国会活動
○山本太郎君
自由党共同代表、山本太郎です。
会派、国民民主党・新緑風会を代表し、総理に全てお聞きをする前に、本日の委員会で野党側が要求していました参考人、玉城デニー沖縄県知事について、理事会で自民党が反対をいたしました。デニー知事を参考人としてお呼びできませんでした。
先日、我が会派、森ゆうこ議員の新基地建設に対する質疑に、防衛大臣は、沖縄に聞いてくれとの趣旨の答弁をしました。その後、理事会でデニー知事を参考人として要求、結局、自民党は反対。
委員長、玉城デニー知事の参考人出席、自民党が理事会で反対をした理由、教えてください、委員長。
○委員長(金子原二郎君)
山本君、参考人の出席につきましては、あなたもかつて理事会に出席しておられたので、協議が調わない場合は一応出席できないということになっているわけであって、その賛否については、ある場合とない場合がありますから、合意するかどうかに懸かっているわけですから、合意に至らなかったので結果的には駄目だったということです。
○山本太郎君
ありがとうございます。
ただいまお答えをいただいたのはあくまでもルール、全会一致が原則ルールだということを主に説明していただいたと思います。
理由がないのに反対だなんてあり得ますか。合理的説明もできない反対なんてあり得ないじゃないですか。どうしてデニーさん呼べないのかって話なんですね。その際、野党は再度検討を求めましたが、委員長はそのまま仕切って参考人の話は打切り、公平公正な委員会運営とは程遠いと思います。
NHKのテレビ入りで沖縄の実情をデニー知事に話されると、官邸の、政権側の印象、立場が悪くなる、本当の反対理由、これじゃないですか、自民党。参議院自民党、官邸の下請、そういう仕事じゃないですか、今やっているのは。私はそう思いますよ。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)
速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君)
速記を起こしてください。
ただいまの、不穏当な言葉があるとのこと、御指摘がありましたので、委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
○山本太郎君
いやいや、だって、玉城デニー知事を呼ばない理由がはっきりしないんですよ。合理的説明できていないじゃないですか。反対理由、何ですか。政権に対して、これ打撃を与えたくない、デニーさんに本当のことをしゃべられたら困るという話以外見付からないじゃないですか。だから、官邸の下請じゃないですかということを言っているんですよ。
ここは立法府であり、行政を監視することも仕事です。行政監視の一環として、大きな問題を抱え、苦しみ続ける沖縄の皆さんに対して、基地問題当事者の代表、デニー知事にお話を伺い、少しでも解決に導こうとすることも立法府の仕事じゃないんですか。立法府にいながら、国民の代表でありながら、政権にそんたくすることが議員としての最優先課題ならば、それは自分のキャリアアップや就職活動のための仕事でしかないじゃないですか。そんなことのために、沖縄の声を直接聞き、解決の糸口を探る機会を奪わないでいただきたい。
再度、玉城デニー知事の参考人出席を求めます。
○委員長(金子原二郎君)
後刻理事会で協議をさせていただきます。
○山本太郎君
では、始めます。時間ももう少なくなってきましたけれども、お昼休みまでですね。
今国会までで、総理、私の事務所で調べただけで10回ですね、10回、沖縄に寄り添うという言葉を発言されています。総理、これまで10回も御発言されたとおり、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であると、それを確認させていただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
沖縄に米軍基地が集中をしているという現在のこの現状を我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の米軍基地の縮小のために、この6年間、我々も全力を尽くしてきたところでございます。今後とも、その姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います。
○山本太郎君
ありがとうございます。
寄り添う、この寄り添うという言葉を調べてみると、ぴったりとそばへ寄るとあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるようにするようなこと、いかに相手の気持ちを酌み取れるか、それに自分の心を寄せていくさまが寄り添うということのようです。
沖縄県民投票の結果、辺野古に基地は要らないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋立ての土砂を積んだトラックなど約300台が資材搬入、ゲートを通過。琉球新報では、名護市安和にある桟橋で、工事車両583台が運搬船三隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民投票では72%が反対。超圧倒的、明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。これ、本当にどうやって寄り添っていくのかということをですね、この後総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。
先日、防衛省の方が、軟弱地盤に係る地質データを含む約1万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これ、やっと出したかという話なんです。何か聞くところによると、防衛大臣が随分出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。
予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで1万ページもの資料提供、出さないよりかはいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会。防衛省が提出を粘り続けたのは、本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう3月、3月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに、1万ページ、これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。
こういうこと今までもありましたよね。森友学園の関係資料、ぎりぎりになって出してきた、大量に。ほかにもありましたよ。去年の入管法、そのときに、実習生の個人情報、マスクをして、黒塗りをして、いつもみたいに黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は、ふだん仕事をしなきゃいけない時間を削りながら、1枚1枚写経をするようなことをずっと続けていたわけですよ。余りにもあり得ないといいますか、これ国会の審議をまともにやろうという考えから懸け離れている。もっと正々堂々とやりましょうよという話なんですね。
この軟弱地盤に係る地質データを含むこの報告書、1万ページを超えるようなものを今全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれています。
これ、委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これ、ひょっとして、変更、設置変更の内容というものを軟弱地盤という部分を隠しながら出していたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後、沖縄問題として集中の審議をしていただくことを御検討ください。
○委員長(金子原二郎君)
後刻理事会で協議をさせていただきます。
山本太郎君。いいですか。
○山本太郎君
終わりですか。はい、分かりました。
○委員長(金子原二郎君)
残余の質疑は午後に譲ることといたします。
午後1時に再開することとし、休憩いたします。
午前11時54分休憩
─────・─────
午後1時開会
○委員長(金子原二郎君)
ただいまから予算委員会を再開いたします。
平成31年度総予算3案を一括して議題とし、安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。
休憩前に引き続き質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君
ありがとうございます。山本太郎です。午前の続きをやります。
資料の②、今年2月、朝日の記事。
ジョージ・ブッシュ政権でパウエル国務長官の首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン元陸軍大佐インタビュー。
米海兵隊本部は、90年代前半、国内外全ての海兵隊基地や構成をどうするか見直し、検証作業を行い、この方もそれに関わりました。そして、沖縄海兵隊も検証の対象になった。部隊の実弾射撃訓練や飛行訓練、爆弾投下訓練をする地域として沖縄の適合性を調べ、運用は極めて難しいと判断。朝鮮半島有事の作戦計画などを始め、対中国、対東南アジアへの展開も含めて沖縄の海兵隊の戦略的な役割も調査。沖縄の海兵隊は戦力規模が小さ過ぎ、太平洋地域に前方展開させる戦略的価値はないとの結論。
ただし、コスト面から調べた結果、海兵隊を当時の移転候補だった米カリフォルニアに移転させるよりも、日本側の費用負担があるので沖縄に駐留を継続させる方がコストは50から60%安くなることが分かった。この検証作業では、沖縄海兵隊移転による海兵隊への政治的な影響についても分析。海兵隊を米本土に移転すれば、米政府がそれを理由に海兵隊全体の規模を縮小させる可能性が高いという予測が出ました。結果、海兵隊本部は海兵隊の沖縄駐留を続けることを決めたと。
海兵隊が現在も沖縄駐留を継続している元々の判断をたどれば、何ら日米の安全保障とは関係ない。沖縄駐留を継続した方が必要経費を節約でき、何より海兵隊という組織の政治的な立ち位置を守ることができるという分析結果だったと語っていらっしゃいます。
さらに、辺野古の基地は中国など外部からの攻撃に脆弱過ぎるという問題があり、2、3発の精密誘導弾の攻撃を受ければ滑走路は跡形もなく消え去る。戦略的な観点でいえば、辺野古の基地建設は愚かな計画だとおっしゃっています。
総理に提案させていただきたいんですけれども、沖縄の海兵隊をカリフォルニアなどに移転していただき、日本が支払うはずの沖縄の海兵隊関係経費、これは移転後も継続して日本が支払う。財政がというならば、例えば米国債を毎度必要分だけ売却してその費用に充てればいいのではないでしょうか。沖縄の海兵隊、米本土への移転が実現するなら、辺野古基地建設は中止、普天間飛行場も返還できます。
総理、これこそが沖縄に寄り添うということではないかと思うんですけど、いかがでしょう。
○国務大臣(岩屋毅君)
私どもとして、米国の退役軍人さんの私人としてのお立場での発言一つ一つについてコメントすることは控えたいというふうに思います。
その上であえて申し上げますと、報道されているのは1990年代前半のお話ではないかというふうに受け止めております。冷戦の終結直後の時代と現在とでは安全保障環境は大きく異なっておりまして、米国の戦略も変わっております。実際、米国は、その後の安全保障環境の変化を踏まえて、オバマ政権の下で安全保障政策の重点をアジア太平洋地域にシフトさせるリバランスを示しておりまして、現在のトランプ政権もまた、米軍のインド太平洋地域への前方展開によるプレゼンスを維持するという方針を明確にしているところでございます。
沖縄は、米国本土やハワイ、グアム等と比較して東アジアの各地域に近い位置にあると、我が国の南西地域、約1200キロありますが、そのほぼ中央に位置している、我が国のシーレーンにも近いと、こういう安全保障上極めて重要な位置にあるわけでございまして、普天間の代替施設を造って海兵隊の抑止力を維持するという考え方は米国政府とも累次にわたって確認をし続けてきているところございますので、御提案については余り賛同できかねます。
○山本太郎君
ありがとうございます。
まあ90年代前半の話なんだと、このウィルカーソンさんがおっしゃっているのは、今は状況が変わっているという話なんですけど。じゃ、辺野古はどうなんですかと。いつ合意されましたって、それも随分前の話ですよねって。じゃ、このまま見直すことなくそのまま進んでいいんですかって。90年代前半の話は否定するけれども、この辺野古についてもその合意がされたのは随分前ですよ。見直しが必要なのは辺野古の方だと私は思います。
今年3月1日、総理との会談で玉城デニー知事が提案した米国務省、国防省、米軍関係者と日本の外務省、防衛省で構成されるSACO、これに沖縄県を加えたSACOウイズ沖縄、いわゆるSACWO構想、総理、実現のために動いてくださいませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
SACO最終報告以降、計画に従い、既に沖縄の米軍基地の約二割が返還されていますが、日米で合意した計画が全て実現すれば、沖縄の米軍基地は本土復帰直前の状態と比べて半分になります。
さらに、安倍政権では、嘉手納以南の米軍基地について、面積にしてその7割の返還について具体的なスケジュールを日米で合意をしました、これは7年越しの課題であったわけでありますが。このうち、既に西普天間住宅地区等の返還を実現しております。
このように、政府としては、我が国を代表して米国政府と交渉しつつ、地元の皆様とは、普天間飛行場負担軽減推進会議や政府・沖縄県協議会等の協議の枠組みを活用して負担軽減の取組を進めてきたところでありまして、今後とも、このような枠組みによって沖縄の基地負担の軽減に一つ一つ結果を出していく考えでありまして、今までと同様、政府は我が国を代表して交渉していく考えであります。
○山本太郎君
今年3月、アエラの記事ですけれども、アメリカの元海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッジ氏のコメント。辺野古新基地建設について、昨年12月、防衛大臣が、日米同盟のためではない、日本国民のためですと発言したことについて、日米同盟のためではないというのはそもそもSACOの前提を無視した発言ですが100歩譲って日本国民のためというのであれば、なぜ使えない施設を造るのかと正直聞きたいと、莫大な予算を投じて使えない施設を造るのは国益上おかしな話です、なぜこんなに粘り強く辺野古にこだわるのか、同盟管理の失敗としか言いようがありませんと言及されています。これ、ここまで言われているんですよね。
これまで沖縄県民が民意を示し続けてきたのに、日本政府と米側、当事者の沖縄が参加する協議の場もつくらないというのもちょっとおかしいかなと思うんですけど、どうしてそこまでかたくななんですか。
これはあくまでも疑問なんですけれども、そこまで、元々海兵隊にいらっしゃった方々、この経緯を知っていらっしゃる方でも、どうしてそんな使えないものを造るのというような考え方なんですけど、それでもかたくなに推し進めるというのは、何かしらの利権とかに関わることなんですか、総理。
○国務大臣(岩屋毅君)
いやいや、私の発言に言及されましたので、そこは……(発言する者あり)いやいや、そこはしっかり答えさせていただきたいと思います。
私、記者会見のときだったと思いますが、その……(発言する者あり)いやいや、辺野古移設というのは半ばアメリカのためなのかという趣旨の御質問があったので、そういうことではないと、日本を守るために必要な事業としてやらせていただいているという文脈で申し上げたところでございまして、今後のことにつきましては、今総理からお話がありましたとおり、やはり政府が米国政府としっかりと交渉させていただくと同時に、沖縄とは、普天間飛行場負担軽減推進会議や政府・沖縄県協議会等の協議の枠組みを使って、丁寧にこれからも説明をさせていただきたいと思っております。
○山本太郎君
既に会議体があるんだというのは分かりました。でも、そうじゃないんですよ。SACOの枠組みに沖縄を加えての話合いの場を是非つくっていただきたいと沖縄の方から直接言われたと思います。
次は、総理。そういうSACWO的な構想、これを進めるためにも話合いの場をつくっていただくということはできないんですか、やっていただけないんですか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
先般、玉城知事からお話をいただきましたが、その場でお話をさせていただいたんですが、先ほども申し上げましたように、このSACOについては、最終報告以降、計画に従って沖縄の米軍基地の約2割が返還をされておりますが、安倍政権におきましても、先ほど申し上げましたように、嘉手納以南の米軍基地について、面積にしてその七割の返還について具体的なスケジュールを日米で合意をしました。このうち、既に西普天間住宅地区等の返還を実現をしているわけでございます。
言わば、こういう形でSACOの場において日本政府としてもできる限り負担軽減に全力を尽くしてきたところでございまして、今後とも、日本国政府として日本を代表して米軍と交渉し、基地負担の軽減に更なる努力を重ねていきたいと、このように考えております。
○山本太郎君
同じ答弁書、2回読んでいません?
基地問題では事実上全く寄り添わない。理解できました。政権交代実現して、基地建設の中止、普天間返還、カリフォルニアなどへの移転を進めるしかないという結論しかありません。
では、基地以外だったら沖縄に寄り添っていただけるのかということを聞いてまいりたいと思います。
米軍基地が沖縄にあるから沖縄はおいしい思いをしている。現実を知らずにおっしゃる方も世の中にはいらっしゃいます。沖縄県の出している「沖縄から伝えたい。米軍基地の話。」という冊子。基地関連収入が県民総所得に占める割合は、復帰前の昭和40年度には30.4%、復帰直後の昭和47年度には15.5%、平成26年度には5.7%まで大幅に低下しているとあります。現在、基地関連収入が県経済へ与える影響は限定的だということが分かります。
2016年1月発表、沖縄県による子供の貧困調査。子供の貧困率は29.9%、つまり約3人に1人が貧困。これは厚労省調べ、子供の貧困率13・9%と比較しても、沖縄の子供の貧困、2倍以上多いんです。
このときの沖縄県調査によると、経済的理由で過去1年間、必要な食料を買えないことがあった県内の子育て世帯は、一人親世帯で43%、両親がいる世帯でも25%だったと。基地があるから余分に金をもらって、沖縄は豊かなんだという主張自体が大間違いであることがはっきり分かります。
逆に、沖縄県は、米軍基地が整理縮小され、返還後の跡地利用が進めば県経済に好影響を与えると考えている。既に返還された駐留軍用地の跡地利用に伴う経済効果を試算すると、那覇新都心地区、小禄金城地区、桑江北前地区の3地区合計では、返還後の跡地利用により、返還前と比べて直接経済効果が約28倍、雇用者数が約72倍になったと。もはや基地は沖縄の経済成長の足かせでしかなく、基地返還が沖縄の成長を加速させることははっきりしています。
現在、沖縄は、御存じのとおり観光も絶好調、2012年3997億円だった観光収入は、2017年には6979億円に。翁長知事時代、2015年から17年まで毎年、前年比ほぼ10%前後で上回る伸び。2017年、沖縄の観光客数は同じ年のハワイの観光客数を抜きました。外国人客数、前年度よりも26.4%増えた。
先ほど御紹介した沖縄県による貧困調査、18年に実施した最新のものでは、前回調査に比べて子供の貧困、4.99ポイント下がり25%と前回調査より改善。翁長知事時代の、県が子供の貧困対策を含め多くの振興施策を推進してきた効果が表れたもの。確実に着実に経済成長を続けている沖縄ですが、改善された子供の貧困も4人に1人という状態であり、国の大きな支援、応援、必要です。
安倍総理が基地問題で寄り添うことが難しいのであれば、別の面で積極的に寄り添ってくださいという提案をさせてください。
玉城デニー沖縄県知事の前職、衆議院議員でした。昨年5月17日、衆議院内閣委員会でデニーさんは、「沖縄を一国二制度にして関税をゼロにし、消費税をゼロにする、そのぐらい大胆な、これからの沖縄の将来を見越した、そういう提案もぜひ行っていただきたい」と安倍総理に直接要望しました。しかし、このとき、残り時間僅かの中での要望だったので、総理からのお答えはございませんでした。この沖縄を消費税ゼロ特区に私は同意します。
景気回復、この道しかないというキャッチフレーズで選挙を戦ったアベノミクス。アベノミクスの目標、何でしたっけ。物価上昇率2%でしたよね。イザナギ超え、聞こえてくることありますけど、好景気実感できていない人が多数派です。現在、物価上昇率、インフレ率、何%でしょうか。6年たっても全然目標は達成できていません。
資料の⑥。参議院調査情報担当室の協力で、山本太郎事務所のリクエスト、消費税8%から0%にした場合のシミュレーションをしていただきました。
左側のグラフ。消費者物価指数上昇率を見ると、このシミュレーションでは、消費税を0%にした場合でも、つまりは年間22兆円規模の大減税策を行ったとしても、最大で1.67%までしか物価は上昇しない結果です。総理と日銀の掲げるインフレ率2%にも達しない。消費者物価は極めて上昇しにくいもの、それがよく分かるシミュレーションだと思います。現在の安倍政権による財政支出程度では、いつまでたっても2%目標を達成できないとも言えます。
グラフ右側、年間の一人当たり賃金。消費税をゼロにすれば、強制的に引き上げられてきた物価が下がり、消費に対する足かせ、罰金がなくなり、実質賃金が上がり、生活は楽になります。消費税ゼロにすると、2019年から24年の5年間、一人当たりの賃金は約44万円上昇する結果に。
まさにこれこそデフレからの脱却、この道しかないという施策の一つだと思います。総理は、消費税増税、ひょっとしたら選挙前には凍結を判断するかもしれないと予測されるので、総理が全国的に消費税を0%にするというのはなかなかハードルが高いのかなと思います。
2015年の沖縄県の県民総生産は約4.47兆円、名目GDPが約550兆円ある日本全体の0.8%程度です。沖縄だけに消費税を免税するにしても、その財政規模は、消費税ゼロという22兆円規模の減税の1%以下、二千億円程度もあれば済むと類推されます。これ、十分実現可能ではないでしょうか。
これまでも多大な負担を背負わされてきた沖縄に対して、更なる経済成長をしていただくためにも寄り添っていただきたい。デニーさんの提言を参考に、沖縄で消費税ゼロ特区、実施していただけませんか。総理、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
大変思い切った御提案だとは思いますが、これは税制の制度的に沖縄だけゼロにするということは、これは制度的には大変難しいのではないかと、こう考えております。
一方、今、山本委員が御指摘になったように、この6年間において海外からの観光客が飛躍的に日本全体でも増えているところでございますが、沖縄でも順調に増えハワイを上回るというのは、今まで考えられなかったことが起こったわけでございまして、それに伴いまして、沖縄県における有効求人倍率は0.5%前後であったものが、今史上初めて沖縄においては1%を超えたわけでございます。
今後とも、来年更なる4000万人目標がございますが、こうした観光を更なる沖縄の発展につなげていきたいと、そういう支援はしっかりと行っていきたいと、沖縄の発着回数もこれは相当増えていくわけでございますので、しっかりとそうした支援は行っていきたいと、こう考えております。
○山本太郎君
基地以外も寄り添わないんだなという部分ですね。それぐらい大胆なことをしていかないと底上げってできないわけですよ。当然だと思いますよ。だって圧倒的じゃないですか、子供の貧困を見ても。今経済的にどんどん良くなってきているといっても、今までのしわ寄せ、それで苦しまれている方々が多い。そこに対して大胆な施策をやっていただきたい。寄り添ってくださいよ。
総理御自身のお友達には必要以上にべったり寄り添っていらっしゃるじゃないですか。けれども、沖縄には結局、沖縄にはどんな形でさえあれ寄り添わないんだなって。腹心の友こそ加計孝太郎さんの夢、獣医学部の新設には官邸で柳瀬総理秘書官がべったり個別指導、寄り添い実現させた。
その獣医学部は、そもそも国家戦略特区の創設により実現。その特区構想をアベノミクス特区としてぶち上げたのが、総理のブレーンとして長年お世話になる、金のにおいを巧みに嗅ぎ分けるミスターセイショウナゴン竹中平蔵さん。竹中さんもメンバー、特区諮問会議では、外国人による家事代行を解禁、参入業者の一つに竹中さんが会長をするパソナの子会社を選定。その寄り添い方、利益相反何のその。
また、兵庫県養父市の農業特区では、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスの子会社を選定。総理の竹中氏への寄り添いっぷりはこれだけにとどまらず、昨年改正された水道法、PFI法によって実施が可能になった水道事業のPFI、コンセッション。この政策も竹中さんが産業競争力会議で2013年から推進したもの。イギリスではもうPFIの新規事業をやらないと言われるほど、PFI、時代遅れのオワコンですよ。それにもかかわらず、公共で民間をもうけさせる仕組みに邁進。
総理は、経団連を中心にする財界にもべったりと寄り添う。働き方改革のホワイトカラーエグゼンプション、いわゆる高プロ、外国人労働者の更なる受入れ、これは全て財界からの提言に基づくもので、より安い労働力をつくり出すための労働環境破壊行為。
そして、今度は、森友問題でやらかした奥様、安倍昭恵さんの尻拭いを人の命まで奪ってまでさせられた財務省にべったり寄り添い、御恩返しの消費税増税。
残念ながら、総理の沖縄に対しての寄り添うというお言葉のチョイス、完全に間違っています。次回からは、沖縄に寄り添うではなく、沖縄に押し付ける、沖縄を痛め付ける、沖縄のことは俺が決めると正しい日本語を使っていただきたい。
次に参ります。日本とロシアの交渉について。資料の⑨。
昨年の11月14日、北方領土交渉をめぐり、ロシア側が北方領土を日本に引き渡した場合にアメリカ軍の基地を置かないことをプーチン大統領が日米の首脳の間で公式に合意するよう求めていることが分かりました。テレビ朝日が報道しました。
ロシアが北方領土を引き渡した場合、米軍基地を置かない、これを日米首脳で公式合意するようプーチンさんから求められた件、総理、トランプさんにお話ししたんですか。了解されました。
○国務大臣(河野太郎君)
日ロの平和条約は今、現に交渉が行われておりますので、政府の方針あるいは交渉の中身について公にするのはこれまでも差し控えてきているところでございます。
○山本太郎君
自分の言葉でお話しいただきたかったですよ、総理。だって、ドナルドとシンゾウの仲なんでしょう。
ロシア側にしてみれば、これ、事実上、主権を行使できない国家代表と名のる者と会談25回も付き合わされている状態ですよ。そう思いません。だって、米軍が基地造るのか造らないのかということに関して自分たちで判断できないんだから。権限のない店長と25回も話をさせるな、さっさとオーナー呼べといった気持ちは、ロシア側ではないでしょうか。領土交渉で他国の大統領の同意がなければ何も決められないという異常な現実、世界中に広く知れ渡った。ロシア側は、日本政府はアメリカ政府に対して一切の交渉能力はないと判断したと思います。
資料の⑪。今年3月15日付け、ロシア、コメルサント紙記事。
モスクワでロシア産業界との会合でプーチン大統領の発言。日本との交渉は本当に行き詰まったのかと聞かれ、交渉は失速したと答え、さらに、日本はまず、通知手続によって同国内に軍事基地を創設する権利を持っている米国との条約から離脱しなくてはならないと指摘した上で、ちょっと飛ばします、安倍晋三は実際にウラジーミル・プーチンに対して、島が返還された場合はそうした基地は一つも造らせないと請け合ったが、認可しないための現実的な手段はないのだとプーチンさんが語ったことを報道されています。
これ、総理、プーチンさんに、北方領土返ってきても米軍基地置かせないという約束されたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
交渉がうまくいくかはですね、静かに交渉できるかに懸かっているわけでありまして、交渉内容に関わることや我が国の交渉方針、考え方については、交渉に悪影響を与えないためにもこのような場でお答えすることは差し控えたいと思います。
いずれにせよ、プーチン大統領とは、シンガポールでの首脳会談において、領土問題を次の世代に先送りすることなく自らの手で必ずや終止符を打つとの強い意思を共有しているところでありまして、政府としては、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下に、引き続き粘り強く交渉していく考えであります。
○山本太郎君
いやいやいや、交渉に影響があるから私たちはその詳しいことは言えないという話なんですけど、全部外国の首脳とかそういうところから漏れているんですよ。というよりも、皆さん、お話しになっているんです。その話は、逆に言ったら、その交渉が前に進まない理由だということですよね。どうしてそれ言わないんですか。うまくいっていないから言えないという話なんじゃないですか。
ロシア側は、日本国内であっても米軍は自由に振る舞える事実、御存じなようです。島を返せば米軍が基地を造ったり演習をしたりするだろう、条約上、日本はノーとは言えない、完全にばれています。その意味、簡単に説明します。
資料の⑫、パネル④。
戦争に日本が負け、米軍が日本を占領、それから6年たった1951年、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約、いわゆる旧安保が結ばれ、それに伴う駐留米軍の法的地位が書かれた行政協定が翌52年に結ばれた。占領から主権回復に向けてそれらの条約、協定を結ぶはずが、在日米軍に関して、その使用施設、その区域、裁判権、経費の分担など全て米軍の思いのままになるような形で米軍の実質的占領状態はその後も続いた。この米軍の占領状態に終止符を打つべく、総理のおじい様、岸信介さんは、1960年、新安保条約とそれに伴う駐留米軍の法的権利を定めた地位協定を新たに結ばれた。
総理、現在、米軍が他国に攻撃をするために日本国内の基地から自由に出撃することは、日本政府の許可がなくてもできるんですかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
これは事前協議が必要であります。まず、事前協議において日本側が了承しなければならないということになっております。
○山本太郎君
常識では、自国内の基地から外国の自由出撃認めることあり得ません。
例えば、米軍を中心とする有志連合に完膚なきまでにぶっ壊されたイラク。イラク戦争後も米軍はイラク国内に駐留。当然、米国とイラクの間にも地位協定結ばれますが、イラクは国外への攻撃禁止を明記するよう強く要求。米側も地位協定締結のためにこれに譲歩せざるを得なくなり、結果、イラク国内の基地などから他国への自由出撃は許されていない。自分たちの国の基地から外国軍の自由出撃、事実上認めることって普通じゃないってことが分かると思います。
今、事前協議が必要になるんだということだと思います。それは、おじい様がちゃんと事前協議をして日本側の意見もちゃんとすり合わせてということを作っていただいたことだろうと思うんですけれども、残念ながら米軍が他国への出撃を日本から行う場合でも、米軍が新たな基地を造りたいと望んだ場合でも、現在日本側がノーと言うことは難しい。それがおじい様の作られた日米安保と地位協定であると。
占領の延長のような旧安保条約、日米行政協定を対等な日米関係に変えるんだと、岸・ハーター交換公文によって事前協議制度を創設。これにより、在日米軍が装備、配置などの重要な変更を行う場合、また日本国内の基地から国境を越えて他国へ出撃するような場合は、アメリカが日本と事前に協議することになった。対等な日米関係になったよねって話です。
しかし、実際は、裏で、アメリカ側が協議したくないときは協議しなくていいとひそかに合意していた。資料の⑬。
安保改定交渉に先立ち、その前年、1957年6月21日に出された岸首相とアイゼンハワー大統領の共同声明には、合衆国によるその軍隊の日本における配備及び使用について実行可能なときは、実行可能なときはいつでも協議することを含めて、安全保障条約に関して生じる問題を検討するために政府間の委員会を設置すると書かれています。事前協議をするのはアメリカ側が実行可能なときだけでいいと合意しているんですよね。
アメリカ国務省公式の歴史記録、フォーリン・リレーションズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ、略してFRUS。この頭文字FRUSと打ってアクセス、その先まで検索できれば誰でもネットから今から御覧に入れる元資料にたどり着けます。対等な日米関係の象徴であったはずの事前協議制度。実は、米国が協議したくないときはしなくていい。その裏側です、資料の⑭になりますね。
FRUSから1957年6月21日の記録。岸首相とダレス国務長官の交渉記録にも、その共同声明を出す直前、事前協議の定義をめぐってこんなやり取りがあったことが書かれている。ダレス国務長官、問題は、この共同声明の文言では、アメリカが軍を日本国内から朝鮮や台湾、グアムなどへ派兵する決定をしたとき、日本との協議が必要になるのかということなんです。岸首相、その点に関しては、実行可能な場合はいつでも協議するという言葉が入っているので問題にはなりません、というのも、そうしたケースではアメリカは協議が可能と考えないでしょうから。
つまり、他国に例を見ない自国の基地からの外国軍の自由出撃でさえ、アメリカが協議したくないときは協議なしで実行していいという話なんです。
これを裏付ける話として、資料の⑮、パネルの⑥になります。
外務省公開文書、日米相互協力及び安全保障条約交渉経緯、1960年6月。東郷文彦外務省北米局安全保障課長は、行政協定については1958年12月16日の外務大臣とマッカーサー大使との会談の際も詳細討議されたが、アメリカ側は元々行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件であり、もし行政協定の内容に立ち入って交渉するとなれば、交渉の前提が崩れる上に、一度手を触れれば二年、三年の交渉となり、条約交渉も見送るのほかなしと強調して、前途極めて困難なるを思わしめたと。アメリカ側は、元々、行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件だという話。
資料の⑯、パネルの⑦になります。
先ほどのFRUSから。1959年4月29日、ダレス国務長官への報告で、マッカーサー駐日大使が岸首相と藤山外務大臣について報告。資料左側。彼ら、岸と藤山のことです、彼らの考える改定の多くは行政協定の見せかけ、アピアランスを改善するだけのものです。資料右側。私は行政協定の実質的変更を避けるように岸と藤山に切れ目なく圧力を掛けてきたし、岸と藤山はその見解を理解しています。岸総理が表向きには対等な関係築くために安保条約結ぶと言っていたものの、実ははなっから、その表向きの条文は変えても、その内容、以前と変わらないということになってしまったって話です。
そして、現実に、ここでの合意は、新安保条約が調印される約2週間前、1960年1月6日、資料の⑰、パネルの⑧ですかね、岸内閣の藤山外務大臣とマッカーサー駐日大使との間で、米軍の基地の使用に関しては旧安保時代の権利がそのまま引き継がれるという基地権密約になってサインされたと。
読みますね。日本国における合衆国軍隊の使用のため、日本国政府によって許与された施設及び区域内での合衆国の権利は、ここから大事です、1960年1月19日にワシントンで調印された協定第3条1項の改定された文言の下で、1952年2月28日に東京で調印された協定の下でと変わることなく続く。つまり、新しい地位協定、文言変わるけど、前の行政協定のまんまだからねって話なんですね。行政協定イコール地位協定だよってことです。
アメリカでは絶対にできない、絶対にできない市街地上空での米軍機の訓練飛行、小学校、幼稚園に窓枠などの危険物を落下させても、何もなかったようにすぐ訓練飛行を再開させる米軍、それに抗議できない日本、止められない日本、なぜですか。米軍機が学校、保育園の上を飛ぶたびに、運動場で遊んでいた子供たち、校舎に避難しなければならないような生活、普通ですか。アメリカ国内ではやれない訓練、なぜ米軍は日本でできるんですか。
総理、辺野古の建設に幾ら沖縄県民が反対しても、日本政府がその声を受け止められない本当の理由、又は総理が北方領土交渉において25回会談しても何一つ交渉を進展させられない本当の理由、それ、おじい様がひそかに結んだ先ほどの基地権密約、米軍の日本国内での行動に日本側が歯止め掛けられない密約にあるんですよ。
おじい様の結んだこの密約、根本から見直して破棄する、米軍の行動を日本がきちんとコントロールできるようにする、日本国首相として沖縄県民の民意に応えて、また軍事主権を持つ独立国の首相として堂々と北方領土交渉、返還交渉に臨む。やっていただけませんか、総理。
○国務大臣(河野太郎君)
日米行政協定と今度の地位協定においては、表現は変更されておりますが、施設・区域における米軍のいわゆる管理権の実質的内容が変わったわけではございません。
こうした経緯、考え方につきましては、昭和35年の日米地位協定締結に当たっての国会審議の場で繰り返し申し上げていることでございまして、これは当時国会で議論をされておりますから、密約でも何でもございません。
○山本太郎君
じゃ、何で密約文書が出てくるんですか。
総理、今言ったことをやっていただけませんか。基地権密約、これ破棄して、もう1回、日本、出直した方がいいでしょう。戦後レジームからの脱却なんじゃないですか。やってくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
政府として、米国において公開されたとされる文書の中身について一つ一つコメントすることは適当ではないと考えています。米国も一般に公開された文書につきコメントを行わないものと承知をしています。
この文書から離れて、施設・区域における米軍の管理権について申し上げれば、この管理権の実質的内容が、1952年に締結された日米行政協定と1960年に締結された日米地位協定の間で異なるものではないことは、日米地位協定の締結に当たって、国会審議の場を含め、政府から既にこれは説明をしていることであります。
なお、いわゆる密約問題について、2009年から外務省において4000を超えるファイルを対象に徹底した調査を行い、その結果及び多数の関連文書を2010年に公表したところ、これは民主党政権時代でありますが、2010年に公表したところでありますが、この文書は、その結果及びこれらの関連文書の中には含まれておりませんでした。
○委員長(金子原二郎君)
山本君、時間ありません。
○山本太郎君
総理自身がこの植民地状態から脱するという決意しないと、何も終わらないんですよ。おじいさんの作った売国条約をあなたの手で変えてくださいよ。それがあなたがやるべき仕事じゃないんですか。
○委員長(金子原二郎君)
山本君、時間が来ております。
○山本太郎君
沖縄に基地は造らせない。
以上で終わります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君)
ただいま不適切な言葉があるとの指摘がありましたので、委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適切な処置をとることといたします。
以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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