国会活動
2018.4.18 資源エネルギーに関する調査会「東電よ福島県農民連の声を聞け」
2018年05月14日
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資料①県北定例土壌検査結果2017年度・全140件(国会質問提出用)3
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問いたします。
歴史上類を見ないスリーメルトダウンという事故で公害をまき散らし、現在もその収束方法さえも分からない状態の東電原発事故。それにより広範囲にばらまかれた放射性物質。この影響から人々の健康を守ることは国の責務。御迷惑をお掛けした人々に対して、未来永劫誠意を持って補償しなければならないのが事業者である東京電力の責務です。
福島県の食の安全については、性質がセシウムに近いカリウムを土壌にまくことにより、セシウムが土壌に入っていても、濃度のより高いカリウムが農作物に移行、放射性物質セシウムの食物への移行が抑えられ、現在の一キロ当たり百ベクレル以下という食品の安全基準値においてはおおむね担保されています。
カリウムやゼオライトにより食物に放射性物質が入ることを軽減できても、生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝し続ける。そもそも問題ない程度の汚染なんだから生産者にも影響ないでしょうとおっしゃるならば、元々カリウムもゼオライトもまく必要がありません。確実に汚染は存在し、そこで作業をする農家の皆さんは被曝のリスクにさらされている。
厚労省にお聞きします。一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか。
○政府参考人(田中誠二君) お答え申し上げます。
放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合は、電離放射線障害防止規則に基づく管理区域となります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
東京電力の所有する施設内で一平方メートル当たり四万ベクレルに値する場所は何に分類されますか。
○参考人(小早川智明君) 御回答申し上げます。
放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合は、ただいま御説明ありました電離則に基づく管理区域になることは承知しております。当社の施設であります福島第二原子力発電所や柏崎刈羽原子力発電所では電離則にのっとりまして管理区域を設定しております。
なお、福島第一原子力発電所につきましては、構内全域が事故により放射線レベルが上昇したこともあり、基本的に構内全域を管理区域と同等の管理を要するエリアに設定しております。
○山本太郎君 電離則や炉規法であっても放射線管理区域は一平方メートル当たり四万ベクレル。東京電力の施設内でも一平方メートル当たり四万ベクレルであれば当たり前、そこは放射線管理区域になります。この放射線管理区域を超える汚染の中で農家に被曝をさせているのが国の実態で、その原因をつくったのは東京電力です。
資料の一、福島県農民連が実際に土壌を測定したデータ、二〇一七年四月、表の真ん中、色の付いた部分が一平方メートル当たりの汚染。百四十か所の果樹園を測ったうち、二か所を除いた全て一平方メートル当たり四万ベクレルを超える土壌だった。一番右、薄緑の部分が空間線量、表の一番上、緑と、表の一番上の黄色を見ていただくと、福島市仁井田字糀屋で、空間線量が毎時〇・二マイクロ、〇・二マイクロシーベルトの場所でも、実際土壌を測ると二十二万ベクレルの汚染。放射線管理区域の五倍以上ですよね、これ。
これを見て分かるのは、空間線量がたとえ低くても、一平方メートル当たり四万ベクレル、つまり放射線管理区域を大きく上回る桁違いの汚染が数多く存在することが確認できる。空間線量だけで、大丈夫、帰れ、復興だ、国がそううそぶき、人々に帰還を迫る。空間線量だけでなく土壌の汚染もセットで考えた安全でなければ、人々の将来の健康を担保することは厳しいと考えます。当たり前です。
東電、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはどうしてだと思いますか。
○参考人(小早川智明君) お答えいたします。
放射線及び放射性物質は、人体への健康影響もあることから、働く人々の被曝管理、健康管理を行う必要がございます。このため、電離則では、放射線にさらされるおそれのある業務に従事する労働者の白血病などのがんや皮膚障害が発生するおそれのあることから、これらの放射線による健康障害を防止することを目的として、事業者に対し被曝管理や健康診断などの措置が義務付けられているものと理解しております。
○山本太郎君 避難指示が解除された地域では、農業者の放射線による健康障害を防止するという観点から、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインなどに基づいて農作業を行っていいですよという話になっています。
つまり、農作業を行う人々が除染作業と同じガイドライン、これ、ひどくないですか。余りにも非人道的な線引き、国が行っているということです。除染と農業のガイドラインが同じという扱いですよ、これ。これ、国家による犯罪行為と言えると思います。
福島県の農業者のうち法人化していない家族経営は九八・四%、法人化していない組織経営は〇・四%。合算すると九九%近くの農家が個人で農業を営んでいる。電離則や除染電離則は、放射線障害から労働者を守るために事業者に対して被曝管理や健康診断などの措置を義務付ける規則。それが適用されるのは法人などで誰かに雇用されている人に限られる。
何が言いたいか。福島県の農家で電離則によって守られる可能性があるのは全体のたった一%ほど。つまり、放射線管理区域と同等若しくはそれ以上の汚染がある土壌で農業を営んでいても誰も守ってくれない。皆さん気を付けてくださいよ、自己責任でねという話なんです。これが国がやっていることなんです。復興頑張ろう、復興オリンピック、言葉だけ、上滑り。やっていることは人間の切捨てですよ。
東電、このような状況をつくり出したことに心から申し訳ないと思っているのか、それとも大してそうも思っていないのか、短めにお答えください。
○参考人(小早川智明君) 弊社といたしましては、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国や自治体により適切に除染事業が実施されているものと認識しております。また、当社も国、自治体の要請に基づき放射線測定等の支援をさせていただいております。
福島県による県民健康調査において推計された外部被曝線量では、放射線による健康影響があるとは考えにくいと評価をされているものと承知しておりますが、万一、本事故と相当因果関係が認められるような健康被害があった場合には、誠実かつ適切に対応してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 問いに答えていない。申し訳ないと思っているのかって聞いているのに。
因果関係が認められれば私たち何とかしたいと思いますって、因果関係認められるのいつだよって。国は内部被曝まで考慮していますか。農家の皆さん、東電の施設内で働く人たちよりも軽装ですよ。放射線管理区域の何倍もの場所で呼吸して体の中に取り込んでということを日頃からやり続けている方々じゃないですか。全く誠意のないお答えですね、本当に。びっくりします。お取り潰し以外ないですよ、東電は。本当にそう思います。
この地獄をつくり出した犯罪企業東電が、賠償の方法を身勝手に変更し、新たに農家の皆さんに多大な御苦労を掛けるおつもりのようです。東京電力の農業への損害賠償は、平成三十一年一月から賠償方法を一部変更するようです。
資料の二の一、福島県農民連作成、賠償見直しの問題点。問題は三つ。一つ目、損益通算の問題、説明します。農業への賠償は、果物や野菜の種類を分類した中区分品目ごとに賠償がなされます。事故前の三年まで遡り、一番売上げがあった年を基準年とする。その基準年との比較をして、それよりも売上げが低ければその分賠償しますねという方法が現在です。
資料の二の二、先ほどの資料の例を私でも理解できるような形にいたしました。一番上の表を説明すると、枠の中の数字は、オレンジ色が事故前より減った売上額、水色は事故前より増えた売上額です。一番右、合計で見ると、桜桃類は事故前よりも売上げが五万円足りない、桃類は事故前よりも二十万円足りない、ブドウ類は逆に事故前より売上げが十万円増えたと確認できます。
現行の賠償であれば、それぞれ品目ごとに事故前より売上げが減った額を、つまりオレンジ色の部分を賠償していた。表の品目でいうと、桜桃と桃類の売上げが減った分を足して賠償。しかし、せこい東電はこの賠償方法を変更、新しい賠償では、下の表になります。事故前より売上げが減った額と、事故前より売上げが増えた額を差引きして賠償額を確定する方法に変えるというんです。これ、とんでもない話ですよ。
原発事故の被害者となった農家の方々が、例えば栽培方法を変えたり、最新の機器を導入したり、品種を変えたりするなど、血のにじむような努力を重ねた末に売上げが上がったものまで混ぜ合わせて賠償額から差引きできるもので、東電の賠償をけちる方法でしかないんです、これ。原発事故以降、農家はただ賠償金を受けてきたわけではない。新しい技術、新品質、販売先の開拓など、賠償に頼らないで経営を成り立たせようと努力をしてきた。けれども、その上前をはねて賠償額を安く抑える権利がどうして東電にあるんですかって。公害まき散らした上に泥棒までするのか、東電はという話なんです。
新賠償案、農家の努力を無視、本来あるべき被害を打ち消し、見えなくするような仕組み。今説明した新しい賠償方法の通算損益という考え方は、三か月という期間のくくりをつくり、その期間中において、ほかの品目で売上げがあり、基準年より売上げが回復していれば損益通算して損害額を算出する方法。
二つ目の問題、請求時期の問題です。
今まで、農家の方が自分の都合のいい期間を決め、その期間分の損害を賠償請求をしていた。ですので、実入りのタイミングがつかみやすかった。経営に問題も生じなかった。それを、新しい賠償方法では、勝手に決められた三か月という期間ごとに損益通算させて請求させようとしている。そうなると、物によっては請求のタイミングが遅くなって資金繰りが苦しくなるケースが出てくる。
三つ目の問題、基準年の変更の問題。
野菜、果物、花卉、いわゆる園芸作物に関する事故前の基準年、これを変更しようとしています。現在は、園芸品の場合、平成二十年から二十二年度の中で売上げが高い年度を基準年として事故後の売上げとの差額を賠償。しかし、新しい東電の提案は、平成十八年から平成二十二年のこの五年間の間で、一番売上げの高い年度と一番売上げが低い年度を抜いた残りの三年間の販売額合計を販売数量合計で割った加重平均で基準価格を設定するといいます。
国税庁にお聞きします。個人の納税に係る書類の税務署などでの保存期間って何年ですか。
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
個人の事業者につきましては、適正な税務申告を確保する観点から、所得税法や消費税法などの法令により、帳簿書類を備え付けて取引を記録すること及びその帳簿書類を一定期間保存しておくことが義務付けられております。保存すべき期間は帳簿書類の種類によって異なりますが、所得税及び消費税を計算する上で基礎となる収入や経費等に関する事項を記録した帳簿等につきましては、七年間保存しなければならないこととされております。
○山本太郎君 税務に関わる書類でも保管期間は七年間。十二年も前の売上げに関する資料まで遡る必要性があるのが東電の新しい賠償方法。十二年前の関係資料、書類などを既に廃棄した農家は少なくありませんよ。東電がやろうとしていること、いかに不親切、不誠実かがこの一点だけでも分かる。資料のある農家とない農家、どうやって公平性保って基準価格設定するんですか。
加害者側の一方的な賠償方法の変更で、ただでさえ忙しい農家の方々に煩雑な資料提出の実務を強いる。許されませんよ、何やっているんですか、一体。東電、そもそも加害者が賠償基準を勝手に作り、手間が掛かり過ぎる方法に変更し、それを被害者に押し付けることなど許されません。頭が高いにも程がある。
東電の新しい賠償方法は、これまで説明したとおり、賠償金を減らし、打ち切りやすい方向にかじを切ったとしか言いようがない。このような変更は絶対に認められない。誰がばらまいた放射性物質なんですか。農家が悪いんですか。基準年もこれまでどおり、賠償方法もこれまでどおりで賠償を続けることを求めたいと思います。
東電、賠償方法の変更、許しませんよ。今後もこれまでどおりの賠償方法を続けると約束してください。それと、加えて言うと、さっきみたいな長々とやめてくださいよ。答えに行ってください。約束できるのか、できないのか、それだけで結構です。そのペーパー要らないです。お願いします。
○参考人(小早川智明君) 農林業の風評賠償につきましては、昨年十二月に福島県のJAグループ協議会様との間で、新たな算定方式による風評賠償を平成三十一年から実施し、それまでの間は現行の風評賠償を継続することで合意いたしました。現在、新たな算定方式における基準単価の設定などについて継続して検討しているところであり、引き続き、農林業関係者の皆様の御意見を丁寧に伺って対応してまいります。
○山本太郎君 全く答えていない。
ある部分では合意できた人がいるかもしれない。でも、合意できない人というのは前の賠償方法のままでいいということですか、社長。その部分だけ答えてくださいよ。ペーパーないでしょう、そんなの。お願いします。
○参考人(小早川智明君) いずれにしましても、農林業に関する風評賠償につきましては、引き続き、農林業関係者の皆様の御意見を丁寧に伺ってまいりたいと考えております。
○山本太郎君 風評でも何でもないんですよ。あんたたちがばらまいた毒物じゃないか。風評じゃないでしょう。実害なんですよ。その実害に対する賠償が東電が線引きをして支払われにくい方向に持っていくなんておかしな話でしょう。
済みません。経産省にお願いしたいんですよ。この加害者の突然の一方的な賠償方法の切替え、変更、これによって農家の皆さん本当に困っているんです。このことに対して指導していただきたいんです。そんなやり方は駄目だ、ちゃんと被害者に寄り添え、今までどおりのやり方でやれということを是非御指導いただけませんか。この後復興庁にもお聞きしますので、是非短めに前向きにお答えお願いします。
○大臣政務官(平木大作君) ただいま山本先生の方から御指摘いただきましたような新たな算定方式の基準価格等につきましては、現在も継続して検討中というふうには承知をしております。
ただ、今御紹介いただいたとおり、農林業者の皆様から不安の声が上がっているということでございますので、東京電力には引き続き、この現場の皆様の声、きちっとお伺いをして丁寧に対応するように指導してまいりたいと思います。
○副大臣(浜田昌良君) 東京電力が賠償を実施するに当たりましては、個別の事情をよく伺って丁寧な対応を行うことが重要であると復興庁としても考えております。
したがいまして、経済産業省には東京電力に対する指導の徹底を求めてまいりたいと思っています。
○山本太郎君 もう終わる頃なのでまとめます。
本当に、是非リーダーシップを発揮して、復興庁と経産省で農家の皆さんに寄り添っていただいて、こんな身勝手な、加害者が勝手に線引きをして、勝手な振る舞いをすることは絶対に許さないでいただきたいんですね。
加えて、東京電力の社長にお願いがあります。四月二十六日、本日の資料を数々提供してくださった福島県農民連の皆さんが政府と東電に交渉を行います、参議院会館で。スケジュール、是非空けていただきたい。直接農家の皆さんに話を聞いてくださいよ。ほかの方は来るでしょうけれども、社長に来ていただきたい。さっきちょっとピントのずれたお答えをいただいたので、その賠償に関して。確実にこの農家の方々の声を聞いていただきたい。四月二十六日、いかがですか。
○会長(鶴保庸介君) 小早川参考人、時間が来ておりますので。
○参考人(小早川智明君) はい。
出席者につきましては現在社内で検討させていただいているところでございます。
○山本太郎君 出席者についてはというよりは、あなたに来ていただきたいんです。社長さん、お願いします、待っています。
ありがとうございます。
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