い道につきましては、昨年の選挙で国民に問うて総選挙ということになりまして、この度の新しい経済政策パッケージにもなっておりますので、先生の御意見も十分踏まえて総理には報告しますけれども、去年の我々の公約にしっかり国民とのお約束を守って実行していくということが重要だと思っております。
○山本太郎君 まとめます。ありがとうございます。
もう新規国債発行と大胆な財政出動以外ないんですよ。で、日銀の国債買いオペで、借金ではあるけれども財政負担ではない状態つくっているじゃないですか。実際に借金それで返しているんですよ、それを分かっているんですから。人々のための経済政策をやるように、子育て支援、介護、教育、いろんな分野に対して今必要なんです。大臣、よろしくお願いします。ありがとうございました。
【反対討論】
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、子ども・子育て支援法改正案に反対の討論をいたします。
待機児童問題を一刻も早く解決に向かわせるためにはっきりしていることは、保育職の処遇の大改善による人員の大幅増員、必要な施設の建設又は確保以外にありません。待機児童問題について、本法案は完全ではないが一歩進んだのだからよしとしよう、これはあり得ません。
安倍政権は、少子化が国難と称して衆議院をわざわざ解散までしたのですから、誰の目にも明らかな、安倍政権が言うところの革命が、少子化対策に、その中の待機児童対策に盛り込まれていなければならないはずですが、今回出された本法案の中身は、革命どころか、正直、少子化を本気で解決しようという覚悟も気概も感じられるものとは到底言えません。はっきり言って、何で解散したんですか、そう言わざるを得ない内容と言えます。
三十二万人分の保育の受皿を整備する子育て安心プランを二年前倒し、一八年度からの三年間で目標を達成するため、年度内に成立させ、待機児童対策を確実に進めると言うが、この受皿三十二万人には、申込みしたくてもどうせ無理だからと諦めて保育申込みすらしていないような人たちなど、潜在的ニーズを考慮することも調査も行われていなかったが、昨年十二月の末にやっと地方自治体に調査をするよう通達を出した程度のようです。
二〇一六年には、保育園落ちた、これ本格的に社会問題化した後も、調査する時間あったはずですよね。でもやっていなかった。逆に、知ってしまえば余計にコスト掛かるから、知らない方がいいと調査もしなかったんですか。国難の割には亀の歩みよりもゆっくりとした対応と言わざるを得ません。
子ども・子育て支援法は元々、全ての子供が健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものでなければならないという考えの下、質の向上をうたっていますが、やっていることは逆。
保育士一人当たりの面倒を見る子供の数を増やせば待機児童問題解決に近づくなど、発想が余りにも場当たり的。保育現場の現状を全く無視したその場しのぎの施策でしかありません。当然、保育現場の労働環境や処遇は保育の質とも直結します。既に過重労働の現場に、より負荷を掛ければどうなるでしょうか。処遇も、産業別の平均年収と比べて百五十万円もの差。厳しい労働環境、重い責任、安い賃金、これでは、子供が大好きで学校で学んだ人々も、保育士の道を選ぶには勇気が要ることでしょう。三万円上げたと総理に実績をどや顔で自慢されても、全ては賃金に反映されない。
今年一月二十二日、総理大臣施政方針演説で、「他産業との賃金格差を埋めることで保育士の確保に全力で取り組みます。」、総理はそうおっしゃった。たとえ三万円全額保育職員に渡ったとしても、全産業平均の年収よりも低い賃金であることを総理は御存じでしょうか。これは介護職にも言えることですが、保育職員を国家公務員にして、処遇も現在よりも大幅に増加させ、安定した職業にするくらいのことをしなければ、どう国難を突破するんでしょうか。
そろそろ放置し続けた少子化問題に本気で取り組んでいただかないと、完全手遅れの水域に近づいています。この状況を理解しようとせず、このような法案が出てくること自体あり得ないと申して、反対討論とします。
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