国会活動
2018.5.22 内閣委員会、文教科学委員会連合審査会「受験生の悲げき①国の失策で!」
2018年06月11日
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○山本太郎君
自由党共同代表、山本太郎でございます。社民との会派、希望の会を代表し、質疑をする前に、やはり愛媛文書の件に触れなければならないだろうと思います。
記憶がない、記録もない、問題ない。ここまでずうっと引っ張ってきたのは政府側ですよ。
一方で、出張やこれまでのやり取りをはっきりと職務の報告としてしっかり記録を取っていたのが昨日の愛媛文書。
既に勝負付いています。とっくの昔に詰んでいたんだけれども、ここまで引っ張ってきたってことなんですよね。
この問題に対して、もうさっさと勝負付けたい、もう次のところ、ステージに行った方がいいですよという話なんですね。
そのためには、解明するためには、この問題を、個別に聞くんじゃなくて、関係者全員を一度に国会に招致して、事実をそれぞれ語ってもらう必要があるんじゃないですか?
これまで複数名、一度に同時に行った証人喚問の事例がありますよね? 一回の証人喚問で複数名が証人として出席、同時に証人喚問を行った事例は過去4回あります。
以前、内閣委員会でもお願いをいたしましたけれども、委員長、安倍総理、加計孝太郎さん、中村愛媛県知事、前川喜平さん、和泉首相補佐官、さらに柳瀬元総理秘書官、藤原次長などなどを集めて、是非、複数名を招致した上で同時の証人喚問を行うことをお諮りください。
○委員長(柘植芳文君)
ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○山本太郎君
大臣、この問題、早くけりを付けた方がいいですよね? いかが思いますか。こうやって決着を付けるってこと、大切だと思うんです。早く決着付けたいという思いありますか? いかがでしょう。
○国務大臣(梶山弘志君)
その思いございます。ただ、今日の文書につきましても認識の違いがありますんで、そこをどうしていくかということだと思っております。
○山本太郎君
認識の違い、これ、正すこと大切です。だって、真実一つだから。それには証人喚問が必要だということだと思います。
それでは、本日のメーンテーマに移りたいと思います。地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案についてお聞きしたいと思いますが、地方創生の名の下に実施されてきた施策、方策の点検ということも併せてさせていただきたいと思います。
本法案も含む地方創生全体では、東京圏の人口の流入が超過する現在、これを、2020年までに東京圏への転入、転出をプラマイゼロに持っていきたい。その大目標を立てて閣議決定したのが安倍政権です。
この閣議決定がなされた日時というのはいつですか? 日時だけで結構です、教えてください。
○国務大臣(梶山弘志君)
平成26年12月27日でございます。
○山本太郎君
ありがとうございます。まち・ひと・しごと創生総合戦略、平成26年12月27日閣議決定、三年前ですね、その閣議決定がされた。
東京一極集中の是正策として、既に実施されている中には、文科省が立案して後に内閣府の地方創生の基本方針に盛り込んだ大学の大都市への学生集中是正のための方策が存在しているんですよね。大学の定員を抑制する内容になっているんですけれども。
これは事前に言っていないんですけれども、大臣、今言ったような方策も当然地方創生に資するものなんだということで、理解でよろしいですよね?
○国務大臣(梶山弘志君)
ほかの政策と併せて資するものだと思っております。
○山本太郎君
当然、地方創生を進める上では必要な一つであるということだと思います。
先ほど言いました、大学の定員の抑制という部分ですね、この方策について。平成28年度からスタートしました。狙いは、「定員を超えた私大、国立大学に対するペナルティーを厳格化、大都市圏への学生の集中を是正することを目指すもの」だそうです。
ちなみに、「ペナルティー厳格化」とは、もう皆さん御存じのとおり、大学への助成金の不交付、減額を意味する。
事前に内閣府に対して、「この方策を導入後2年間で三大都市圏における大学の定員超過は私立、公立含め何人減らすことができましたか?」と聞きましたが、内閣府は「知らない」と答弁。
同じことを文科省に聞いてみたら、いろんな部署をたらい回しにされた挙げ句、国公立大学や私立大学がどれぐらい入学者を減らしたか横断的に数を把握していないことが分かりました。
この件で最初に問い合わせたのが3月の12日。お配りした資料①の基になる、国公立、私立と横断的に把握できる数字を最終的にいただいたのが5月の10日。2か月掛かって初めて横断的な数字を確認した文科省。うちの事務所がお願いしなければ、横断的に数字を見ることがなかったということらしいんですね。
この資料の①を見れば、ペナルティー導入後、平成28年度と29年度の2年間で、三大都市圏では国立で298人減らし、超過率は0.8%改善。私立では3532人を減らし、超過率は1.2%改善。国公立、私立合わせて3921人減らしたという結果です。こういったデータって大事ですよね。
人口の集中是正するために地方創生の基本方針に盛り込み、この方策を実施しておきながら、しておきながら、その効果がどれくらいあったかも把握していないのが内閣府。その取りまとめさえしていないのが文科省。
平成29年度が地方創生五年計画の中間に当たり、まち・ひと・しごと創生総合戦略のKPIの検証を行ったと言っていましたよね?
けど、その施策の一部を成すこの大学の定員管理の厳格化の部分については、その数値さえ知らない。まとめていない。適当過ぎません?
責任持って結果にもコミットする、次に打つ手を熟考する、それを総点検っていうんじゃないんですか? それもしていないんですよ。やることやらずに、地方創生に資する、東京一極集中是正って何なんでしょうか? 掛け声だけ大声、後は興味ない、検証しない。
大学の定員抑制の方策で東京の大学に入れなかった3550人どこ行ったんですか? それについては誰も何も分からない。大学進学を諦めて東京で就職したかもしれませんよね? 元も子もないじゃないですか、こんなことになっていたら。
資料の②、東京への転入の増減。
まち・ひと・しごと創生総合戦略の閣議決定から3年を経てどうなったか? 総務省統計局住民基本台帳人口移動報告では、2017年に、東京への流入は減るどころか、転入者が転出者を約12万人上回る転入超過。22年連続転入超過。減るどころか増え続けている。
東京への転入をどうすれば抑えられるのか? その根っこに向き合わず、大学の定員を抑制し、ただ一部の数を減らしただけ。にもかかわらず、東京一極集中の流れ、むしろ悪化。これ、場当たり的な施策というんじゃないんですか? こういうのを。
これを見て一定の効果があったとみなしているわけですよね? それを拡大しようとしているわけですよね? この法案。愚の骨頂としか言いようがありません。
大学の定員抑制の方策が果たした役割以前に得られたものは、はっきり言って焼け石に水。根本的に打ち出す施策、方策が間違いであるとしか言いようがありません。
それどころか、この方策を実施することにより大きな副作用が生まれた。多大な迷惑を被ることになった人々が大勢いることに目を向ける必要あるんじゃないですか?
大学の定員数を超えたら助成金の不交付、減額、そういったペナルティーを恐れて、大学側は合格者絞っているんですよね、今。学生は、その対策として大学のレベルを下げて受験する以外は、それしかないという状況が生まれてきました。それはそうです、いきなり椅子取りゲームの椅子、大胆に減らした結果、多くの子供やその家族の現実が変わっていくわけです。
このあおりを大きく受け人生設計を変えられてしまったのは、昨年、そして今年大学入試を受けた学生たち。新しいペナルティー導入によって合否が読めない状況が生み出され、本来の学力、偏差値よりも下に下に受験をしていかなければ大学に入れない、受からないという現象が顕著に起きている。
例えばセンター試験、自己採点を踏まえた駿台・ベネッセ、河合塾、東進ハイスクールの3予備校での合否判定、ここで合否判定Aが出ていても落ちるという現象が実際に起きてしまっていると。
大手予備校の合否判定は母数も大きいですよね。かなり精度の高い判定が出ると言われている。これまでは、三予備校でA判定であれば大体受かるというのが常識、にもかかわらず落ちている。それ、最高ランクだけじゃないと。MARCH、明治、青山、立教、中央、法政、それからSSMG、成蹊、成城、明治学院、学習院、日東駒専でも同じ現象が起こっており、合否A判定であっても落ちるというケースが続出。新ペナルティーによって合否が読めない状況が生み出された。
ある程度の合格確実を取っていた者がそこで止まらない、だから下へ下へ行く。下へ下へ行った結果、受からないということがまずないと言われるいわゆるEランク、Fランクの大学で聞いたこともないようなことが起こっている、補欠合格が出る現象がEランク、Fランクで起こっている。30年以上予備校業界に身を置くベテランの先生も、このような状況は今まで聞いたことがないと言っているんですよ。
大学として合格を出してあげたいけれども、補欠合格にする。その理由は、もしも一人でも基準をオーバーしたら助成金の減額、全額カットになるおそれがあるから、合格ではなく、取りあえず補欠にしていく。ぎりぎりまで判断しない、できない状況ですと。
もうちょっとしたら質問しますからね。もうちょっと話聞いておいてくださいね、現実を。
まずは、ランクが上の大学から順番に入学者決まっていきますよね? Eランク、Fランク大学の合格者、これ最終的に確定するのはずっと後になるらしいんですよ。どうなるか分からないという嫌な状況を一番長く味わうのが偏差値が高くないとされる人たち。ランクが低いとされる大学の入試は早くに行われるけれども、最終的な合格決定、三月頃まで出ない。そうなると、嫌な気持ちで二月後半の試験、三月後半の試験をずっと受け続けることになる。
ここにも問題があるんですって。試験を受け続けられるのは経済力のある家庭だけ。幾つも試験を受け続けられない家庭では、進学諦めなくちゃならないってことなんですね。
入学試験は、大学にとって猛烈な書き入れ時であることは皆さん御存じのとおりですよね。入試なしで黒字計上できるのは、私立では早稲田大学だけとも言われているそうです。私大の多くが、どこも年内はずっと赤字で、最後の入学試験で年度末に稼いで収支がとんとんになるといいます。
大学側はたくさんの人に受験してもらわなければ経営が維持できない、入試自体が大学経営においてライフラインになっていることを考えれば、定員削減による弊害、副作用を大学独自で受験生にアナウンス、インフォメーションすることは難しいんです。
文科大臣、この方策導入する前に、このような事態になることを予測して、事前に受験生やその保護者が対策を取れるようアナウンス、インフォメーションされましたか? 文科大臣、教えてください。
○国務大臣(林芳正君)
この平成26年の12月に閣議決定されましたまち・ひと・しごと総合戦略を踏まえて、地方創生のための大都市圏の学生集中是正方策として私立大学等経常費補助金、大学等設置認可、国立大学における措置を講じておりまして、そのうち私立大学等経常費補助金については、28年度より入学定員充足率が一定の基準を超えた場合に不交付とする基準を段階的に厳格化することとしております。
文部科学省としては、平成27年6月にこれらの措置につきまして大学等の関係者に通知をするとともに、報道発表やホームページへの掲載を通じて社会に広く周知を図ってきたところでございまして、教育条件の維持向上を図り、かつ大都市圏を中心とする入学定員超過の適正化の観点から必要な措置であると、こういうふうに考えております。
○山本太郎君
ちゃんと答えてくれていないんですよ、大臣。
これ、方策が実行される前に、どういう事態になるかということをインフォメーションしたか? ってことを聞いたんですよ。していないんでしょう?
今のお話だったら、「大学で人減らししますということは広く広報をしたつもりです」と。それによる副作用、こんな被害が考えられるってことは、文科省から伝えられていませんよね。副作用を予測もしていなかったというような立場なんですか?
このような思い付きに近い大学の入学定員超過の適正化に関する基準の厳格化、こういった方策によって、多くの若者やその家族が混乱させられていることを内閣府大臣は御存じでしょうか? こういうことがあったということは御存じですか?
○国務大臣(梶山弘志君)
この制度については承知をしております。
○山本太郎君
制度は当然御存じでしょう。それによって、そのような副作用があって、大変な目に遭っている人たちが生まれ、生み出したことになったということは御存じでしょうか?
○国務大臣(梶山弘志君)
定員の厳格化、定員管理の、超過の、管理の厳格化ということになれば、そういうことになるということだと思います。
○山本太郎君
何か言っている意味がよく分からないんですけどね。「人減らしたら、当然そういうことが生まれるのは当たり前なんじゃないか」というような立場で御発言をなさったということですか? いまいち詳しい報告は聞いていないというようなリアクションですよね、恐らく。
30年以上予備校業界で働く先生は、「今の子供たちは物すごい狭い世界で生きている」と言うんですね。「大学入試で人生決まる」とか、うそばっかり教えられて、「それで人生決まらないよ」って断言してあげるんだけれども、「人生決まらない」と言ってくれるのはその先生ぐらいで、ほかの世の中は全部それで人生が決まるということになっているんで子供はそう考えてしまうと言うんですね。
それはそうですよって。だって、資料の③を見ていただいたら、JILPT、実際の社会においては、大卒と高卒で大きく変わるってこと分かるじゃないですか。
正社員で見れば、男性で高卒、大卒の生涯賃金の差は約6300万、女性では7000万円。
どう考えても学歴社会、カーストのような現実が実際に存在するじゃないですか。
大学のランク、AからFまで。Aランクでも安全圏だった子が、Cでも駄目、結果、Dランクの大学。自分の全部が否定されてしまったように子供たちは考えるといいます。「あなたのせいじゃないよ」そう言ったとしても、それでもAランクに受かっている人は実際にいるから、やっぱり自分が悪いんだってことを責めてしまう。
もちろん、大学のランクに関しては個人差があります。それぞれのランク、ほかにもB、C、D、E、Fにおいても、頑張っても報われない、そんな状態が次々に生み出されている。
なぜか? この方策始まってからですよ! って、国の失策じゃないですか! って。効果あったんですか? 12万人超過しているじゃないですか、東京。
これやって、これやっても、焼け石に水でしょう。それを10年間ここから拡大させていくなんて、正気の沙汰とは思えない。
で、KPI検証に関する報告書、検証したチームが出した内容を見たら、「現時点で目標の見直しを行うべきではない」って、何言っているんだ? って。あと半分しかないのに、どうやってKPI、これ達成するんだよって、無理ですよ。
それで、言っていることがとんでもない。「一層の取組強化により目標の達成を目指すべきである」このような被害者が多数生まれていることにも目を向けず、より強化していく。一体どんな神経しているんですか? って。見直すための政治なんでしょうって、それさえもしない。全く意味が分からない。
人々のためにならないような施策はとにかくやめていただきたいんですよ。少なくとも、どういう効果があったかは適正に検証していただきたいんですよ。この先10年間、こんな施策、東京23区に学生入れないというようなことになったら一体どうなりますか? って。
これ、一番あおり食らっているのは誰か? 皆さん大変な思いしていますよ、けど、やっぱり生活困窮というような家庭にいてる人たち、すごい大変ですよね。だって、受験するのは物すごいお金掛かるじゃないですか。昔は10校受けるのが当たり前だったって聞いていますけど、6校、8校に減っているんですって、今。それだけでも30万掛かる。
で、一応合格決まったとして、それをキープするためには入学金を払わなきゃならない、3回払う人もいるって。どの家庭も楽に払っているわけじゃない、皆さん苦労して捻出しているって。血を搾って払っています、そういうお母さんもいる。ダブルワーク、トリプルワーク、保険を解約、いろんな話を聞く。逆に言うと、定員が減らされなければこんな無駄なお金を使う必要もなかったんですよ。
その一方で、上位校に合格できる子たちもいる。小さいときからお金掛けてもらっている。
逆に、受験するときには東大と私立一本で行けるんだって、そういう家もある。
これ、何をしているか? といったら、格差広げているだけなんですよ、今の施策は、固定化ですよ。
生活保護家庭でも受験する子はいます。塾に行けている子は多くない。塾に通っていれば、今の受験について情報を得ることができる、傾向と対策、この2年で分かってきたこともあるかもしれない。
でも、学校だけの子は、そういう情報は得られていない。その点でも不利です。複数の学校を受験するお金もない、貧困のループから抜け出すために家族の期待を背負ってワンチャンスだけ握り締めて受験した子供たち、この方策の影響でどうなりますか?
厚労省の調べで、7人に1人、子供の貧困いるんでしょう。今やっている施策、方策、貧困から脱出するチャンス、階級上昇のチャンス、完全に絶たれる。格差の固定でしかありませんよ。余りにもやっていること、あり得なくないですか? ちゃんと見直してくださいよ。
それでチャンス失った貧困家庭だけじゃない子供たちもどういう状況になりますかね? 頑張ったって無理、自信の喪失、絶望、その後に、人生に、個人に与える影響は計り知れません。
この2年間の混乱を生み出したのは間違いなく政治による失策。その責任、取るんですか?
いきなり椅子取りゲームの椅子大胆に減らした結果、多くの子供、家族の人生、変えてしまった。
お聞きしたいんですけど、文科大臣、これによって不利益を被った受験生などに対して救済策を考えられておられますか?
○国務大臣(林芳正君)
大学における在籍学生数でございますが、大学設置基準第18条第3項において、大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適切に管理するものとされておりまして、この規定に基づく定員管理を行うことにより、教員一人当たりの学生数などの教育条件を維持向上させることが重要です。
そのため、文科省においては、教育条件の維持向上を図り、大都市圏における入学定員超過の適正化の観点から、平成28年度からこの段階的な厳格化を行っておりますので、こうした措置については、文科省としては、教育条件の維持向上のためには必要なものと考えております。
○山本太郎君
聞いていないのに。
○委員長(柘植芳文君)
時間です。
○山本太郎君
時間なのは分かっていますよ。聞いていないことを答えたことに対してしっかりと、じゃ、指導させてくださいよ。
○委員長(柘植芳文君)
時間が過ぎておりますので。
○山本太郎君
分かっています。このような被害者をより増産すること、しかも、被害者を救済する気もない大臣のお言葉からよく分かった。
本法案は害悪以外の何物でもないと申し上げ、次回の質疑では、本法案のでたらめっぷりと、それに代わる真の地方創生のための大胆な修正案を提案させていただきます。
終わります。
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