国会活動
2018.5.9 資源エネルギーに関する調査会
2018年05月29日
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○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、参考人にお聞きした案件について政府側にもお聞きしたいと思います。
原発推進、反対にかかわらず議論すべきことが、核のごみ捨場、これをどうするかということだと思うんですけれども、これ、いつまでに処分地を決定する予定ですかって、ごめんなさい、振っていないんですけれども、御存じであれば。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
いつまでという期限は切ってございませんけれども、現世代で解決すべき重要な課題ということで、できるだけ早いタイミングでということで取組をさせていただいてございます。
○山本太郎君 現世代でと、ちょっとよく分からない話ですけど、ホームページちらっと見たときには平成四十年度ぐらいをめどにみたいなことも何か書いてあったような気がするんですが、恐らくそういうことなのかなと思います。現世代ということは、そういうことに区切りを置いているのかなと思うんですけれども。
当然、原発再稼働させれば使用済燃料どんどん増えるのは当然のことで、原発のウラン燃料は一定期間核分裂をさせると効率が低下する、だから新燃料との交換が必要。稼働するために使用済核燃料はたまっていく。
原発、おおむね十三か月ごとに定期検査に入る。その定期検査、三か月ぐらいを要するらしいんですけれど、定期検査ごとに取り替える燃料は全体の三分の一から四分の一。一度に取り替える使用済核燃料の量、炉心の大きさで変わるけれども、例えば柏崎刈羽では一炉心で一度にウラン、これは換算重量で二百三十トンもの量を入れ替えるらしいんですよね。すごい量ですよね。
この使用済核燃料を原子炉から取り出した直後は当然強烈な放射線出しているし、高熱のため移動させることができない。だから、原子力発電所内の水を張ったプールで三年から五年保管して冷えるのを待つと。今までは、原発から出てくる使用済核燃料、原発サイト内である程度冷やした後、再処理という目的で六ケ所に持ち込んでいたと。六ケ所村、使用済核燃料を受け入れるプールの容量三千トンほどだけれども、現在はそのうちの九八・九%が埋まっている。もう満杯、そういう状態ですよね。先ほど三浦委員の方からも御指摘がありました。一万八千トンとおっしゃいましたか、このうちの三千トンが六ケ所の話だということですよね。
まあとにかく、原発施設内も六ケ所村も満タンになっているという状況、このような現状で使用済核燃料、行き場がなくなって、電力会社はどうしたかといったら、リラッキングをし出したということなんですよね。原子炉から取り出した使用済核燃料を一本ずつ細い燃料棒じゃなくて、それをたくさん束ねた四角い燃料棒の集合体として取り出すと。その燃料棒の集合体をプールで収納する四角柱のケースをラックと言うらしいんですけれども、これをリラッキングすると。リラッキング、改めてラッキングし直す、改造する、ラックの構造を変えるということですよね。燃料と燃料の間の距離は、臨界反応、つまり核分裂の連鎖反応が起こらないように一定の距離を保つように最初から設計されていたにもかかわらず、臨界を起こさせないために間隔を離しておいたのに、使用済核燃料を持っていくところがないからぎゅうぎゅう詰めにし始めたという、これ非常に危険な状態です。リラッキングを推し進めて重大な事故を誘発しかねない状況であるにもかかわらず、使用済核燃料の行き場がないまま再稼働を推し進めるなんて、これ無責任にも程があるという話なんですね。やり方が違う。
だって、これ、リラッキングしても問題ないんだというんだったら、じゃ、最初の、核燃料と核燃料の距離間をリラッキングの改めた状況でも元々よかったわけですよね。元々一定の距離を保つという約束があったのに、それをぎゅうぎゅう詰めにするというのは非常に危険な状態であると言わざる得ない。
このような、置場もないのに再稼働をどんどんしていく。しかもこれ、先ほどのエネルギーミックスの話では、二〇一〇年と比較して二〇三〇年では数%しか変わらない。原発への依存を減らすも何も、ほとんど依存したままじゃないかよというような将来像しか描けていないのに、原発は再稼働し、ごみはどんどん生むということだけはもう約束されているようなものなんですよね。
そうはいっていても、最終処分地、これは選定していかなきゃならないでしょうから、この最終処分地が決まっていないにもかかわらずぎゅうぎゅう詰めの状態で更に増やすという無責任体制ということにも批判は当然集まるべきことなんですが、一度そこはおいて、最終処分地選定で最も必要なこと、注意しなくてはならないことは何だとお考えになっていますか、経産省。
○副大臣(西銘恒三郎君) 最終処分事業は、処分地選定から建設、埋設まで数十年以上に及ぶものと理解しております。こうした長い道のりを着実に進んでいくためには、国民の関心や地域の方々の理解の深まりなしには実現できるものではないと考えております。国民や地域の皆様との対話活動の中で丁寧な説明を心掛け、一歩ずつ着実に進めていきたいと考えております。
平成二十七年、最終処分法に基づく基本方針を改定して、国が前面に立って取り組むこととしておりまして、その具体的な取組として、委員御案内のように、昨年七月に科学的特性マップを公表したところであります。重要な一歩と認識をしておりまして、きめ細かな対話活動を丁寧に行ってまいりたいと考えております。
○山本太郎君 原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOで、資源エネルギー庁が全国で開催をしていますと、何を、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する理解を深めていただく説明会、質疑応答を通じてということを開催しているようなんですけれども、この意見交換会には、後援として日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、全国商工会連合会、日本原子力学会、電気事業連合会、東京電力株式会社などが名を連ねています。この後援企業が果たす役割って何ですか。時間ないので短めに教えてください。
○副大臣(西銘恒三郎君) これらは、国民の関心を深めるため、国、NUMO、電気事業者、関係研究機関等が連携しつつ、放射性廃棄物に関する広報や広聴等を具体的にシンポジウムや説明会の開催、専門家の派遣等で積極的に実施することにしております。
このような趣旨を踏まえまして、電気事業者は廃棄物の発生者として説明会での説明を行っておりますし、研究機関は説明会に専門家の派遣を行っております。経済団体は、電力の消費者として多くの産業界の皆さんにこの問題について関心を持っていただくべく説明会の広報に協力をいただいているところであります。
以上です。
○山本太郎君 これ、ちょっと決め付けでも何でもないと思うんですけど、利害関係がありそうな企業、団体が後援に付く説明会で公平公正な理解を求めるなんていうこと自体がちょっとデリカシーに欠けるんじゃないかなと私思うんですよ。
さらに、去年、五つの都府県で開いた意見交換会で、広報業務を委託された会社が学生三十九人に日当、謝礼を持ちかけて参加させていたことが発覚。これ、利害関係者と一緒に開いた説明会にお金を払って人が参加したように見せかけるというやらせですよね。このようなやらせは、原子力関係においては日常的なんですよと言っても過言ではないと思うんです。
二〇一一年の七月、九電のやらせメール問題ありましたよね、再稼働に向けた佐賀県民向け番組に再稼働を容認する意見を投稿するよう子会社などにメールで依頼していたなど。ほかにも、二〇〇八年、こんな前にも、プルサーマルに関する北海道泊三号機に関しても、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が北電側に推進側での発言の準備をお願いしたいなどと要請。これは、官民連携のやらせ劇というのが原子力に関しては非常に色濃く出てきている、今回のこのごみ問題に関しても出てきているという話なんですね。
信頼どころか疑いしか生まれないような状況を懲りずに続ける習性、これをまず変えなきゃならないと思うんですよ。議論していたって中身ないですよ。だって、やらせで集めた人間に、後援に利害関係者が絡んできて、それで内輪だけでやっているって、何も浸透もしないし理解も深まるわけがないという話なんですね。これは、議論の仕方を変えなきゃならないんじゃないかなと思うんです。
先月四月十一日、資源エネルギーに関する調査会、参考人の大島堅一龍谷大学政策学部教授に成熟した社会における真っ当なプロセスとはどのようなものとお考えになりますかと最終処分に絡めてお聞きしたら、大島先生は、「これは超長期にわたっての判断を今行うということでありますので、やはり第三者的な委員会を立ち上げて国民の関与ができるような仕組みを構築するというのが大事であろうというふうに思っています。お金で来てもらうとか、事業者が一方的に説明するとか、そういうのはやはりよろしくないであろう。」とのお答えをいただきましたと。
大島先生御自身がドイツにお友達がいらして、ドイツは、選定のための省庁をつくり、委員会をつくり、そのためのものをつくって何十年かで決めましょうと、説明会も国民的にも参加するような仕組みをつくっていっていると、大島先生御自身のお友達もそこの委員のお一人であると、このような説明があったんですね。
無理やり選んで、上から押し付けるようなやり方、結局はそういうことですよね、これも。説明会と言ったって、内輪、もう集まってきている人たちが自分たちの知り合いばっかりなわけですよね。知り合いじゃないとしても、お金もらって来ている人とかで、説明をしたって、結局、これ上から押し付けているのと変わらないですよ。広く国民に理解を得るようなやり方ではないわけだから。
これは、元々の在り方、この最終処分場をどう決めていくのかということをもう一度一からやり直す、ちゃんとした委員会をつくり、そしてそれに掛かって、国民全員に可視化されるような形の透明性というものをもう一度担保し直す必要が私あるんじゃないかと思うんですけれども、副大臣は、この件に関して、特に問題はない、今のままでいいとお思いになりますか。
○副大臣(西銘恒三郎君) 山本委員御指摘のように、やらせのようなことがあっては絶対にならないと考えております。
今、委員が御指摘のように、ドイツにおいては、二〇一三年に処分地の選定手続に関する法律が制定されまして、選定プロセスに関係者間の情報共有等を目的に産業界や政治家のほか一般国民も参加した委員会を設けるなどの取組が進められていると承知をしております。
我が国の行った説明会の中でも、例えば電力の職員が電力会社の側に座って明確にすべきだと、委員御指摘のようなことがあっては、ないと考えておりますし、広く一般の方に開かれたような形でできればいいと思っております。
以上です。
○山本太郎君 時間も近づいてまいりましたのでまとめたいと思いますが、非常にドイツのことに関して、副大臣、お詳しい説明をしていただきました。是非、日本もそのような形になっていくように、副大臣、お力をお貸しいただきたいんですけれども、約束いただけませんか。いかがでしょう。
○副大臣(西銘恒三郎君) 検討させてください。
○山本太郎君 ありがとうございます。
【意見交換】
○山本太郎君 ありがとうございます。山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、意見を申し述べさせていただきます。
元々あった東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会は、なぜか二〇一六年の末に東日本大震災復興特別委員会と資源エネルギー調査会の二つに分かれ、現在進行形の原子力事故というこの国が抱える大きな問題がいつしかエネルギー問題の一つとして丸まってしまった、その印象は否めませんが、会長や理事、委員の皆さんの御努力により幅広い質問の機会をいただけることには素直に感謝申し上げたいと思います。
原発事故のみならず、将来的にこの国が持続可能なエネルギーを持てるようにするためには、この国が抱える自然災害、これと発電施設との関係を考えなくてはならないと思います。確実に来ると言われている南海トラフ、東南海、東海、首都圏直下型地震などなど、これらが発電施設にどのような影響を及ぼすのか、本調査会でしっかりと調査をしていくということをお願い申し上げたいと思います。
新規制基準が安全を担保できるのか、できないか、これは大型の地震が実際に起こった後にしか確認できません。大きな地震があった後でなければ、新規制基準がしっかりしたものなのか、そうでないのかという答え合わせはできないわけです。ある意味、一か八かが含まれる安全性の検証に国民の生命、財産を委ねることは、世界に類を見ない現在進行形の福島東電原発事故を起こした当事国としては余りにも無責任以外の何物でもないと言えます。例えば、以前から私が調査会に参考人として是非お呼びいただきたいとお願いをしていました高知大学特任教授、内閣府中央防災会議東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会委員でいらっしゃる岡村眞先生などの地震地質学の権威など、その道のエキスパートにお越しいただき、来ると予測される大地震が日本の原発やそれ以外の発電施設などに対してどのような影響があるのかを重点的に話し合うことを是非お願い申し上げたいと思います。
これからのエネルギー調査会をより実りあるものにしていくためにも、話し合いたい事柄はほかにもたくさんあります。核のごみ最終処分の候補地を科学的に見たら、ここは処分地にしても問題ないんじゃないでしょうかというのを地図にしたのが経産省が出した科学的特性マップだと思いますが、日本のほとんどの沿岸部が処分場として問題ないことになってしまっています。以前、核の捨場として目を付けられていた鹿児島県の南大隅、非常に美しい場所で、私も何度も足を運んだことがありますけれども、限界集落的な場所を選び、金を積んで説得をされるんだと地元の方々から説明を受けました。目の前は海、背中には山を背負い、人の目から遠く離れた、ある意味自然が隠してくれる、隔絶された地域が狙われるんだなと感じました。
現在政府は、高レベル廃棄物は地下三百メートルよりも深いところ、そのような地層に埋設保管し、三百年間モニタリング、その後は蓋をして終わり、そんな地層処分を考えていらっしゃるようです。かなり雑、そんな印象を受けます。地層処分後、最大の問題は水との接触です。それまで水と接触することがなかった地層であっても、処分場を造るための工事で人間が水の通り道をつくってしまい、廃棄物と水が接触することにつながるからです。
二〇一三年、ドイツに視察に私が行った際にも、処分場に水があふれてくるのをくみ上げている様子、見させていただきました。水と触れることがなぜまずいか。核廃棄物が特殊な容器に入っていたとしても、水との接触で容器がさびることから始まり、何年、何十年、何百年の間に内容物が水とつながった場合には、水に乗って生活圏に放射性物質が出てくるのも時間の問題となるからです。
水と最終処分は絶対に相入れないものだとドイツでも説明を受けました。日本は水が豊かな国です。三百メートル掘っても水とつながらないような地層で最終処分に適すると言える候補地は幾つあるんでしょうか。経産省に確認したら、処分場所に求められる長期にわたって安定した地下環境は日本にも広く存在するとの専門的な評価が得られているとの回答が返ってきました。ドイツでも、五百メートルよりも深い部分で水を通さない岩塩層内に処分しようとしましたが、保管場所である坑道に予期しない浸水が起こり、最終処分問題が白紙に戻った。そんなことがあるぐらいですから、日本でそのような場所がすぐに見付かるなど、にわかには信じられません。
もう一点、問題として、処分後、モニタリングを始めとする安全の担保、確実に行えるのかということです。人里離れた隔絶された土地の奥深く隠されてしまえば、漏れ出していようが、そのままにされていても分かりません。
最高の処分方法が発見されるまで、若しくは人間の営みが続く限り、人間の目で管理され続けることを担保する以外に安全はないと考えます。それには多くの人々が住む大都市、そもそも核廃棄物を生み出すことになった電力消費地、大都市の中心、その地上での処分、管理が安全性を最も担保できる方法だと考えます。例えば、このようなやり取りを専門家も交えて超党派で国民にもはっきりと見える形で議論を行えるのは、私、本調査会以外にないんじゃないかなというふうに思うんですね。
是非、これからも、より本調査会での議論が闊達に、そして深く行われるように、皆様のお力をお借りして、地震の問題や処分の問題も是非深めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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